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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 103

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王都内の一室では、とある子爵家の今後について、内々で報告の場が設けられていた。

その場に居合わせたのは、ゆったりとした豪奢な腰掛に座る者がひとり、長椅子に座る者がひとり、立っている者がひとりだった。

「其方の帰還、待ちわびていたぞ、見聞したこと、遠慮はいらんので包み隠さず御前に報告せよ」

長椅子に座る者が口火を切った。

「はっ! 先ずは結論から申し上げますと、予想以上でした」

「ほう、どのようにだ?」

「第一に……

かの地は、辺境の地にも関わらず、領内は非常に豊かで活況に満ちておりました。

領内全体が開発と鉱山による、好景気にわき、経済的には既に子爵級を凌ぐ勢いだと言えます。

また、辺境故、領地自体も広大であり、兵力の点を除けば、伯爵級に迫る勢いだと思われます。

恐らく、数年後には名実ともに、伯爵級の領地に成長すると思われます」

「それほどとは! つい先日までは辺境の、いち男爵家でしかなかった者が……」

「はい、そしてこの好景気をけん引しているのが、例の街でございます」

「彼の者の治める街じゃな?」

「はい、かの街が、そもそも我々の発想にない設計のもと、開発されております。

街自体がかなり防衛を意識した、城塞都市として建設されているようです。

今はまだ辺境の街、そんな域を出ませんが、5年後、10年後には数倍に発展する勢いを感じました。

今回も、件の大会の最中に、領民募集を抜け目なく行っており、今後も更に人口は増えていくでしょう。私の見た感じでは、あの一帯だけで、通常の男爵領に匹敵する力を持っている、そう感じました」

「なんと! 子爵領の中に男爵領を抱えておる、そんなところか?」

「仰せの通りでございます。

私の見たところ、領域は狭くとも、いずれ子爵領と同等に成長する可能性すら感じました。

唯一の難点は、捻出できる兵力だけかと思われます」

「で、防衛力はどうなのじゃ?

