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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 252

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9月以降の投稿について、後書きにお知らせがあります。

フェアラート公国の王都、フェアリーでは今年、国内に不穏な動きを感じさせる年明けとなった。

王宮で行われる、恒例の新年を祝う宴において、参集した有力貴族たちは、形ばかりの祝辞を国王に述べると早々に退席し、いつもの盛大な様子とは打って変わった、閑散としたものとなった。

それを見て、苦笑を浮かべた国王もまた、側近を伴って早々に執務室へと下がった。

「さて、フレイム伯爵よ。不平貴族共はそろそろ暴発するか? その態度をあからさまにしてきたな。

其方はこれをどう推測する?」

「はっ! 不平貴族の中で、既に態度を明確にしている者はおよそ60家と思われます。

現状では様子見ですが、恐らくそちらに転ぶ者が80家程度……」

「ははは、およそ半数か。余も嫌われたものだな」

「半数ではございませんぞ! 先に申し上げた者共、その中には公国の有力貴族30家を含んでおります。

勢力で言えば7割近くが敵側、そう言っても過言ではありません。このままでは恐らく……」

「公国を割る内乱となるか?」

「はい、残念ながら……

我らの力が及ばず、誠に申し訳ありません。

我らとて、日頃から不平を述べていたとは言え、奴らにそこまで気概があるとは思ってもみませんでした。

これほど一気に反乱の気運が上がるとは、これではまるで……」

「後ろで糸を引いている者がいる、そういう事か?

ここに至っては、もう致し方あるまい。一気に暴発させて片を付けるしかあるまいな。

一時の恥もやむを得まい。

これから余は、王都を追われた無能者となるだろう」

「陛下っ! それは余りに……」

「余を慕う者たちが集う、南から順次固めていく。

余は不穏な空気に恐れを抱き、王都を離れて南の反乱を征討するため出陣、いや、逃げ出すとするかな?

そうなればこの国に溜まった膿も、一気に噴き出すことだろうよ。

それに先立ち、弟と妹たちを使者として、密かに隣国に送り出そうと思っている」

「な、な、なんとっ!」

「ここに居れば、必ず不平貴族共に傀儡として祭り上げられる。

そうなれば余は、大切な弟や妹を、反乱に加担した者として、罰せねばならなくなる。

反乱の首魁ともなれば死罪、それは余りにも忍びない。本来は彼らを、政争の具にしたくないからこそ、自ら混乱を承知で王位を継いだというのにな」

「お気持ち、お察しいたします」

「カイル王にはご迷惑をお掛けすることになるが、落ち着くまで匿っていただく。

その依頼を記した文を其方に預け、弟と妹を其方に託す、どうか彼らのことを頼む」

これは前回の歴史で、カイル王家が辿った道を知る者にとっては、因果な縁としか言いようのない事であった。

前回はこの年のカイル王国滅亡の折、カイル王が王位を継がず宰相となった彼を頼り、妻子を送り出していたのだから。

それと立場を変えた逆のことが、今回の世界では起ころうとしていた。

「陛下! 私はお供させていただけないのですか?」

「ふん、近衛師団の時から、俺はお前を一番信頼してきた。腕自慢なら他にもいるが、政治向きの話が分かり、かつ事後を託せるのはお前しかおらん。

友よ、頼む。

俺は勝つつもりだが、その保証はないし時間もかかる。かの国にはもうひとり、友と呼べる男もいる。

彼にも文を託すゆえ、その繋ぎを頼みたい」

いつの間にか国王の言葉使いは、かつてフレイムと共にあった、近衛師団時代のものに戻っている。

フレイム伯爵もそれには気付いていたが、まるで昔の関係を懐かしむかのように、敢えてそれを咎めない。

「本当に貴方は変わりませんね。近衛師団の時から、面倒ごとを笑って押し付ける上官でしたよ。

それにしても、カイル王国とてただでは済まないでしょう。どうされるおつもりですか?」

「もう一人の友には既に策を授けてある。そして、先方でも色々と事情はあるであろう?

我が国の不平貴族共と、先方の復権派が結託して何か企んでおるのを掴んでいるはずだ。

有事の侵攻に備え、既に対策を採っているとも聞いているしな。俺は自身の目と友を信じるさ」

「ただ巻き込まれるのではなく、王国側にもそれなりに責のある話だと?」

「そういうことだ。その責任は取ってもらわんとな。

まぁ……、王国には後日、それなりの対価を払うことにはなるだろうが、このまま座して国を割り、分裂することに比べれば、それも些細なことよ」

「あの時から、そこまでお考えだったのですか?」

「ああ、そもそも未来を託すに値する人物かどうか、それを見極めたくて呼んだのだからな。

実際に彼と会ってみて、期待以上だったのは嬉しい誤算だった。既に今頃は、我が国の情勢も諜報により詳しく掴んでいると思うぞ」

「あの……、ただ気になることもあります。

カイル王国も今、非常に危うい状態だと聞き及んでおりますが……」

「確かにな。数年前のカイル王国なら、俺もそんな危ない橋を渡ることはなかったよ。

だが、今は違う。

フレイム、俺が近衛師団の時から、武力以外で最も力を入れていたことは何だ?」

「諜報でございましょう。特に我が国の国外諜報網については、近隣諸国のそれよりも遥かに優れていると自負しております」

「ああ、その通りだ。魔境伯にもそれとなく、その事は伝えた。自身ももっと用心するようにとな。

彼はその警告に応えた。俺の期待通りに動き始め、王国内に警鐘を鳴らすと同時に、我が国にも新たに諜報網を築きつつあるようだ」

「それと何が関係あると?」

「それだけ優秀な男が、むざむざ帝国にしてやられる訳がなかろう?

