Switch Mode
Now you can use the translation tool for free for the first 200 chapters of each novel.

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 109

This post is one of the first 200 oldest posts in its category and is free to translate.
Balance: 0 coin


鬼の訓練もなんとか3日目を迎えた。

俺と同様、初めてこの掃討部隊に加わった者の多くは、皆どこかしら手傷を負い、魔境の危険さを身をもって知ることになった。

死者が出なかったのは、周到な準備と配置、聖魔法士が居たからに過ぎない。

以前に兄が、ソリス鉄騎兵団の魔境演習に、聖魔法士の同行を求めた理由も、今の俺には十分理解できた。

あの時とは、魔境の環境自体が違うとはいえ、新兵や練度の不十分な者にとって、ここは厳しすぎる環境だ。

半面、戦闘による実戦経験、練度の向上には非常に効率の良い場所である、そうも言えるが。

「回廊出口と、テイグーン山の裾野はあらかた掃討しましたが……、予想以上に状況は悪いです。

今後も、暫くはこの規模の掃討作戦が必要と思います」

団長は深刻な表情で進言してきた。

「やはり、前回の戦役の影響ですか?」

「そうですね。この規模の軍勢に対しても、積極的に襲ってきます。恐らく、人を襲った経験があるものが相当数まだ残っている、そう言わざるを得ません」

通常なら、いかに魔物といえど、必ず負けると思える相手に対しては、積極的に襲ってくることはあまりないそうだ。

2つの例外を除いて。

血の匂いに誘われ、我を忘れて狂乱し襲ってくる場合と、人を襲い血の味を覚えてしまった場合。

今回の状況は明らかに後者といえる。

「そういった魔物は、必ず撃滅しておかないと、今後の被害に直結してしまいます」

団長の焦りは、尤もな話だった。

「では、前線基地となる宿営地の建設は、急ぎ進める様にします。この後、エランの推薦する場所を視察に行きますが、団長からは、クリストフとエランに対し、候補地の課題や必要な要件など、実現に即した指示をお願いします」

こうして、掃討部隊の定期派遣と、要塞建設の一部、拠点作りは先行して進めることが決まった。

午後になって、本来の目的、エランが話していた【水の手】、テイグーン山南側斜面へと向かった。

「この岩場を登った先に【水の手】はあります。これをタクヒールさまに是非見ていただきたくて」

エランが先頭になり、岩場をよじ登る。

まだ先は見えないが、水が大量に流れ落ちる轟音が、徐々に大きくなっていく。

果たして……、岩場を登りきると、景色が一変した。

険しい岩場を越え、そこに現れた山の裾野には、目を奪われる光景が広がっていた。

登坂不能な絶壁の断崖に、上からナイフで切り込みを入れたような細い裂け目。

裂け目自体は、幅数メル(≒m)程度しかないだろう。

その狭い裂け目に、幅の狭い、そして深い峡谷が岩山の奥まで広がっている。

その峡谷の底を縫うように、テイグーンの山からの水を集めた水流が、裂け目の一番下から轟音を上げて流れ落ちていた。

落差100メル(≒m)近くある滝が、瀑布となって大量の水を滝つぼへと叩きつける。

それは……、神秘的であり雄大であり、なんとなく神々しささえ感じる光景だった。

見とれているうちに、ずっと以前に見た、感動の記憶が蘇ってきた。

黒部峡谷の最奥部に位置し、幻の滝と言われた、剱岳の剱大滝、まさに、それにそっくりだった。

【ニシダ】が、たまたまテレビを見ていて録画した映像、素晴らしい光景に、何度も何度も繰り返し見たほどの光景。

それにそっくりの光景が眼前に広がっているのだ。

暫く、ずっと流れ落ちる水、風景に見とれていた俺は、言葉を忘れていた。

「なるほど、これだけの水量があれば水問題は一気に解決し、しかも【水の手】を取ろうにもあそこじゃ誰も手出しできない、そういう訳か」

「はい、この滝の落下地点から水道橋を引けば、高低差もあるので、豊富な水を自在に引き回せます。

そして、この流れですが、この先でまた地下に潜るんです。なので、水路をうまく隠蔽すれば、敵からは水の手がどこにあるか分かりません」

「なるほど、テイグーン山の南側斜面の水を一手に集めたように、水量は豊富ですな」

団長も感慨深そうに、その光景を眺めていた。

「ここから、振り返って今登ってきた方角をご覧いただけますか?」

クリストフの言葉に、俺たちは一斉に今まで登ってきた方向を振り返る。

ここからは、魔境一帯が見渡せ、遠くには回廊出口あたりも見える。

「エランと協議した、砦の構想は、この岩場の外縁部分を取り囲み、テイグーンの回廊出口方向、今回、罠を張った場所まで、10数キル(≒km)を防壁で結び、ここを、難攻不落の要塞化します」

