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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 253

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春も盛りのある日、タクヒールたちはイシュタルでの訓練も総仕上げに掛かっていた。

半年間にも渡る厳しい訓練を経て、魔法騎士団は集団としての力を発揮し、戦力として見違える様になりつつあった。

同様に2,000名の弓箭兵についても、戦闘指揮に従い、一矢乱れぬ統制射撃を行えるまでになっていた。

「団長、そろそろ彼らを一度王都に帰そうと思っていますが、如何ですか?」

「そうですね。ここまで来れば、まぁなんとかなるでしょう。彼らを王都に?」

「はい、魔法騎士団の構成員のうち、半数は学園の学生です。秋まで一旦戻す必要もあります。

ただ、魔法戦闘育成課程及び、魔法戦術研究科の人員は、強い希望が無い限りすぐに再招集して留めおきます。こちらでの訓練がそのまま、学園の授業に代替できますからね。

それ以外の一般課程を履修している者、北部方面に派遣する者たちは、基本王都に帰します」

「弓箭兵はどうされます?」

「ひと月ほど全軍に休暇を与え、ガイアにて再集結させます。一般課程の学生以外と共に。

そして魔法騎士団、弓箭兵とも帰路はエスト側から旧コーネル男爵領を抜け、王都には西側から入ります」

「なるほど! 帰路に想定される戦場を見せる訳ですね」

「はい、クラリス殿下ら少数の人間を派遣する目論見は、失敗しましたからね。

護衛の面でも、反対する意見ももっともな話でしたし。今回は私が引率します」

「それは……、面倒なお話しですね。留守はしっかりお預かりさせていただきます」

「その後、王都にて定例会議に参加し、こちらに戻る予定です」

団長との会話の10日後、遠征訓練は全ての予定を終え、総勢2,350名の軍勢は王都への帰路に就く為、一度テイグーンに戻った。

ここから街道を真っすぐ北に下り、王国西部を巡回しつつ王都に入るために。

その時、テイグーンで留守を預かっていた、ミザリーがテイグーンの正門前で待ち構えていた。

「タクヒールさま、ご出発の前にティア商会からの報告が入っております。こちらに立ち寄られるご予定と伺っておりましたので、ハリム殿にはこちらに留まっていただいております」

「うん、了解した。早速会おう。今から話せるかい?」

「はい、そう仰ると思い、第四区画の傭兵団詰所にて、待機いただいております」

俺はミザリー、ヨルティアを伴い、ハリムと会った。

最初にハリムをテイグーンに伴ったとき、俺とヨルティアは、ティア商会と別の取引も成立させていた。

ひとつ、公国の情報を収集し、交易で訪れる度に報告してもらうこと。

ひとつ、不平貴族の動向を探り、動きがあるときは交易とは別に、最優先で報告してもらうこと。

これにより俺たちはフェアラート公国内に、目と耳を持つことができている。

通常入ってくる外務卿からの情報は、カイラールを経由してくるので、どうしても遅くなる。

ハリムたちなら直行便で情報が入るので、3日から5日早く、隣国の情報を入手できる。

「ハリム、直接会うのは半年振りか?

その後の交易など色々と頑張ってくれていると聞いている。今日は大事な話があると聞いたが?」

「はい、魔境伯様、ヨルティア様、こちらの皆様のお陰を持ちまして、いい商売をさせていただいております。先ずはお礼申し上げます。

ご報告したかったのは、フェアラート公国内で不穏な動きがあることです」

「よく知らせてくれた。ハリム、具体的にはどういう事か詳しく教えて欲しい」

「現国王に対し、多数の有力貴族が怪しい動きを始めています。

具体的には、各貴族の領地で密かに募兵を進め、食料を買い集めています。

我らは街を裏で牛耳る元締めや、表に出ない商いを行う商人、人手の斡旋なども行っている者たちとも、商売を通じて繋がりがあります。

そこからの情報を総合すると、それなりの数の貴族たちが、密かに戦支度を始めているようです」

「それはどれぐらいの数だ?

有力貴族の割合、そして公国全貴族に占める割合は?

彼らの兵力数に換算してどのくらいだ?」

「私も詳しい訳ではありませんが、明確に動いているのは伯爵以上の者たちで、30家相当と思われます。

末端については把握しきれておりませんが、総兵力は……、恐らく4万前後にはなると思います……」

伯爵以上で30家といえば、上位貴族の8割程度か? そうなると総兵力は恐らくもっと増えるな。

最悪の想定で総兵力5万、そうなると此方に回してくるのは、味方の敵も含めて優に2万を超えることになるか……

「ハリム、申し訳ないがこれよりサラームに戻り、今後も情報を集約してくれないか?

