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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 160

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今回から場面は再び転換して、東部国境の戦いに戻ります。

※※※ 開戦六日目

東部国境での戦いは、不思議な膠着状態に陥っていた。

イストリア皇王国軍は、緒戦で大損害を受け、多くのロングボウ兵を失った。

それでも、カストロ枢機卿の麾下には、予備兵力として国境の砦に待機していた兵力18,000名がいた。

彼らは本来、狭い街道にて敵軍を撃破し、戦線が拡大した際に投入する予定であった者たちだった。

だが、敗北により戦線は押し戻され、以前にカイル王国より奪ったこの国境の砦が、今や最前線となり、砦を守備することが目的と変わっていた。

前線から撤退した兵たち、約2,000名のうち、半数は負傷しており暫くは戦線参加できない。

そして残りの半数も、カタパルトの攻撃やその後の敗走で、武器であるロングボウを失っていた。

予備の武器がそれほど有る訳ではない。

しかもロングボウを扱うのは、いわば職人芸であり、彼らは補充のきかない虎の子戦力だった。

そのため、消耗を避け、これまで負けない戦術を構築していたが、今回は大惨敗を喫してしまった。

この戦役で必勝を期すため、国を挙げて大動員をかけていたため、イストリア皇王国内には、もう予備兵力といえるロングボウ兵はいない。

そういった事情もあり、彼らは砦にこもりつつも、次の打つ手を欠いていた。

<イストリア皇王国軍 国境砦予備兵力>

・軽騎兵    6,000騎

・ロングボウ兵 6,000名

・歩兵     6,000名

<防塞より敗走し合流>

・ロングボウ兵 1,000名(弓なし)

・負傷兵    1,000名

対するカイル王国軍も、この3日間、ある事情で身動きできずにいた。

その原因は、魔物の襲来だ。

本格的な魔物の襲来前に、防御陣を引いていたこと、魔物との戦いに慣れた十分な戦力があったことで、被害と言う程の被害はなかったが、奪った防塞と防御線の防衛、王国内への魔物の侵入に対する防衛と、軍を2つに分かち、対応することを余儀なくされていた。

魔物に対する不毛な争いも3日を経過し、戦場に漂う血の匂いも消え、引き寄せられた魔物の対処もやっと落ち着いていた。

「さて、ここからが問題じゃて。敵は砦にこもり貝のように固く出口を閉ざしておるでな。

攻めようにも、我らは一方向からしか攻め口がない。

しかも大きな戦力差がない状況では、攻城戦において我らが相当不利と言わざるを得ん」

ハミッシュ辺境伯の言葉に、誰もが沈黙していた。

「敵をもう一度、この防塞におびき寄せるっていうのは、やはり無理か?」

「敵軍は守ってこそ本領を発揮するもの。一度手痛い目にあっているのだ。決して出てこんだろう」

ホフマン軍団長の言葉に、シュルツ軍団長が返す。

「あの、彼の砦は、元々カイル王国軍の建造したものと聞きましたが……

どこかに隠された水の手や水路があるとか、そういった弱点はないんですか?」

俺は恐る恐る質問した。

「ある、そう胸を張って言いたいところじゃが、大した弱点ではない。

あの砦は、我らが長い時間をかけて左右の岩山を削り構築したもの。土台も元々は岩山の一部よ。

そのため、水の手がない。

だが、後方に安全な自国の領地があれば、必要とされる水は輸送で十分補うことができるでな。

もうひとつは、左右の岩山じゃの。

あそこに登れば、砦の内部は丸見えじゃ。

じゃが……、あの険しい岩山を登るような酔狂な者は、そうそうおらんでの。

しかも、あの岩山では展開できる兵の数も限られる」

ハミッシュ辺境伯は残念そうな様子で、答えた。

「岩山か……、時間さえあれば、何とかなるか?」

俺は小さく呟いた。

軍議のあと、団長とアストールを伴い、右翼側の森を進み、砦近くの状況と岩山を確認した。

森の終着点には、大きく削られた約20メル(≒m)の岩の壁が反り立っていた。

その壁を越えた先は岩山になっているが、地上からはその様子がわからない。

「うーん、ここで岩を削り、上まで進む階段を作るには骨が折れますね。半年とか時間をいただければ、何とかしてみせますが……、あるいは、本格的に木材で足場を組むか、だと思います。

あと、この岩の奥がどうなっているか分かりません。

砦の裏手側まで、通路を繋げられるかどうか、ここからでは残念ながら判断ができない状況です」

「ふむ……、登ってみないと分からんか。

しかし、一旦岩場に足場を構築すれば、風魔法士と弓箭兵で射程内となる。

しかも、打ち下ろしなので、圧倒的に有利だな」

アストールの言葉に対し、彼に続いた団長は、俺と同じことを考えていた。

テイグーンにある魔境側の関門、隘路上に設置された見晴台も岩山を掘削して作った。

ただ、その時は地魔法士が何人もいたが、ここにはアストールと預かった者、たった計3人しかいない。

いや、待てよ……

3人も居る!

