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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 256

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今回より最終決戦編に入ります。

できる限り時系列に応じた流れで投稿しておりますが、数話単位で各戦線での話題を行き来します。

タイトルに〇〇戦線と記載しており、タクヒール視点ではない第三者視点のお話も増えますが、この点どうかご容赦ください。

王都での定例会議を終え、俺はアイギスへと戻った。

季節は春から夏に移り変わり、アイギスの段々畑では稲穂が大きく実り始めていた。

この頃になると、全ての戦闘要員はアイギス及びイシュタル方面に配置し、戦時体制へと移行し始めている。

「タクヒールさま! ティア商会からの急使が参っております。お通してよろしいでしょうか?」

「来たか! すぐ会おう。ここに通してくれ」

俺のもとを訪れたのは、全ての始まりを告げる急使だった。

俺は団長、ゲイル、クリストフなど主要な指揮官たちとともに、使者に面会した。

「このような形での訪問、どうかご容赦ください。ハリムから命を受け、ご報告に参上しました。

先ずは急ぎ報告させていただきます。フェアラート公国で内乱が発生しました!

サラームで得た情報ですが、既に王都は陥落した模様です!」

「なっ! 既に王都が? どういうことだ?

近衛師団を統率する国王軍が、いとも簡単に敗れたというのか?」

「ゲイル、落ち着け。使者の役目大儀。

分かる範囲で構わない、そこに至る経緯を説明してほしい」

「はい、発端は春の終わりに始まりました。

フェアラート公国南部辺境域にて、貴族反乱が発生したため、近衛師団2万名と魔法兵団の一部を率い、国王自らその討伐に出られたことに端を発しております」

「国王が王都を空けられた隙に乗じられた、そういうことか?」

「はい、国王と近衛騎士団の主力が不在の王都に、3万以上の反乱軍が突如襲ってきたこと、それに加え、魔法兵団の主力も反乱側に加担し、残留していた近衛騎士団1万も成す術もなく王都を明け渡し潰走したそうです。現在は、反乱軍が王都を占拠しております」

そうか……、既に王都フェアリーもか。

国王側でも警戒してたはずなのに、手際が良すぎるな。

黙って瞑目する俺に代わりクリストフが問う。

「で、反乱軍は王都を掌握しただけか?」

「我らにも詳細は分かりかねますが、反乱軍は各貴族を糾合し、公国の半分以上を掌握しているように思われます。裏の世界にて商いを行う者たちの情報では、サラームの領主も恐らく……」

「予め用意周到に計画された作戦なら、王都から北は全て反乱軍側の陣営と考えるべきでしょうね」

団長も続いて見解の言葉を述べた。

その読みは恐らく正しい。

「そして国内が安定したら、その矛先はこちらに向かって来るでしょうな」

「団長の言う通りですね。ここからは情報の速度が大事になるだろう。

使者として、長駆してここまで駆けつけてくれたのに申し訳ない。

可能な限り早くサラームに戻り、公国内で王国侵攻の兆しが見えた場合、侵攻軍に先立って伝えて欲しい。

そうハリムに伝えてもらえるかい?

あと、王都方面への使者は同時に出ているのかな?」

「はい承知しました。使者に関しては此方と王都、二方面に走らせております。

それでは我らは、一旦サラームに戻りますが、状況の変化に応じ、既に次の使者が立っている可能性もあります。事態はそれほどの速さで動いているようです」

なるほどな……

用意周到に準備された手を、反乱軍は矢継ぎ早に打って来ているということか。

「頼む! ハリムにもよろしく伝えてくれ。

十分に用心して、焦って無理だけはしないようにと」

「はっ! ありがたく」

そう言って使者は再び、サラームへと戻っていった。

使者を送り出した翌日、今度は王都から急使が到着した。外務卿からの使者に同行してきた者、一名を追加で伴って。

早速俺はアイギスの指揮所で彼らに面会し、開口一番で使者に同行してきた者に告げた。

「フレイム伯爵、今お国で起こっている事態、お心を痛められていることと存じます。

だが我らも今は逼迫した状況下、さしてお力になれず非常に心苦しいのですが……」

「なんと! 魔境伯は既にご存じと言うことですか?

