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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 236

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カイル歴512年の年明けがやってきた。

今年と来年、この2年間が俺にとっては最も大事な勝負の年となる。

本来であれば、エストール地域を含む一帯は、大干ばつに襲われる予定だが、まだその兆候はない。

12年前の最初の凶事、干ばつによる飢饉回避のため灌漑工事を進めて以来、エストール一帯だけでなく、ゴーマン領も、そして旧ヒヨリミ領を含むコーネル領も対策は進めてきている。

仮にこれまでの歴史改変の時のように、被害が周りに飛び火しても周囲の領地もその対策を進めている。

唯一の心配は、父のソリス伯爵やゴーマン伯爵などの抱える新規領地だが、そこに対してもそれなりには準備と対策が行き届き始めているらしい。

恒例の新年を祝う宴の後、主要者で状況を確認と共有を行った。

「さて、恐らく今年は雨が少ないかもしれない。各地域の対策はどうなっているかな?」

「はい、テイグーン山の恵み、湧水や雪解け水を期待できる3地域、テイグーン、アイギス、イシュタルは、それらに加え、灌漑工事や堀への貯水なども整備できているのでさして被害はないでしょう」

そう答えた、水魔法士で王都で学んだサシャも、学園卒業後にメアリーと共に主要メンバーに入っている。

「一番の問題は……、ガイアか?」

「はい、ガイアとディモスは天水と川の水が頼りです。ため池などの準備は整えてはいますが、川が枯れるとそれなりに被害を受けるでしょう」

「サシャ、その対策は何かあるかい?」

「はい、被害を受けそうな地域では、収穫時期が異なる芋類や、干ばつに強い芋類、王都で学んだ干ばつに強い豆類などを中心に、作付けを行うよう指導し、種子や種芋などを商人から買い付け、配布済です。

