Switch Mode
Now you can use the translation tool for free for the first 200 chapters of each novel.

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 133

This post is one of the first 200 oldest posts in its category and is free to translate.
Balance: 0 coin


※※※お知らせ

学園長の誘いは、今日、明日、明後日と毎日投稿となります。

王国の歴史について、俺が質問で教師を困らせた数日後、学園長から呼び出しがあった。

以前に兄と一緒に挨拶に行ったものの、学園長の執務室に赴くのは、気が重い。

「学園長の呼び出しには気をつけろよ。俺も毎回、碌なことじゃなかったからな」

兄からはそう注意も受けていた。

憂鬱な気持ちで、重い足を引きずり、やっと扉の前まで来た。

「ソリス卿よ、その旺盛な知識欲で、教師を困らせておるようじゃの」

室内に招き入れられ、開口一番、学園長は笑ってそう言った。

俺は警戒を保ったまま、無言で一礼した。

「そもそも、他に類を見ない、いや、あり得ないと言って良い確率で、魔法士を次から次へと発掘しておる其方には、納得がいかんかったかの?」

「いえいえ、辺境にあっては知る由もない話ばかりで、ついつい興味を持ってしまいました」

やはりその話か? 今回は何を探るつもりだ?

「そう身構えんでもよい、今回呼び立てたのは、其方の疑問に少しばかり答えてやろう、そう思ってな。

そこに座って、暫くは老人との世間話でも、付き合って貰えんかの?」

「ご配慮ありがとうございます。私の様な者で良ければ、喜んで」

「そうじゃな、先ずは何を話そうか。

先日、王国の歴史について、授業でも話があったであろう? あれについて、補足するかの。

カイル王国も、建国されてからはや500年、この国にも隠された歴史というものは、多々あるでの……」

「その……、このような場所で、しかも私などが、そんなお話を聞いても、問題ないのでしょうか?」

いきなり物騒な話が来た。これが老人との世間話?

そんな裏事情、変に聞いて関わりになる方が怖い。

「ふむ、問題は……、大ありじゃの。

だが、隠された王国の歴史の一端を知れば、其方の疑問も解け、我々への警戒心も和らぐであろう?

ここは学園内でも最も密談に適した場所での、余計な者が聞き耳を立てることも適わん。

其方に秘事を話すことで、我らの疑問にも素直に答えてくれるようになれば、それで重畳じゃろうて」

「皆さまの疑問とは、どういったことでしょうか?」

「先を急ぐでない。先ずは儂の話を聞き、我らが其方の味方だと、理解してもらうことが先じゃ。

その後、こちらの質問にどう答えるかは、其方自身が判断すれば良いことよ」

「畏まりました」

「では先ず、初代カイル王について、教師たちも知らん、王族にのみ伝わる秘史をお主に話そうかの」

そう言って学園長は話し始めた。

学園長は今は王家を離れ、公爵となっているが、ずっと以前は先々代国王の末弟で、王族の一員であった。

そのため、王家の事情にも通じている。これは、兄からの引継ぎで得た情報だ。

「初代カイル王の出自については、全く記録にも残っておらず、よく分かっておらん。

ただ伝承では、それまでの世界とは異なる、慣習、知識を持っていたと言われている。

ある日忽然と、今のグリフォニア帝国領内の、人外の民が住まう里に現れたそうじゃ。

そして、そこに住まう人外の民、かつては魔の民であった彼らに、再び魔法をもたらしたそうじゃ。

言い換えれば、氏族の独自性を失い、人の世に交じり彼らが失ってしまった魔法、それらの適性を見出し、魔法士として再び活躍できる機会を与えた。

この辺り、授業で話されていたかの?」

「はい、その点は触れられていました。

授業では、魔法士を復活させ、迫害された人外の者や、人界の民を率いて旅に出て、幾多の危難を乗り越え、この地まで辿り着いた。そして魔境を切り開き、この国を建国したと。そう教わりました」

「そうじゃな。

初代カイル王の特筆すべき能力のひとつ。それは【付与の力】だと言われておる。

その能力は、特定の魔物の核にある魔力を使い、それを魔法適性のある者へ付与する。魔力を受けた者の血は活性化し、元々備わっておった力、魔法を行使できる能力を取り戻す。

