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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 180

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団長率いる騎馬隊200騎は、クロスボウより長射程で威力の高い、エストールボウを装備している。

敵左翼に強かにダメージを与えると、敵の突進に合わせて反転、森を縫う街道に向けて騎馬を疾走させている。

「凄いなぁ。騎乗であの射撃の腕もそうだけど、統制された動きに見事な挑発っぷり。

ギリギリで逃げ出すタイミングも真に迫ってる」

俺の傍にいたアレクシスは感嘆の声を上げた。

いつもながら、団長が率いる騎兵の動きは素晴らしく、俺が見ても惚れ惚れする。

射撃には、ゴーマン子爵軍から編入されている風魔法士が、騎馬隊に同行し風魔法を行使しているため、普通では考えられない射程と威力、命中精度を出している。

「でしょう……

皆、日ごろ目いっぱい団長にしごかれてるからね。

万が一無様なことやらかしたら、キツイご褒美(特別訓練)もあるし……」

俺はふと、団長の容赦のないしごきが脳裏によぎり、遠くを見つめながら呟いた。

「ではそろそろかな?

伏兵には待機指示を伝える鐘と、本陣には射撃用意の旗をお願い」

「了解です!」

今回は風魔法士の戦力は十分足りている。

散開しているロングボウ兵たちには、魔法士を付けていないため、風魔法は、正面配置の弓箭兵支援のみで事足りるからだ。

そのためアレクシスは、魔法士としてよりはむしろ、本陣で俺の補佐役兼、各所への伝達指示の役割をお願いしていた。

彼は東国境の戦いでも、俺や団長に変な遠慮をすることもなく、そして戦場でも臆することなく、常に平常運転だった。

そのため、俺たちにとっても変な遠慮や気遣いのいらない、そして戦術や手法を既に共有し、作戦指示を心得た、安心して共に戦える仲間となっていたからだ。

「カン・カン・カン・カン……」

戦場にはゆっくりとした鐘の連打が響き渡る。

森の中のロングボウ兵たちには、射撃に備えた配置に移動と射撃準備、これを伝える合図だ。

この段階では、彼らはまだ少し奥まった位置の木々に隠れ、息をひそめている。

そして、団長はじめ味方の騎兵たちが撤退し、森の街道にさし掛かると、少し連打の速度が速まる。

彼らの後方には、街道を埋め尽くす騎馬隊の集団が、こちらに向かって突進を始めている。

「カンカンカンカンカンカンカン……」

敵の騎馬隊が縦深陣に入ると、鐘の連打は一段と早くなった。

鐘の音は、攻撃開始は近いことを伝えている。

「射撃用意! 目標は突進してくる敵の最前列!」

俺の指示で赤旗が大きく振られる。

団長たち騎馬隊は、陣地の前に設けられた堀や逆茂木を避け、予め決められた細い通路を通って後退し、そこで反転、通路を守るように配置に着いた。

その時、敵の騎馬隊は前方200メルまで迫っていた。

「三打目で射撃開始!」

俺の号令で鐘は連打を止め、3回打ちを始めた。この3打目で一斉射撃が開始される。

鐘の音に合わせ、本陣前からクロスボウ兵300名、本陣横に隠れていたロングボウ兵140名、合わせて440本の矢が風魔法士の支援を受けて必殺の矢を放った。

敵の先頭は既に100メル前後となっている。

矢が風を切る音と共に、風魔法士により加速された矢は、突撃する人馬に次々と突き立つ。

「あっ!」

「わっ!」

「ぐわっ!」

一斉発射を受け、俺たちに向かって突進していた、騎兵たちの最前列が一斉に落馬した。

同様に矢を受けた騎馬も、矢を受けて転倒したり、棹立ちになって暴れまわる。

そこに後続が突っ込み、衝突して転倒したり、先に転倒した人馬を馬蹄で踏みにじる。

更にそれらに、脚を取られて転倒や落馬する者が相次ぎ、そこは阿鼻叫喚渦巻く、修羅場となった。

「恐れるな! 第二射までは時間がかかる!

