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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 106

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グリフォニア帝国、その始まりは150年ほど遡る。

もとは小国がひしめき、互いにしのぎを削っていた地に、グリフィンという名の小国があった。

小国グリフィンの若き王、フォニアスが近隣の小国を次々と征服、併合していった結果、国は大きく、強大になっていった。

そして、代々皇位をうかがう者たちは、版図拡大に寄与する事で皇位継承者たる資格を示し、その結果、広大な版図を持つ帝国が成立するに至った。

この国は、征服国として武断政治が続き、代々の皇帝は皇子の中で最も武勲を挙げた者、その者が皇太子となり後継者となる。

そういった歴史が続き、後継者を目論む者たちを、目に見えない鎖で縛っていた。

帝国首都グリフィンでは、毎年新年になると、自薦他薦を含め、後継者と目される者が参集し、自らの戦果を誇り、後継者として足ることを示す会合が行われていた。

~グリフォニア帝国、宮殿内のとある一室にて~

質素ではあるが、品の良い調度品に囲まれた一室には、飾り気のない、だが、一見して質の良い衣服と分かる旅装姿の男と、軍装に身を纏った側近が座っていた。

「結局あの馬鹿は、配下の恥をすすぐつもりが、自ら恥の上塗りをして、多くの兵を失ったという事か?」

旅装姿の男が側近に問いかける。

「はい、兵だけでなく、ブラッドリー侯爵、ゴート辺境伯など、派閥の領袖となる人物も失っております。あちら側で残った大物といえば、母方の公爵ただひとり……」

「ハーリーか、あの老獪な男が一番の問題だろう? 因みに奴の親衛軍も相当な被害と聞くが?」

「はい、鉄騎兵団、騎馬隊、歩兵部隊、弓箭兵の全てに大打撃を受けており、損耗率は6割程度、再建には相当の時間を要するでしょう。

此方が、我が手の者が入手した、遠征軍の出発時と帰還時の兵力になります」

差し出された情報を眺めながら、旅装姿の男は確認を続ける。

「なら奴は当面大人しくしている、そう判断して良いということか?」

「はい、その間に我らはスーラ公国を……」

「馬鹿者がっ! そんな事だから奴らの奸計にはまるのだっ!」

そう、彼は少し前も痛い目にあっていた。

かねてより帝都に依頼していた部隊の増援、前線に送られて来たのは使い物にならない、老兵と経験のない新兵ばかり。

そのため、敵地に橋頭保を築く予定が、逆に戦線を縮小し、後退せざるを得ない状況に、陥ったことがあったばかりだ。

「よく考えてみろっ! あの性格の悪い奴に加え、老獪な狸親父の事だ、動けないなら動けないなりに、手は打ってくるだろうが!」

旅装姿の男は、配下の馬鹿正直さには、いつも頭を抱えている。

戦場では信のおける、比類なき勇士たちだが……

政戦両略、とまで言わずとも、戦場で一軍を指揮する、知勇を兼ね備えた者、または、後方で政治闘争に手腕を振るえる者、そう思える者が、いずれも彼の配下にはいない。

いずれの立場でも、彼の意に適い活躍できる者、そんな人材が発掘できれば、一気に側近や将軍にまで引き上げて、活躍の場を与えるつもりでいるのだが……

戦場では自らが参謀も兼ね、前線で戦っているため、宮廷工作などの政治部分にかける余力が全くない。

「当面、俺一人で凌ぐしかないか……」

溜息をつきながら、改めて配下が差し出した情報をじっくり眺めた。

「このアストレイ伯爵の軍はおかしいのではないか? この軍だけ、8割以上の兵が帰還している。

あれだけの敗戦で、訝しいとは思わんか?」

そう、彼の記憶でも、アストレイ伯爵は決して武勇に優れた者でも、知略の将でもない。誠実さだけが取り柄の、凡庸な、ただ地位を世襲しただけの男だ。

だが事実、魔物の襲撃を受けていないとはいえ、最後は殿軍として、敵の全軍を引き付け、本隊が無事に撤退できるよう貢献している。

