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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 101

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私がこの街に来て数か月。

最初は驚くことばかりだった。

まず最初に驚いたのは崖の中腹で、これ以上戦う意思がないことを表明し、関門に連行された時だった。

まだあどけない少女と言ってよい女性に声を掛けられた。

「途中で矢を射るのを止めてくれて良かったです。

あのままだったら……、私が貴方に矢を放ち、斃さなければならないところでしたから」

「なっ! 見えていたのですか?」

「はい、貴方が関門上を狙っていた時、私も貴方を狙っていましたので」

「そうですか、でも夜間であの距離です。私が外さず、貴方が外していた可能性もあったのでは?」

負け惜しみだが、そう返すと周りの兵士たちは笑っていた。

何故笑われるのか、訳が分からなかったが、それは後で思い知ることになった。

彼女はこの領地一番の弓の名手であったことを知り愕然となった。

次に驚いたのは翌日だった。

残念ながら、味方の敗走が決定的となったらしい、その事を聞いた時に思い切って申し出た。

「遺棄された仲間の遺体を埋葬したい」

そう申し出た際、関門の防御指揮官に案内された。

「えっと、貴方がこの関門の防衛指揮官ですか?」

見覚えのある顔だった。町に向けて進軍してきたときに、堂々と誰何し、口上を述べた若者だった。

「はい、若輩者ではありますが、タクヒールさまより、関門の防御指揮官を拝命している、クリストフと申します」

まだ10代そこそこ、あまりに若い指揮官に愕然とし、そして彼に、失礼な質問をしていた事を詫びた。

更に驚いたのは、彼らは回廊から、遺棄された敵軍の遺体を回収するだけでなく、取り残された負傷兵を救助し、こともあろうか傷の治療まで行っていた。

看護に走り回っているのは、年若い女性たち。

そして彼女たちが癒しの魔法の使い手でもあった。

負傷者たちの傷が、みるみるうちに癒え、軽傷者はその場で回復、重傷を負い瀕死の者も快方に向かった。

「どうして貴女方は、侵略しようとしてきた敵軍の兵を、癒しているのですか?」

思わず聞いてしまった。

「戦いはもう終わりましたが、これからが私たちの戦いです。助けることができる人は、一人でも多くお助けしたいんです」

そう答え、負傷した仲間を介護し、走り回る彼女もせいぜい10代半ばの年齢だった。

この砦(彼らは関門と呼称)はどこかおかしい。

兵士と思える者たちを指揮しているのは、兵士には見えない、10代から20代の若者ばかり。

今ここにいる兵士、そう思える者はどう見ても100名程度でしかない。

その他、守りに就いている多くの人々は、女性を含め、とうてい兵士には思えない者ばかりだった。

そして、兵士を含む彼らの全てが、この若者達に敬意を示し、その指揮に従っている。

「皆さんは貴族、または領主の一族ですか?」

思わずまた、聞いてしまった……

指揮官のひとりと思える若い女性が苦笑して答えてくれた。

「私たちは領主様に拾っていただいた、元は普通に暮らしていた領民のひとりですよ、貴族だなんて、とんでもない!

ところで、明日は谷に降りて、あなた方の同胞の亡骸を回収し、弔う予定です。できれば同胞の方に弔っていただきたいのですが……、ご助力願えますか?

武具はお渡しできませんが、その他の遺留品などは、お返しいたします。

できれば傷の癒えたお仲間も伴って、埋葬などに協力いただきたいのですが……」

侵略してきた敵軍の亡骸を、このように丁重に対処するとは聞いたことがなかった。

私は傷の癒えた仲間を説得し、遺体の捜索と埋葬に協力した。

関門脇の仮設収容所で過ごし、暫く経った頃には、これまでの手厚い看護により、負傷兵もほぼ全てが回復していた。

その後、私たちは400名の仲間とともに、本来、征服者としてくぐる予定だった、テイグーンの町の城門をくぐった。

そこに用意されていたのは、捕虜収容所とは名ばかりの、狭いが個室も用意された清潔な収容施設だった。

そして仮設収容所の時と同様、いやそれ以上に、しっかりした、美味しい食事が日々用意された。

正直、ブラッドリー侯爵軍の兵舎で過ごしていた日々より、快適で豊かな暮らしでは?

そう思ってしまったぐらいだ。

それは、私以外の他の兵たちも、同様に感じているようだった。

日々労役はあるが、少ないながら、対価として毎月賃金まで貰えることに、また驚かされた。

捕虜は粗末な食事と、収容施設で死ぬまで苦役につくこと、これが帝国で、いや帝国以外でも常識のはず。

食事と住居が無償で提供され、税もないので、今や、少ないながら貯えもできるぐらいだ。

我々の労役は、主に開拓地の造成や、町の外で新たに建設される砦の建設工事だったり、希望者は鉱山や下水清掃の労役に就くこともできた。

鉱山は賃金が1割増し、下水清掃は2割増しだったため、自ら進んでその労役に就く者も多い。

もう驚くばかりで、自信が無くなってきた。

私の常識がおかしいのだろうか?

収容所で過ごしているうちに、捕虜の中で、いつの間にか中心的な立場になってしまった私は、ある日領主に面会する機会を得た。

「こちらの暮らしで何か不自由な点はありますか?」

そう尋ねた領主は、まだ年端もいかない子供だった。

もう驚くことに慣れてしまった、そう思っていたのは間違いだった。

彼がこの町を築き、防御施設を構築し、あの若者たちを指揮しているのだ。

そして彼こそが、この捕虜にあるまじき処遇をもたらしてくれている、まさにその人だと理解できた。

何故かこの少年が空恐ろしく感じた。

「私共は捕虜にあるまじき待遇をいただいております。特には……」

私は警戒しながら答えたが、その後の彼の質問は、グリフォニア帝国の風土や、食生活について、作物についてなど、敵国状況を探る質問とはかけ離れていた。

尋問されると、身構えていた私は拍子抜けした。

そして、私がスーラ公国との国境付近出身だと知ると彼の質問は更に熱をおび、その地の作物について根ほり葉ほり聞かれた。

水を引いた畑で育てる穀物?

おそらくあれの事だろう、彼はその穀物の話題に、ひどく熱心だった。

尋問ではない、世間話に話が弾み、私も少し無理なお願いをしてみた。

「せっかく賃金もいただき、非常にありがたいのですが、それを使う機会もありません。

無理を承知で申し上げるのですが、市などで買い物や、時には飲酒も許可いただけると、非常に嬉しいのですが」

更に思い切って、もうひとつ要求してみた。

「捕虜の中には、故郷に家族を残している者もいます。

可能であれば、故郷に仕送りなどできると、彼らは非常に喜ぶと思うのですが……」

無理な要求と分かっていたが、ここの待遇に慣れてしまった私は、つい非常識なことを口にしてしまった。

「うーん……、わかりました。なるべく早く要望に添えるよう、善処しましょう」

少し考えたのち、彼はそう答えた。

今となっては、その全てが実現している。

もう私は驚くのをやめた。

良い意味で、ここの常識は我々にとって非常識、全く異なるものだと理解した。

正門前に毎日市が立つようになり、労役から帰った後は、買い物ができるようになった。

市で購入した酒類も、収容所内では自由に飲めるようになった。

そして、定期的に商人が訪れ、僅かな手数料で手紙と仕送りを請け負ってくれるようになった。

後日になって商人から教えられた事があった。

・国境線での戦いは、第一皇子の軍が惨敗したこと

・ブラッドリー侯爵軍の仲間は逃亡中に壊滅したこと

・仕送りや手紙の送料を、領主が負担していること

敵軍の我々のために、わざわざ領主が……

どおりで格安の手間賃で、手紙や仕送りができると納得がいった。

さらに、負傷し、この町の捕虜となった我々が、実は非常に幸運だったことを改めて知った。

この町の攻略に失敗し、やむを得ず味方を捨てて逃亡した仲間たち、その殆ど全てが、生きて故郷に帰りつくことはなかったそうだ。

先の面会後、私は定期的に領主と面会し、待遇の改善点や、領主の要望などを協議した。

いつの間にか私も心を許してしまったのだろう。

領主に隠していた本心を話していた。

「私の故郷は敵国スーラ公国の侵略を受け、町は蹂躙され、多くの人が殺されました。

それを撃退してくれたのは、当時はまだ若い、第三皇子率いる軍で、その恩義に応えるため、軍に入りました」

だがこの時の私は、考えなしに行動していたこと、後になって後悔した。

「しかし、無学な私は、宮廷の勢力も分からず、恩ある第三皇子の陣営ではなく、敵対する第一皇子派の、ブラッドリー侯爵に仕えてしまいました」

・それに気付いた時は、後戻りできなかったこと

・今回の侵攻も内心、忸怩たる思いだったこと

・第一皇子陣営には、恩義も忠誠心も全くないこと

そして、関門を攻撃する最中、侵略者の立場に嫌気がさし、危険な決死隊任務を途中放棄したことを。

こんな事を含め、自身の身の上話を、調子に乗って話してしまった気がする。

既に私の心は、その時点で決まっていたからだ。

「男爵がグリフォニア帝国を侵略しない限り、これまで受けた恩を、お返しさせていただきます。

私と同様に、侵略軍の我々に対し、命を救っていただけたご恩、感謝している者も少なからずおります。

彼らにも、日の当たる場所を用意してあげたい、そう考えています」

この話の数日後、私には新たな役職が与えられた。

【収容所自治委員代表】:俸給金貨30枚/年

・町の中(第三区画)への出入り自由の権利

・捕虜を代表し行政府との折衝を行う権利

・自治委員(俸給金貨15枚/年)10名の任命権

収容所仲間の捕虜たちにも、この人事は大きな問題もなく受け入れられた。

なぜなら私が捕虜の中で、一番の高位者だったから。

これにも理由があった。

命がけで暗闇の崖を登坂する、決死隊に志願した際、志願者はみな特進して100人長になっていた。

私も特進組の一人だ。

戦に敗れ敗走する際、身分や階位の高い者は、例え本人が負傷し動けなくなっていても、配下の者が連れ帰ってくれる。

今回も、置き去りにされたのは全て平民か、下級の騎士ばかりだ。

私は、収容所内では、比較的身分の高い騎士から4名、そして信の置ける、男爵に好意的な者から6名を、自治委員に選出した。

自治委員は収容所の代表として、収容所の運営、待遇改善などの協議と提案、調査報告を行う。

特に、将来的に開拓民となる事を希望する者がいれば、それを集計し、信用できる者かどうかを調査する役目を担った。

そして、自治委員は、事前に許可は要るものの、町の中(第三区画)への出入りも許された。

またある日、収容所内に求人票というものが張り出された事があった。

この町が、ある催しでお祭りになる予定らしい。

この求人票に従い、臨時の作業に従事すると、追加の賃金が貰えるとの事だった。

そういえば、その前の期間、我々は急ぎ進めていた、大規模な工事に駆り出されていた。

建築作業の経験のある者は、手当てを割増のうえ、建物の建造などの作業に振り分けられていた。

また、この時初めて【残業手当】という割増手当も貰う事があった。

その祭りの期間の前後は、労役が無いと事前に通達されていた。ただ、労役は無くとも、月々の賃金は変わらず支払われるとのことだった。

故郷に仕送りをしている者が中心に、その期間も求人票の仕事に就いた。

中には、10日に満たない期間中に、金貨1枚を報酬として貰った、運の良い仲間もいた。

彼らの多くは、町の住民と一緒になって働き、普通の暮らしを楽しんだ。

そして共に、かつては敵味方であった事を忘れ、仕事に汗を流した。

後日、領主から依頼された調査、今後開拓民として暮らすことを望むもの、この確認を行った。

驚くべきことに、開拓民を希望する者は全体の3割近くもおり、『家族を呼び寄せることができるなら、希望する』、そう答えた者まで含めると、倍の人数になった。

私と同じように、半数を超える仲間が、できることならここで暮らしたいと望んでいた。

驚くべき事実、だが、これまでの経緯から思うと、当然の結果であった。

これが私の、いや、私たちが新たにエストールの民となることの始まりだった。

※間話が続いて申し訳ありません。

本来は、こちらが100投稿目だったのですが、100投稿目はゴーマン編を入れたくて、急遽挿入したため、間話が連続してしまいました。次回からはまた本編に戻りますので、よろしくお願いいたします。

ご覧いただきありがとうございます。

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。毎回励みになります。

また誤字のご指摘もありがとうございます。

本来は個別にお礼したいところ、こちらでの御礼となり、失礼いたします。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

<追記>

10月1日より投稿を始め、遂に100投稿を超えるまでに至りました。

日頃の応援や評価いただいたお陰と感謝しています。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

また感想やご指摘もありがとうございます。

お返事やお礼が追いついていませんが、全て目を通し、改善点など参考にさせていただいております。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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