いやはや、驚きました。

私は魔境伯に、今回の事態を急ぎお伝えするため此方に参ったのですが……」

フレイム伯爵はそう言いながらも、蒼白な顔をしている。

国王の信の厚い彼が、主君の窮地に助力できないこと、恐らく身を切るような思いなのだろう。

「この度、貴国の外務卿の許可を得て、こちらに参上いたしました。先ずは我が王からの書状をお確かめください。なお、外務卿を通じてこちらの内容に類する親書を、カイル王にもお渡ししております」

そう言って、蝋で厳重に封印された書状を差し出された。

俺宛に?

フェアラート国王からの親書?

俺は訝しがりながら、内容を確認した。

そこに書かれていたことは、俺の予想通りの内容だった。

ひとつ、この書状が届く頃には、公国内で反乱が起こっている可能性が高いこと

ひとつ、反乱が起こった際、王弟と王妹の身を案じ、カイル王国に匿ってもらうよう依頼していること

ひとつ、その護衛として、フレイム伯爵を付けていること

ひとつ、カイル国王に対し、助力を求める書状を出しており、反乱軍討伐依頼書を添えていること

ひとつ、反乱軍の討伐に関して、フレイム伯爵の知見を活用してほしいこと

最後に……

『今回は我が身の至らぬ所により、貴国に多大な迷惑を掛けてしまうことを、深くお詫びする。

フェアリーで共に酒を酌み交わした夜のことは、今も忘れ得ぬ、かけがえのない思い出となっている。

いつかまた、勝利の後に共に、心ゆくまで酒を汲み交わさん』

そう記されていた。

事前に討伐依頼書を用意しているとは、抜け目がないな。

これがあれば、侵攻があっても、カイル王国とフェアラート公国が戦争状態になったことにはならない。

形式上は、国内の反乱分子が、国境を侵し侵攻しただけのことになる。

そして、カイル王国側では、侵攻軍を追って国境を越えて戦闘しても、侵略に当たらない。

もっとも、反乱軍の侵攻が発生すれば、公国は王国に対して謝罪や援助の対価を支払うこと、それが必要にはなるが……

「ではフレイム伯爵はお二人方を伴って?」

「はい、10日前に王都カイラールに入りました。カイル王、クライン公爵には此度の件で、お力添えいただいております。

私がここまで参りましたのは、書面にない報告を、魔境伯にお話しさせていただくためです」

「人払いの必要はありますか?

今ここにいるのは、わが陣営で軍事の中枢を預かる者たちですが」

そう言って俺はさりげなく周囲を見渡した。

「私は一時退席しております。クライン公爵からのご伝言もございますので、後ほどお伝えします」

フレイム伯爵に王都から同行していた使者は、機敏に察して退席した。

その様子を見て、フレイム伯爵は話し始めた。

「魔境伯と共に、軍事を預かる方であれば、問題ございません。

正直なところ、此度の反乱は我が王も予め予期されていたことでした。そして、このまま放置すれば近いうち、貴国を巻き込んだ泥沼の内乱となることも」

「では、敢えて内乱を誘発された、そういうことですか?」

「そう言われれば、身も蓋もありませんが、仰る通りです。

公国の南部一帯は、中小貴族の領地が中心であり、その多くが陛下の治世を認める者たちです。

逆に中央のフェアリー周辺、それより北部は全て、不平貴族の所領となっております」

「包囲される恐れのあるフェアリーから、核となる戦力を伴い南に進出され、そこから一気に北進して平定されるお心積り、そういうことですか?」

「はい、当初の予定では遅くてもひと月、それまでにはサラームまでは平定できる予定だったのです。

陛下は、極力貴国にはご迷惑を掛けないお心積りでしたから……」

「ふむ、では想定外のことがあったと?」

「はい、当初反乱軍の初期兵力は2万から3万程度、残りは日和見を決め込むと思われていました。

ですが、配下の者から得た報告によると、総数は約6万を超える数に膨れ上がりました」

「むう……」

「ろ、6万ですと!」

「それでは、想定と余りにも……」

思わずクリストフ、ゲイル、団長が声を上げた。

実際、俺の中でも想定を遥かに上回っている。

「王都に残していた近衛師団第三軍は、反乱軍を引き付けつつ後退し、時間を稼ぐ予定でした。

ですが、その軍が反乱軍側に回り、我らの戦力が1万減り、それが反乱軍側に……

私が王都に残ってさえいれば……」

フレイム伯爵は悔しそうに唇を噛みしめていた。

味方が一万減り、敵が一万増える。それだけでも国王軍側では二万の誤差が生じてしまう。

そして日和見していた勢力も、一気に反乱軍側に参加してしまったのだろう。

それもこれも、国王が読み違えるぐらい、裏で糸を引き、暗躍している奴でもいるのか?

