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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 220

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夏になり間もなく俺は学園を卒業することになる。

考えてみると、召集令状が来てからというもの、あっという間に日々が過ぎた気がする。

この日は、所用のため珍しく王都に出てきた兄と共に、学園で狸爺に面会することになっていた。

「タクヒール、すまんな。

毎度のこととはいえ、狸爺に面会して頼み事をするのは、ちょっと気が重たくてな」

「ふふふ、そうなんですか?

3年前に初めて学園長を紹介してくれた時は、なんか余裕で対応してるようで、ずっと羨ましかったんですけどね。

まぁ、俺も未だに苦手なのは一緒です。だから今回も、最強の盾に同行をお願いしましたので……」

「まぁっ! 最強の盾って、酷いですわ……」

「あ、ごめんユーカさん!

盾じゃなくて、狸撃退用の最終兵器……」

「……」

「タクヒール、フォローになってないぞ!」

兄は密かにそう言って、俺をこづいた。

いや……、なら、どうしろと?

実際、学園長はユーカさんの前だと、好々爺さながらに、めちゃくちゃ甘い。

なので、特に一人で来いと言われない限り、狸爺と会うときはいつも彼女を伴っていた。

俺にとっては、いつも通りの流れだから、あまり深く考えていなかったのだけれど……

暫く歩き、俺たち3人は学園長の執務室へと足を踏み入れた。

今は学園長としての職務だけでなく、復権派の辞任に伴い、もう一つの業務を兼務している。

以前と打って変わり、日々それなりに忙しそうだった。

「ほう、其方ら兄弟が揃って来るとは、何やら企んでおるようじゃな?」

開口一番、そう言って学園長は笑った。

「閣下、ご無沙汰しております。

この度、外務卿にも就任されたこと、誠におめでとうございます」

「私は、まもなく卒業なのでお世話になったため、ご挨拶に参りました。

今はお忙しいなかと思い、たまたま兄が訪問する機会に同行させていただきました」

「閣下、私は今回……、閣下に何かお願いをしたい方々に、盾として連れて来られたみたいです」

「!!!」

俺と兄さんの血の気が引いた。

ヤバい! ユーカさん怒ってる。

「ユ、ユーカさん、それは……」

「知りませんっ!」

「バカかお前はっ! だから女心を全くわかってない。いつもそう言ってるだろっ!」

「ふぉっふぉっふぉっ。

口は災いの元、そういうことじゃな。魔境伯はまたひとつ、学園で学びを深めたということかの。

良薬口に苦し、よい機会じゃ」

「いや、それは……」

「ほれ、また引っかかったの。

其方の兄と妻を見るが良いわ。何を言っているか分からず、ポカーンとしておろう。

3年前と同じで、いやいや、懐かしいのう。

今の言葉は、初代カイル王が王族にのみ、戒めとして遺した言葉のひとつじゃな」

そっか……

動揺してる時にまたやられた。

ここまでくれば、学園長も確信犯なのだろう。

俺は慌てて場を取り繕った。

「醜態をお見せし、失礼いたしました。

今回は、国境守備を担う魔境伯として、お願いに上がりました」

「ふむ、儂にできることかの?」

「はい、この秋で私も学園を卒業し、魔法士たちの訓練や遠征を担う二年の契約も終わります。

ですが今後、魔法戦闘育成課程の生徒を、魔境内での拠点構築にお借りしたく考えています。

今日はそのお願いに上がりました」

「私からも補足させていただきます。

地魔法士を中心とした派遣部隊の指揮や護衛、一切を辺境騎士団の我らが責任をもって対応します。

魔境伯や配下の魔法士たち、コーネル子爵旗下の地魔法士たちは、既に別件があり動員が掛けられません。それゆえ、学園の魔法士たちの力を借りたく、お願いに参上いたしました」

「よかろう。国境の安泰あっての王国、そしてこの学園じゃからの。

魔境伯からの正式な依頼とあれば、それはもう王国の責務となろう。派遣を認める」

意外とあっさり話が決まり、俺と兄は安堵のため息をついていた。

学園長の次の言葉までは……

「これも丁度良い機会じゃて。実は儂からも魔境伯に話とお願いがあっての」

……、ですよね?

なんかあっさり引き受けてくれたのには、当然理由がありますよね。

「ここからは学園長ではなく、王国の外務卿として話を進めるが……、よろしいか?」

「承知しました、閣下」

仕方ない。職責を以て依頼した以上、相手も職責を以て依頼されれば、話を聞くしかない。

「この王国の国境、南と東は常に脅威に晒されておるが、残る西と北はどうじゃな?

