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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 232

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収穫祭が終わった翌日から、俺たちはずっと気になっていた領地の巡回に出かけた。

正直俺自身、新しい街はじっくり回る機会がなく、領地の開発は任せっきりだった。

やっと思いが叶った俺は、テイグーンに駐屯する辺境騎士団支部から300名を、そして手の空いている魔法士たちを引き連れて、領内を巡る小旅行に出発した。

先ずは魔境側玄関となるアイギスを訪れた。

ここは、テイグーン山の南の麓と魔境を分かつ、長大な防壁に囲まれた内側にあり、防御施設となる外壁の内側には、砦、街、開拓地の全てが内包されている。

高さ30メル(≒m)程度の外壁は、旧ヒヨリミ領の境界から、テイグーンの隘路出口まで東西に延びている。

そして、旧ヒヨリミ領に近い東側に防壁から突き出るように飛び出した、星形の砦が防御拠点として侵攻軍に備えている。

先ずテイグーンからの隘路を出ると、その出口を大きく半円状に取り囲むように外壁がある。

その半円部分の東側終点から、テイグーン山の斜面と並行した形で、外壁が直線的に東へと伸びている。

外壁の内側には、仕切りのようになっている内壁が南北に伸び、アイギスを幾つかの区画に区切っている。

これは、万が一外壁の一部が陥落しても、内部を仕切りとなる内壁で囲っていれば、最低限の被害で済ませることができるからだ。

テイグーンの隘路出口から東に進むと、最初に設けられた内壁とぶつかる。そこより始点として東に伸びるアイギス開拓地が広がっている。

アイギスは、山の斜面と魔境の間にある安全地帯、南北6キル(≒km)東西15キルの広さがあり、その多くを占める開拓地は主に、西側12キルの領域にある。

俺たちは外壁上に設けられた通路を移動しながら、斜面に沿って延々と伸びる開拓地を眺めていた。

「おおっ!」

俺は思わず声を上げてしまった。

東側に移動するため、外壁上に設けられた通路に登ると、一気に視界が開けたからだ。

以前はまだ東側の一部にしかなかった水田とその用地が、斜面に沿って段々畑のように延々と伸びていたからだ。

「斜面を利用し、水を上から巡回させれば、効率よく水を行きわたらせることができます。

幸い春には各所から、山頂の雪解け水が流れてきますので、米の畑には十分に水を回すことができます。

そして最後は、さとうきび畑へと流れていきます。

これでもまだ耕作地が余っているのですが、将来的にはもう少し上段にも畑を展開することが可能です」

エランは胸を張って説明してくれた。

斜面を有効活用した水田用地は、ずっと東の、山の麓の岩場が三角状に魔境側に突き出た部分まで、延々と続いていた。

「そして、平地部分に広がっているのは、さとうきび畑か……。なんか、凄く感慨深いな」

バルト、ラファール、マスルールたちが帝国から持ち込んでくれたさとうきびが、今やここまで広大な畑となって広がっている。

ここ4年で、本当によく頑張ってくれたと思う。

俺は感謝の気持ちを新たにしていた。

そして、この恵み豊かな大地にも感謝したい。

「さとうきびに限らず、魔境の大地はとても豊かです。そのお陰で他の作物の生育も順調です。

きっとこのさとうきび畑も、これからまだまだ広がっていくでしょうね。

遥か昔、初代カイル王が魔境を切り拓き、広大で豊かな農地を作られたというのも、納得できる話ですね」

そう説明してくれたサシャは、学園にて俺と同じ授業を受けていたため、この国の歴史を知っている。

彼女も俺と同じ気持ちになっているようだ。

「因みに、これだけ広いと収穫や世話は大変じゃないのかな?」

「ははは、我々辺境騎士団も訓練の傍ら、農繁期には交代で農地の世話を手伝っていますよ。

魔物の討伐も落ち着きましたし、我々もただ人数だけ多くては、無駄飯食らいとなってしまいますからね」

団長も笑って答えてくれた。

気を遣ってもらっているようで、ちょっとだけ心苦しかった。

まだまだテイグーンは皆の協力が不可欠で、一人一人の力に支えられて成り立っている。

「いやいや、ご心配には及びません。

カレーライスやパエリアの味を知った団員たちは、もっと米の畑を増やそうと、みな意気込んでいますよ。

どうかご安心ください」

俺の表情を察したのか、団長はフォローしてくれた。

その後俺たちは、外壁上に設けられた通路を騎馬で進み、ひたすら東へと移動した。

暫くすると、エランが馬を寄せて話し掛けて来た。

「あの先に見える、三角状に突き出た岩場までを、西地区、岩場から先を東地区と分けています。

近くに行くと面白いですよ」

そう言われ、馬足を弱めてゆっくり、確かめるように見ると、確かに不思議な場所だった。

城壁上から見て初めて分かるが、山裾から魔境側に突き出た岩場の内側がくり抜かれ、真上から見ると一辺が1キル程度の正三角形状の空間が、ぽっかりと空いていた。

「この地を開発するにあたり、色々調べて初めて分ったんですが、ここはもともと何かの遺跡のようです。とても自然のものとは思えない、各辺が300メル程度の三角状の空洞があったんです。