こんな芸当は、彼にはできる筈がなかった。

「撤退時にアストレイ伯爵の軍勢を指揮した者、これを至急調査せよ! できれば我が陣営に取り込め!」

彼は大いなる期待を込めて、配下に更なる調査を命じた。

~グリフォニア帝国、宮殿内の別の一室にて~

先程の部屋とはうって変わった、贅を尽くした調度品に囲まれ、一目で分かる、高価な衣服を纏った2人が密議を交わしていた。

「此度の惨敗の責、殿下はどのように凌がれるお考えかな?」

「見苦しい言い訳はするつもりはない、だが、あの魔物どもの襲撃さえ無ければ……」

「彼方には、通じませぬ。『そういった予測も出来なかった愚か者』と、糾弾されるでしょうな」

「そもそも奴らが、余計な提案をしてくるからではないかっ! ブラッドリーの軍が惨敗したのも、魔物を引き連れて来おったのも、その責は奴らに……」

「おやめなさい。敵の間諜の策に乗った結果、敗北した。そんな事を言えば、『迂闊に敵の策に乗り被害を大きくした愚か者』、そんな誹りを受けましょう。

私は貴方を愚か者にするつもりはありませんぞ」

皇位継承者候補である彼に対し、これだけはっきりと物を言える人物は、この男以外いない。

だからこそ、彼はこの男を頼りにしている。

「ううっ……、では、どうすれば良い?

明日の会合で諸侯の居並ぶなか、奴は余の不明と兵の損失を、糾弾してくることは目に見えておる……」

「敵には、敵をぶつけるとしましょう。

一旦我らが勢力は後退しますが……、死んだゴートやブラッドリーの一族には、詰腹を切らせるとしましょう。

彼らの領地には、再起を図る余力もございません」

果たしてそれで良いのか。

無慈悲な提案を彼は鵜呑みにはできず、沈黙した。

「あと、生還した者からも責任を取らせる必要もありますな……」

「そこまでしては……、私は、無情な者として配下からも恨まれるのではないか?」

「私から宮廷の意向として、そのような流れになるよう、工作致します。

御身は、ただ彼らを憐れみ、放逐された者どもが身の立つようにと、残された彼らの子弟や、軍を吸収されるが良い」

「なるほど……」

「さすれば、彼らの忠義は再び御身へと向く。そして親衛軍も力を盛り返しましょう」

「北の国境はどうするのだ?」

「調子に乗ったあやつの軍と、互いに潰しあえば良いことです。

奴の軍は、北に夢中になっている間に、南からも攻め込まれ、南北共に戦線は崩壊、弱体化した隙に我らが取って代わる。

我らの一時後退も、大望の一階梯のひとつ。

そう策を巡らせば良いだけのこと」

「卿は恐ろしい男だな。この敗北による窮地も、勝利のための材料とするとは……」

彼らの策謀はひとつの方向に向かってまとまった。

今年、帝都で開催された会合は、予想外の展開となっていた。

いつもは舌戦を繰り返す第一皇子と第三皇子、この2人が沈黙を貫いている。

「此度の敗戦、責任をどう取るおつもりか?」

そう第一皇子に問うたのは、彼の陣営に属する者だった。

「我が身の不明を恥じるばかりだ。ゴート辺境伯、ブラッドリー侯爵を始め、多くの兵を失った。

私は、彼らの死を悼み、力を蓄え、再起を図る。

そして彼らの無念をそそぐのみだ」

常日頃は尊大で、自尊心の塊の様な第一皇子の殊勝な様子を見て、中立派や彼の反対勢力も、少しばかり勢いを削がれる。

「それにしても、敗戦をこのままにしておく訳にはいきませんな」

「ハーリー卿の言う通りだ。この度の敗戦、このままでは帝国の沽券に関わる。私はどうなっても構わない、彼らの無念が晴らせるのであれば……」

「にしても、皇子をお守りする立場、共に従軍した貴族達は余りに不甲斐なかったのではないか?」

第一皇子の謙虚な姿を見て、中立派から責める矛先が変わる発言が投じられた。

それを見てハーリー公爵は、一瞬、薄ら笑いを浮かべた。

「確かに、おめおめと敵の姦計に乗り、死地に入ったブラッドリー侯爵といい、自らの怨恨で猪突したゴート辺境伯、大事な場面で遅参したアストレイ伯爵など、罪を問わねばならぬ者も多いようだ。

