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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 204

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最上位大会も無事終わり、最後の晩餐会も終えたことで多くの者が安堵のため息をついていた。

しかし中には、翌日に企画されたサプライズイベントの準備に勤しむ者たちもいた。

発起人はハストブルグ辺境伯と、ソリス魔境伯、ソリス伯爵夫人の3名だった。

「魔境伯、明日の準備はどうかな?」

「はい滞りなく進んでおります。

所で陛下を始め、ご来賓の皆様のご様子はいかがですか?」

「ああ、陛下には王都出発前に事前に話を通しておるし、ご来賓の方々も同様じゃの。

クリス殿、最終的な参加貴族はどうなったかの?」

「はい、陛下がご臨席されるのに、断る貴族はおりませんでした。

今回の大会に参加した、全ての貴族、来賓の皆さまが参列いただけることになりました」

「それにしても、魔境伯よ。

予め仕込んでおった事とはいえ、団体戦の最後の意趣返し、見事な展開じゃな」

「いえいえ、とんでもございません。

せっかく陛下のご臨席を賜れる機会、逃す手はないかと差し出がましく提案させていただきました。

ブルグで執り行った方が良いのでは? いささかそう悩みもしましたが……」

「なーに、テイグーンにはブルグにもおらん中央教会の司教が2人もおるのじゃ。

門出を祝う祝宴には、これ以上のものもなかろう。

まして、陛下を始めご臨席いただく貴族の数も、これまでと比べ物にならんわ。

今回此方に来ている、あれの姉たちから少々恨み言を言われるほどにな」

「では、明日の式典まで皆様抜かりなく」

「はははっ、知らぬは新郎と、新郎の父親のみか。

これはこれで、愉快な企みじゃの」

3人は、愉快そうに笑ってそれぞれの準備のため散会していった。

俺は朝、目が覚めると妙に周囲が慌ただしかった。

国王陛下のご出立か?

いや、弟から、国王陛下も来賓の方々も出立は明日と聞かされていた。なので、それはないだろう。

陛下がどちらかに出掛けられるのかと訝しんだが、終日テイグーンにご逗留とのことだった。

麾下の辺境騎士団第六軍も、周辺警備で出払っており、手持ち無沙汰だったので父を訪ねてみた。

昨夜は、久しぶりに夜の視察団を結成すると、大はしゃぎだったが、果たして、うまく行ったのだろうか?

「クリスめ、初めから知っておったな。

儂の壮大な計画が……、タクヒールの奴め、母親に良いように言い含められおって……」

仮で用意されていた執務室で、眠そうな目をこすりながら憔悴しきった父が、譫言のように何かをブツブツと繰り返す姿を見て、俺は全てを悟った。

うん、誘われたが、今回は同行を断って良かった。

全て母上と弟の掌の上だったということか。

ホント、前回の断罪はかなりきつかったしな。

あれほど俺に懐いていたクリシアが、あのとき、俺をまるで汚物を見るような目で見てきたこと、暫くはまともに目すら合わせてくれなかったことなどは、相当ショックだった。

やっと今は、彼女も普通に俺と接してくれるまでに、関係も修復している。

いや、修復というより、彼女が大人になったから、ある程度許容できるようになったのかな?

俺は今、フローラと婚約中だし、こんな身内の集まった所で嗜みに走るほど、俺は馬鹿じゃない。

いや、父上を馬鹿にしているつもりはないが、あれはもう一種の病気だ。

断罪されてもなお、その後も全く懲りない父を見て、つくづくそう思った。

もしかして、敢えて断罪されて喜んでいるのか?

わが父とは言え、そんな危ない道に踏み込んだのかと心配した時期もあった。

だが、今は一種の病気だと思う事にしている。

俺はそっと父の前から立ち去った。

する事がなく暇なので、以前のことでタクヒールと剣の修練を、そう思って誘いに行ったが、陛下への対応準備中として、アンから断られてしまった。

タクヒールの奴、兄の俺を差し置いてアンやミザリー、クレアやヨルティアさんを妻にし、その上ユーカ嬢と婚約中なんて、飛びっきりの美人揃いに囲まれて、本当に羨ましい限りだ。

彼女たちは、見ているだけで華がある。

俺自身、彼女たちと話していても楽しい。

弟の妻たちならフローラも嫉妬しないので、昨日の晩餐会でも彼女たちと話すことが多かった。

まぁ、一人だけ……

俺を唯一無様に打倒した彼女には、未だに恥ずかしくて、今回はまともに話しかけられていないが……

弟よ、きっと怒らせたら、アレは怖いぞ。

父は別として、ハーレム状態の弟こそ断罪されなければならないのでは?

