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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 22

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「それではこれより第一回定例会議を行います」

父と兄が出征して間もなく、留守番として残った俺はただ戦果を待っていた訳ではない。

出征前に両親と相談し、

『古い文献に大干ばつの数年後には大雨と洪水の危険性が示唆されている』

という俺の話を前提に、対策を行う会議を立ち上げていた。

司会進行はレイモンドさん、会議の参加者として規定された者は、父と母、兄と俺で、オブザーバーとして母付きの従者で、地魔法士(固有スキル)でもあるサラとなっている。

サラは母の実家、コーネル男爵家の分家出身で、エストール領では数少ない魔法士のひとりだった。

コーネル男爵は、嫁ぎ先で母が活躍しやすいよう配慮し、貴重な魔法士を母に付けてくれていた。

水車の導入による灌漑工事も、サラやコーネル男爵家が臨時に派遣してくれた、地魔法士達の活躍があったから順調に進んだと言っても過言ではない。

今日は父と兄が従軍中で不在だが、できる準備は進めておく、そんな目的で開催されることになった。

「文献などには記載がありませんが、過去マーズの町付近で大きな氾濫があった事は、周辺の村に住む古老より確認できています。

タクヒールさまの依頼で、聞き取りを行った結果、これが判明しました。引き続き、ここ数年の小規模氾濫など、目立った被害がないため、此方で認識できていない情報がないか、調査を進めます」

レイモンドさんは、早速調査を進めた結果、今わかっている情報を共有してくれた。

◯エストール領全体の共通の事として

ごく小規模な氾濫は毎年、何処かで発生しており、それらの被害は小さく、行政府では未確認だったこと。今後は、他の町や村にも目を配り、調査を進めていく。

◯マーズの町の状況について

マーズの町では10年から20年に一度、洪水があるが、ただここ20年はその洪水もなく忘れ去られつつあり、更に、50年から100年に一度、堤が決壊する大洪水があることが、今回初めて分かったこと。

・その場合、濁流に辺り一帯が飲み込まれ被害は甚大

・今や情報を知る老人はおらず、土地の言い伝えのみ

・大干ばつの後、水の災いに注意せよと伝承にはある

「タクヒールさまも、この言い伝えを看過できない、そう思われたのですよね?」

「はい、古い歴史書のようなものに、そんな記述があったことを思い出して」……半分嘘です。

「地魔法士の確保は、既に弟に内諾を貰っています。今回の戦が終われば、堤の構築を助けてくれる地魔法士を派遣してもらえるでしょう」

母も既に動いてくれている。

「マーズの町近辺は、ソリス男爵家にとって最も重要な穀倉地帯です。ここが沈めば先の干ばつとは比較にならないほど被害は甚大です」

レイモンドさんの言葉に、一同は無言でうなずく。

そう、俺は知っている。50年から100年に一度の、甚大な洪水被害が来年にやってくることを。

来年の夏、長雨と豪雨で増水したオルグ川の堤が決壊、マーズの町は濁流に飲み込まれ、穀倉地帯は押し流されて泥濘に沈む。

一夜にしてマーズの町に住む住民や、点在する農村では多くの命が奪われ、穀倉地帯は、その先数年は回復不能、と言われる規模の大被害を受ける。

これを何とかしないと、今まで頑張って回避してきた小フラグ(って今考えてみたら全然小さいフラグでもない気が……)、それらが全て無駄になる。

まるでクイズ番組の、最後の一問が半端ない高配点で、それまで頑張って積み上げた得点が、一気に逆転されてしまう。

そんな危機感だった。

氾濫するオルグ川は、マーズの町の手前まで、左岸はゴーマン子爵領、右岸はエストール領と領境を縫って流れる。

その先、流れは逆L字形にカーブし、ゴーマン領との境を離れて、両岸はエストール領となる。

逆L字にカーブした後広がる流域、オルグ川の両岸に広がる一帯が、ソリス男爵の穀倉地帯だ。

そして、マーズの町はオルグ川が大きくカーブした位置の先、ゴーマン子爵領との領境近くにある。

近年、マーズの町は、周りに広がる穀倉地帯の集積地として発展したが、もともと歴史のある町ではない。

父と母がエストール領に来て、大規模な農地開拓が進むとともに、急速に発展した町だ。

町周辺は豊かな土壌に恵まれ、穀倉地帯として急速に開拓が進んだ。

それに伴いエストール領も豊かになり、マーズの町も発展してきた。

低地のため水路も引きやすく、【前回の歴史】では、干ばつ被害も少なかったこと、その為エストール領内では、農地としての依存度が高まり、それが災いして洪水のダメージを大きくしていた。

