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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 247

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前回王都で、魔法騎士団の話を聞かされてから、あっという間に月日が流れていった。

ユーカさん、クリシアからもらった情報をもとに、テイグーンに帰り団長とも打ち合わせを重ねた。

首脳部の人間に情報を共有するとともに、イシュタルの代官を務めるアレクシスには、受け入れの準備を整えてもらった。

幸い、イシュタルには、1,000名分の臨時兵力受け入れ施設があったが、それを拡張して設備を整え直した。相当な突貫工事で、かなり迷惑を掛けてしまったが。

そうして、なんとか第四回王都定例会議を終えたのち、俺たちは2,350名+αの軍勢を引き連れ、テイグーンに戻って来た。

「にしても、ユーカさん。今回はやけに随行が多くないですか? クラリス殿下が同行されているとはいえ、狸爺、ゴウラス騎士団長、ハミッシュ辺境伯、モーデル伯爵始め、なんか関係ない貴族の当主も一緒に付いて来てますけど……」

「えっと……、まぁ、殿下に敬意を示して、そんな所じゃないですかね?」

「テイグーンの滞在、一泊だけの予定でしたが、いつの間にか三日に変わっていたし、あまり予定がころころと変わるのも、ちょっと困りものですね」

「え、ええ、そうですわね」

俺たち一行がテイグーンに入ると、そこにはまた多くの貴族当主が待ち受けていた。

父は母を連れて、そしてレイモンド夫妻まで。

ゴーマン伯爵はきっと、表敬よりユーカさんに会うことが目当てなんだろう。

コーネル男爵夫妻、ハストブルグ辺境伯夫妻、兄夫妻、キリアス子爵夫妻、クライツ男爵、ボールド男爵、ヘラルド男爵、カッパー男爵……、ちょっと勢揃いし過ぎていて、若干引いてしまった。

翌日はクラリス殿下の歓迎式典があるらしく、皆はその対応の準備に追われていた。

何でそんなもの、わざわざやるの?

国王陛下からは、特別対応は無用、余計な気遣いをせぬように。そう強く言われていたのだけど……

俺は何故か今回、この後の訓練計画に集中できるようにとの名目で、この準備から外されており、手持ち無沙汰な俺を他所に、皆は忙しそうに動き回っていた。

うん……、俺がまたいきなり、二千名を超える人員を引き連れてくることになって、今回も皆に迷惑をかけたかな?

ちょっと余所余所しく、そして忙しそうにしている皆に相手にしてもらえず、暇を持て余した俺は工房へ出かけ、カール工房長に会いにいった。

「カール工房長、頼んでいた物はどんな感じかな?」

「はい、追加でいただいた軽装鎧10着は完成しております。見た目は軽装ですが、防御力は帝国の鉄騎兵が使用するフルプレートアーマーを遥かに凌ぎます。

うち三着はご指示通り、素材に糸目を付けず防御力を最大限まで考慮した、最高級品に仕上げています」

そう言って見せてもらった鎧は、クリムトの鱗をふんだんに使用したものだった。

半透明の虹色に光る鱗が重ねられ、思わず見とれる優美さを醸し出している。

これまでにも50着の高級品と、必要箇所に鱗を数枚ずつ貼った廉価版200着を発注し、関係各所に配備していたが、それらに等しく、見た目の華美さは敢えて抑え、洗練さと取り回しの良さを優先した形で依頼していた。

もちろんこの三着は、クラリス殿下、ユーカさん、クリシア用だ。そして残りの7着も、ユーカさんの護衛に2着、殿下の近習に3着、俺から殿下の護衛に任命したカーラ、アルテナの両名に配備するものだ。