そうたまに思うこともある。

なのにクリシアは、いつも弟に甘えてべったりだし、ユーカ嬢はまだしも、弟の全ての妻たちにも懐いているんだから……、女心は未だにわからん。

その後も領主館を巡ってみたが、皆が忙しそうに動き回り、何故か俺にはよそよそしい。

俺、何か悪いことをしたかなぁ?

団体戦で勝手に仕込んだのがいけなかったか?

弟の配下に嫌われてしまったのだろうか?

俺はちょっと落ち込んでしまった。

することがないので、陛下の寝所となっている迎賓館に向かい、王都騎士団のゴウラス閣下に挨拶することにした。

そこで思いがけない奴と出会った。

「は? 何でお前が此処に居るんだ?

エロール、お前は留守部隊を統括し、国境の要塞に詰めている筈じゃなかったか?」

「これはこれは、ダレクさま。

というか、ご存じなかったのですか?

私も辺境伯の招請を受け、未明に国境を出て此方に参りましたが……、プッ、ご存じなかったのですね?」

エロール!

薄ら笑いを浮かべながら、敢えて2回も、ご存じなかった云々言いやがって。

こいつ、段々昔のエロールに戻って来ている気がする。

あの時、素直で真っ白なエロールに、今のお前は気持ち悪い、そんなこと言わなきゃ良かったか?

まぁ、実際今でも素直で真摯な所は変わってないが。

一本気で真面目な姿を見ていると、ついからかってみたくなることもあった。

剣の修練で何度打倒しても、歯を食いしばり立ち向かってくるところなど、弟とは大違いだ。

エロールとは、剣の対戦や集団戦闘の模擬戦などを幾度となく繰り返したことで、奴も今では剣技も指揮能力も、それなりのものになっている。

俺の旗下2,000騎を統率する2人の副将のひとりとして、今のところ不満のない程度まで成長している。

昨日の団体戦の惨敗もあったし、ちょっと気分転換に修練の相手を頼んだら、

『ハレの日を血で穢すのはご容赦ください』

そう言って断られてしまった。

晴れの日って、一体何だ?

確かに今日は雲一つない快晴だが、それと何が関係あると言うんだ?

仕方がないので街に出てみた。

第二区画の兵士詰め所を抜け第三区画に入ろうとした時、何故か教会の周囲が厳重に警戒されている。

その一帯な大通りの左右には、王都騎士団が居並び、隙間なく立ち並んでいた。

そして俺が通ると、全ての騎士が剣を掲げて礼を行ってくれた。

???

俺、陛下じゃないよ?

それとも高位の誰かと間違えたんじゃねえか?

その後も手持無沙汰で仕方がないので、中央広場のお店で、はちみつパイを買い求めた。

タクヒールのやつ、こんな物で女心を釣るとは……

あいつは本当に抜け目ないな。

兄として、常に自分より遥か先を歩む弟に、いつも驚かされている。

まぁアイツの場合、色んなことが女性絡みだよなぁ。

女性魔法士の多さといい、文官や幹部の女性といい、女性が喜ぶ施策の数々といい……

立派に、我が父の血を引いているということか。

よくよく考えれば、俺より余程女好きじゃないか!

なのに、何故全く断罪されず、いつも感謝や尊敬を集めているんだ?

やっぱり、要領が良く悪知恵が回るんだろうなぁ。

そのあたり、俺も学んでいかなければ……

そんな思いを巡らせながら、空いているベンチで一人食べていたところ、慌ててエロールがやって来た。

「ダレクさま? こんな所で何やってるんですか!」

ん?

なぜ俺が叱られる?

「フローラさまも、皆さまも、既に準備を整えておられますよ!」

「だって、俺、何も聞いてないし」

「ふぅ、ご存じないのですね?

貴方は我らが誇る、辺境騎士団の隊長なんですから、あまり手間を掛けさせないでください。

陛下をお待たせしてしまったら、大事ですよ!」

よく見ると、エロールの奴、いつの間にか正装に着替えていやがる。

奴のこういう貴公子然とした姿って、妙に似合うんだよなぁ。

エロールに無理やり引き連れられ、俺は辺境騎士団支部の詰め所に連れていかれた。

そこには、礼服が用意されており、実戦では全く使えない飾り物の黄金の剣を渡された。

「なんだ? 何かの祝賀会でもあるのか?

