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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 351

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クサナギで行われた三日間の収穫祭のあと、翌日に行われるテルミラでの収穫祭に参加するため、俺たちは朝早くから出発して、テルミラへと向かった。

一行は『お歴々』を含め魔境騎士団の精鋭200騎と、それを率いるヴァイス団長だ。

ユーカとクリシアは殿下の近習として、魔境に慣れたクレアとヨルティア、早期警戒でシャノン、その他数名の魔法士たちを伴っている。

「ジークハルト、俺の目がおかしいのか?

確かこの一帯は……、せいぜい牧草地にしかならない、不毛の大地が広がっていたと思うが?」

「そうですね……、僅かな期間で開墾するだけでなく、作物の育つ土地に仕上げた秘密、それを是非とも知りたいですね。この地域を縦横に走る用水路は、おそらく地魔法士の力かと推察できますが……」

うん、分かるよ。分かるけど……。

こればっかりは迂闊に言えない。牡蠣殻石灰も有限だし、これ以上需要を増やしてもね。

「……、!!!」

いや! 待てよ。そうじゃない!

折角ここに、三か国の代表が居るのだ。しかもフェアラート公国にも十分な広さの海岸線があるのだ。

「ちょっと面白いことを思いつきました。私の提案に乗ってみませんか?」

俺はそう言って、商人顔になって、クリューゲル陛下とグラート殿下に馬を寄せた。

「この三か国で組んでできる、商売のネタを思いつきました。

グラート殿下もご存知の通り、ここはかつて不毛の大地でした。ですが土壌改良に成功した結果、今はこの通りです。乗ってみませんか?」

そう言って俺は、これみよがしに周囲を見渡した。

今は第二期に栽培を始めた蕪や、秋植え野菜などが一斉に芽を出し、街道脇の大地に広がっていた。

「ほう? 是非とも話を伺いたいな」

「友よ、私も異存はないぞ」

「先ずはクリューゲル陛下、公国には広大な海岸線が有るはずです。そして魚貝類を食する習慣もありますよね。なのでおそらく、牡蠣も食べられていると思いますが……」

「ああ、確かに。海辺の町はどこもかしこも、ゴミとしてあの殻が山積みになっていると聞いている」

しめた! 俺はそう思った。

「それでは牡蠣殻を回収し、必要な処理を行った上で我らに売却してください。

そのゴミが集まれば、金貨となります」

「なんと!」

「この辺り一帯も、帝国側の火山の降灰による影響を強く受けています。それ故、作物が育ちにくい。

そしてそもそも水がないため、不適作地とされていました。

ですがそれを変える手段が我々にはあります。多くの作物が育ちやすいように……」

当然のことながら、彼らにはまだ話は見えていない。

俺は先を続けた。

「フェアラート公国が牡蠣殻の収集と下処理を行います。

その過程で粉砕すれば、輸送も手間ではないでしょう。それを我らに売るのです。

売価は先行事例がありますので、それを共有します」

「なるほど、それで我が友はどうやって利を得るのだ?」

「その販売にロイヤリティを付けるのです。

我らにはそれを差し引いた額で提供いただき、帝国に販売する際は、ロイヤリティが上乗せされる形です。なんせ原価はただみたいなものですし、下処理も河川を利用すれば、ほぼ手間が掛かりません」

「ほう? それは面白いな。それだけか?」

「いえ殿下、もう一つ要素があります。

先ず土壌改善には大量の馬糞を使用します。これは肥料にはなりませんが、土壌の改良には使えます。

そして帝国には大量の馬がいるため、馬糞は処分に困るほどあるでしょう」

「ははは、どちらも廃棄物を利用する訳か! ジークハルトよ、これは愉快でならんな」

「詳細はアイギスに到着した折、改めてお話ししますが、乗ってみませんか?」

「この成果を見て、乗らぬ話はないな。どうだ?」

「殿下の仰る通りだと」

「私も乗らせてもらおう。海岸線からフェアリーまでなら、大河を帆船で遡上することが可能だ。

それであれば一気に輸送することもできるからな」

意外なことから、俺は今後の牡蠣殻問題に解決の糸口を見出すことができた。

しかも、新たなロイヤリティ収入というオマケ付きで。

これなら、クサナギの下水路にも大量の牡蠣殻を沈め、その先の河川汚染を極力防ぐことができるだろう。

それに……、

俺の素人考えだが、この世界の諍いの理由の一つに、飢餓があると思っている。

天災や人災、戦災などで、毎年必ずどこかの地が飢餓に陥り、豊かな地とそうでない地の格差が常に生まれている。

ならば、戦いで新しい領土を得ずとも、今の領地を豊かにする手段が有ればどうだ?

少なくとも、大きな国が内政に注力でき安定していけば、小国はそれに倣うだろう。

それでも恐らく、諍いは終わらないかもしれない。

でも……、少なくとも俺たちの周りだけでいい、互いに豊かな暮らしができ、安定すれば……

公王となり、一国を預かるようになってから、ぼんやりと俺の頭に浮かんでいた理想だ。

俺は思わぬところから、その手掛かりが得られた思いだった。

その後俺たちは、旧国境に設けた関門を通過した。

ここも半年前と比べ、大きく変わっている。

既に、両端の大山脈の切れ目を塞ぐかたちで、帝国側と王国側に二重の防壁が設けられ、その間には防衛拠点となる軍の駐留地が置かれていた。

南北に走り両側の門を結ぶ、幅50メルの通路の両側にも隔壁が設けられている。

まるで、通路だけが隔離されているかのように……

「ほう……、これではこの通路を抜けようにも、軍は広がることも出来ず、進む先の門を陥さねば身動きが取れず、ただ両側から矢の雨を浴び続けることになるな。全滅は必至か……」

そういってクリューゲル陛下は笑った。

そう、俺はかつて見た、西部国境にあったフェアラート公国の関門を真似ていたのだ。

「通路脇には市が並んでいるのか? 面白いな」

そう、通路の両脇には、市が展開できるスペースが設けられ、ここに詰める兵たち、そして関門を通過する者たちもこの市で買い物ができる。

テルミラで店舗を構えることができない者でも、ここの市は参入しやすい場所になっている。

特に今はイズモ一帯の開拓で、日々大勢の人足が通過し、この関門自体の工事関係者も利用するので、市はとても賑わっている。

「確かこの辺りは、水の手に課題があったと思いますが……、どう解決したのでしょう?」

ははは、やっぱりここの特性もよくご存じで。

ご指摘の通り、苦労しましたよ。

サシャたちの努力の結果、飲用水は少し離れた左右の岩山から湧水を引っ張っているし、下水や生活用水は帝国側の用水路から、何回も揚水水車を活用したり、専用の水道橋を使い水を引いてるからね。

しかもこの先、下水と用水路は旧国境から続くなだらかな下り坂を利用して、テルミラとサザンゲート砦まで伸ばしている。

そしてサザンゲート砦の南で、巨大なため池で下水を休ませたあと、牡蠣殻の浄化水路を抜けて河川に戻している。

そして一行は、旧サザンゲート要塞、今はテルミラと名を変えた中継都市へと辿り着いた。

「なっ! 確かにここは以前に我らが駐留した要塞のはず。

今やその面影がもはや全くないではないか」

「はい、ここはかつて、カイル王国最南端の防衛拠点でしたが、今は無用の長物です。

ですので、大山脈の北と南を結ぶ、交易の中継都市として生まれ変わりつつあります。

まぁ今はまだ、移住者の一時滞在場所としての側面が大きいですが……」

テルミラは、ウエストライツ公国の南半分を治める中枢として、順次姿を変えていく予定だ。

あくまでも農業や工業の生産拠点は、テイグーン一帯が継続して担うが、テルミナは南と北を結ぶハブとなり、行政の拠点となる役割を考えている。

「はははは、この短期間に……、笑うしかないですね。僕の想像すら超えていますよ」

流石のジークハルトさえ、これらの変化には絶句していた。

ふふふ、でもまだあるんだけどね。

まぁ、商人との初回会合で話しちゃったから、もう知っていると思うけど。

翌日俺たちは、テルミラからアイギスまで、新しく設けた高架道路を騎馬で一気に走破した。

ただ、知っていると実際見るのとは、大きく違っていたようだ。

まずテルミラの北西に進むと、サザンゲート平原と魔境を隔てる竹林が広がっている。

そこに、隔壁で覆われた小さな城砦があり、その城砦から北西に向かい、遥か遠くまで一直線に道が伸びていた。

道は周囲の魔境より15メルほどの高所に、15メルの道幅で伸びており、防壁とも高架橋とも呼ぶには中途半端な、どちらの特色も備えたものだった。

俺が高架道路と呼ぶこの道は、かつて第一皇子が侵攻路としてテイグーン山を目指して切り開いた、幅300メルの道の中央部分に建設している。

「ジークハルト、こっ、こんなのアリか……」

「いや……、やばいですね、殿下」

第三皇子やクリューゲル陛下ほどではないものの、ジークハルトも驚いていた。

「いや……、貴方は本当に恐ろしい人だ。敵にしなくて、本当に良かったと改めて思いますよ」

「そうだな、この道路を使えば、魔境を抜けて最短距離を移動できる訳か……、これでは旧国境まで一気に兵を展開できるな。

ジークハルト、我々にも可能か?」

「これはおそらく、非常識なまでの数の地魔法士を大量投入した結果でしょう。

その結果、この短期間に魔境公国の大地、都市は大きく生まれ変わったと言わざるを得ません。

帝国でこれを再現するには、とんでもない年月が掛かりますよ」

「だからこそ魔境の復活は急務、そういうことだな?」

「はい、我らにも……」

ん? 何だ?

何故魔境の復活がそこに絡んでくるんだ?

その時俺がさりげなく耳にした言葉の真意をしるのは、まだ当分先のことだった。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は『魔境への招待』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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