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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 314

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フェアラート公国での任務を果たし、取り急ぎ国境警備を王都騎士団第三軍、シュルツ軍団長配下に引き継いだタクヒールらは、戦果報告と凱旋のため、一路王都カイラールへと進軍を開始した。

その途中で、クレイラットに立ち寄り、戦後処理と復旧を行っていた部隊と合流、その際にヴァイス魔境騎士団長には魔境騎士団の本隊を預け、テイグーンへと帰還させると、タクヒールは側近の者たちと、王都に凱旋する西部方面軍、王都騎士団第三軍を率いて一路王都へと進んでいた。

王都カイラールに近づくにつれ、西部戦線を戦い抜いた兵たちの表情は明るくなり、凱旋の喜びを表していたが、俺は逆に、徐々に気が重くなっていった。

それは、俺にとって重すぎる依頼を、サラーム出発前に受けていたからだ。

王宮にてどう報告すべきか、それを考えては、馬上でも上の空だった。

「どうしたのですかお兄さま。さっきから浮かない顔で。もっとイシュタルでのお話、今回の勝利の経緯などを、詳しくお聞かせくださいな」

俺は転戦する際、クレイラッドでは妹のクリシアとは会えず仕舞だった。

あの時は一人でも多くの負傷者を救うため、妹は聖魔法士たちと共に、彼女らの戦場の渦中にいたからだ。

そして俺たちの帰路、クレイラッドに立ち寄った際、妹たち聖魔法師とクラリス殿下に合流している。

そして今、行軍中に時折、俺の所に馬を寄せて来ては、南部戦線の話を聞きに来ていた。

「ああ、報告によると父上も、帝国軍鉄騎兵相手に、一歩も引けを取らない勇戦をしたそうだよ。

並みいる諸将を一喝して、軍をまとめ上げたり、時空魔法士の本領を発揮されたり……」

「いえ、お父さまのご無事は既にお聞きしました。なので、そんな話はもうどうでもいいです」

「……」

うわぁ……、そこまでバッサリ行かなくても……

俺は涙目になる父の姿が浮かんだ。いや、それだけでは絶対済まない。泣くぞ、絶対泣くぞ。

一度ならずも二度三度、数々の断罪イベントがあってからというもの……、クリシアは父上に容赦無くなったからなぁ。

「因みに父上には、アレクシスを『ソリス伯爵家の将来を担う婿』と言って紹介してあるぞ。

実際彼は、イシュタル方面軍司令官として、父上や叔父上(コーネル子爵)まで率いて、立派にその務めを果たしていたからな」

「まぁっ、お兄さま勝手に……、? まぁっ!」

妹の驚きの言葉は、最初は赤面し照れて思わず発した言葉で、その後は喜びに満ちた驚きの言葉だった。

「では、アレクシスさまは……」

「うん、今回の戦いで彼は、司令官として期待された以上の功績を示した。

論功行賞でも個別に賞され、昇爵はもちろんのこと、褒賞も得るだろうね。一気に英雄だよ」

「まぁっ!」

「……」

『ふっ、俺も年を取り、妹も成長した訳だ。

妹のこんな、蕩けるような顔を見るはめになるとはな……』

嬉しい反面、ちょっとだけ複雑な気持ちになったのは言うまでもない。

とは言うものの、行軍中や休息時も、妹の最優先任務は殿下のお世話だ。従卒として付き従っているため、基本的に自由な時間は少ない。

その後も幾度となく妹がやって来ては、彼の活躍に関する話をねだって来た。

そんな事もあり、俺はゆっくり物思いに耽る間もなく、王都の門を潜った。

王都に入ると、これまでにない数の領民が押し寄せ、歓呼の声を上げていた。

「クラリス殿下、万歳!」

「カイル王国、万歳!」

「魔境伯、万歳!」

「救国の英雄、魔境伯!」

「常勝将軍、魔境伯に栄光あれ!」

『は?』

クラリス殿下を称える声は分かる。以前もそうだったし、民衆が歓呼する声の半分ぐらいはそれだ。

でも、もう一人誰かを讃えている気がするが……

常勝将軍?

『ダレノコトデスカ?

ソンナエライヒト、ココニイマシタカ?』

俺は思わず呟かずにはいられなかった。

俺の功績は、今の時点では一般の民が知る由もないはず……

その後俺は、クラリス殿下を送り届け、王宮には帰還の報告で謁見を希望する旨を伝えると、一旦王都にある、ソリス伯爵家の屋敷に入った。

まずはゆっくり戦陣の垢を落として……

そう思っていた矢先、王宮からの呼び出しで召喚された。

王宮に到着すると、いつもの定例会議が行われていた秘密の一室、そこに通された。

中に入るとそこには、カイル王陛下、そして狸爺が満面の笑みで座っていた。

「これは陛下、帰還の報告すらままならぬうちに、大変失礼いたしました。

ソリス魔境伯、陛下と隣国とで結ばれたご友誼に応え、任務を全うして、ただいま帰参いたしました」

「ふむ、構わぬよ。この場は非公式のものじゃ。

魔境伯よ、此度の任務ご苦労であった。【想像以上】の結果をもたらし、余としても嬉しさ溢れて、少し困るぐらいじゃよ」

『ん、なんか、『想像以上』って単語に、やけにアクセントが入ってませんか?

