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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 330

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年明け早々、これからすべき事を駆け足で定め、その大部分は順調に動き出した。

そして俺は、その最後の仕上げというべき幾つかの課題を解決するため、少数の護衛と共に王都カイラールに来ている。

王宮には先触れを出していたせいか、カイラール到着時には、案内が待ち受けており、すぐにいつもの部屋に案内された。

そこには、国王陛下と外務卿、内務卿、軍務卿と何故か? クラリス殿下が待ち受けていた。

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、公王自らの突然のお越しとは、どういったご用件かな?」

『ちっ、狸爺め。用件のひとつは既に察しがついているだろうに』

そう思いつつ、俺は言葉を取り繕った。

「先ずは陛下、急な訪問にも関わらず、このようにお迎えいただいたこと、深く御礼申し上げます。

殿下もご機嫌麗しいようで、なによりです

皆様にも、お忙しい中急遽お集まりいただいたこと、改めて御礼申し上げます」

「ははは、余も待ちわびておったぞ。外務卿もそろそろ……、そう申しておったしな」

「私はあまり……、ご機嫌麗しくなかったのですが、公王に会えて嬉しく思いますわ」

ってか、また何か揉めたのか?

『麗しくない』と言ったとき、思いっきり陛下を睨んでいたけど……

ここの地雷は踏まないようにしないと。

「今回は、カイル王国の魔境公として、そしてウエストライツ公国の公王として、二つの立場でご相談したき儀があり、参上いたしました。

「陛下の仰る通り、先ずは外務卿としての儂に用があるのじゃな?」

「はい、その通りですね。

帝国との捕虜返還の件、王国側の参加者を定めませんと……」

「その件なら先程決まりましたわ。

国の体裁として王族が一名、最高指揮官として魔境公、文官からは外務卿が同席しますわ。

それが交換条件ですからね」

殿下は俺以外の三名を睨みつけるようにそう言った。

ん? まさか、ここが地雷かよ!

陛下も狸爺も、少しバツの悪そうな表情を浮かべている。

差し当たり、殿下が何かを要求した。

そこに陛下たちが反対し、しぶしぶ矛を収めた。ただし、そのかわり国王代理として捕虜返還式への立ち会いを要求した。

まぁ、そんなところだろうな。

「そうですか。先方は第三皇子が出てくることでしょうし、殿下にご足労いただけるのであれば、王国としても体裁は整いますね」

そう言うと、陛下と狸爺は少し落胆したような表情を浮かべた。

何だ?

俺が殿下を説得するとか、淡い期待でもしていたのか?

もちろん俺は、その辺りに干渉する気などさらさらない。王国のことはそっちで勝手にやってくれ。

「では私の用件のひとつ、魔境公としての相談は、これで解決したも同然ですね。

私も返還日の三日前にはサザンゲート要塞に入って、皆様をお待ち申し上げます」

俺は敢えてバッサリ切った。

「では次に、公王の立場でお願いがあります。

ひとつ、勅令魔法士やそれ以外でも、地魔法士と水魔法士、時空魔法士をお借りしたく思います。

ひとつ、今回、サザンゲート要塞を改築する許可をいただきたく思います。

ひとつ、せっかく殿下がご在籍なので、我が妻に捕虜返還の時期まで、暫くお暇をいただきたく……」

「公王は魔法士をどれぐらい必要としているのだ? その目的は?」

「はい陛下、数は多ければ多いほど嬉しゅうございます。特に地魔法士が急ぎ必要です。

目的は、旧国境周辺の安全を図る工事と、その他、帝国との交渉を優位に進めるための建設事業です」

「ほう……、では協力もやぶさかではないな。爺よ、学園長の立場として協力してやるがいい」

「承知しました。して魔境公は、その期間と最大人員、そして報酬はどうお考えかの?」

「期間は到着より三か月、最大人員は地魔法士は50名、水魔法士は10名、時空魔法士は10名を手配いただければと思っています。報酬は先払いで金貨50枚で如何でしょうか?