「団長! 総数6万ともなると、侵攻軍は最大3万程度、それぐらいは此方に振り向けてくるんじゃないですか?」

「フレイム伯爵、私はタクヒールさまの配下で、軍事を預かるヴァイスと申します。

質問を許可いただけますか?」

「はい、構いません」

「フェアラート王の現有兵力ですが、近衛師団2万名、それで間違いございませんか?

反乱軍平定の勝算などは、どうお考えですか?」

「南部一帯の国王派の貴族を糾合すれば、3万程度にはなります。幸い南部には穀倉地帯もあり補給などの物資の備蓄も十分です。そして、陛下は軍事に明るく、近衛第一師団は国内最強です。

時間を掛ければ、数の不利も覆せると考えています。

ただ、今のところ完全に信用できるのは、近衛第一師団1万と、我らの盟友貴族の総数五千程度です。

ただし、この国に匿われている王族を、彼らに担ぎ出されることにでもなれば、もうどうしようもなくなりますが……」

「タクヒールさま、最悪のケースで考えましょう。

味方は1万5千、それを抑える敵方は3万、国内に多少の兵は残すでしょうが、侵攻軍は3万で考えるべきでしょうね。

これに二つの侯爵軍、西の辺境伯軍とその配下、釣られた周辺貴族を合わせると約1万程度。

結果として、西部戦線は4万近い敵兵力の侵攻を考えねばならないと思います」

「だよね……

因みに伯爵、魔法兵団はどうなっているか分かるかな?」

「貴族側の魔法兵団が凡そ300名、近衛第三師団に60名、それに各貴族の魔法士を加え、恐らく500名前後にはなるかと……。ただ、陛下の下に少なくとも100名前後が付き従っております」

「なら、こちらに来るのは、300名を超えるな。最悪400名想定か……、厳しいな」

カイル王国側でも、今は動かせる兵力の最大限を絞り出している。

それでも全軍で8万前後だろう。

まだ数に含めていない貴族の兵力はあるが、正直言って戦いの役には立たない可能性が高い。

一方敵軍の総兵力は、11万を軽く超えてくるだろう。

そして急所は、南部戦線の左翼と、西部戦線か。

「クライン公爵の使者と会ったあと、急ぎガイアに向かうので、クリストフは同行を頼む。

あと、エランを大至急呼び出してほしい。彼も同行して、いや、エランは彼方に合流してもらう。

そこから戻れば、直ちにハストブルグ辺境伯に会うため、魔境を抜けてサザンゲート要塞に向かう!

団長、そちらには同行をお願いできますか?

フレイム伯爵は、今話し合った最悪の想定を王都に戻り次第、クライン公爵に伝えてほしい」

俺はその後、急ぎクライン公爵の使者と会った。

その内容は、イストリア皇王国が兵力を集結しつつあること、間もなく戦端が開かれる可能性が高いことなどの情報共有だった。

やばいな……、此方が色々想定して準備していると言うのに、それも含めて想定外の事態になっている。

歴史の反撃が、ここまで悪辣だとは思ってもいなかった。

万全を期したと思っていた西側も、今のままでは防ぎきれない。

歴史は何が何でも、カイル王国を滅ぼしにかかってきている、そうとしか思えなかった。

想定を超える最悪の事態に、俺はひとり焦っていた。

【お知らせ】

いつもご覧いただきありがとうございます。

9月よりしばらくの間、投稿は今までの隔日から三日に一度のペースとなります。

お待たせして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

最終決戦に向けて、楽しんで読んでいただけるよう頑張りますので、変わらぬ応援をいただけると嬉しいです。

次回は『開かれた戦端』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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