どこかで聞いたことのある話とは思わんか?」

「それは今、教会が行っていることでは?」

「その通りじゃ。

もうひとつ、初代カイル王は、未来の危機を予測する力を持っていた、そうとも言われておる。

歴史ではその力、彼の導きにより、旅をした女子供を含む一行が、国境あたりからこのカイラールまで、無事に辿りついたとなっておる。

だが、南の国境からこの地まで、魔境の中を抜けて辿り着くなど、常識的に考えれば不可能じゃ。

其方は、多数の魔法士の部隊を含む3百の兵で、女子供を抱え、その距離の魔境を抜けることができるか?」

いや、絶対無理だ。

戦闘に長けた精強な軍が、十分な補給物資と数で、細心の配慮をして行軍しても、恐らく無理だろう。

まして、足手まといがいれば、先年のブラッドリー侯爵の軍と同じ運命を辿るだけだ。

「では、先日の授業で教わった歴史も、事実ではない、隠された部分があるという事でしょうか?」

「そうじゃな、歴史とは真実と、権力者にとって都合の良い虚構、それらが絡み合い織りなすもの。

其方には、その歴史の中に埋もれた真実、そのひとかけらを知ってもらおうと思ってな」

この先の話は十分に危険な香りがする。

だが、俺の好奇心が勝り、頭の中で危険を告げる警鐘を抑え込んだ。

「カイル王が遺したもので、今、この国の誰もが知るものが3つある。分かるかの?」

俺は首を横に振った。

「これは調べれば、其方でもいずれ分かるものじゃ。

一つ目は、教会じゃの。

カイル王国の教会は、他国のものとは成立も背景も全く異なる。初代カイル王が自ら設立したからじゃ。

これについては、後ほど改めて説明するとしようかの。

2つ目は度量衡じゃ。

500年前は、国ごとに、いや地域、それを運用する組織によっても、基準が異なり混乱しておった。

そこで王は、自身の身の丈の長さを17等分し、そのうち10を1メルと定め、1000メルをキルと定めた。

重さについても同様じゃ。カイル王ご自身の体重を60等分し、そのひとつを1キルグとした。

こうして王国では統一したものが定められ、運用されていった結果、今では複数の国にまで浸透しておる。

3つ目は、氏名のありかたじゃの。

お主はカイル王国が何故、他国とは異なり家名を名の先に名乗るか、疑問を持ったことはないかの?

実はこれも、初代カイル王の慣習に従ってできたもの、そう言われておる」

ここまで話を聞き、初代カイル王って俺と同類、または近しい存在であったんじゃないだろうか? そんな仮説が頭をよぎった。

現実問題、この世界の度量衡は、俺の知る異なる世界の度量衡に極めて近い。

なんとなく気にはなっていた事だが……

今の話で仮定すると、カイル王は身長170cm、体重60kgということだ。西洋人にしては少し低いし軽い。

だが、500年以上前であれば、その単位自体がまだ存在しなかったはずだ。どういう事だ?

「さて、そろそろ本題に入ろうかの」

学園長の声色が変わった。

俺は考えるのをやめ、話に集中することにした。

『貴族制度を定め、氏族の血脈と固有の魔法を保て』

『教会により、魔の民が持つ魔法の確保に努めよ』

「どちらも、初代カイル王が遺した宣言と言われておるがの。さて、ここで、そなたの質問の回答じゃ。

この国では、代々領主貴族となるもの、王宮にて誓いの印綬を、自らが押印すること、存じておるか?」

「はい、その儀は存じております」

【前回の歴史】で16歳の時、王宮でこれを行った。

【今回の世界】の俺は、男爵号は得ているものの、ソリス子爵家預かりの身。この儀式に該当していない。

領地はあくまでも、子爵領の一部として、運営を任されているに過ぎない。

公式に固有の領地を持つ者は、領主貴族である父だけで、俺は王国に任命された領主ではない。

「領主貴族となった者にだけ発現する【権限】、あれを不思議に思った事はないか?」

「あれは……、領主の能力、治世の成果などを反映して発現する、そんなものではないのですか?」

「誰がそんな物調べておる? そんな数値を管理できる者がいるのであれば、見てみたいわ」

「では、その話も、治世者に取って都合の良い虚構だと?」

「理解が早くて助かるの。あれは、一旦預けた領地を、後日になって召し上げるための方便じゃ。

そもそも、権限の効果なんぞ、実際には気休め程度のものじゃからの」

「……」

確かに、一般に言われる権限、生産力向上、商業発展、兵力強化、そんなものがあるが、具体的な効果となると非常に曖昧だ。

結局領地は俗人的な理由、治める者の能力で変わる。

気休めと言う表現は、概ね正しい。

だが俺の領地鑑定は、気休め程度では済まない、かなりチートなものだ。俺だけが例外だったのだろうか?

【前回の歴史】では、俺は死の直前、最後の瞬間に、何らかの条件を満たし、権限が発生したはず。

この2点、学園長の説明とは矛盾する。

何故だ?

俺だけ特殊なのか?

学園長の話を聞きながら、俺は考え込んだ。

「なにより大事なのは、【権限】に伴い発現する、固有スキルと呼ばれている、【血統魔法】じゃな。

先ほどの初代カイル王の宣言を思い出してみよ。

氏族の固有魔法、これが、血統魔法であり、古の魔の民の血統を継ぐ証なのじゃ」

「それは?」

「この国の貴族も、元を辿ればカイル王と12氏族に繋がる。これは聞いておろう?