当面の間サラームに留まり、公国で反乱が発生したとき、そして、反乱軍の兵が王国に向かう恐れのあるとき、それぞれで早馬を出して欲しい。

今回の情報の礼と、今後の費用を預けるので、費用は惜しまず、好きに使って構わない」

「はっ! 畏まりました」

「面倒をかけるが知らせは二か所、王都の外務卿であるクライン公爵と、テイグーンに走らせてくれるか?

王都に入るため、そしてクライン公爵に面会するのに必要な割符は、こちらから事前に預けておく。

ヨルティアはその手配と、活動費をハリムに渡してやって欲しい」

「はい、すぐに手配します」

これで有事の際は、対処の準備ができるだろう。

それがいつかになるかが問題だが、恐らく最悪のタイミングで仕掛けてくるに違いない。

それはこれまでの歴史でも、ずっとそうだった。

「さて、これから共に西部戦線の視察に向かうお姫様にも、事態を共有しないといけないな。

指揮官として預けるゴルド、工事担当のエランなど、一部の者は先行させて、想定される戦場と迎撃箇所を見定めさせよう。

時間的な猶予は、あまりなさそうだしね」

急ぎ公国に戻ったハリムと同じタイミングで、ゴルドが指揮する先遣隊も出発した。

俺たちは翌日、軍勢を率いてテイグーンを出て、王国西部を巡回しながら王都に向けて出発した。

その後俺たちは魔法騎士団を引率し、カイル王国西部、王都から西の国境に通じる街道を2日ほど進んだ地点まで来ていた。

ここで先行させていたゴルド、エランたちに合流した。

「みんな、先行し周辺調査の任、ありがとう。

ゴルド、エラン、この辺りという事かな?」

「はい、このクレイラットの地は、それなりに大きな河が流れ、水深もあります。

渡河地点は限られており、この橋の手前に陣を敷けば、兵力差があっても十分持ち堪えることが可能でしょう」

そう答えたゴルドにエランも続いた。

「ここであれば、幾つか仕掛けも事前に対処できます。そして河の水も……

一番の利点は、周囲に農地もなく、街道の王都側には町もあり、後方に兵站基地を設けることもできます。

そして何より、ここのご領主はタクヒールさまともご縁があります」

そう、この地を治めるクレイ伯爵の娘は、王都の学園でユーカの友人であり、はちみつ販売開始時のアドバイザーのひとりだった。

そして当主の伯爵も、最上位大会でテイグーンを訪れており、こちらの陣営として、大量の改良版クロスボウを購入し、配備と訓練を進めており、伯爵自身は軍務卿と共に、対北方面の軍に参加する予定だ。

そして何より、伯爵の愛娘がユーカと同様に魔法騎士団に志願しており、殿下と共にある。

地の利、人の和、この二つが両立している場所なのだから。

「クレイ伯爵には俺から話を通しておくよ。

エランは災害に備えた護岸工事、その名目で事前にできる細工は仕込んでおいてくれるかな?」

「承知しました。それと……、もうひとつこちらの領主様にお願いしたいことがあります」

「ん? どうした」

「実は、ひとつ作戦案があるのですが……」

エランの提案は、兵法として理にかなっていた。

エラン自身の過去に受けた苦渋の経験、それを元にした作戦ということか。

ただ、他人の領地でこれを行うのは気が引ける。

だが……

「分かった、俺よりそれもお願いしてみる。

ゴルド、殿下たちの身に危険が及ばぬよう、くれぐれも頼むぞ。必要なら越権行為もどんどんやってくれ。

責任は全て此方で負うから、発動する場合はタイミングを見誤らないようにな。

エランは地魔法士を預けておくので、引き続きここに残り、対応を行ってくれ。

くれぐれも罠であると悟られないようにな」

「承知いたしました」

この先の戦いでは何が起こるか分からない。

そしてこの地では、絶対に負けるわけにはいかない。打てる手は全て打っておく必要があった。

魔法騎士団がクレイラットの地を拠点に、現地視察を行っているなか、俺は急ぎ領主のクレイ伯爵を訪ねて面会し、諸々の許可を取り付けた。

幸いにも、愛娘のこともあり伯爵も非常に協力的で、翌日には『地魔法士の力を借りた大規模な治水工事』が行われることの布告が出され、人足や領兵たちが工事に徴発され、エランたちは堂々と動くことができた。

一部の者たち以外、本来の目的を隠して。

これで西の防衛の目途はたった。

王都での定例会でも、最低限の進捗は報告できるだろう。

俺たちは、エランやゴルド、地魔法士を中心に魔法士たちの一部を残し、一路王都へと歩みを進めた。

【お知らせ】

いつもご覧いただきありがとうございます。

9月よりしばらくの間、投稿は今までの隔日から三日に一度のペースとなります。

お待たせして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

最終決戦に向けて、楽しんで読んでいただけるよう頑張りますので、変わらぬ応援をいただけると嬉しいです。

次回は『第六回王都定例会議』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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