もしかして……、あの件か?』

そう思って俺は、少し身構えずには居られなかった。

「ほっほっほ、魔境伯よ、領民たちの歓迎ぶりも一入で、驚いたじゃろう?」

『いや、あれって……、この二人が仕込んだことなのか? 一体、何のために?

というか、狸爺の満面の笑顔……、危険な匂いしかしないんですけど』

「其方は既に、カイル王国にとって救国の英雄、その評判はあ奴を凌ぐ程じゃ。

其方の功績は誰もが知るものとして、王国中の貴族も認めざるを得んだろうな」

(それもこれも、婚姻を進めるための大事な布石じゃからの)

『陛下、貴方もですか?

その含みのある笑いは何ですか? 嫌な予感しかしないんですけど……』

「今回急遽、正式な謁見の前に呼び出したのは他でもない。クラリスのことじゃ。

あれのこと(婚姻相手)で、我らもいささか頭を痛めておってな。それでお主に相談しようと思ってな」

『ということは、早速殿下が約束通り自分自身で、今回の経緯を話してくれた、そういうことか?』

「ちょうど私も同じ悩みを抱えておりました」

(そうであればあれこれ悩む必要もなかったかな)

「ほう?」

(これは……、我らも期待して良いのか?)

「その、クラリス殿下のご婚姻に関し、私もご報告とお願いがありまして……」

(ってか、報告すべき俺の役目はもう終わってるよね。さっき相談って言ったのはまさか、まだ保留なのか?)

「なんと! 魔境伯も我らと同じ思いであったか!

それにしても電光石火、戦場の雄は戦場だけにあらず、ということか?」

(父や兄に似て、手が早いということは些か問題じゃが……。今回はそもそも、我らにとっては都合のよい話ではあるが、あ奴の父親としては、少し複雑な気持ちであるな……)

「正直言って私自身、どうお話すべきか悩んでおりました」

(こんな話、いきなり振られてホント困っていたし)

「さもあろう、さもあろう。余(初代カイル王の末裔)と其方(初代カイル王と同じ世界の者)は、不思議な縁で結ばれた者同士、遠慮はいらん!」

(とは言ってみたが、此奴は既に五人もの妻を持つ、その道でも雄、父や兄を凌いでおるからな。多少は遠慮してもらう必要もあるか……)

「では殿下は(フェアラート国王との)婚姻のお話について、既に陛下にお伝えされたのですね?」

「ああ、聞き及んでおるわ!」

(正確には奴に婚姻の話、そう言っただけで真っ赤になって『後は魔境伯にお聞きください!』そう言って部屋に逃げて行ったがな。あんな初々しいあ奴の姿は、余も初めて見たわ)

「私自身、相当なお叱りを受けると、帰国の道中もずっと悩んでおりました」

(俺の監督責任を問われるかと、戦々恐々としてましたよ)

「ほっほっほ、若い者にはままあることじゃ。きっと陛下も、お許しくださるじゃろうて」

(まさかこ奴、既に事実を先行させておったのか!

時に若者は、情熱を抑えきれん事もあろう。しかし……、王族にまで手を出すとは、侮れんな)

「そうですか。少しだけ安心しました」

(なんだ、基本的には賛成、と言うことか。相談なんて思わせぶりな……)

「じゃが儂にも気になることはある。其方の身内に関してじゃな。儂も内々に彼女らを説得しようと思っておったのだ」

(特に今は正妻となっておるゴーマンの娘には、一段身を下げてもらう必要もあるしな。女同士、色々と都合もあろうことじゃし)

『ん、狸爺は何を言っている? 身内とは、ユーカやクリシアのことか?

確かに彼女らは殿下の近習として仕えているからな。

でもユーカは俺の妻だし、クリシアもあの様子だから、殿下に付いて公国まで行くなんて言わないだろうし……』

「クライン公爵閣下に、そこまでご配慮いただいていたとは、思いもよりませんでした。ですが、其方については大きな問題ではないと思っております」

(公国に同行する人員は、二人は既にアウトですからね、そちらで他の随員を見繕ってください)

「ホホホ、それは結構なことじゃな」

(歴戦の勇者も家庭内のことでは脇が甘いの。ゆくゆくはその点も年長者として、王族の一員として、儂らが導いてゆかねばならんようじゃな……)

「では陛下、魔境伯の承諾も得たということで、ここは一気に話を進めるとしましょうかの?