だが、時代とともに氏族の血は薄れ、それを恐れたカイル王が、その宣言のもと、貴族の婚姻を統制し、各氏族が持つ魔法(血統魔法)を維持するよう努めた。

そのため、不適格者の【権限なし】は、一代限りで領主の地位を追われ、領地は召し上げられる。

そうして、王国の弱体化に歯止めをかけるため、この仕組みを定められたのじゃ」

「では、魔の民の血を強く引いていれば、領主としての【権限】は発現するということですか?」

「それは、正解であり、正解ではない。

カイル王の治世より500年、異なる氏族同士の婚姻も進み、更に人界の民の血も交じっておる。

仮に魔の民の血を強く引いていても、特定の氏族の血が薄ければ……、混じり物が多いと権限は現れん。

現実問題として、既に全ての貴族が持つ固有の氏族の【血】は、残念ながら相当薄くなっておる。

そのため補助なしには、権限は発現せんのじゃ」

俺はもう一度、頭の中を整理した。

・権限が発動するには、魔の民の血統が必要

・その血統は特定の氏族の血が十分濃いことが条件

・現在に至っては、血はかなり薄くなっている

・そのため補助なしに権限は発現しない

「その補助が、領主に対する王都での任命式ですか?」

「良くわかったの、正解じゃ。

正確には、任命式において、各貴族が王家への忠誠を誓う証として、自らの手で宣誓文書に印を押す。

この際に形式として授与される、実際は任命式の時だけ、一時的に王から貸し出される【印綬】じゃがの。

この印綬は、各氏族より預かった何かに、カイル王が付与の力を込めて作られておる。

そして、これを手にした者は、いや、それぞれが受け継ぐ血が反応し、本来あった力を呼び覚ます」

なるほど!

印綬は、それを手にした者にだけに作用する。

いわば、能力を引き出す魔道具のような存在か。

そしてトリガーは、印綬に触れること。

領主貴族の任命式、押印の儀式でそれが行われる。

「印綬により、その血は活性化され、本来あった力、血統魔法が目覚める。

当主が血統魔法に目覚めることにより、近しい家族の血も活性化し、その家族にも血統魔法を発現させる者が現れる。

まぁ、全ての家族や近親者、という訳ではないがな。

この点、其方の質問にあったであろう?」

「はい、ございました。

ありがとうございます。それが……、発現の鍵、いや仕組みだったとは驚きました」

「この事は、領主である親の影響で、既に血統魔法を持つ者にも言えることじゃ。

例えばお主の兄じゃな。既に光の血統魔法を持つ。

だが、印綬の影響がなければ、その先には伝播せん。

今のままでは、今後生まれる兄の子たちは血統魔法に目覚めることがない。

本人が血統魔法を使えても、その者が任命式を受けてなければ、その子供や、近しい者に血統魔法が受け継がれることはないのでな。

印綬の力を受けて初めて、その影響は伝播する。

まぁ、発現するまでの時間や、その伝播の広がりには、それぞれ差異があるようじゃがの」

「……」

これも、非常に危険な情報だ。

こんなこと、簡単に口外できるレベルの話ではない。

俺は慎重に言葉を選んだ。

「この仕組み、王国に離反した貴族がいた場合、世代交代しても、印綬の補助が受けれない。

即ち力を失うということですね?

だから、貴族は王国を離反する事ができない……」

「ほう、そこに気づいたか。

それがいま、この王国を支える、大きな仕掛けとなっておること、貴族たちは知らん。

王国には、離反した者の種を途絶えさせる仕組みがある事をな」

最悪、この話が流出すれば、この国の貴族制度の屋台骨を崩しかねない。

王家は誰にも知られず、貴族の生殺与奪の力を、仕組みとして持っているという事だ。

そんな情報を聞かされ、俺は踏み入れてはならない場所に、迂闊に立ち入ってしまった事を自覚し、戦慄した。

そして、俺の権限の発動は、たまたま時間がかかった個人差なのだろうか?

自分ことはさておき、ここまでの情報は重過ぎる。

「ほっほっほっ、この情報の重み、そして男爵に対する我らの期待も、理解してくれたかの?」

いや、笑い事で済む話ではないんですけど……

この先、何を望まれるか、非常に怖くなった。

「さて、話も長くなることじゃし、儂も話しすぎて喉が渇いたでな、一旦はお茶の時間としようかの」

そう言うと学園長は呼び鈴を鳴らした。

ご覧いただきありがとうございました。

今回長くなってしまいお見辛い点、失礼しました。

本来は今回を含むこの先の3話が、元々は1話の中身を分割したものです。

そのため、続きの部分は、明日、明後日と毎日10時投稿で予約しています。

次回は【学園長の誘い:危険な茶会】を投稿予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

※※※ご報告※※※

これまで暫く隔日投稿になっていましたが、2月中旬以降は暫く毎日投稿に戻れる予定です。

※※※お礼※※※

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。

毎日物語を作る励みになり、投稿や改稿を頑張っています。

誤字のご指摘もありがとうございます。いつも感謝のしながら反映しています。

本来は個別にお礼したいところ、こちらでの御礼となり、失礼いたします。

また感想やご指摘もありがとうございます。

お返事やお礼が追いついていませんが、全て目を通し、改善点や説明不足の改善など、参考にさせていただいております。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset