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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 203

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第六回最上位大会はこれまでにない大きな盛り上がりとともに無事終了し、最後の夜は迎賓館にて盛大な晩餐会が催されることになった。

だが、それだけではない。

領民たちのもてなしに感謝した、国王陛下の主催ということで、テイグーンの街や、宿場町、ガイアの街でも同様に、領民や来訪者を対象にした祭りが各地で催されていた。

この時に限り、どの飲食店や出店でも予め指定されたメニューの中の食事代、酒類などの飲料代は全て無料で、国王陛下からの贈り物とされた。

そのため、各所で感謝の盃を掲げる声が止むことがなかった。

「国王陛下に乾杯!」

「カイル王国に乾杯!」

「陛下に感謝を!」

「国王陛下と領主様に!」

領民たちだけではない。近隣の他領や果ては王都や、東部辺境から駆け付けた見物客たちもこの陛下のもてなしの相伴に預かり、彼らもまた最終日の夜を満喫した。

晩餐は、国王陛下の無礼講とのお達しもあり、敢えて半立食形式にしていた。

完全な立食だと、陛下などを中心とした、挨拶やご機嫌伺いの対象となる方々へ人が集中し、受ける方は食事の暇もなくなる。

そのため、前半は立食といえど、指定のテーブル周りで食事を楽しみ、その後、自由に動ける形にした。

「魔境伯、この度の大会の全てが誠に見事であった。

心の琴線に触れるもてなしを始め、大会の運営、其方の配下の活躍など、余も取り入れたいと思うことが多分にあったぞ。

ゴウラスなどは、多少青ざめておったがな。ワハハ」

「そうですな、大会を契機とした売り込みも見事で。

さてさて、魔境伯はどれだけの商談を成立させたのでしょうな?

これで領地は益々隆盛を誇り、誠に結構なことで」

そう、俺はゴウラス騎士団長を始め、シュルツ軍団長、ホフマン軍団長から、団体戦の直後に取り囲まれて、直訴された。

弓箭兵育成のための指導教官を派遣して欲しいこと

限定品新型クロスボウを優先して売って欲しいこと

クロスボウの取り付け馬具を大量に購入したいこと

彼らは血相を変えて、こんなお願いをしてきていた。

更に、狸爺の言う通り、見本市では大量の発注や予約注文も殺到していた。

正直、どれも生産が全く追いつかなくて、カール工房長が頭を抱えるレベルで。

「それにしても、ゴーマン卿の躍進にも目を見張るものがありますな。

私が4年前に拝見した時より、遥かに力を付けておられる」

先ほど陛下から指摘を受けた、ゴウラス騎士団長は、ゴーマン伯爵にも非常に興味を示していた。

自身が肌で感じた急成長を、できれば王都騎士団にも、そう考えているようだった。

「いやいや、私はたまたま縁があって魔境伯の隣領だったからこそ、多くを学ぶことができました。

ただそれだけのことです。

それと娘のお陰ですな。あれは領民からとても好かれております。

そのお陰でクロスボウは一気に浸透しました故」

「ほう? あの魔境伯の強者を一人破り、もう一人と引き分けた娘御ですな?

この狸爺も、学園ではいささか彼女にはたしなめられましてな。

ほっほっほっ、武芸だけでなく胆力もある上に、人望も兼ね備えている、結構なことですなぁ。

夫となる魔境伯の良い支えとなるでしょうな?」

「ほう、爺に真っ向っから相対するとは、これは面白い話であるな。多くの者が恐れる狸爺に……

いや愉快、愉快でたまらんわ」

国王陛下は上機嫌で笑っていた。

この、国王陛下を取り巻くテーブルには、陛下とクライン公爵、王都騎士団長とハストブルグ、ハミッシュ両辺境伯に加え、大会上位者、俺、ソリス魔境伯とゴーマン伯爵が招かれていた。

「さて、人が入り乱れる前に、余から魔境伯には話しておくことがニ点ある。

一点目は政治向きの話じゃ。

此度の東での戦勝と内乱鎮圧に関して、早速帝国は祝いの使者を寄越してきよった。

それに伴い、第三皇子は交易と友好を広めたいとのことで、魔境伯、其方を指名してきよったわ。

これについてどう思うかの? 存念を述べてみよ」

「はっ! 私の推察ではありますが、この使者は第三皇子というよりも、その腹心のケンプファー子爵より発せられたものと思います。

目的は恐らく、交易に名を借りた敵情視察。

侵攻にあたり障壁となる、ハストブルグ辺境伯が構築中の要塞と、このテイグーン一帯を見て回ること、産業などを見分して兵力とそれを支える経済基盤を推し量るつもりでしょう。

此度の内乱、彼らの邪魔だてがあったからこそ、第一皇子の企図は挫かれ、我らは救われました。

ただ、それを引け目に思う必要はないと思われます」

「では、断るべきと?」

「いえ、そうすれば彼は、交易の発展を阻害したとして、商人たちに吹聴し、ますます求心力を得ることにもなるかも知れません。

どちらに転んでも損はない。そう考えての申し出と思われます。

どうせ商人を通じて、ある程度の情報は洩れます。

であれば、此方の都合の良いように歓待してやりましょう。当面、王国の領土を侵すこと敵わじ、そう思わせれることが叶えば重畳かと思われます」

「ワハハハ、成程な。相分かった。

して二点目は、商売の話じゃな。

余は、其方の仕掛けにまんまと乗ろうと思っておる。

あの、ライトアップとやらいうもの、妃がいたく気に入ってな。

展示会場で説明を受けた、『ライトアップぷろでゅーす』というもの、発注したいと思う。

価格は応相談、そう説明されたが、半年後の妃の誕生式典に花を添えるため、此度のもてなしの礼を含めて金貨1万枚で可能かの?」

「陛下! それは多過ぎます。

そこまでの対価をいただく訳には参りません。式典に華を添えさせていただくことは勿論承りますが」

「此度の礼を含めて、そう言ったであろう?

対価の殆どはそちらの方じゃと思ってくれ。

論功行賞の件もあり、余りに其方に肩入れすると、邪な考えを持つ者も出てこよう。そのためのことよ。

あと、ここに居る者はこの件、他言無用ぞ」

そう言って陛下は、俺に片目をつぶった後、隣のテーブルを見た。

其方には、王妃殿下とそのもてなしを担う、奥方たち、母にフローラさま、ユーカさんもいて、話に華を咲かせていた。

なるほど、一昨日の話の延長か……

早速俺に影の支援を行ってくれるということだな。

「では、話はここまでとし、無礼講といたそう」

国王陛下のひとことで、立食は自由移動が可能となり、すぐさま陛下のテーブルには挨拶に向かう者たちの列ができた。

俺や両辺境伯、ゴーマン伯爵は束の間の自由の身となった。

「タクヒール、今回もまたやってくれたな。

あっ! これは魔境伯閣下、大変失礼いたしました。どうかご容赦を……」

兄があからさまに礼を取り笑っている。

俺にとっても、公式の立場というものは非常に面倒くさい。

「ってか、兄さん。勝手に仕込みましたよね?

ウチの秘匿戦力まで引っ張り出して……、大将が形だけのブラフだったら大恥かくところでしたよ」

「ってか、お前が隠し事多すぎなんだよ!