いやはや、儂も一安心ですわい」

(我らの思うままに進み、案ずるより産むが易し、であるな。ただ……、本当に産まれる予定が立っていては困りものじゃぞ! 何かと世話の掛かる奴めっ)

「うむ、父親として不本意な点はあるが……

この国にとって、非常にめでたいことじゃしな」

(それにしても魔境伯め、王女に対し少し手が早過ぎるのではないか? この際、不問に伏すしかないが、この場では一つ説教でもせねばならんな)

「私も、クラリス殿下の想いに応えることができ、肩の荷が下りた気分です」

(これでお二方の言質は取りましたからね。まぁ、予想以上にチョロいので、違う意味で驚きましたけど)

「何と! クラリスからとは! ふむ……、そうか」

(狸爺の目は正鵠を得ていた、そういうことなのか。しかし……、あのじゃじゃ馬め! 王族の立場にありながら、あ奴から積極的に身を差し出したとは……、頭が痛いわ! 万が一説教でもしていたら、余が恥をかくでところではないか)

「では陛下、論功行賞の場でこの吉事を発表し、国を挙げて祝うとするのは如何でしょうか?」

(陛下、どうかここはお心を鎮めてくだされ。これで全て、我らの思うまま、ということで……)

「うむ、それが良かろう」

(うむ、爺よ、分かっておるわ。ここで些細なことにこだわれば、この先がややこしくなるでの)

「あの、それは少し早計かと思われますが……」

(ってか、予想外に展開が早すぎるんですけど)

「いや、政治向きの話もあるでな、そこが相応しい場と考えておる」

(こ奴め、余の思いと苦労も知らず……、誠に困った奴じゃ)

「政治向きな点を考えれば猶更です。陛下、せめて求婚を告げる使者の到着を待たれては?」

(論功行賞が何時になるか分からないし、それまでに公国から使者が到着しているかも分からないし)

「正式な使者じゃと、誰からのじゃ?」

(本人が来ておるのに、使者も何もなかろう。それとも何か、かの世界での婚姻を結ぶ流儀とは、そういう迂遠なものなのか?)

「もちろん、フェアラート国王からの使者ですよ」

(この二人は嬉しさのあまり、失礼だけどボケているのか? こちらの世界の、王族の流儀を俺は知らないけど)

「ほほほ、魔境伯よ、陛下もご了承の上じゃ、ここは控えるがよい」

(公国の使者により、戦功を明らかにして、それを殿下を娶る大義名分にしたいのか? この者は我らの苦衷も知らず……、政戦両略、知勇兼備の者と思っておったが、政治に関しては改めて仕込む必要がありそうじゃな)

「ですが閣下、ことは両国の問題です。拙速すぎませんか?」

(狸爺め、敢えてすっとぼけてているのか? 学生の時のように、後から合格、不合格と言われるのも癪だし、俺は正論を言い続けるべきだよな?)

「魔境伯よ、ものには優先すべき順序というものがある。今更其方にする話でもなかろう」

(公国での戦功がなくとも、其方は十分に王族の姫を娶るに相応しい、多大なる功績を立てておるわ!

意外と気の小さな奴じゃな)

「いえ、陛下。フェアラート国王より、正式に求婚の使者が到着する前に、そんな事を発表すれば、この国が鼎の軽重を問われかねません」

「だから使者など……、いや、い、今……、何と言った?」

「ですから、フェアラート国王がクラリス殿下に求婚するための使者が、恐らく既にフェアリーを立っていると思います。クラリス殿下は今、一日千秋の思いで、それをお待ちです。

なので、お二人の思い、そして両国の懸け橋となるこの婚儀、温かく見守るべき、そう愚考します」

「はぁぁぁぁあっ?」

二人は大きく声を出して立ち上がり、身を乗り出して来た。

『俺……、何か変なことでも言ったか?

ふん、そんな圧迫面接まがいのことに、俺は負けませんよ』

「政治的理由、政略での婚姻が定めの世界で、お二人は真に互いを思いあい、婚姻を望まれています。このことは、王国の安泰にも繋がる最良の縁と考えます。

既に陛下も外務卿もご賛同いただいているお話です。吉報を逸るお気持ちは分かりますが、婚約発表の時期については、筋を通されるべきかと……」

『どうだ狸爺、これが正解でしょう? 誤ったことでも、正しく意見できるか、そんなドッキリ、いや試験だと看破しましたよ』

「クラリス……、婚姻? そんな……、公国……?

余は何も……、聞いとらん……、ぞ?」

何故か陛下は、椅子にへたり込み、宙を見て譫言の様に何かを呟いていた。

方やクライン公爵は……、泡を吹いて卒倒していた。

『は? なんだ? 一体どうした?』

しばらくして……

「ク、クラリスを呼べぇっ! 奴を直ちに、此処へ引きずって参れっ!」

突然、青筋を立てた陛下の絶叫が響き渡った。

その後、笑みあふれる和やかな報告会は、一気に地獄の会合となった。

そして俺は……、針の筵に座らされた気分で、その後親子で交わされる激しい応酬を、ただ見守ることになった……

『オレ……、ナニカイケナイコト、ヤラカシテシマイマシタカ?』

いつもご覧いただきありがとうございます。

次回は『託された想い』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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