もちろん、あくまでも最大人員で、実際はその半数近くでも集まれば、そう思っています。

なお、住居と食事はこちらで用意させていただきます」

「ほう……、それは大層な数じゃな。まぁ、できる範囲で努力はしよう。

してそれは、学園の生徒でも構わんのかな?」

『狸爺のことだ。おおかた授業の一環にでもしようと考えているのだろうな……』

まぁ、それでも構わないけどね。

「二つ条件があります。

ひとつ、捕虜返還まで公国を出ること、即ち一時帰国はできません。

ひとつ、手紙は検閲し、使者を介した外部とのやりとりは禁止させていただきます。

ことは国防と、交渉に関わるお話ですので……

なお人員は決定次第順次お送りいただいて構いません。集合はサザンゲート要塞で、滞在はそこか又はアイギス、このいずれかになりましょう」

アイギスと言った瞬間、狸爺は目を細めた。

きっとその他工事が何であるか、探っているのだろうな。

「それは承知した。して、二番目の目的は?」

「はい、本来ならサザンゲート要塞は、目の前に敵国が控えていてこそ、その存在価値を持ちます。

ですが今は、無用の長物に成りかねません。ですので、新たに街として改装を進めたく思っています」

「それならばあの要塞も、今は公国領のもの。我らに許可も不要でしょう」

「はい、内務卿の仰ることももっともです。ですが、心情的な問題もありましょう。

かの要塞は、帝国防衛のため王国の予算を投じて建設されたもの。自由勝手ともいきますまい」

「ほほほ、公王も気を遣われているようじゃな」

「はい、晴れて改装が成りましたら、王国の大使が駐留する施設も、ご用意させていただく所存です」

「なるほどな。これまでの話を聞けば、余も否とは言えんな。王国としては問題ないと明言しておこうかの」

「寛大なるお言葉、感謝いたします」

「私の方も……、ちょっと寂しいけどユーカさんはお返ししますわ。私の我儘に付き合わせていても申し訳ないですし……」

「殿下の寛大なるお言葉に感謝いたします」

「ユーカさんはこの後、ご一緒に公国へ?」

「結果的にはそうなります。ですが、今回は私に同行してもらいます。

今回のお話がまとまれば、私は妻を伴ってモーデル辺境公の元に伺う予定ですので」

「そうなんですの! なら私も是非!」

「なりません!

第一に、殿下を伴って行くには、護衛やその他の準備が整いません。

第二に、政治的な問題も発生します。北の地だけに向かう訳には行かなくなりますよ。

第三に、ユーカとは初めての旅です。ですが殿下を伴えば、接待旅行になってしまいます」

「くぅっ、そんな……、そこまではっきりと言わずとも」

「私には責任が負いかねるお話です。殿下は今、王国だけでなく、フェアラート公国の要人でもあるのですよ! クリューゲル陛下に嫁ぐ身であれば、その点をご自重ください」

「つい先程、サラーム行きを諦めたばかりですのに……」

それか!

なるほど、どおりで都合よく彼らが揃っていた訳だ。

頭の痛い問題を議論していた時に、ちょうど俺の先触れが着いた。

ならばいっそ、巻き込んでやれ。

そんな思いで、すんなり謁見となったのだろうな。

「殿下がサラームに行けば、そこだけの滞在で済みますまい。どうせ彼方の魔境やフェアリーまで勝手に足を伸ばすことは目に見えてます」

このじゃじゃ馬のことだ。

王都を離れたら自由に動き出すに決まっている。

「しかも、殿下だけを公国に行かせる訳にもいかないでしょう。ハストブルグ辺境公も同道しなくてはならないでしょう。兄は今、荒廃した領地の復興でそんな余裕はありません」

「……」

「私も北に遊びに行く訳ではないですよ。新領土の開発に必要な商談に行くのですからね」

そう、ユーカを伴うのは、あくまでもついでだ。

ついでと言うと失礼な言い方になるが、この機会にうまく言い訳が立つから、そういう意味のついでだ。

それに、彼女とはこれまで、一緒に過ごした時間が他の妻たちと比べて短い。

学園を卒業しても、ずっと王都に留まって動いてくれていたのだから、そのお礼も兼ねての小旅行だ。

「分かりましたわ。では私は、ウエストライツ公王国への旅を、楽しみにすることにします」

「旅ではありませんよ。お仕事ですからね!」

ってか、そこの3人!

人にばっかり話させておいて、ただ嬉しそうに頷いてるだけなんて、勘弁してくれ!

人を勝手に、じゃじゃ馬の調教師とでも思っているのか?

まぁ多少の不安は残ったものの、俺の要件は片付いた。

早々に切り上げて退室……

「そうじゃ、忘れておったわ」

ん? 陛下、何ですか?

「このカイラールにも、公国の出先機関は必要じゃろう? まして、居館も今のままでは体裁も悪かろう?」

なんか、嫌な予感がする。

「ほほほ、陛下の仰る通りですな。

この辺り、じっくり議論を進めなくてはならないじゃろうて。北に行った帰りにでも、相談するとしようかの」

ちっ、帝国との戦いが終わり、当面の安泰が確実となった今、できる限り俺を王都に留めておきたいのか?

力ある者は、できる限り身近に置いておきたい。

狸爺たちがそう思うのも無理はない。

江戸時代の参勤交代の如く……

でも、公王にしたのも、力(責任)を与えたのもそっちのせいですからね!

俺はしれっと割り切ることにした。

「ならば後日、テイグーンより文官を送りますよ。

今我らの急務は、新領土の防衛手段の確立です。なんせ今は、我々はある意味死地を託された訳ですからね。王都の居館はその後でも差し支えないでしょう」

「そ、そうか……」

うん、この大義名分は当面の間なら通用しそうだな。

「では、皆さまもお忙しいと思われますし、我らも新領土の対応で、北に急ぎ向かう必要があります故、これにて失礼します」

そう言って俺は、深みにはまるのを避けて、早々に王宮を出た。

既に俺の心は北に飛んでいる。

この世界では、初めて見る大地、そして何より海!

それを考えただけで、俺の心は逸る。

そして、大事な商談はあるとは言え、今回は国からの命もなく、戦いのための外征でもない。

初めての、旅行らしい旅に、期待で胸を膨らませていた。

いつもご覧いただきありがとうございます。

次回は『北の国へ その②』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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