そう考えれば良いかもしれない。

その後、団長と俺、アストールで、その時に思いついた案の検討を始めた。

「ハミッシュ辺境伯、ちょっと試したいことがあるのですが、意見具申よろしいでしょうか?」

その日のうちに、俺は辺境伯に提案し、裁可と作業に当たる人員を確保できた。

今回も、地魔法士とバルトの空間収納の合わせ技だ。

まず、敵の防塞を攻略した後、設置し直したカタパルトを、目晦ましのため活用することを決めた。

俺たちの目論見が発覚しないよう、いやがらせの攻撃を行うために。

多少の時間は掛かることには目をつぶり、俺たちは戦況を変える契機となる策を進めた。

こうして俺たちは、暫く黙々と土木作業に徹することになった。

一方、砦を守るイストリア皇王国側も、何もしてこないカイル王国軍に疑念を持ち始めていた。

「カイル王国の奴らは、何を考えている? 本気で攻める気があるのか?」

カストロ枢機卿は、皇王国軍の将軍に対し語気を荒げて不満をぶつけた。

「恐らく……、攻めあぐねているのでしょう。

奴らはこの砦を西側の正面からしか、攻めることができません。

そして、その正面に展開すれば、城壁上や砦内から弓を射る、我らのロングボウ兵の餌食になります」

「だが、奴らは予想外の手立てを取る可能性もある。それで先日はしてやられたのではないか?」

「私も逃げ帰った者から話は聞きました。奴らは塹壕を掘り、密かに射程内に兵を忍ばせていたと。

ですが、ご安心ください。

この砦の周辺の大地は左右に広がる岩場の延長です。

モグラのように穴を掘ろうにも、岩盤に阻まれ、どうしようもありません」

それでも、枢機卿の頭から不安は解消されずにいた。

老師の言葉が彼の頭から離れなかったからだ。

イストリア皇王国軍は常に攻め込み、その先で鉄壁の防御陣を敷き、敵の反撃を打ち砕いてきた。

この砦も、鉄壁の防御陣には違いない。

だが……

カストロ枢機卿が、敵の動向に悩んでいた翌日から、散発的ながらカイル王国軍にも動きがあった。

カイル王国軍によって奪われた防塞の陰から、あの忌々しい投石機の攻撃が再開された。

だが、距離も遠く、攻撃自体は大したものではない。

放たれた石弾の多くは、砦の壁に阻まれて、煩わしい騒音を派手に上げるだけだった。

ただ、時折、たまたま砦の壁を越えて飛来した石弾に当たり、皇王国軍兵で負傷する者も出てきた。

皇王国軍側でも、急ぎ投石器を本国から運び込み、砦から反撃の石弾を放ったが、こちらの攻撃も射程外だったらしく、敵の防塞には届かない。

彼らは弓矢と同様に、風魔法士による支援を試みたが、かなり勝手が違うようで一朝一夕では効果的な運用が不可能であることが分かっただけだった。

自分たちは、たとえ敵軍から姿が直接見えなくとも、砦内にいる事は明白な事実だ。

敵は攻撃を砦に集中できる。

だが逆に、敵軍は森や防塞の陰に隠れ、所在を確認できないため、現状はただ、アタリをつけての攻撃しかできていない。

更にカイル王国軍は、時折、森に隠れ砦の近くまで進出しては、クロスボウの一斉射撃を放ってくる。

大きく弧を描いた矢の攻撃が、頭上から降り注ぎ、少ないながら被害を与えてくる。

カストロ枢機卿だけでなく、イストリア皇王国軍の兵士たちは、苛立ち、神経をすり減らしていた。

こうして、嫌がらせの攻撃を行う傍ら、タクヒールと団長の姿は、森を抜けそびえ立つ岩壁の上にあった。

「団長、土嚢を積み上げれば、20メル程度の階段なんて、すぐでしたね」

「ええ、山登りの得意な者を募り、複数組が調査していますので、今日中には結果が出るでしょう」

俺達は、右側の森の終点にある岩壁に土嚢を積み、階段を作る工事が完了すると、その断崖上に移動して、偵察隊の報告を待っていた。

当初、地魔法士の能力を活用する事について、俺の思考は硬直していた。

彼らは大地を、掘る、削る、隆起させる以外に、土を固めることができるのだ。

岩場の中で、足場がなければ、土を固めて作れば良いだけだった。

幸い土嚢はふんだんにあった。

奪った防塞は、カイル王国側に向けて陣地を構築しており、大量の土嚢が積み上げられていたからだ。

バルトの空間収納によって、効率的に運ばれたそれらは、岩山に持ち込まれる。

その傍らで、地魔法士は岩場に滑り止めのわずかな掘削を行い、兵たちはそこ基点に土嚢を敷き詰める。

その後、地魔法士たちが土を固め、兵たちはその上に板を敷きつめる。

この作業を行っている間、敵軍が立て籠もる砦の正面からはカタパルトが、左右の森からはクロスボウ兵が嫌がらせの攻撃を行った。

彼らの目を、右側の岩山から極力逸らすために。

「いやはや……、時空魔法士の力も、恐ろしいものがあるな」

工事の視察のため、岩山に来ていたハミッシュ辺境伯は、そう呟くと感嘆のため息を漏らした。

彼は、バルトのチートぶりに改めて驚いていた。

人の力では持ち上げることの叶わない、大きな岩が一面に転がる場所も、バルトにかかれば一瞬で岩々が消え、整地されてしまう。

砦の右に広がる岩山は、こうして徐々に攻城用の陣地へと、その姿を変えていった。

「あと3日もすれば、砦の裏側に広がる岩場に出ます。そこからだと、敵の砦も、その後方も一望にでき、風魔法士の助力があれば、十分有効射程内に入ります」

「まぁ、多少の難点もあります。

この岩山は狭いため途中の通路も併せて、展開できる兵力がせいぜい1,000人弱、といった所でしょうか?

それでも正面とうまく歩調を合わせれば、一気に行けるでしょうな」

俺と団長の2人に説明され、辺境伯は満足した顔で頷いた。

そして工事を始めて4日目、間もなく工事は完了という時になって、俺の元には、予想もしなかった凶報を伝える使者が訪れることになる。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は【三番目の秘匿兵器】を投稿予定です。(3月以降当面の間、隔日投稿となります)

どうぞよろしくお願いいたします。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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