今回の目覚ましい働きも、幸運と敵軍の無能、そう評する者もおるが……」

「とんでもございません。

あの街一帯が要塞と言っても過言ではありません。

まず地形的にも、攻めるに難く、守るに易い地でした。

そして、唯一出入り可能な回廊には、いくつもの仕掛けがなされております。

恐らく、防御手段も秘匿され、私が知り得たものも、その一端に過ぎない、そう考えております。

留守部隊だけで3,000の敵兵を撃退したのも頷けます。本隊が健在であれば、5,000の敵軍も撃退できる。そう感じさせるものがありました」

「そうか、その点、王国を守る楯としては十分期待できる、そういうことだな?」

「はい、仰る通りです。今回の敵軍の戦略は、失敗こそしたものの、大したものでした。

あの盾がなければ、敵軍はかの地を蹂躙し、この王都までは他に敵を遮る盾がございません。

柔らかい腹を切り付けられ、万が一の際は、我々は苦渋の決断を迫られることになる所でした」

「それにしても、土地勘のない帝国が、その侵攻計画を立案していたこと、それが問題じゃて。

王国を売った存在、これについて留意せねばならん。そういう事だな?」

「仰るとおりです。

内々に我らも調査は進めておりますが、未だ……」

「で、盾としては十分期待ができる事は分かった。

矛としてはどうなのじゃ?」

「矛としても十分に力を発揮するでしょう。

騎兵を含む全ての兵力を、弓箭兵として運用する。この発想は我らにはございませんでした。

配下の者の報告では、戦場でも怪しげな、クロスボウの一種を使用していたとのことです。

今回、戦場での突出した活躍も、それが要因のひとつではないかと思われます。

戦いが終わったのち、直ぐにこの兵器は秘匿され、詳細はまだ調査中となります。

特筆すべきは、彼の地では、領民の多くを弓箭兵として戦力化していることです。

女子供までが兵として期待された働きができる……、それを考えれば空恐ろしく思われます。

非常時には、領民が兵となり、数千の弓箭兵を抱え守り入る、それができる下地が、既にできております」

「それは真かっ? 信じ難い話ではあるが……」

「いえ、真でございます。

かの大会、彼らの領地からの参加者は、半数以上が兵役に就かない領民であり、誠に残念ながら、その領民たちの技量は、騎士団の弓兵と同等以上です。

更に最も秀でた者は、いずれもかの地に住まう女性、そのうちひとりはまだ17歳の娘でした。

これが私の言葉を裏付ける事実でございます」

「なんとっ! それは……、留意すべきことじゃな。良きにしろ、悪しきにしろ、しかと吟味が必要だな」

「はい、私もそう思います。

で、御前に報告すべきことは、まだ2つございます」

「2つもか。構わぬ、続けよ」

「ひとつめは、我らが手の者より入手した、かの地が抱える魔法士の数です。

彼らが抱える魔法士は、おそらく25名以上かと。魔法士の数だけなら、既に侯爵級を超えています。

異常なまでの短期間での開発、これも魔法士が寄与していると思われます。

我らにとって魔法士は、限りなく希少な存在です。

みすみす戦場で失うこともできず、そもそも、いち魔法士が戦局を変える事など、例がございません。

ですが、彼らはそれを戦いに活用している、そう思える節があります。かの軍が、圧倒的な戦功を上げている理由も、そのひとつかと……」

「ふむ、確かに……、その魔法士の件、彼奴らは知っておるのか?」

「情報は知っているかと思われます。

今は取り上げる算段を巡らせておるやも知れません。

これまでは、辺境伯が彼らを庇護しておりましたが、今回の武勲で否応なしに目立ちましたので……」

「そうか、みすみす奴らにくれてやる訳にはいかんな……」

「そして、最も重要なこと、それは……

領内の景気をけん引する開発事業、新発想の街の作りとその要塞化、敵の侵攻に備えた対策と迎撃手段の構築、領民の戦力化施策と新兵器の開発、魔法士の発掘と戦場での運用。

これら全てを、わずか13歳の子供が考案し、運用している点でございます」

「ふむ……、そうじゃの」

「ちなみに、兄と弟、そちの目から見てどうじゃ?」

ここで初めて、【御前】と呼ばれていた男が口を開いた。

「兄は、類稀なる武芸の才に恵まれ、将器としても申し分なく、将来は私の右腕たる器でございます。

弟の方は、戦場ではせいぜい参謀どまり、未熟な点も多く、大きな活躍はできないでしょう。

そのように、評されるのが妥当ですが……、正直、測りかねております。

先を見据えた戦略眼、内治の才については、末恐ろしい存在、そう評価して良いかと思われます」

「なるほど、兄の方は極めて優秀じゃが、卿の方でも底が見える、しかし弟の方は底が見えぬ。

そういうことだな? で、どうするが良いと考えておる。出る杭として打つか?」

「南の国境は、まだまだ予断を許しません。更に我らには、東にも大きな脅威があります。

当面は盾として活用し、その行く末を見守ること、それが王国の安泰にも繋がりましょう」

「では、余の投資もあながち間違いではないと?」

「はい、あの時点でのご英断、我らの想像に及ばないことでした。ご賢察に我ら感服しております」

「そうか、当面は行く末を楽しみに見守る。

出過ぎたと思えば、排除すればよい、そんな所か?」

「御意」

「其方の話を聞いておると、余も、一度かの地に行ってみたくなるの」

「いや……、それは……」

御前の一言で彼らは明らかに狼狽した。

「実はの、其方らには黙っておったが、あの者、余の投資を今後の領地の発展、しいては王国の発展にどう使うか、現時点での大まかな使い道など、予定を律儀に書いて寄越しておるわ」

「なんと!」

「ほっほっほっ、それは、結構なことですなぁ」

立っている者は絶句したが、長椅子に座っている者は心地よさげに笑う。

「ふむ、結構なことじゃて。

それにしても、来年は兄と入れ替わりに、弟が学園にも来ることになるじゃろう?

其方らで、しっかり囲い込むことじゃな。

当面は……、他の貴族どもが、余計な手出しをせぬよう、支えてやれ。先程の魔法士の件も含めてな」

「これは……、大変な役割を仰せつかりましたな」

「御意……」

偶然かは定かでないが、王宮に近いとある大邸宅、そこのサロンの一室でも、5人の男たちが集まり、似たような会話がなされていた。

そこには侯爵と呼ばれる地位にある者が4人、伯爵の地位にある者が1人、彼らは自らを【復権派】と称し、この王国の内政と、その行く末を左右する力を持った者たちであった。

「此度は其方の失策ではないのか? 我々は奴らに一歩出遅れた」

「卿がそう思うのであれば、我らの策も上々じゃの」

非難を受けた男が笑う。

「どういうことだ?」

「奴らの陣営にも、我らの手の者が潜んでおる。此度の訪問も、詳細は我らの手中にある」

「では視察団の中に、こちらの間者が……」

「皆まで言うな。そういうことだ」

「で、奴らの状況はどうなのだ?」

「たかが辺境の蕪男爵、いや、今は子爵か。この認識は改めねばなるまいて。

報告によれば、かの地は子爵領にあるまじき豊かさを誇り、その防備も侮れんということだ」

「で、今後われらの対応は?」

「急くでない。我らは力で奪わずとも、政で成果を奪えばよい」

そういって、テーブルの傍らにある鉢植えを眺め、男は言葉を続けた。

「果実の芽に水をやり、成長し花が咲き、実が成るまで、奴らに世話をさせれば良いのじゃ。

後日、我々が収穫するためにな。

今回、あの兄弟の武勲も、故あっての正しい結果、それを弁え、侮らず、じっくり攻めれば良いことよ」

「そうでしょうか?

兄の方は、無謀な指揮で我が騎兵の多くを失い、やっとの事で命を拾った無能者。

弟の方は兄の窮地に、冷静な判断もできず猪突し、死にかけた、先の見えぬ猪武者ではありませんか?」

2人の会話に、もう一人の男が加わる。

「伯爵、それは短慮というものよ。

此度の戦、其方の尽力にも関わらず、残念なことに辺境伯は、その命脈を永らえてしまったがな」

「確かに残念ではあるな。南の辺境は、辺境伯を始め、旗下の者共の領地も豊かで、得るものも多い。今回は、失態を口実に、そっくり我らが抑える機会を失い、惜しいことをしましたな」

4人目の男も会話に加わった。

「時を待つのも戦略よ。我らが手の者が、辺境伯に取って変わる日も、そう遠くはないだろう。

障害になるようなら、たかが子爵など、潰すか、東側国境への領地替えでも押し進めれば良い。

従うのであれば、末席に加え、使い潰せばよいこと」

「それと当面は、あの兄弟を取り込むこと、それも一興ですな」

最後のひとり、5人目の男が会話に加わった。

「そうだな、それで……、兄の方はどうだ?」

「王都でも、彼の地でも、猿の如く娼館狂いよ」

「ふふっ、娼館狂いの猿であれば、適当な相手をあてがって、番犬とするのもひとつだな?」

「意に添わぬ時はどういたします?」

「不要と判断すれば、猿を相手に、何人もの貴族の令嬢が、貞操を奪われた上、婚約不履行を訴え出る。

さすれば、どうなる?」

「はははっ! 女に見境のない猿は、貴族としての品性不適格者、そう弾劾する訳ですな」

「自らの行いで自らを滅ぼすか。下賤な成り上がり者には相応しい最後だな」

「弟はどうだ?」

「今は領地に引きこもっておる。じゃが来年は否応なしに、こちらに来ることだろう」

「そうだな。猿よりあ奴を警戒せねばならん。

抱える魔法士の数が桁違いだからな。侮れん奴よ」

「魔法士も数を揃えると、その力は大きい。

我らの父祖の代より行ってきた努力、下位の貴族や平民が余計な力を持たぬよう、魔法士が持つ、本来の価値を下げてきた事が無駄になる。

長年、魔法士を無用の長物として、見世物として高給で囲い込み、飼い殺しにしてきたというのにな……」

「その通り。魔法は我ら貴族の、血統魔法で十分だ。選ばれた貴族だけの特権であるべきだ」

「ああ、戦場で敵に対して使用されるだけでなく、こちらに向かって使用される可能性もあるしな」

「考えただけでもぞっとするわ。そして奴は、思いもよらぬ手法を使い、戦場で魔法士を活用しておる。戦場では役立たずの無駄飯喰い、代々魔法士をそうやって抑え込んできた、我らの立場が無い」

「古より、魔法士を統べてきたのは【12氏族】のみ、それら氏族の長たる血脈を継ぐ、我ら4人を差し置いて、奴は魔法士の長気取りではないか?」

「奴から取り上げることはできんのか?」

「そのあたり、今はあの辺境伯の庇護下にあるでな。忠義面したこうるさい邪魔者さえ排除できれば……」

「まぁ、我らにも策はある。先程と同じように、奴に育てさせ、実った果実を我らが収穫すれば良い。

分不相応の魔法士を抱え、不逞な企みを抱いた嫌疑で潰すもよし、此度の子弟騎士団の先例に習い、東の戦地にでも送り込んで、使い潰すのも一興だろうて」

「さすれば、此度の戦、我らが受けた恥辱も意趣返しが叶い、私共は溜飲が下がります。

是非、そうあって欲しいですな」

「伯爵よ、時を待つことは大事じゃ。いずれにしろ、奴らの命運は我らが手のうちよ」

「我らが正しい王政を導く、選ばれし者として再び立つ日までな」

「正しき道のためにっ!」

「我らが執行者として、正しき道を敷く未来にっ!」

彼らは盃を掲げた。

いつもご覧いただきありがとうございます。

今まで何度かご指摘いただいていた、「何故魔法士の価値が低いのか?」

やっとその一端をお答えすることができました。

また【12氏族】ですが、詳細は今後の展開で出てくる予定です。

いずれ魔法士に関わる詳細もその際に詳しく述べられます。

色々もったいぶってるようで、凄く心苦しいですが、どうぞよろしくお願いします。

※※※

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。毎回励みになります。

また誤字のご指摘もありがとうございます。

本来は個別にお礼したいところ、こちらでの御礼となり、失礼いたします。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

<追記>

10月1日より投稿を始め、遂に100投稿を超えるまでに至りました。

日頃の応援や評価いただいたお陰と感謝しています。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

また感想やご指摘もありがとうございます。

お返事やお礼が追いついていませんが、全て目を通し、改善点など参考にさせていただいております。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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