「うん、凄くいい感じだと思う。流石だね。あとは、限定版のクロスボウだけど、何台ぐらい作れそう?」

「そうですね。来年の春までが納期で、東からも追加素材が到着しましたので、1,000台なら間違いなく」

「分かった! 無理をしなくて良いから、夏前までになんとか、3,000台まで揃うと嬉しいかな。もちろんできる範囲で」

俺は東に配備する2,000名の弓箭兵には、エストールボウの威力や射程に迫る、最新のクロスボウを配備したかった。もちろん、価格も高い。

そして、軍務卿からの依頼で、東国境配備の注文もあるし、既に素材を融通してもらっている手前、1,000台は何とかしたい。

「人件費についてなら、予算を度外視して構わない。

働く人たちには無理のない様、でも割増賃金や増員は遠慮なくやってほしい。

それに見合う対価は貰えるからね」

特に魔法騎士団の装備費用は王国持ちなので、遠慮なく強化させてもらう。そして対価も遠慮なくいただく。

予め見積りを持っていった時には、狸爺は仰天していたが、殿下を守るためのクリムトの鎧一式と言ったら納得してくれた。

なんせ、伝説級の鎧だし、幾ら金貨を積んでもおいそれと手に入る物じゃない。まして、その防御力は折り紙付きだ。

まぁここだけの話、ユーカさんや妹の分も、こっそり請求に紛れ込ませているけど……。彼女らも魔法騎士団所属だし、それはそれ。

この様にして、俺は色々と時間を潰していた。

魔法騎士団に同行した弓箭兵たちは、各々宛がわれた宿泊先に分宿し、ちょっとした観光を楽しんでいるようだった。

夕方からは、この機会を利用してハストブルグ辺境伯以下、南部防衛に当たる面々との会議があった。

もちろん、軍略好きのお姫様はちゃっかり同席していたが……

そして夜は、迎賓館にて晩餐会が開かれた。

ここでは、フェアラート公国産の赤絨毯が皆を驚かせ、パエリアやカレーライスに皆は舌鼓を打った。

日本では庶民の食事が、この世界では貴族の晩餐となることに、俺はひとり苦笑してしまったが。

この時は、任地に散っていたヴァイス男爵やバウナー準男爵、各魔法士たちも勢揃いし、非常に華やかな宴となった。

でも……、なんか皆、ちょっとよそよそしい気がしたのは、俺の気のせいだろうか?

俺、なにか悪いことでもしたかなぁ?

唯一、薄ら笑いを浮かべた兄が、終始俺に構ってくれていたけど……

翌日は歓迎式典が行われると聞いていた。

だが、アンもミザリーもクレアもヨルティアまで、皆が朝から出払っており、俺はぼっちだった。

なんか……、寂しいなぁ。

魔法士たちも皆、どこにいったか不在だし、主要メンバーが集まっているのに何故か俺はひとりだった。

仕方がない、ちょっと兄と剣の修練でも、そう思って兄を訪ねると、これまた不在だった。

なんで?

仕方なく俺は、一人で街をぶらついていた。

タクヒールが途方に暮れているとき、とある場所に集まる者たちがいた。

「では、計画の最終段階に入りましたが、各所準備はよろしいですか?」

「はい、クリシアさま。来賓関係は迎賓館に集まっていただいており、準備は整っています」

「カーリーンさん、ありがとうございます。教会の方はどうですか?」

「ローザさんが教会に入り、準備を進めております。間もなく完了すると報告が入っています」

「マリアンヌさん、ありがとうございます。では……、目標の動きはどうですか?」

「ラファールさんが隠形して密かに追跡しています。先ほど中央広場にて、ぼーっとおひとりで座られている、そう報告がありました。今が移動の好機だと思います」

「キーラさん、ありがとうございます。では……、来賓や参列者の移動を今のうちに開始しましょう。

万が一に備えて、団長には目標の確保と、最終的な誘導をお願いできますか?」

「承知しました。これより第三区画で待機し、合図の赤旗が上がり次第誘導を開始します」

「では私たちも、それぞれ服装を整えながら、待機しましょう。赤旗を上げた時点で本部も移動します。

団長の衣装は、目標のものと同じく、駐留兵詰め所に手配してあります。

ただ、ここで気付かれては元も子もありません。

その点、どうかよろしくお願いします」

「了解しました。最大限の注意を払い努力します」

「そうは言いましたが多分、お兄さまはその辺も無頓着なので、大丈夫と思います。

ご自身のことはあまり見えていない人なので……

ではこれより、最終段階の手筈を開始します」

勢いの良い返事とともに、各位は定められた任務に散っていった。

なんか……、せっかくのハチミツパイも、一人で食べると味気ないなぁ。

クリシアたちは、昨日殿下を誘って、食べに来たらしいけど。

そういえば、今日は何故売っていたんだろう?

昨日は特別に販売を行うよう、ミザリーを通じてねじ込んでいたけど、今日は何の行事も祭典もないよね?