この隙に混乱を収集し、敵陣に突入しろ!」

騎馬の列の中程にいて、最初の被害をまぬがれた者が味方を叱咤する。

初撃を受けた後も、彼らの士気は衰えていなかった。

思ったよりも矢数が多かった点は想定外だったが、クロスボウによる掃射で、それなりの被害を受けることは、彼らも予め想定していた。

これだけ接近すれば、全力で疾走する騎馬なら、第二射発射前に敵陣に殺到できる。

そう考え、彼らは自らを奮い立たせた。

崩れかける味方を叱咤し、何とか攻撃を継続しようとした。

だが、その思惑は大きく外れた。

敵陣の手前に張り巡らされた、堀や逆茂木に阻まれ、騎馬は前に進むことができず立ち止まった。

唯一、敵陣に通じ開いている三箇所の通路は、どれも細く、一騎ずつしか通り抜けることができない。

団長が騎馬を三列の縦列陣で率いていたのも、ここを混乱なく通過するためだ。

その細い通路を単騎で通り抜けた者は、満を持して待ち構えていた、団長率いる騎馬隊によって包囲され、次々と討ち果たされていった。

そして、更に予想外の事が彼らを襲う。

進軍してきた左右の森から、突然新手の兵士たちが湧き出した。

その手に、見たこともない長弓を持って……

「伏兵だぁっ! 森の中に伏兵がいるぞっ!」

どこからともなく沸き上がった声に、ゴーヨク伯爵軍の兵士たちは酷く動揺した。

伏兵たちの矢は、クロスボウでは考えられない、短時間の連射と射程距離で、間断なく襲ってくる。

しかも各所で矢の十字砲火を浴び、瞬く間に甚大な被害を受け、至る所で戦線は崩壊していく。

「てっ、撤退! 撤退しろっ!」

伯爵軍の騎兵たちは、ここに及んで撤退を決意した。

だが、後続として森の街道に入ってきた歩兵たちが邪魔で、彼らは前に進むことも撤退することもできなくなっていた。

俺は敵軍の混乱と、最前線の圧力が減ったことを確認すると、次の段階に移った。

「以降の射撃は、照準を遠距離に変更!

敵の退路を潰せっ! 用意……、撃てっ!」

本陣前に展開する弓箭兵と、魔法士たちへの指示を殲滅戦に切り替えた。

残酷なようだが、彼らの軍を完全に撃退しないと、テイグーンで戦う仲間たちの元へ駆けつけることができない。

同じカイル王国の兵士たちではあるが、反乱に加担した者たちに情けを加える余裕もなかった。

そして、彼らの最後尾に容赦ない矢の雨が降り注ぐ。

「退路っ……、ありませんっ! 後ろも矢の雨ですっ」

ゴーヨク伯爵軍の騎兵たちが絶叫した。

後方の歩兵たちが次々と矢を受け、倒れていく。

この時になって彼らは、敵の縦深陣に誘い込まれ、今正に殲滅されつつあることに気付いた。

そして敵陣から聞こえる鐘の音が、彼らにとっては死を告げる音色となった。

彼らは、我先にと後方に逃げ出そうとしたが、人馬が入り乱れ混乱し、思うように動くことすらままならなかった。

「先の東国境の戦で、タクヒール殿が仰った危惧が、今、身に染みて理解できました。

イストリア皇王国は、これを狙っていたんですね。

危うく我らは、同じように殲滅されていたかも知れない、そういう訳ですか……」

アレクシスは我がことのように蒼ざめて、この経緯を見つめていた。

味方が街道上で大混乱に陥っている様子を、遥か遠くで呆然と眺める者がいた。

「あれは何だ? 何故、味方は混乱している?

奴らは少数ではないか、何故叩き潰せない!」

自らは最後尾の歩兵たちに囲まれ、戦いの成果を楽しみに待ち望んでいたゴーヨク伯爵は絶叫した。

本来、兵の数や騎馬隊の割合でも、勝ちは約束されたようなものだった筈だ。

なのに、森を抜ける街道に突撃した騎兵たち、続けて侵入した歩兵たちは、次々と倒れ、いま正に主戦力として誇った軍が、殲滅されようとしている。

縦深陣の死地から、ごく僅かな兵たちが蜘蛛の子を散らすように逃げ出して来たが、その何十倍もの兵は、森の狭間の街道から、再び戻ることはなかった。

茫然とその様子を眺める伯爵は、ついに膝を突いて崩れ落ち、目の前の現実を受け止めることができくなってしまった。

「儂は……

儂は、今回の戦功で帝国侯爵として、南部一帯を統べる大貴族に躍進するのだ……

儂を馬鹿にしたあ奴ら、中央でふんぞり返り、政治ごっこをする馬鹿共を断頭台に送り……

歴史に名を残す、大英断を行った貴族として讃えられ……」

ゴーヨク伯爵は、うわごとのように、彼が見ていた未来を、先ほどまでは確信していたことを呟く。

今はもう、絶対に訪れることがない未来を……

彼は、自らの大き過ぎる欲に引きずられ、それを闇につけ込まれ、自身の器に余る反乱を起こした。

この決戦では、虚栄心と邪な思いから始まった欲が元で、味方を窮地に陥れ敗退を決定的にしてしまった。

彼はまだ、滅びてはいないが、その予兆を感じ恐怖した。

「このままでは、あの方をお迎えしても、儂はヒヨリミの下風に立たねばならんではないかっ!

