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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 228

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晩餐会の翌日は、大臣たちとの通商の取り決めなど、王都から預けられ、同行して来た文官たちが仕事を行い、俺たちは紹介された商人たちと、個人的な商品購入や通商に関わる会合を幾つか持った。

クレアとヨルティアは、それぞれの物価の確認や、交易商品の選定などで忙しく駆け回っていた。

カイル王国と、フェアラート公国の金貨の価値基準の見極め、通商に当たるレートの設定なども、2人に丸投げした。

今回の旅では、特使として自由に使って構わない予算として、予め外務卿から相当額の、いや、かなり多くの公国金貨を渡されていた。

そのため、買い物などでは何一つ不自由しなかった。しかし今後、独自で交易する場合はそうもいかない。

そういった対応で日々を過ごしたあと、4日目の朝、帰国の挨拶のため王宮で国王に謁見した。

「魔境伯、名残り惜しいな。

其方とはもっと語り合いたかったが……」

いやいや、残念そうにそう仰ってますが……、陛下、お忍びで毎晩俺たちの逗留先に来ては、それこそ深夜まで酒を飲んでいましたよね?

特に昨日なんか、無礼講と言って、うちの魔法士たちとも酒を酌み交わして……

フレイム伯爵が頭を抱えていたの、覚えてますよ。

王族、いや、国王らしくない気さくな点は、この人の良いところでもあるんですけど……

クレアなんか呆気に取られて固まってましたし。

そりゃ、隣国とはいえ国王陛下から酒注がれたら固まるわな。

あの酒の席では生き生きするラファールでさえ、恐縮して大人しくなっていたぐらいだし。

特に生粋の兵士だった者たちは、厳しい上下関係で生きてきたため、ガチガチで酒の味なんて分からなかっただろうし。

日頃は豪放なウォルスやアラルなんか、小さくなってたもんなぁ。

俺はそれらを思い出して、この場で笑いを堪えるのに大変だった。

「私共も、後ろ髪引かれる思いではございますが、領地のこともありますゆえご容赦ください。

陛下からのご厚情、必ず我が王にもお伝えさせていただきます」

「カイル王の心のこもったはなむけ、誠に感じ入ったと伝えて欲しい。

余からの返礼は、其方らに返礼の使者として同行させるフレイム伯爵に託してあるが、あの夜の燈火については、特に其方に発注したいと思う」

そう、晩餐会にて披露した燈火は、フェアラート国王の強い希望でその後も毎夜実施された。

王宮だけでなく、王都の広場や大通りなど各所で。

昨夜も内々に全て買い取るから、置いて行って欲しいと言われていた。

「はい、御意のままに。

灯火2,500個全て、こちらに残していきたいと思います」

一応、既存品は国内でイベント用に使用するので、今回は全て新品を持ってきた。

販売用の在庫も相当あったが、半分以上は急遽作ったので、カール工房長は嬉しい悲鳴を上げていたが。

王国内で販売するよりも格段に高い、先方の言い値である、金貨5,000枚で一括お買い上げだった。

単に購入というより、毎夜の灯火実施のお礼、そんな意味もあったのだろう。

「では陛下、これで失礼いたします。

今後も変わらぬご友誼を、わが国にも賜ることができれば幸いです」

「其方ともな。帰路、無事を祈る。役目大儀!」

こうして俺たちは帰路に就いた。

報告のため、カイラールにも立ち寄るし、なんとか20日前後でテイグーンに戻れるだろうな。

これなら今年の収穫祭、なんとか間に合うかな?