領内の土地の多くが、大干ばつで被害を受ける中、殆ど被害が出なかったマーズの町周辺の穀倉地帯が、安定した農地として注目され、開墾が更に進んだ。

結果としてこの一帯は、当時の男爵領の収穫の、およそ1/3を賄っていた地域だった。

【今回の世界】では、水車の活用、灌漑水路の充実などで、他の地域の干ばつ被害も少なかった。

低地に比べ洪水被害の危険性も少ない、比較的安全な土地や、水路のなかった地域の開墾も進んだ。

結果、【前回の歴史】と比べると、このマーズの町一帯の新規開墾は、前回ほど進んでいなかった。

ソリス男爵領の全収穫量の比率で行けば、おそらく1/5を賄っている程度かもしれない。

ただ、今でもエストール領で、最も大きく、かつ重要な穀倉地帯であることには変わりない。

今は穀物の集積地として、更に水路に設置された動力水車を活用した製粉所の拠点となっている。

その点が前回にはなかった、新しい火種となっている。

「レイモンドが今進めている対応はどんな感じ?」

母の質問にレイモンドさんが報告する。

「昨今の小氾濫は、全てオルグ川に繋がる水路から発生しております。現在、水路の氾濫対策と、オルグ川を結ぶ水門の強化を進めております」

その他にも、彼の予定している対策は盛り沢山だった。

・製粉所移設は不可能だが、集積所を高台に移築

・全地域で、水車に伴う水門や水路などを見直し

・洪水対策として、堤の設置や土嚢の準備、集積

「堤の建設はクリス様のお力をお借りして、大規模な工事、強化を、軍が戻り次第進める予定ですが、ただ、こればかりはどこまですれば有効か、予算面と規模、安全の保障は手探り状態です」

「レイモンドさん、もし洪水が起こったとして、隣のゴーマン子爵領が受ける影響は?」

俺はいつも気になるお隣さん事情を確認した。

「マーズの町より上流のゴーマン子爵領は、領境の丘に沿って伸びております。そのため天然の堤がありますので、向こう側に水が溢れることは、通常ならおそらくありません」

「じゃあ、堤のせいでこっちが水浸しになったとイチャモンつけられる事はないんだよね?」

「仰るとおりです」

俺の質問にレイモンドさんは苦笑しながら続けた。

「ただ、マーズの町より上流、オルグ川が領境となっている流域には……、ゴーマン子爵が新たに水路を引き、何箇所かで水車を設置しているようです」

「ええっ!」

散々文句言ってた割に、勝手に真似してるやんっ!

特許料でも貰いたいわ!

レイモンドさんの予想外の発言に、思わず大きな声を上げてしまった。

「3年前の大干ばつ後、揚水水車や動力水車を独自に作り、水路を建設し設置しているようですが……、まぁ、故障も多いようで稼働率は低そうです」

だろうなぁ、歯車の基本知識も知らないで、見様見真似で作ったとしても、そうそう上手く行く訳ない。

俺も詳しい訳ではないが、試行錯誤を繰り返し、そしてプロの、ゲルド親方、カールさんの知恵も借りて生み出した、技術の結晶だし。

「というか、それなら上流のゴーマン子爵領で氾濫が起こることも……」

「あります」

レイモンドさんが苦笑した。

「水車で使用する水路を引くため、わざわざ堤を切ってる地点もありますので……」

まぁ先方で何かあっても、これって自業自得だよね?

俺はそう思い始めていた。

「ねぇねぇ、もしどっちも水が溢れなかったら……、そのお水はどこに行くの?」

傍らで遊んでいた、妹のクリシアが会話に割ってはいった。

たまたま母にくっついて来て、会議中は大人しくしていると約束の上、横で遊んでいたんだけど……

彼女の指摘に俺は愕然とした。

オルグ川はマーズの町を過ぎると、エストの街をはじめ、領内の農村脇を通りエストール領を抜ける。

そして、その先、ヒヨリミ子爵領に流れていく。

「……」

実際に洪水が起こる場所を知っているだけに、溢れなかった場合、他の地域へどう影響するか、それは、すっかり頭の中から飛んでいた。

色んなケースの想定を、考えずにいた訳ではないけど、自分のどこかで意識したくなかったのかも。

堤を強化する場所、めっちゃ増えるし……

嫌な汗が背中を流れる。

「その他の流域についても、調査は進めており、堤の強化が必要な場所、水路や水門を見直す場所は既にまとめてあります」

さすがレイモンドさん、今回も赤点生徒をしっかり裏でフォローしてくれてる。

「派遣してもらう地魔法士の増員が必要ですね……」

母は大きくため息をついて、のけ反りながら言った。

取り合えず、今回の会議では

・ゴーマン、ヒヨリミ子爵に対し、洪水の恐れを通達

・情報源は古い文献なので、信頼性は不明と含みおく

・ソリス男爵家は念の為、堤や水路を強化すると表明

・コーネル男爵家には母より派遣増員のお願いをする

以上を新しい決定事項として追加し、終了した。

父と兄の帰還後も、この定例会議は開催され、翌年の夏に向けて対策は進められていく事になる。

昨日は10時から11時前後、第一九話の布陣図を何度も修正失礼しました。

画面上と表示に差異があり、画面表示を見ながら度々修正を行い、ご覧いただいた方にはお見苦しい内容で失礼しました。

その後、当初のイメージに近い表示に修正が完了した旨、お詫びとご報告させていただきます。

ご覧いただきありがとうございます。

30話ぐらいまでは、ほぼ毎日投稿していく予定です。

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、ありがとうございます。

凄く嬉しいです。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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