このような軍を率いては、いかに第一皇子といえど、勝利はおぼつくまい」

次々と賛同する声も上がり始めた。

「勝敗は兵家の常、と言うしな。

第一皇子ばかりを責めるのも、如何なものかな?」

ふん、狸親父の手の上で踊る馬鹿者共がっ!

第三皇子は、この見えすいたやり取りにうんざりしていた。奴は言われた通り、演じているに過ぎない。

いわば狸親父の傀儡、そんな事も気付かんのか!

もっとも……、今回は中立派まで、裏で手を回していたと言うことか。

だからこの狸親父は油断がならんのだ。

「国境を守る辺境伯の軍勢は壊滅しておる。このままでは攻めるどころか、守りすらままならんのではないか?」

狸親父が予め、仕込んで置いた中立派の一人から、予定通りの提議があった。

頃合い良し、とハーリー公爵が口を開く。

「此度の問題は、帝国全体の問題と考えるべきじゃろう。過去の遺恨は捨て、強力な敵には強力な味方を、国を団結して、帝国の威信を示す時ではないか?」

第三皇子は、危険な兆候を感じ目を見開き、公爵を睨みつける。

「皇子を支え切れなかった、ゴート、ブラッドリー両家は、当主を亡くし、あまりに兵を失い過ぎた。

両家を廃し、帝国直轄領として再建する。

また、アストレイ伯爵は遅参による敗戦の責を問い、領地と兵を召し上げる。但し、再起を図れるよう家門は残す」

身内の派閥に対する、あまりにも厳しい処分に、他の派閥は騒然となる。

「グロリアスさまも、敗戦の責を負い、前線の指揮から退く、ここら辺りが落とし所ではないか?」

全ての者が敗戦の責任を負う、この処置に多くの者が納得したように頷く。

「このような処分を受けた身ではあるが、ひとつ、叶えてもらいたい願いがある。

廃絶となった二家の子弟、及びアストレイ伯爵の一門に、再起を図る機会を与えたい。

そのため、当面は我が親衛軍の一員として引き受けたい」

「おおっ!」

第一皇子の配下を思い遣る慈悲深さに、感銘の声を上げる者たち。

「馬鹿かっ!

奴は根こそぎ兵を奪い取りたいだけであろうが……」

誰にも聞こえない小声で呟く第三皇子。

「して、最も肝心のことじゃが、北の国境線、新たに帝国直轄領となる一帯を……

武勇の誉れある第三皇子にお預けしたい」

「なっ!」

肘をつき、眠たげにこの茶番劇の行く末を眺めていた第三皇子は、思わず声を上げ立ち上がった。

【肉を切らせて骨を断つ】、老獪なハーリー公爵の策に、見事に嵌められた事に気付いたが、もう引き返す余地などなかった。

この決定で、カイル王国は新たな脅威と強敵を、南の国境に受けることとなった。

ご覧いただきありがとうございます。

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。毎回励みになります。

また誤字のご指摘もありがとうございます。

本来は個別にお礼したいところ、こちらでの御礼となり、失礼いたします。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

<追記>

10月1日より投稿を始め、遂に100投稿を超えるまでに至りました。

日頃の応援や評価いただいたお陰と感謝しています。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

また感想やご指摘もありがとうございます。

お返事やお礼が追いついていませんが、全て目を通し、改善点など参考にさせていただいております。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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