幸い、男爵芋はカレーやコロッケの流行に伴い、大々的に作付けされています」

「なるほど、小麦などの穀物が減っても、代替作物で対応できるわけだね?」

ここでアストールが手を挙げた。

「現在、干ばつでも影響を受けにくい、テイグーン山の湧水を利用した、アイギスの稲作も今年は大々的に進める予定です。

何もなくても今年は、米の消費がかなり伸びることが予想されていますので……

ただ、天水が厳しい分、サトウキビ畑には水の散布で水魔法士の方の力をお借りしたいです」

「サシャ、アストールの話、水魔法士を組織して協力してあげて欲しい。

水自体は用水路から得られるが、その散布となると手間だからね」

「イシュタルでも皇王国移住者が中心となって、稲作と芋類、豆類の栽培を中心に進めています。

稲作は新しい取り組みですが、芋類と豆類は皇王国での主食ですから、彼らは対応しやすいようです」

「アレクシス、ありがとう。

既に稲作の実績があるアイギスの情報をアストールから、移住した皇王国の者たちに伝え、連携して進めて欲しい。

因みに各地の穀物類の備蓄状況はどうなっている?」

「食料の備蓄は昨年の収穫で十分あります。

商品取引所の倉庫、各地の義倉にもほぼ満杯の状態になるまで、鋭意収集を進めておりましたので。

干ばつの被害状況次第ですが、救援物資や相場に応じた販売もできる程度の余裕があります」

ヨルティアは胸を張って報告した。

食料の備蓄や売買用の在庫確保については、彼女は相当根を詰めて奔走していたのを俺は知っている。

エストの商家だった彼女の実家は、過去にあった穀物相場の乱高下に乗り遅れ、多大の損失を被り没落し、それが彼女が娼館に身を落とす切っ掛けともなった。

そのため、彼女は殊更敏感に、そして慎重に対応を進めていたのだ。

「では引き続き、皆で対応を進めてもらうよう頼む。

ウチの領地だけじゃない。南部辺境諸侯の力が落ちると、その先にある帝国との戦いに影響する。

他領についても、我が身のごとく対応して欲しい」

皆が力強く頷いた。

母やソリス伯爵家宰、ゴーマン伯爵とは、既に十分な連携を取れているが、コーネル子爵については、まだまだ関係強化の余地はある。

キリアス子爵を始め、南東部辺境地域についても同様だ。その一帯の戦力低下は絶対に避けなければならない。

前回の時、俺は自領のことに必死で、他の領地の状況をよく知らないが、干ばつが大規模に起こったような気もするので、そのあたりは注意が必要だろう。

「年も改まり体制も固まりつつあるので、今後は一部の者には爵位を与え、準貴族として動いてもらう。

内政にしろ軍務にしろ、今後は他領地との関りも増えてくるからね。

余計な干渉や介入を防ぎ、皆の発言力を高める目的もあるから、遠慮なく受けてほしい」

前回の内乱時の功績で、ユーカさんは準男爵に叙せられていたが、4人の妻たちは当然無爵位だった。

だが、特使の任を受けフェアラート公国に2人の妻、クレアとヨルティアを伴う際、陛下から彼女たちは爵位を賜った。

『特使の妻が、無位無爵であれば、平民出身である其方の妻たちも肩身が狭かろう。

帯同する2人に加え、残留する2名も併せて、内乱鎮圧時の功績を以て準男爵に叙するゆえ、以後フォンを名乗ることを許す』

そう言った陛下の気遣いによって、5人の奥さんたち(ひとりは予定)は全員、準男爵となっていた。

更に、領主貴族になれば、その爵位に応じた数の配下の者を、一代限りではあるが騎士爵として任命できる権限を持っている。

過去、父が男爵であったころは2人の者を騎士爵に任じ、代官として町の統治を任せていた。

もともとディモスの町も、その騎士爵の一人が治めており、領地配分協議の後、彼は父が新たに得た領地の一部を治める代官として、転任していった。

辺境伯と同等、すなわち侯爵待遇の俺には、最大16名の騎士爵を任じることができるが、今は差し当たり上位の指揮官クラスのみ、役職と指揮系統を改めて爵位を与えることにした。

「ゲイル、クリストフ、エラン、バルト、ラファール、この5人は各々司令官、管理官として、他の指揮官や統括官を指揮する立場になってもらう。

今日から5人は魔境伯領内で騎士爵を受け、苗字とフォンの称号を名乗ってもらうね」

「えええっ!」

いや、本人たち、そんな意外そうに驚かなくても。

準貴族といっても、俺たちのなかではこれまで通り何も変わらないんだから……

ゲイル

「いや……、人足だった私が、貴族なんて……」

クリストフ

「……」

エラン

「ぼく、いや、私は貧民街の出身ですけど、それって、いいんですか?」

バルト

「いや、俺……、私なんか、孤児ですけど……」

ラファール

「こんな風体の貴族なんて、おかしくないですかね?

俺だったら山賊貴族って名前付けてしまいそうですけど、魔境伯の品位を落としてしまうんじゃあ……」

「まぁみんな、これまでの皆の活躍によって、俺たちの領地の今があるんだから、気にしないで欲しい。

そして、他の皆の励みや目標になると思ってさ」

うん、余りに予想外の反応だったので、逆に面白かった。戸惑う5人を見て、他の全員が笑っていた。

特にラファールの一言に。

<新任準男爵4名>

魔境伯領家宰 (ミザリー)

領主の持つ権限のうち、軍事面を除き全てを代行できる権限を持つ。

また、幹部となる管理官に次ぐ役職、統括官については、独自に任命できる権限を持つ。

財政面でも、タクヒールにいわば丸投げされており、莫大な魔境伯の資産を一手に管理している。

治安警備管理官 (アン)

領内すべての警備兵、衛兵、領主直属の護衛部隊及びメイドや執事などの領主館従事者を管理し、それらを指揮する権限を持つ。

渉外部門管理官 (クレア)

領内各地の受付所に配された統括官を管理し、住民情報から求人斡旋、移住者対応、射的場の運営など多くの任務を運営する権限を持つ。

商業部門管理官 (ヨルティア)

商品取引所の運営に加え、領地内での商人との売買、商業の許認可と各地の義倉を管理し、商取引において大きな予算と権限を付与されている。

領内諜報組織の構築・運営を行う治安維持統括官を兼務し、調査、捕縛、聴取の権限も併せて持つ。

<新任騎士爵5名>

駐留軍司令官 (ゲイル)

駐留軍のうちイシュタルを除く全ての兵卒を統率し、副指令のゴルド、マルス、ダンケを統率する。

兵卒の新規採用や、常備軍への編入、階位の昇進・降格の権限を持っている。

防衛軍司令官 (クリストフ)

アイギスに展開するロングボウ兵500名と、屯田兵指揮官のマスルール、自警団指揮官であるイサークを配下にして統率し、それらを自由に動かすことのできる権限を持っている。

建設事業管理官 (エラン)