しかも、討ち減らされれば、お迎えするための口火(休戦協定違反の国境侵犯)が切れんっ」

そう言って大地に崩れ落ちた。

だが、彼に襲いくる不幸はまだ始まったばかりだった。

膝をついた彼の視界には、遠く南の方からこちらに向かって来る集団が映った。

最初は別動隊がこちらの窮地を察し、駆けつけてきたのだと期待した。

だが、それらが近づくにつれて、事態は明確になり伯爵は驚愕のあまり、今度は卒倒しそうになった。

別動隊2,500名を任されたゴーガン子爵は、自分だけが武勲を立てる機会から外され、冷遇されていることに我慢がならなかった。

彼は南へ移動する際、ハストブルグ辺境伯の耳目を引くため、あからさまな隙を作り挑発した。

辺境伯を引きずり出し、決戦を挑むつもりで。

だが辺境伯はラファールが伝令として伝えた作戦案、事態の推移と作戦を正確に把握していた。

ゴーヨク伯爵が機動兵力を森の防塞攻略に振り分け、ゴーガン子爵が囮であることも分かっていた。

そのため、彼が作った隙に乗じ、突如、全力で牙を剥き攻撃を仕掛けていった。

ゴーガン子爵が想像だにしなかった、速度と苛烈さを以って。

ほぼ同数の兵力であっても、長年国境を守護し、強敵と渡り合ってきた辺境伯と彼の率いる軍勢に比べ、碌な指揮経験もなく、戦いの経験も少ないゴーガン子爵とその兵たちでは、全く相手にもならなかった。

彼らは戦場で、猫にいたぶられる鼠のように翻弄され、いとも簡単に討ち減らされて壊滅した。

「ばっ、ばかなっ!」

それが若くして子爵家当主となった彼の最後の言葉だった。

多くの兵たちと共に、ゴーガン子爵も戦場の露と消え、満身創痍の僅か500名弱が、戦場を離脱し、ゴーヨク伯爵の元に逃げ落ちてきていたのだ。

それ以外の2,000名は、戦場で散った者、戦傷で身動きの取れない者、捕虜となっていた者など、まさに惨憺たる状況だった。

ゴーヨク伯爵は、それらの敗残兵を取りまとめ、ブルグの森を撤退し、必死に国境へと走った。

グリフォニア帝国第一皇子、グロリアスが展開する陣地を目指して。

だが、その途上でも兵の逃亡が相次いだ。

そしてやっとの思いで国境近くまで辿り着いたとき、多くの兵は、ことの真相、実は自分たちが反乱軍であることを知った。

一部の兵たちは怒り狂い、裏切り者のゴーヨク伯爵と彼の一族を捕縛すると、辺境騎士団に投降した。

こうして彼の命運は尽きた。

ゴーヨク伯爵率いた反乱軍4200名は、ブルグの森で1500名を失い、ブルグ郊外で2,000名を失った。

もちろん、この中には、自ら投降して捕虜となった者や、負傷して捕縛された者も多く含まれる。

伯爵と共に戦場を脱した700余りの兵も、逃亡の過程でその多くが離散し、最後に伯爵を捕縛し投降した兵はわずか100名足らずであった。

『ブルグの殲滅戦を思い出せ。

王国に叛旗を翻す者が辿る末路を。王国貴族としての誇りを失った者たちの末路を。

誅罰の矢は不心得者の頭上に降り注ぎ、正義の何たるかが示されるであろう。

自らの欲に溺れ、大義を見失った者の末路、忘れることなかれ』

ゴーヨク伯爵の哀れな末路は、後日カイル王国において、貴族の教訓として長く語られることとなった。

ブルグの森での戦いで記録的大勝利を収めた俺たちは、戦後処理を行う傍ら、ハストブルグ辺境伯に伝令を走らせた。

その結果、辺境伯も勝利を収めていたことを知り、戦場の対応は団長に任せ、俺は辺境伯に会いに行った。

「ソリス男爵、暫く見ぬ内に……、見違えたな! この度は……、誠に見事であった!」

そう言った辺境伯に抱擁された。

臣下を抱きかかえて迎える、これはカイル王国では最上位の礼遇だった。

辺境伯も最大の窮地を脱することができ、その喜びも一入だったに違いない。

「先ほど最新の知らせが入ってな、そなたの領地を襲ったヒヨリミ子爵軍は壊滅し、子爵も捕縛されたそうじゃ。其方の領地は、兄によって守られたぞ。

彼は今、各貴族の連合軍を率いて各地を転戦しておるとのことじゃ。

これでようやく、南部一帯で起こった反乱も全て平らげられよう。

この度の、苦しい戦いもやっと先が見えたな」

ダレク兄さん!

ありがとう、本当に、本当にありがとう。

感謝の思いが胸一杯に溢れ、思わず涙がとどめなくこぼれた。

そして、テイグーンのみんな!

いつも、本当にいつも、肝心な時に居なくてゴメン。

そして俺のいない間をありがとう。

俺は無意識に膝をつき、南西に向かって頭を下げ、感謝と謝罪で暫く頭を上げることはできなかった。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は【反乱の終結】を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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