「そうすれば、安全な開拓地を、この魔境に作ることができます。テイグーンの規模を更に大きくしたものが!」

エランが目を輝かせて補足する。

確かに、これができれば、安心して魔境の開拓が進められる。

扇型のテイグーン平地と比べ、こちらは長方形で土地の有効活用もできる。

切り出す岩や、材木などの資材も地産地消で対処できる。

勿論、相当の開発資金と、5年以上の工事期間、大量の人足が必要にはなるが……

「面白いですな! ここに先ずは拠点となる砦を、将来的には、辺境騎士団の駐屯施設を作れば、サザンゲートにもいち早く駆け付けることができます。行程の三分の一を短縮できます」

団長の意見も尤もだ。

ここからだと騎馬なら相当早く駆け付ける事ができる。

隘路を慎重に通過する必要もない。

それに、俺には【歴史は繰り返す】恐怖がある。

サザンゲート血戦では、兄はなんとか生還したが、【歴史書】に書かれていたことは半分実現している。

若き光の騎士は失われ、兄が所属する、子弟騎士団は第一、第二と合わせれば2,500名のうち、6割近くが失われる大損害を受けたのだから。

6年後、グリフォニア帝国軍が数万の軍勢でもって、テイグーンに押し寄せる可能性もある。

先年の反省をいかし、十分に対策を練った上で。

今にして思えば、国王から言われた言葉……

「テイグーンを、数万の軍勢をも跳ね返す鉄壁の要塞としてみせよ」

この言葉が、フラグのような気もしてきた。

「クリストフ、エラン、先ずはここに、十分な広さをもった砦を建設する。その後、防壁を延伸して回廊出口まで囲う。将来的に数万の軍勢の侵攻に対しても、支えることができる防御施設を前提に、計画を策定してくれ。団長は、防衛拠点として不足はないか、指導をお願いします」

「なーに、夏ごろには、この危険地帯でも工事に携われる、屈強な500名の人足が手に入りますよ」

「もしかして、あれですか?」

「はい、指揮官は私です。訓練の一環として対応させるつもりです。タクヒールさまは、お歴々に対し内諾だけ取っておいてくださいね」

そう言って団長は笑っていた。

こうして、年初に立てた計画は、既にこの時点で前倒しが確定した。

金貨を預かる、ミザリーやクレア、ヨルティアには、また予定外の支出で迷惑をかけるだろうなぁ、そう思うと少し頭が痛いが。

こうして視察後は、テイグーン山南側斜面と回廊出口を結ぶラインを、徹底的に掃討し、第一回の掃討作戦は終了した。

成果は十分にあった。

領主自らも魔物の討伐に参加し、独力で成果を上げたことで士気は上がった。

討伐した魔物の素材も、半分は経費として納めたが、半分は討伐に参加した兵達に、均等に分配された。

臨時収入で参加した兵も喜び、次回以降、危険な討伐にも関わらず、参加を希望する兵が何故か増えた。

傭兵団も、魔境での狩りを生業とする狩人達を吸収し、対魔境専属部隊として50名の新規増員を得ていた。

狩人達にとっても、現在の魔境は彼らにとって、危険すぎる場所になっており、安全に狩りができるのなら、と渡りに船の話だったようだ。

団長からは、拠点となる砦が完成するまでの契約で、彼らが単独で討伐した魔物については、全て彼らに帰属する、その取り決めだけで、契約料は不要と言われ、喜んで了承した。

将来彼らは、新しい砦が完成した際、最初の住民になってくれることだろう。

ご覧いただきありがとうございます。

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。毎回励みになります。

また誤字のご指摘もありがとうございます。

本来は個別にお礼したいところ、こちらでの御礼となり、失礼いたします。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

<追記>

10月1日より投稿を始め、遂に100投稿を超えるまでに至りました。

日頃の応援や評価いただいたお陰と感謝しています。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

また感想やご指摘もありがとうございます。

お返事やお礼が追いついていませんが、全て目を通し、改善点など参考にさせていただいております。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset