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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 340

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王国側の兵力配置も終えた俺たちは、遂に本隊を率いで関門を越え、新領土に進出した。

その第一陣は俺が親率し、魔境騎士団(8,000名)、特火兵団(3,000名)、新領土駐留旅団(900名)そして、魔法士や後方支援部隊(2,000名)、合計約14,000名にもなる。

彼らの多くは元からの軍人であり、簡易な天幕で暮らすことにも慣れている。

この部隊のうち、新領土駐留旅団は早速各地を周り、新領土一帯を慰撫して回るが、残りの全員は一気にクサナギ建設予定地まで進出し、都市建設の拠点を構築する。

現地で帝国側のから人足を受け入れるにも、仮設でその拠点をまず構築する必要があるからだ。

そして、俺たちの後方に続くのは、アレクシス率いるイズモ屯田兵団5,000名で、彼らはサザンゲート要塞改め、サザンゲートの街から日帰りで通い、旧国境関門に近いところから、開拓農地の開発に従事することになる。

因みに、街の改装工事や旧国境関門の二次工事は、カイル王国側で募集した人足や、帝国及び皇王国移住者家族に担ってもらっている。

俺は本隊が行軍する中央にあり、兵士以外に参加していた文官たちと共に駒を進めていた。

「ではタクヒールさま、我らはこれより隊を分かち、各方面を巡回して回ります」

「うん、マスルール、頼む。統治に当たっては、領民たちの心情を踏まえて、柔軟に頼むね。

一時的にではあるけど、新領土駐留旅団には治安維持に関わる権限を与えるので、よろしく頼む」

「はっ! それではこれより、失礼します!」

そう言ってマスルールに率いられた900騎が、早々に軍列から離れ、各目的地へと移動を開始した。

「それにしても……、千騎程度が減っても、全く目減りした感じがしませんね。

この軍勢、見ているだけでも壮観ですよ。流石タクヒールさまです」

「いえいえ、これだけの軍勢だと、糧食の手配だけでも大変です。それにこの先、更に増えますからね。先ずはクサナギ含むイズモ一帯の政務、大変だと思うけど内務卿としてよろしくお願いします」

そう、俺が今回、のほほんとしてられるのも、新領土の内政一切を取り仕切る内務卿、レイモンドが同行しているからだ。

「ははは、申し訳ないなんて仰らないでください。私は今喜びで震えてますよ。長年の夢が叶ったと」

そうか……、昔、母から聞いたことがあった。

レイモンドは本来、国政レベルの内政に携わりたくて、王都の学園に通っていたことを。

いわば彼にとってこれは、本懐とも言えるのだろう。

「ところで、出発にあたりお話しした内容、お決めになりましたか?」

「ん? ああ……、一応は」

そう、レイモンドからは幾つかの命名を依頼されていた。

『テイグーンの関門、イシュタル側の関門、そして旧国境を塞ぐ関門、どれも固有の名称がありません。今後、命令遂行に語弊が生じないよう、名前をお決めください』

そう言われて、確かに、と、思った。

「そうだね。名は体を表すと言うし、それぞれの立地、特徴に応じて付けてみたよ」

・テイグーン魔境側関門 アビス

・アイギス南魔境側関門 ラセツ(羅刹)

・旧国境線関門     イザナミ(日本神話)

・サザンゲート要塞   テルミラ

「ほう? 異国の言葉ですか? 実に面白い名ですね。どういった意味が」

「そうだね……、全て遠い異国の話から取った。

深淵を指すアビスは、テイグーンより魔境の奥深くに繋がっている。だから、深淵という名にした。

ラセツは、元は魔物だったが、神々を守る守護神となった者の名だ。

イザナミは、冥界を司る女神の名で、冥界への入り口の黄泉比良坂に立ち、死者の魂を迎える」

そう、ラセツは元は敵だと思っていた人が、今や命の恩人、頼れる味方として戦いで威を振るった場所だ。

「なるほど、冥界即ち魔境、そこに繋がる関門の名に相応しくありますな。因みにテルミラとは?」

「終着点であり始発点でもあることを指す異国の言葉を、少し語尾を変えた感じかな」

「確かにテルミラは、旧王国領の終着地であり、帝国側の新領土の始発地でもありますね。

いや、いつものことながらお見それしました」

詳しくどの国の言葉か、などの無粋な質問を彼がすることはない。

その辺はなんとなく、信頼している。

夕暮れの少し前、俺たちはやっとクサナギ建設予定地に到着した。

そこには、先行部隊と共に既に現地に入っていた、エランやバルト、カウル、サシャ、メアリーらの魔法士たち、及び建設工事に携わる職人部隊たちが待ち受けていた。

「タクヒールさま、お待ちしておりました。

一応現段階で縄張りは完成していますので、この先は一気にクサナギの基礎工事に入る予定です」

「エラン、みんな、待たせて申し訳なかった。一応それなりの数は率いてきたから、皆の手足となってこの先、存分に働いてくれると思う」

「一応、僕とカウルで、ガイアで大量生産した建材を持ち込み、一部は組み立ても済んでおりますので、雨露は凌げると思います」

「バルト、カウル、ありがとう。

でも、流石カール工業開発統括官だね。仮設とは思えないほど、ちゃんとしたものだね」

「水路はまだ一本しか完成していませんが、旧国境側から水を引いており、井戸も複数個所で試掘を終えています。取り急ぎではありますが、飲料水の確保はできています」

「サシャ、メリーもありがとう。

水の手は俺たちにとって最も重要事項だ。引き続き水路の充実に努めてほしい」

「それにしてもなんか、テイグーンの時を思い出しますね。

レイモンドさまを含め、あの時に現地調査に行った者たちの殆どが、再びここに集っているのですから」

そう言えばそうだな。

あの時のメンバー、レイモンド、エラン、メアリー、サシャ、クレア、カーリーン、クリストフ、ローザ、ミア、そして2人の子供を育てていたサラも、今回は臨時で魔法士としてレイモンドと共に参加していた。

今此処に居ないのは、サラの子供たちを預かり、花凛と共にテルミラにて待機しているアンと、今は亡きクランぐらいか……

「あれからもう、10年か……。考えてみると、あっという間だったな。そして仲間たちも増えたよな。

俺は……、皆に支え続けられてきた、果報者だな。改めて感謝したい」

「いえいえ、あの時からずっと有事に備え、我らを導かれてきたからこそ、今があるのです。

我々が、当時は夢にも思わなかった新世界に」

「レイモンドさまの仰る通りです。無学で、生きる術さえなかった僕らは、生きる道筋と多くの人々を救う力を、タクヒールさまより与えていただきました。僕らのほうが感謝していますよ」

「そうね、エランの言う通りだわ。

ところで、帝国側の人足や工事関係者はいつ頃来るのかしら。その受付対応ができる場所も気になるのだけど……」

「クレア姉さん、それもばっちりです。

臨時行政府と臨時受付所は、水の手の次に優先して用意しています。帝国からの人手は、受け入れ態勢が整ったあと、二週間後に来てもらえるよう、ドゥローザ商会からの使いには話しております」

「あ、エランに追加します。

今回、ケンプルナ商会と、アストラル商会には、王都から派遣してもらった時空魔法士を、それぞれ5名ずつ、護衛と共に派遣しています。こちらも人足の到着までには、第一陣が到着すると思います」

「バルト、あと商人たちの話も報告しないと。

食料などの発注品は、順次到着しており、臨時倉庫に積み上げられています。当面十分に賄える量が整いつつあります」

「そう良かったわ。ではそこを臨時の商品取引所として、運用を始めさせていただきますね。

当面の間、市は全て露天商となりますが、気の早い人たちは私たちに同行して来ているので、彼らが市を開いても差し支えない場所を、メアリーさん、お手数ですが後で案内してくださいね」

「はい、ヨルティアさん」

「じゃあ私は、報告が終わったら、臨時受付所が設けられている場所に案内をお願いね。

今回、旧魔境伯領から100名、モーデル辺境公領から研修に来ている娘たち50名、合計で150名連れてきているから、早速準備に入るわ」

「エラン、バルト、メアリー、そしてみんな。諸々の対応ありがとう。

全体の運営、進捗管理はレイモンド内務卿に集約させていくよう、今後も頼むね。

さあ、これから俺たちの新世界だ。

帝国の人々が驚くぐらいの新しい街を、新しい農地を、俺たちの流儀を、作る国を見せてやろう!」

「「「「はいっ!」」」」

新世界での俺たちの活動は、これより始まった。

どんな未来が待ち受けているのか、俺達にはまだ、何も分からなかった。

いつもご覧いただきありがとうございます。

次回は『想いを貫くもの』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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