その後俺たちは、サラームの街で商品を受け取るためと兵たちの休息のため、一泊余分に宿泊した以外、最低限の行程で移動したため、帰路は出発して10日もかからず、カイラールに到着した。

そして表向きの特使報告、外交行事の返礼使者の謁見が終わったのち、俺は別室に呼ばれた。

「さて魔境伯、今回は色々、込み入った話も聞きたくてな。ここに集まる者を選ばせてもらった」

別室には、国王陛下に外務卿の狸爺、商務卿、財務卿、軍務卿のモーデル伯爵、そして王都騎士団のゴウラス騎士団長、ホフマン軍団長、シュルツ軍団長がいた。

「其方の目で見て、どうじゃ?

フェアラート国王は信に足るものか?

彼の国の情勢は?

今後、我々の脅威となるかどうか、忌憚のない意見を聞きたいのじゃが」

進行役の狸爺がまず口火を切った。

「先ず最初に申し上げたいことがあります。

我々は諜報戦で公国に大きく後れを取っており、先方はかなり詳しく我らの内情を知っていました。

これは、フェアラート国王自らがそれとなく私に示唆されておりました」

「ほう? それはどの程度ですかな?」

「この中で学園長以外、私が学園の授業の一環で行った、剣技個人戦の対戦成績をご存じの方はいらっしゃいますか?

フェアラート国王は、それを正しく知っていました。

このことだけとっても、ホフマン軍団長の仰った程度が、皆様にもお判りいただけると思います」

「なるほどな。知っていて敢えて教えた。

我が国の弱み、これまで復権派が牛耳っていたため、情報が筒抜けとなっていた穴が、未だこの国にはあるということですな?

そしてその情報は、先方の国王反対派や諸外国が、これを利する可能性があると。

我らは、恩を売られたということですかな?」

「はい、シュルツ軍団長の仰るとおり、かの国は未だに割れております。

大多数の反国王派貴族と、少数の国王派貴族で。

今、微妙な安定状態にあるのは、国王が近衛騎士団全軍を掌握しているからに他なりません。

反対派が暴発すれば、国を割って内乱に発展する可能性すらあります」

「なるほどな。かつての余と似たようなものか。

して、国王の為人と、肝心の近衛騎士団の掌握について、其方はどう見た?」

「はい陛下、国王自体はカイル王国との友誼を大事にし、信の置ける人物と感じました。

元々は王位継承から外れ、武人として生きる道を選んでいたらしく、その……、国王らしくない面もありますが、それ故に、私の感覚では近衛騎士団の忠誠は揺るぎないものがあるのでしょう」

うん、聞いている面々もこれだけでは分かりにくいだろうな。あの話もするか……

「実は、国王は毎晩宮殿を抜け出して、お忍びで我らが逗留する先に訪ねていらっしゃいました。

そこでは、身分に囚われず我が配下とも酒を酌み交わす始末で……

どうも即位前の近衛師団長だった頃から、そんな様子だったようです。

不敬ではありますが、なんとなく我が兄を思わせるような、誰にも分け隔てなく接し、兵たちからも信頼されている一面を垣間見た気がします」

「ははは、国王が自らか!

余でもなかなかできんことだわ。見習ってみたいの」

「陛下っ! 困りますっ。

見習っていただくと、私どもの身が持ちません!」

確かに。ゴウラス騎士団長は苦労性だし、これまでも散々振り回されたんだろうな……

「彼方の国王は我らを友として、今後も変わらぬ友誼を深めたい、そう仰っていました。

私が思うに、その言葉に嘘はないと思います。

そして、カイル王国に何かあれば、喜んで手を差し伸べるとも話していました。ただこれは逆に、先方で有事の際には我らの助力を期待する、そうとも受け取れます」

「なるほどな、先方の反対派は、こちらの復権派とも繋がっており、我らは共通の敵を持つということか。

陛下、先方はこの国の内情を良く知り、それを見越して言ってると思われます。

改めて、外務卿として国外に関する情報収集能力の欠如を思い知らされましたわい」

「外務卿の仰るとおりだと、私も考えています。

先の外務卿が残した穴を塞ぎ、これまでに取りこぼしていた水を掬う必要があるかも知れません。

彼方で滞在中、現国王の反対派、不平貴族たちは私に敵対する姿勢を見せ、積極的に関わろうとする者はいませんでした。

我々にとって、現国王の治世が今後も続くこと、これが最も正しい選択肢と思われます。

そして私には、最も恐れることがあります」

「それは何じゃ?