都市計画統括官であるメアリー、サシャと、都市開発統括官のカーリーンを管理し、魔境伯領の開発工事に関する全権責任者となる。

通商事業管理官 (バルト)

戦時は兵站部門指揮官のウォルスを統括し、平時は交易や物資輸送など交渉と売買に関して全権を持つ。

諜報部門管理官 (ラファール)

対外諜報と領内での諜報活動、それに従事する部隊を統括し、自警団の夜警部隊もその指揮下に入る。

俺からの直接依頼以外でも、必要な調査は独自に遂行できる権限と人員、予算を持っている。

ヨルティアと同じく治安維持統括官を兼務し、独自の調査、捕縛、聴取の権限を付与されている。

<その他>

それ以外に魔境伯領に存在する者で、特別な身分を持つのは他に3名いる。

軍事面を一任され、総司令官でもあるヴァイス男爵。

辺境騎士団支部だけでなく、どの司令官が持つ兵卒も自由に動かすことのできる権限を持っている。

イシュタルの内政と防衛を一任されており、イシュタル管理官かつ、東部防衛司令官として500名のロングボウ兵と、東部駐留軍指揮官のアラル配下の駐留軍を指揮するアレクシス。(バウナー準男爵)

教会から中央教会名誉司教に任じられているローザ。

彼女は教会内の地位で貴族に例えると、地方教会の神父は騎士爵程度、これが中央教会の司教になると伯爵相当まで跳ね上がる。まぁ名誉職なので実質面での権限はないが、それでも影響力は大きい。

教会内の地位は別として、彼女にも騎士爵を授与している。

この3人に加え、12人が魔境伯領内での采配の司令塔になり、それに指揮官や統括官を加えた面々が主要メンバーとして、定期的に会議に参加する人員となる。

これまでいささか中途半端だったり、権限が被っていた役職もやっと整理することができた。

これで、俺たちは新しい体制で未来に歩むことになる。

家宰(領主代理)  ミザリー  準男爵

総司令官(支部団長)ヴァイス  男爵

領内安全管理官   アン    準男爵

渉外部門管理官   クレア   準男爵

商業部門管理官   ヨルティア 準男爵

建設事業管理官   エラン   騎士爵

通商事業管理官   バルト   騎士爵

諜報部門管理官   ラファール 騎士爵

施療院運用管理官  ローザ   騎士爵+名誉司教

都市開発統括官   カーリーン

都市計画統括官   メアリー

都市計画統括官   サシャ

工業開発部門統括官 カール

アイギス開発統括官 アストール

ヂィモス開発統括官 ライラ

その他文官職

家宰補佐官、教育事業統括官、財政部門統括官、射的場運営統括官、鉱山事業統括官……等。

これらはミザリー配下の文官たちが責を担う。

東部防衛司令官   アレクシス 準男爵

防衛軍司令官    クリストフ 騎士爵

駐留軍司令官    ゲイル   騎士爵

同 指揮官    ゴルド

同 指揮官    マルス

同 指揮官    ダンケ

東部駐留軍指揮官  アラル

屯田兵指揮官    マスルール

自警団指揮官    イサーク

傭兵団指揮官    キーラ

救護部隊指揮官   マリアンヌ

兵站部門指揮官   ウォルス

魔法戦闘指揮官   リリア

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カイル歴512年年初 予算残高

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〇個人所有金貨

・前年繰越  10,000

・期間収入   3,500(最上位大会胴元収益、個人売買、他)

・期間支出   3,000(王都滞在費、各魔法士派遣費用、他)

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残額 金貨 約14,500枚

〇領地所有金貨

・前年繰越   258,300

・開発支出  ▲83,000

・経費支出  ▲79,000(全雇用者人件費、経費)

・その他   ▲ 500

・製造委託費 ▲16,000(武具等の発注)

・借入金返済 ▲ 1,500(辺境伯への返済)

・販売収入   15,000(武具)

・一時収益   9,000(土地販売など)

・一時収益   8,000(公国売却益、帝国交易関係)

・売却益    6,000(魔物素材など)

・物販収益 16,000(ハチミツ、砂糖他)

・国王陛下依頼 10,000(公国イベント報酬)

・金山交付金  6,000(王国より権利金)

・領地税収等  60,000

※税収等(人頭税、交易税、賃貸料、商品取引所販売益、公営牧場販売益、農産物、鉱山収益など)

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残額 金貨 約 208,300枚

借入金の残額  完済

ご覧いただきありがとうございます。

次回は『宝珠と教会』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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