帝国軍は魔法士の恐ろしさをまだ十分に知らん。

これまでの魔境伯の戦いは、運用できる兵も魔法士も数は少なく、採れる戦術も限られていた。

だが今は違う。魔境伯は本気で魔法士を使った戦術を構築し、恐ろしいまでの力を振るうだろう」

「貴方の魔境伯への肩入れは、相当なものですね」

「同じく自らが魔法士でないことに苦しみ、逆に冷静に魔法士の力を見据えることができるからな。

同じ立場の俺には、それが非常によく分かる。

このこと、当のカイル王国内ですら、理解している者は殆どおらんだろうよ」

「そんなものですか? 私にはよく分かりませんが」

「ああ、俺の予測では王国は必ず勝つよ。

今回は王国の中枢も彼の味方だし、軍務卿も何やら動いているようだしな。問題は被害の程度、といった所だろう。

王都までは絶対に落ちん。俺はそう読んでいる」

「仮に対外諜報魔法というものがあれば、貴方は一番の使い手となっていたでしょうね。

断片的な情報を集めて仮説を立て、更にそれを検証して確証に変える。この技術はもはや才能ですから」

「ははは、魔法が使えん半端者だ。それぐらいの取り柄がないと、立つ瀬がないわ。

今回の反乱、当面の敵軍は2万から3万、その予測で間違いないか?」

「そうですね。ただの反乱ともなれば、二の足を踏む日和見者も多いでしょう。

弟君や妹君がご不在で、祭り上げることができなければ、フェアリーの留守を襲えるのは3万程度です。

領地を全て空けて軍を出すわけにもいきませんからな」

フレイム伯爵の言葉に、国王は何か含みを持った笑顔を見せた。

長年の付き合いで、彼はよく知っていた。国王がこんな顔をする時は、何か別の考えを持っている時だ。

「まぁ妥当な読みだろうな。春の終わりか夏の初めには餌を撒き、此方は夏中に片を付けるつもりだ。

できるなら、先方に迷惑を掛けたくないからな。

仮に敵軍が予想の倍、四万以上としてもなんとかなるだろう」

「四万以上ともなれば……、日和見者たちもこぞって敵側に回った計算になりますな。

そうあって欲しくないですが」

「だがこれは戦だ、万が一のこともある。お前の存在が、弟や妹には必要なのだ。彼らの傍らにな。

友よ、頼む、引き受けてくれないか?」

「……、不本意ながら、敢えてそう言うことをお許しいただきたい。

貴方の信頼に応えさせていただきますが、本心は別にあること、ご承知おきください」

「すまん」

フェアラート国王は、信頼する部下に深く頭を下げた。

このあと、彼の計画のもと準備は進められ、春の終わりにはそれが実行段階に移されることになる。

彼らと同様、フェアリーにて新年の宴が催されて暫らく後、ある有力貴族の屋敷に集まり、密儀を交わす者たちがいた。

「今年の宴は閑散として、非常に無様であったな」

「叔父上に倣い、多くの貴族が早々に退室したことで、貴族たちの旗幟が明らかになりましたからな」

「その通りですな。永きに渡る慣例を無視し、我らの意向すら無視し継承を行った愚か者に相応しい、盛大な宴、いや物笑いの見世物だったというべきでしょうな」

「公爵、我らはいつまで矜持を捨てて、忍ばねばならんのでしょうか?」

「間も無くよ。春が過ぎれば火の手は上がる。我らはそこから動く。隣国でも我らの賛同者は多い。

そういうことだな?」

「仰せの通りでございます。皆さまがこの国の、本来のあるべき姿を取り戻された際には、我が国もそうするためのお力をお借りしたく思っています。

勿論、お力添えいただいた暁には、国土の一部を返礼として割譲する用意もあります。

此度は賛同される有力貴族も、それなりの数に登ると聞いております。新しき統治に、分配できる土地は多いに越したことはないでしょう」

「リュグナー殿、御父上の侯爵には、我らも長年に渡り友誼を持って来た。我らも貴国を正しき道に戻すこと、喜んで支援させていただく。

どうぞよしなに、そうお伝えくだされ」

「ありがとうございます。公爵閣下のご厚情、父も喜びましょう。

私はこれより報告のため領地に戻りますが、皆様が決起される際には、必ずや援軍を率い馳せ参じましょう」

こう言ってリュグナーは深く一礼した。冷酷な笑みを浮かべながら。

そしてこの会合の席を辞し、国境へと帰路に就いた

だが、リュグナーには父などいない。反乱を主導した罪で、処断されて四年も前に刑死していた。

リュグナーは、闇の氏族の力を借り、とある侯爵に取り入っていた。そして念入りに周囲に暗示を掛けて洗脳し、侯爵の義息として迎え入れられていた。

彼の暗示に陥ちた侯爵は、既に操り人形となっていた。

そして次に、その侯爵の名代として、王国西部を守る辺境伯を懐柔した上で国境を越え、フェアラート公国にまで、その触手を伸ばしていたのだ。

『お前たちが望んだ舞台は用意してやる。最後まで踊り狂って、自らを滅ぼすがいい。

王国を道連れにな』

リュグナーは、誰にも聞こえないよう小さくそう呟くと、騎馬を走らせていた。

カイル王国内、フェアラート公国内の双方で、反乱の準備は順調に整えられていった。

後は首謀者たちを暴発させ、侵攻を煽るだけだ。

こうして、リュグナーが描いた、壮大な包囲網の一環が実現しようとしていた。

【お知らせ】

いつもご覧いただきありがとうございます。

9月よりしばらくの間、投稿は今までの隔日から三日に一度のペースとなります。

お待たせして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

最終決戦に向けて、楽しんで読んでいただけるよう頑張りますので、変わらぬ応援をいただけると嬉しいです。

次回は『不吉な前兆』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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