妻の機嫌以外で、其方が恐れることなどあまりない様に思えるがの。ふぉっふぉっふぉっ」

「学園長、それは……、返す言葉もないですが。

私が最も恐れるのは、2正面作戦です」

「なっ! 帝国とか?」

「はい、ゴウラス騎士団長のご推察の通りです。

前回の帝国侵攻では、まるで図ったように南と東から国境を脅かされ、王国最大の守り手である王都騎士団は身動きできませんでした。

皇王国はまだ十年単位で再建が必要でしょうが、西はどうですか?

あまり口に出したくないですが、西国境の守りは隣国に比べて余りにも脆弱です。

帝国侵攻に合わせて、隣国の反対派と西の辺境伯、国内の復権派が大同団結すればどうなりますか?」

「この国は、南と西から切り取り放題となるだろう。

王都騎士団の援軍なくて、南の戦線は支えきれんし、西でことがあれば王都騎士団以外対処できん。

そこに国内でも離反者がいれば……」

シュルツ軍団長はそう言って瞑目した。

同様に誰もが目を閉じ、起こりうる事態を想定している。

「して魔境伯よ、其方ならどう考える」

「はい陛下、現時点では、まだ危うい綱渡りではありますが……、策はあります。

まだまだ、ごく細い糸ですが、それを撚り合わせて、これからより太い綱にする必要はあります」

俺は今考えている想定と、これに対する現時点で考えられる作戦を伝えた。

ここでは話せなかったが、ケンプファー子爵との話が、唯一の転機となり得る。

「要は我々が内々に、この2正面作戦という最悪の想定をもとに、予め準備を行えば良いのです。

現時点で明確な罪がない者を、陰謀の可能性や将来の災いになると縛に付けることは叶いませんが……

少なくとも、国内の動きを牽制することができましょう」

そう、事前に対策を行う時間はまだある。

今から動けば、まだ間に合うはずだ。

「そして、もう一つ大事な事があります。幸いにも、我らの陣営には軍務卿と商務卿がいます。

密かに兵を整えるにしても、軍務卿が目を光らせていればその網に掛かる可能性があります。

兵を興すには兵站が不可欠です。その点、商務卿が目を光らせていれば、察知することもできましょう」

「ははは、やはり余の目に狂いはなかったな。

其方に魔境伯としての権限を与えたこと、特使として隣国に遣わしたこと、どちらも間違っていなかったこと、改めて思ったわ」

「商務卿、我ら二人は重要な役目を仰せつかってしまいましたな。大掃除の後の監視体制を、一段と強化することにいたしましょう」

「儂も外務卿として、隣国への諜報体制を一から改める必要があるな。

残念じゃが、楽隠居をしている場合ではないな」

「我ら騎士団は、2つの想定に従い準備を整えます」

「我々がこの対応を予測し、対処に動いていることは厳に秘する必要があります。味方に対しても。

敵は我々が危難を予測し準備ていると知れば、更に悪辣な手段を講じてくる可能性も否めません」

「魔境伯よ、承知した。

王命を以て各位には命じる。この最悪の想定で準備を進め、この場にいる者以外情報を秘匿せよ。

これより各自、算段に入れ。

今後、定期的に状況を報告し対策を練る会議を立ち上げよ。名目は何でも構わぬ」

国王陛下の宣言で、会議は終わった。

俺は歴史の揺り返し、修正力を決して甘く見ていない。

修正されたものは、それまで以上の大きな波となって返ってくるだろう。これまでと同じように……

これから、それに対する戦いが始まるのだ。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は『収穫祭に向けた作戦』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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