100万PV突破しておりました(;゜ロ゜);゜ロ゜);゜ロ゜)!!
そしてブックマーク5000件突破‼(•’Д’• ۶)۶
全力で感謝です！！
もう自分史上初の事だらけで何が何やら(੭;´ ꒫`)੭
「はぁ…」
今、目の前でシャーリンが盛大な溜息を吐きまくっている。
今日受けるべき授業を終えて帰ろうとした私を呼び止めたシャーリンはコソッと「後でお伺いしてもよろしいでしょうか？」と聞いてきたので頷いたら、シャーリンは学園が終わると速攻で我が家にやって来て現在に至る。
「何かあったの？」
「はぁ…実は殿下とデートをする事になりましたの…はぁ…」
相当嫌なのだろう。
「何時もはわたくしの事等気にも止めない殿下が突然わたくしを訪ねて来られて「デートしよう！」と仰って…以前にもデートと称して出掛けた事があったのですけれど、その時のデートが最悪過ぎて…」
シャーリンとヘルドリアスは学園に入学してから婚約が結ばれた。
15歳から18歳までの3年間を学園で過ごすのだが、シャーリン達の婚約は16歳で結ばれた。
王太子としてはかなり遅い婚約だった。
婚約が結ばれて1ヶ月経った頃にヘルドリアスがシャーリンをデートに誘い、2人で馬車で半日程かかる観光地として有名なナスマーニャという町に出掛けたそうなのだが、そこでヘルドリアスは若くて可愛い女の子を見掛けると当然のように声を掛け、逆に声を掛けられるとシャーリンそっちのけで女の子の相手をし、という散々なデートだったのだそうだ。
「愛だの恋だのといった感情を持ち合わせてはいないといっても目の前で他の女性に声を掛けまくるのを見せられるのは何とも腹立たしくて…またそんなデートが繰り返されるのかと思うと今から不治の病にでも罹りたい気分で…」
仮にも婚約を結んで1ヶ月の相手の前で他の女に声を掛けまくるのはいただけない。
怒って当然だと思う。
ミューゼ様がそんな事をしたら…駄目だ、全くそんな想像が出来ない。
ミューゼ様はそんな事をしないという絶対的な確信がある。ありすぎる！
声を掛けて来た女を氷漬けにしてそのまま息の根すら止めてしまいそうな視線を投げる姿は想像出来ても、チャラくなって見境なく女に声を掛けまくる姿なんて全く想像出来ない。
だからってシャーリンが病気になるなんて絶対駄目！
「断れない、よね？」
「…断りましたわ、一度。でも『僕達は婚約者なのに今までほとんど婚約者らしい事をして来なかったからね。これからはもっと交流を持とうね』と言われてしまい…はぁ…」
「それは…」
「わたくし、どうしたらいいのでしょうか？あの方とデートなんて…嫌すぎて今すぐ尼僧になってしまいたい位ですわ…はぁ…」
この世界、修道院があるのだが、それとは別に「今後は男断ちして生きていきます！」と誓約して入る尼僧院という所がある。
男により酷い目に遭い、二度と男とは関わりを持ちたくないと男性恐怖症に陥った女性の保護施設のような場所で、修道院に入っても連れ戻す事が可能だが、尼僧院に入ると家族でも連れ戻す事が出来ない。
本人が「私、もう大丈夫です！」となれば出る事は可能なのだが、手厚く保護される上に同じ境遇の仲間がいるからなのか、一度入ると8割は出てこないし出たがらないという驚異の施設である。
そんな所にシャーリンが入ったら簡単に会いにも行けない。
「尼僧は駄目！」
「言葉の綾よ」
「もしかしたら楽しいかもしれないわよ？初めてのデートから時間も経っているし、殿下ももしかしたら反省しているのかもしれないし」
「…そうね、そうかもしれないわね…でもまた同じだったら、その時は思いっ切り殿下の悪口を言ってやるわ！その時は聞いてくれる？」
「幾らでも聞くわ！」
＊
それから4日後、シャーリンとヘルドリアスのデートの日が訪れた。
私は一緒について行く訳にもいかないので心の中で上手くいく事を祈っていた。
「心配か？」
「えぇ、心配」
「前回のデートの事は俺も耳にしている。ヒューゴが激怒したらしい」
「ヒューゴ様が？」
「ヒューゴは昔からシャーリン嬢の事が好きだからな」
「え？！どういう事？ヒューゴ様って婚約者いらっしゃるわよね？」
「ヒューゴに婚約者？いないぞ」
「え？！何で？」
「決まりかけた婚約はあったようだが、ヒューゴが頑なに嫌がって流れたようだ」
新たなる驚愕な新事実に私は暫く呆然としてしまい、そんな私を見てミューゼ様が「ヒューゴに婚約者がいない事がそんなにショックか？」と斜め上のヤキモチを妬いてしまった。
ゲーム内ではヒューゴ様には伯爵家か何処かのご令嬢が婚約者として君臨していた。
陰湿な性格で、嫌がらせ等も非常に陰湿だった(ゲーム板情報)。
どんな人なのかな？とは思っていたけど自分の事に精一杯で気にしていなかったのだが、まさかシャーリンの事が好きで婚約者もいないとは驚きだ。
シャーリンはキリアンの事が好きで、ヒューゴはシャーリンに片思いとは…。
この世界のシャーリン、めっちゃ素敵女子だからヒューゴが惚れる気持ちは分かる！
見る目あると思う！
でもそのシャーリンはヘルドリアスの婚約者…。
ヒューゴ、切ない片思いしてるんだね…。