殿下の歓迎式典は、領民には内緒だし、今日は予め決まっている販売日でもないのに……

「タクヒールさま! 探しましたよ。

殿下のご都合で、歓迎式典が早まりそうです。

どうか急ぎ、我等とお越しください」

「あれ? 団長……

今朝から姿を見ないと思っていたのに」

「さぁ、急ぎ移動しましょう。急遽殿下は、教会にて礼拝を行なってから式典に臨まれるそうで、参列する者たちも教会に移動しております」

「げっ! これから領主館に戻って着替えて、また教会に……、移動と往復だけでも時間がかかるじゃん。

やばいっ! 出遅れる」

「ご安心ください。お召し物は教会の近く、駐留兵の詰め所に運ばせています」

「団長、流石です。ありがとう! じゃあ急いで戻ろう!」

俺と団長は急ぎ駐留兵詰め所に向かった。

途中、教会前を通過したが、既に多くの兵が周囲を固めており、既にクラリス殿下は教会に入っていると思われ、俺は大いに焦った。

詰め所で用意されていた服は、多少派手すぎる気もしたが、そんな事を気にしている場合でもなかった。

「さ! タクヒールさま、既に礼拝は始まっている模様なので、裏手から入りますよ!」

団長に続いて、教会の裏手からから中に入り、礼拝堂の脇へと通じる扉に辿り着いた。

「では、私は中に入り様子を確認して参りますので、次にドアが開いたとき中にお入りください。

タクヒールさまは、居並ぶ警護部隊の真ん中を抜け、礼拝堂の中央へとお進みください。

そこにお席を確保しておきますので」

「うん、手間を掛けるね。遅刻がバレない様よろしくお願いします」

団長が入るとしばらくして、彼の言った通りドアが開き、中からは盛大な音楽が響き渡った。

俺は指示通りに中に入ると……

???

抜剣した辺境騎士団支部の精鋭が、頭上に剣を交差させ、花道を作っていた。

んんん?

これって、どこかで見たような光景だったような……

不思議に思いつつ、団長に言われた通りに進んでいくと、そこに居並ぶ者たちは……

アラル、マルス、フォルク、ブラント、ダンケ、イサーク、ウォルス、ラファール、カウル、アストール、マスルール、バルト、エラン、ゴルド……

お前たち、何でここにいるんだ?

一番中央寄りの端にはゲイルとクリストフが剣を交差させている。

「タクヒールさま、こちらでしばらくお待ちください」

クリストフは俺に小声でそう伝えてきた。何なんだいったい?

そして、反対側から大きな声が上がった。

「新婦、ご入場!」

「は? ……、??? はぁぁっ?」

俺は反射的に大きな声を上げてしまった。

やられた!

よく見ると、中央の席の最前列ではクラリス殿下が座り、満面の笑みを浮かべている。

左右には、母と妹に抱き抱えられた可凛の姿もあった。

そして……、反対側からは、純白のドレスを纏った、花嫁たちが手を引かれて進んで来た。

ゴーマン伯爵に手を引かれたユーカさん

父に手を引かれたアン

兄に手を引かれたクレア

レイモンドに手を引かれたミザリー

団長に手を引かれたヨルティア……

見る者を圧巻する、五人の花嫁たちが並んだ。

くそっ! やられた!

ここにいる全員がグルか?

予定以外の随行員がいたのも、急遽3日の滞在になったのも、昨日今日と皆が慌ただしくしていたのも、そして、何故かよそよそしかったのも、全部このためだったというのか?

祭壇にはグレース司教とローザが……

「これより、ソリス魔境伯とその妻ユーカ、アン、クレア、ミザリー、ヨルティアとの婚儀を、国王陛下の名代としてクラリス殿下の立会いの下、執り行うものとする」

二人の唱和を聞きながら、俺はまだ動揺していた。

「タクヒールさま、これでやっと、私も皆さんの仲間入りができました。嬉しいです」

「ユーカさんはもう、ずっと以前から仲間だよ。これからもよろしくね」

「既に母となった私が、このようなドレスを着て、こんな場所に……、大丈夫でしょうか?」

「アン、凄く似合ってるよ。今の俺があるのはアンのお陰だし、遠慮しないで」

「嬉しいです。まさかこんな形で、皆さんとご一緒できるなんて、夢のようです」

「クレア、これもクレアが今まで支えてくれたからだよ。俺にとって大切なひとりだから」

「私は……、私は……。もう言葉になりません」

「ミザリー、いつも苦労を掛けているけど、本当にありがとう。これからもよろしくね」

「私、私のような者が、このように……」

「ヨルティアは、戦場でも数々の功績を立てた英雄なんだから、何の遠慮も必要ないよ、胸を張って」

ただひたすら喜ぶユーカさん以外は、俺以上に動揺していた。

きっとこの5人が平等に、そして一緒に式を挙げれるよう提案したのはユーカさんなのだろう。

俺にはそれがなにより嬉しかった。

そして婚礼の儀はつつがなく終わり、その後クラリス殿下歓迎式典ではなく、婚礼祝賀会が始まった。

テイグーンの街には、祝いの酒と料理が振舞われ、街中が俺たちの滞在中ずっと、お祭り騒ぎとなった。

このサプライズ結婚式は、兄と妹が発起人となり、周到に準備されていたことが後で分かった。

俺は兄から、きっちり借りを返された形となっていたのだ。

クリシア、この借りはきっちり返すよ。兄として……

今度は可愛い妹の未来を祝福する番だからね。

俺が気付いていないとでも、思っているのかな?

ご覧いただきありがとうございます。

次回は『対魔法戦闘訓練』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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