ここはまるで、魔物たちから身を隠すために作られたような、そんな不思議な場所でした」

遺跡か……

かつて魔境を友として生きた、魔の民たちが利用していたものだろうか? とても興味深い話だ。

「なのでこの空間を、多くの地魔法士たちの力を借りて拡張して、安全な開拓地の住居地区にしています」

確かにここは面白い場所だと思う。

上方こそ開けているが、周囲から見ればただ裾野を突き出した急峻な岩場にしか見えない。

防壁の中であり、更に安全な岩場に囲まれた居住地であれば、魔境の近くでも安心して住むことができる。

しかしここは……、相当広いな。

正三角形の面積公式に当てはめると、1,000m*1,000m*√3/4=433,000㎡

なるほど、概算だが一軒あたり25m*25mとしても約700軒。

単純計算で、一軒あたり4人が暮らすと2,800人、2人暮らしでも1,400人。

アイギス開拓地の人口を賄うに十分な広さがあるということか。

俺はこの地の未来を想像し、想いを巡らせていた。

「西地区、東地区、その他の場所も合わせると、20ヶ村相当の耕作地を確保する予定です」

エランたちは、アイギスだけで小さな男爵領に相当する領地とすることを目的としていた。

アイギス、そしてこれから訪れるイシュタル、ディモス、そしてガイア、其々が新しい領地としてどう目指しているか、この先も楽しみになった。

その後、俺たちは再び外壁上を東に向かって移動を再開した。

この外壁最上部は、兵士や物資の移動、こういった通行用に幅5メル以上の広さが確保されているが、定期的に100メル程度の円形の空間が設けられていた。

半円部分は魔境側に、半円部分は内側にせり出しており、魔境側には順次カタパルトの設置作業が進められていた。

「まだ生産と設置が追い付いていませんが、来年中には各所に最低3基ずつのカタパルトを配置予定です。

それができれば、魔法士がいなくても、少ない人員で外壁を守ることができます」

クリストフの説明に、俺は納得した。

延々と続く外壁の全てを守ることは、今の兵力でも到底無理だ。

それを補うため拠点を作り、外壁に取りついた敵兵をカタパルトで一掃する訳か。

この攻撃なら、直撃しなくても外壁の跳弾もあるだろうし、かなりエゲツナイ攻撃ができるだろうな。

三角形状の居住区を抜けると、その奥にも段々畑とさとうきび耕作地が広がっており、更にその先には山の斜面に伸びる内壁があった。

「あの内壁に囲まれた部分が、アイギスの街となります。まだまだ造成中で内部は一部しか完成していませんが……」

俺はその内壁に近づくに従って、仕切られた奥が見え出し、驚きの余り目を見張った。

緩やかな山の斜面に沿って、テイグーンより大きな、そして顕著な階段状の街が建設されていた。

階段都市か! なんか凄くそそられる。

「岩山を掘削した水路で滝つぼからの水を引き、それを段階的に下げることで水車を回しています。

階段状なので物資の輸送は多少不便ですが、中間から上部を居住区に、中部を宿泊や飲食地区に、下部を商業地区に区分けしており、最下部の平坦な部分は放牧場にしています」

まだ工事個所も多く、全容は見えていないが凄く面白そうな街だと思う。

街並みが揃う日が来るのが凄く楽しみになった。

ここなら2,000人規模が居住する街として、十分な機能を持ってくれる気がした。

その前には、先ず次なる戦いに勝利しなくてはならないが……

そのために、最も大きな役割を期待されているのが、防衛の要となる砦だ。

東西に伸びる外壁から、突き出した形で存在する変形星形の城壁は、一際大きな存在感を示していた。

星の一部、外壁側に突き出た突出部の先端が外壁と繋がっており、それ以外の5か所の突出部が、魔境の各方向に向かって伸び、周囲に睨みをきかせている。

これまで幾度となく魔導砲の発射デモンストレーションを行ったのは南西の突出部だが、ここの砦だけは、他の5か所の突出部にも、既に予定していた数のカタパルトの配備が完了し、防衛体制が固められていた。

砦の城壁内部には、辺境騎士団支部の大きな駐屯地と耐火処理をした各種倉庫、厩の数々、戦時には他の領地からの兵員も収容可能な兵舎群が立ち並び、広い敷地の練兵所まであった。

「この砦は、防衛の拠点として稼働させる予定ですので、内部はその機能に特化しています。

現在は辺境騎士団の半数がここに常駐しており、近いうちに司令部もこちらに移し、テイグーンは後方基地とする予定です。

傭兵団もキーラ率いる防衛、及び魔境への誘導役を担う部隊以外は、本拠地をこちらに移します」

「団長、そうなるとテイグーンは?」

「ミザリー殿、カーリーン殿とも相談していますが、一部施設は寄宿制の学校などに、その用途を変えることも検討しています。

ただ難点は、前回の最上位大会のように、多数の兵卒がテイグーンを訪れた際、臨時滞在施設が減ってしまうことですが……」

「まぁそれは、ここが出来てから考えましょう。

取り急ぎ、ここ2年は空き家となっても、兵士の滞在スペース確保優先で良いと思ってます」

そう、色々考えるのはまだ先でいい。

2年後の秋を乗り切ることが一番の課題なのだから。

「それと、魔境側には幾つかの設備も密かに建設しております。帝国軍の奴ら、きっと驚くでしょうね」

そう、防衛にはあらゆることを考えて、準備を行なっている。

地の利をいかしたゲリラ戦術、これもそのひとつだ。

アイギスは着々とその全容を整えつつあること、それを自身の目で確認して、俺は一安心した。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は『領地巡回 イシュタル』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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