これはユーカ殿に聞いてみようかの?」

「はい、私の拙い知識ですが……

北の国境線には、国境を流れる川以外、何も遮るものがなく、防衛という面ではかなり脆弱です。

ただ、脅威という面では低い、そう考えます。

北の国、ピエット通商連合は小国同士が経済的な結び付きでできた、寄り合い国家です。

それぞれ一国の戦力は低く、しかも商人たちの力が強いため、挙国一致で攻めてくることは難しい、そう考えられていると思いますが」

「そうじゃな、それが正しい現状認識じゃろう。

して、西はどうじゃな?」

「西は、南や東と同様に山脈に挟まれた狭い国境しか、通じる道がないと聞いております。

そして、その先にあるフェアラート公国は、代々王家や上級貴族との交わりも深く、ここ数百年の間に王家を始め、上級貴族の令嬢方が嫁いでいるため、非常に関わりの深い国だと聞いています」

「その通りじゃ。そして今、その西がキナ臭い。

ソリス子爵、現在魔境が現存しているのは、どこじゃな?」

「はい、カイル王国では、南部と東部の辺境一帯、それに連なる大山脈が現存する魔境です。

国外では唯一、フェアラート公国に魔境があると聞き及んでいます」

「そうじゃな。

まぁ200年ほど前までは、今のグリフォニア帝国の北西部にも、今は消え去った魔境があったがな。

今や魔境は、カイル王国とフェアラート公国にしか存在しておらん。

かの国には、今もなお広大な魔境があり、魔物が生息しておる。そしてこの国と同じ教会がある。

魔境伯にはそれが、どういうことか分かるか?」

「魔法士ですか……」

「かの国がなぜ好んで、王族や上級貴族の子女を妻にと望むと思う?

友好の絆を深めたい、そう思うのは勝手じゃが、彼らが欲しいのは、より純粋な魔の民の血統じゃ。

そう考えても不思議ではあるまい。

かの国では、王族も貴族も、世子となれるのは魔法士のみ。これが数百年続いた伝統じゃった。

じゃが今回、永きに渡って続いた慣例を破り、魔法士でない者が王位を継いだ」

「国が割れている、ということですね?」

「その通りじゃな。

新国王は即位前、優秀じゃが魔法士としての適性がなく、王位を望める立場ではなかった。

所が隣国で、魔法を使えぬ貴族の一人が、剣聖と呼ばれる剣の腕を振るい、配下の魔法士たちを見事に使いこなした結果、南と東、二か国の侵攻をそれぞれ撃退し、大規模な内乱まで平らげた。

その話を聞き大いに勇気づけられた結果、慣例を破り反対を押し切って、実に数百年振りに魔法士でない者が玉座を得た」

「学園長、それって……」

「ああ、お主ら2人の話が、ごっちゃになっとるわ。

同じソリス、しかも2人とも当時は男爵じゃった。そんな者が2人もいようとは誰も思うまいて」

「クライン閣下、それが弟と私に何の関係があるのでしょうか?」

「ああ、大有りじゃの。

新国王は、その英雄に是非会いたいと、正式に国を通じで招待状を出して来たからの」

はぁっ? 何だそれっ!

俺は思わず言葉に出しそうになったのを、何とか堪えた。

「過去200年以上友好関係にあった国同士、今も使者のやり取りは頻繁にある。双方の有力貴族については、それぞれの国王が即位する際、特使として即位式にも立ち会っておるわ。

そのため、形式上は唐突でも不自然でもない。

そして厄介なのは、反対派、新国王とは逆の立場の者たちの中に、あの4人の領袖たちの親類縁者や血縁者がおるということじゃ。

彼らの家はここ何世代にも渡って、王国の最有力貴族として、その子女を隣国に嫁がせておる」

復権派……

おとなしくなったと思ったら、こんな事でも災いするのか。

思わず心の中で舌打ちした。

「私と兄は、どうすればよろしいのでしょうか?」

「招待を受けるも受けぬも、何の因果関係もない其方らに強要はできぬ、そう陛下は仰っておる。

じゃが……、ことは外交に関わることじゃ。

この先、かの国が乱れ、帝国の侵攻時に二正面作戦を取らせぬためにも、魔境伯にご足労願いたい。

これは、陛下の御意ではない。儂が外務卿の職責により、そう願っていることじゃ」

歴史改変に関するバタフライ効果が、そこまで及んでいるのか?

それともこれも、歴史の悪意の一環なのだろうか?

「ソリス魔境伯、王国の臣として行かせていただきます」

「すまん、大事な時に。

この国は、もうこれ以上敵を増やすことはできん。どうか許して欲しい」

そういって学園長は、深く、そして長く頭を下げた。

また、やむをえない事情とはいえ、領地を離れることになりそうだ。

なんか毎回、領地を離れるたびに嫌なフラグが発動する気がするし、今回も不安で仕方ないが……

ご覧いただきありがとうございます。

次回は『外交特使』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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