せめて俺にぐらい、話してくれてもいいんじゃないか?」

「まぁ……、王国内にも帝国からも、色々間諜の目もありますしね。でももう、隠し事はないですよ」

「ふふん? まぁいいか。

で、相談なんだけどさ、ちょっと団体戦で惨めな醜態を晒した兄に、手を貸してくれないかな?」

うわっ! 来た。

風魔法士を兄の軍に配属してくれって話じゃ……

「辺境伯の所にも風魔法士が一人いるんだよ。あと、俺が王都で渡りを付けた者が2人。

彼らを指導して欲しいんだ。

まぁ本当は、指導できるクラスの魔法士を、こちらにも何人か送って欲しいんだけどね」

「うーん……

では、こうしましょう。その3人を暫くお預かりし、団長の訓練に加わってもらいます。

団長のお墨付きが貰えれば、兄さんの軍に戻す時、ゲイルかゴルドなどを一時派遣します。

これでどうですか?」

「ああ。それは助かるな。

あと、辺境伯や俺の新領地でも、射的場をもっと作って、クロスボウを流行らせたいんだけど……

受付所からも何人か……」

「はい、候補者を見繕って預けていただければ、クレアに預けて育ててもらいますよ」

俺は兄の意図が分かっていたので、わざと言葉を重ねた。

この件、実は父(ソリス伯爵)からも同じことを言われていたからだ。

父から独立した際、エストール領の各地にあった射的場と受付所の管轄を、父(家宰)に移した。

だが、そこで働く者の多くが、俺が独立するなら、テイグーンへ移住したいと言ってきた。

そのため、家宰と相談の上、当面は各所で後任の育成を行い、順次移住とするという形にしていた。

同時に、新人を送ってもらい、こちらで教育するとも伝えており、それらも後日テイグーンにやって来る予定となっている。

なので、兄の所にだけに人材を送る訳にはいかない。

まぁ万が一、希望者がいれば話は別だけど……

「分かった。フローラとも相談して、50名ばかり送るから、よろしく~」

「50人! 一気にそんな? いや……、それは……」

そう言いかけた時には、兄は既にいなかった。

そして、兄に代わって後ろに控えていた者が声を掛けてきた。

「お・に・い・さ・ま!」

振り返ると、妹を先頭に、フローラさま、ユーカさま、ご友人×4名が居た。

「今回は、お兄さまにはしてやられましたわ!」

妹は可愛く少し頬を膨らませていた。

成長するに従って、母親のあざと可愛さを、見事に再現しつつある。

「あれ? 勝ったんだよね?」

「勝ちましたわ!」

「では、なぜ?」

「私に内緒で……、色々準備されているのが、予想の上を行かれてしまいましたわ」

「まぁそれは……、仕方のないことでしょう。俺にも秘密はあるわけだし。

クリシア、また、俺の考えていることなど、手に取るように分かる、そんな感じで豪語したな?」

「……」

おいっ! 言ってたのかよ!

そんな可愛く舌を出しても、うん、……、許す。

「で、今回は幾ら勝ったんだい?」

「フローラお姉さまが540枚、ユーカお姉さまが500枚、私が580枚で他の皆さまも100枚ぐらい?

ちゃんと上限を守って、掛け金はそれぞれ金貨100枚でやりましたよ。

私が一番、お兄さまを信じてましたから」

「……」

俺は空いた口が塞がらなかった。

あの低倍率で、どんだけエグイ賭け方したんだ。

「皆さん、おめでとうございます。

素晴らしい成果だと思います。でも、勝負は負けることが多いこと、忘れずにいてくださいね。

そして、例え10枚の金貨でも、領民たちはどれだけ苦労をして稼いでいるか、それを理解いただければ、お金の使い道も生きてくると思いますし、私としても凄く嬉しいです」

うん、つい言っちゃった。余計なことだったかな?

胴元をしている俺が言うのも、ちょっと可笑しな話だけど。

「クリシアさんは、毎回得た金貨の大半を孤児院や施療院などに寄付されているそうです。

フローラさまは、戦争で亡くなったり、働けなくなった傷病兵たちの家族への支援に、私は……、ゴーマン領の施療院や学校にお送りするようにしています。

なので、タクヒールさま、金貨の使い道についてもどうか安心してくださいな」

満面の笑顔で答えたユーカさんに対し、なんだか俺は……、凄くバツが悪かった。

なので、俺は思わず妹を抱きかかえ、宙に持ち上げて、回転した。

「ごめんよ、クリシア。

やっぱりお前は、自慢の妹だね。お詫びに今度またハチミツを沢山送るよ」

「お兄さま、止めてくださいっ。恥ずかしいです……

でも、ハチミツは沢山お願いしますね」

そして……、背後からじぃーっと見つめる多くの視線を感じた。

俺は妹含め、7人のご令嬢に追加のハチミツを渡すことになったのは、言うまでもない。

その後も俺は晩餐会の間ずっと、この時こそ! と思った来賓や、参加貴族に取り囲まれ続けた。

彼らの質問はほぼ決まっていた。

限定品クロスボウは販売解禁になるのか?

ハチミツを定期購入できるのか?

改良版クロスボウの購入を検討しているが、納期はどれくらいか?

大量購入すれば、納期や価格などで優遇はあるのか?

砂糖や石鹸などを、どうやって産業化したのか?

どうやったらクロスボウを使った施策を浸透させ、領民を戦力化できるのか?

後は少ないながら、抱えている文官や魔法士、商人を派遣したいなどの要望もあった。

そのあたりも含め、予めミザリーやクレア、ヨルティアと打ち合わせていた対応に終始した。

こうして晩餐会などの行事は、つつがなく終わった。

ひとつの例外を除いて。

ここに全ての行事が終わった後、誰にも後ろ指を指されることなく、夜の視察団を率いることに張り切っていた某伯爵がいた。

彼は前回の反省をもとに、最終日にそれを実施することを目論み、準備を整え張り切っていた。

だが彼はその夜、奥方からライトアップを見学するご婦人方の、警護と引率を行う任務を言い渡された。

ライトアップの燈火が消える時間までは任務として待機する、そういう約束で。

もちろん俺は、通常なら夜半には消える燈火を、母の要望に従い、密かに一晩中油の補充を手配し、大会最後の夜を彩ることに余念はなかった。

伯爵が待ち望んだ消灯は、翌日の日が昇り始めた朝、朝食の準備で各位が動き始めたころであった……

伯爵は憔悴し、無念の涙を流しながら、街の一角で空を赤く染めて登る朝日を見つめていたという。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は【間話7 サプライズイベント】を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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