陛下がご臨席されるってことは、来賓の方々も列席されるということか?」

「その通りです。

だから我々に恥をかかせないでくださいね。大人しく指定された衣装に着替えてください」

俺はしぶしぶ衣装に着替えたが……、少し派手ではないか?

それにしてもタクヒールの奴、俺に連絡が漏れているなんて失態だぞ。

後で実戦形式で、剣技の修練をみっちりやってやる。

あいつはいつも、隠し事が多すぎるんだよな。

魔法士の件といい

長槍の件といい

魔導砲の件といい

団体戦の件といい

もう少し俺にも相談してくれてもいいんじゃねぇか?

兄貴としては少し寂しいぞ。

そして、あの面白そうな玩具(兵器)遊びは、ぜひ俺も仲間に加えて欲しい。

ぶつぶつそんな事を呟いていると、教会の裏口から中まで連れていかれた。

「ではダレクさま、この扉より聖堂に入り、中央の祭壇前までお進みください。

ごたごた言うのはなしですよ」

そう言った瞬間、扉が開かれると花を敷き詰めた細い花道が、中央の祭壇、そして反対側の扉まで伸びており、その花道を挟むように盛装した兵士たちが並んでいた。

エロールは抜剣すると、剣を胸の前に掲げ居並ぶ兵士たちの一番手前側に加わった。

「礼っ!」

彼の一声で、花道を挟む兵たちが一斉に抜剣し頭上で剣先を交差させた。

やたらキラキラ光る刃だと思ったら、全て典礼用の模造刀だった。

眩い、天蓋が剣でできた花道が俺の前に作られた。

一体何の余興だよ?

っていうか、ここに並んでいるのはみんな、俺の部下たちじゃないか!

お前ら、街道警備はどうなっている!

なんでここにいる?

そう思いながら、俺は、しぶしぶ花道を中央まで進むと、反対の扉からもハストブルグ辺境伯に連れられた純白の……

『んなぁっ!』

思わず叫びそうになった言葉を、なんとか飲み込んだ。

一瞬頭が混乱し固まりかけたが、こちら側の椅子の最前列に座り、ニヤニヤして笑っている弟を見て、全てを理解した。

『あいつ! やりやがったな!

しかも、全員グルじゃないか……』

エロールが何度も言っていた言葉の意味が、そして、朝から不審に思っていたことが全て理解できた。

辺境伯に手を引かれ祭壇の前に来た、純白のドレスに身を包んだフローラの手を取った。

もう開き直った俺は、そこからなすがままだった。

2人の祭司、グレース司教とローザ司教が交互に掛けてくる言葉にも、なんとか応対できた。

そして……、式も終盤になり、冷静さを取り戻した時にそれは起こった。

祭壇に向かい、二人で手を宝玉に乗せ伴侶の誓いを宣誓した後、フローラが周りに聞こえない、微かな声で俺に話しかけた。

「ダレクさま、わたくしは貴方の妻として、これから精一杯の努力をいたします。

私も貴族の子女として教育を受けましたので、貴族の倣いや子孫を残す重要性は理解しています。

でも、私……

ちょっと嫉妬深いんです。

どうしてもユーカさんみたいに、寛容になることができなくて……、ごめんなさい。

娼館をはしごされた話とか、聞いてしまったら……、嫉妬で狂い、暴れてしまうかも知れません」

「んなぁぁぁっ!」

しまった!

驚きのあまり、思わず声をあげてしまった。

「い、い、いったい、それをどこで……

クリシアは気づいていないと言っていたのに……」

「あんな大声で話されていること、気付かない訳がないじゃないですか。

そして、あんな恥ずかしいこと、気付いてない振りでもしてないと、私には耐えられる筈ありませんっ。

もう、これからは、絶対に、だめですよっ!」

「ひっ!」

この時ダレクは、美しい笑顔で笑う新婦の顔に、自身の母が持つ般若の面影を見たという。

これが、愛妻家として知られるダレクの、人には知られていない恐妻家となる始まりだったと言われる。

カイル歴510年、ソリス伯爵家長男ソリス・フォン・ダレク子爵は、ハストブルグ辺境伯家末子フローラとの婚姻の儀を、テイグーンにて執り行った。

カイル国王夫妻や数多くの諸侯が臨席して行われた婚儀は、非常に華やかなもので、終始笑顔の新婦に比べ新郎は緊張のあまり、若干蒼褪めた顔だったと言う。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は【災厄の備え】を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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