深夜テンションと泥酔により気づいたらこれが書かれていましたw
いつも以上に頭を空っぽにして読む。もしくは最悪読まなくてもおkです。簡単なまとめを次話の前書きにでも書いておきます。
「ご主人様~助けて下さ~い」
「ん?どうしたんですか屈辱さん」
屈辱さんが下僕となってから数日。連日伊奈野の教えた知識を基に何の意味があるのかよく分からない薬品を大量に生産していたが、今日は珍しく質問ではなく泣きついてきた。
いったい何が起きたのかと首をかしげる伊奈野だが、
「どうしても薬品がちょっとしか溶解してくれないんだよね~」
「薬品が溶けにくい、ですか?」
伊奈野の頭の中では瞬時にいくつかの可能性が導き出される。
それはもうそういった系統の問題を難問も、何十問も、何百問も、いや、何千問も解いてきたから思いつくものはある。
「まず極性分子と無極性分子の可能性を考えて、薬品を溶解させる溶媒をですね……………」
それはもう熱く語りまくるのだ。
聞く方も聞く方で大概なのでそれを熱心な様子で聞き、色々と試してみて、
「あぁ~。これは、あれですね。無理なやつですね」
「そうだねぇ~。温度による濃度の変化がほとんどないし、極性の問題でもないわけか………」
多少変化はあったものの、薬品の溶ける量はほとんど同じままだった。ファンタジーな薬品は伊奈野の知識でもカバーしきれないほどに複雑なものだったようで、扱いが難しいのである。
しかも、それのことを考えようにも伊奈野の休憩時間はそろそろ終わってしまう。
「ちょっと保留で……………ん?ちょっと待ってください」
「っ!何か思いついたんですか!?」
「思いついたというか、これは知識と言うわけではなくほぼ邪道みたいな方法だと思うんですけど………」
伊奈野の頭に、1つのスキルの名前が思い浮かぶ。
それは今までお世話になることのあった『連射』や『設置』などのスキルと同じく、もらい物のスキルスクロールから得たスキル。
伊奈野は問題の薬品へと手をかざし、
「『濃度変化』」
濃度変化。
効果は名前の通りで、薬の調合なんかをするときに便利なスキル。そういう認識で伊奈野はいるし、まず店主さんからそうとしか説明をされていない。
後はそれこそ、その道の人間には欲しがるものも多いということを聞いたくらいだろうか。
「え?ご主人様、濃度変化使えるの!?」
「はい。使えますよ?」
「へぇ~。凄いねぇ………というか僕、それのことすっかり忘れてたよ!そういえばそんなのあったね」
「あまり使わないんですか?」
「うん。僕は錬金術でたくさん魔力を消費するから、他のところで魔力を消費したくないんだよねぇ」
「なるほど?」
錬金術と言う単語に首をかしげる伊奈野。
彼女には錬金術師というのが、このゲームにおいてどういった立ち位置なのか分からない。
ゲームによってはポーションを作ることも多いイメージだ。が、伊奈野の聞いているこのゲームの話では職業も多いらしいので、きっとそちらは薬師などが行なうのではないかと予想される。
となると錬金術師は、
「何をする仕事なんですか?」
「ん~。主に錬金術師は何かを金に変えるとかいうのが始まりで、そういう何かを他の物質に変換すれば錬金術師なんだよね。だから、これをすれば錬金術師です!ていう具体的な決まりはないかなぁ」
「へぇ。そうなんですね」
物質を他の物質に変換する。それはおそらく、化学変化などの話ではないのだろうと予想できる。
錬金術だというのだから、
(それこそ鉄を金に変えるとかできるんだろうなぁ~。さすがゲーム……でも、陽子数とかどうなるんだろう?ただ物質を他の物質に変換するだけだったら、物理法則がかなりおかしいことになると思うんだけど)
伊奈野はなんだか難しいことを考え始める。
まあ、そういう難しいことは伊奈野に任せてしまうとしてその結果何が起きたのかだけ説明すると、
「おぉ~。凄いですね!魔力が回復していきます!!!」
「これは考えたことがありませんでしたが、使えそうですね………」
「面白いアイディアですね。ぜひともこの装置の本を書いていただいて、ここに置かせていただきたいところです」
伊奈野達の前には、シュワシュワと音を立てながら溶液に溶けていく金属が。
そしてそれと共に、なぜかその周囲ではMPの回復が行なわれていた。
「構造は簡単なんですけどねぇ~」
「そうですね。『濃度変化』を『設置』しただけですし」
伊奈野が行なったのは、金属を溶かす酸性の溶液に『濃度変化』を『設置』し、そこに金属の薄い板を入れただけなのだ。
当然金属が溶けていくのだが、そこに『濃度変化』の効果が影響して溶液に含まれる金属の量が減少するのである。
そしてなぜかその結果として、周囲に魔力があふれてその近くにいた者達はMPが回復するのだ。実験の結果こういったことが分かったが、正直伊奈野としてはあまり関係がないことに思えた。
何せ、MPの話など受験には出てこないのだから。
今回はかなり無駄な時間を過ごしたという風に本人は考えている。
得られたものと言えば、
《称号『真理に触れし者』を確認しました》
いつも通り気づかれることのない称号と、
「最近稼いでるらしいじゃない」
「へへへ~。良いでしょ?ちょっと濃度変化と設置の両方を持ってる子を何人か見つけてね。ご主人が作ってたものをまねて作って、大商人様と一緒に売ったらそれはもうがっぽりとね」
「まあ、ポーション以外に魔力の回復手段が増えたわけだし儲かるわよね」
ちょっとした収入の増加である。
なんだよ
陽子中性子電子それぞれの魔力量の違いってぇぇぇ(削除した設定。他にも色々かかれてました