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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 353

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駆け足だったが、二日間に渡る魔境での討伐は終わった。

俺たちはその夜アイギスの砦に戻り、成り行き上で行動を共にした、本来ならば有り得ない同行者たちと最後の夜を惜しむ盃を交わすことになった。

アイギスには一応、前線視察に訪れる陛下などの対応用に、貴賓室も幾つか用意してある。

そして、談話が行えるサロンも……

その日の夕食後、サロンに集っていた者は7名。

ウエストライツ魔境公国からは俺とヴァイス子爵。

グリフォニア帝国からは第三皇子と、ケンプファー伯爵。

フェアラート公国からは、クリューゲル王とフレイム侯爵。

そして、カイル王国からはクラリス殿下。

「それにしても今回の旅は良き思い出になったわ。

クリューゲル王と誼が結べたことも何よりもの収穫だった」

「ははは、それは私も同じだ。兼ねてから精強無比の軍団を率いる、次期皇帝と酒が酌み交わせるとは思ってもいなかったわ。よき土産話ができたというものよ」

土産話?

いや、とんでもない!

「くれぐれも皆様、分かってますよね?

全員が本来ならここに居てはならない方々だと言うことを」

「ははは、周辺国にも武勇で名を轟かせたタクヒール殿の言葉とも思えんな。

だが……、これまでの話なら、それも一理あるな」

「陛下の仰る通り、イストリア皇王国と阿呆どもには、まだ知られたくないですからね。

僕と殿下は、予想外の侵攻を受けて孤立無援となり、慌てふためかなければならないのですからね。

殿下はその辺はしかとお願いしますよ」

「所で折角4国の代表が揃っているのです。ひとつだけ、以前から気になっていることがあるのですが、それをこの機会に確認しておきたく思います」

そう言って俺は、あの防衛戦以降うやむやになっていた懸念を彼等に話した。

その懸念は二点、ひとつは闇の氏族に関わる話だ。

彼らはまだ完全に滅んではいない。

そしてもうひとつ……

「ふむ……、確かにな。帝国でも確認はできていない。そうだな? ジークハルト」

「確かにな。フレイムもその点は確認できていないな?」

確認された両者は共に、神妙な顔をして頷いた。

「その対策として、考えていることはあるのですが、まだ開発中で実用化に至っていません。

ジークハルト殿、猶予は少なくとも半年程度はある。その点、間違いないですか?」

「ええ、彼らにはまだ余裕はありません。そのため隠れて準備を進めるには、まだ時間を要します。

さもないと、自身が使嗾した輩に食われてしまうことにも成りかねませんからね」

「なるほど……、であれば俺たちも準備は進めることができると」

「はい。それに……、彼らの耳にも魔境公国、イズモと名付けられた地域の変貌は届いているでしょう。

彼らとしては、折角手を入れてくれている土地です。できれば十分に実った時点で奪いたいでしょう」

「だがスーラ公国はどうだ?」

「陛下のご懸念はもっともですが、彼らも我らに一度は手酷く敗退しています。いくら餌をぶら下げられても、確実に食いつけると思うまでは動かないでしょうね」

「我らはタクヒール殿に救われた身だ。今回の件ではできうる限り支援を行いたいと考えている。

今回、新たな縁も結べたことだしな」

「クリューゲル陛下、ありがとうございます。魔境公国でも対策は進めていきます」

「我らも心強い味方が増えたこと、非常に嬉しく思う。俺も宮廷勢力では圧倒的少数派から少数派、そしてやっと日和見者たちを引き入れ、半数を超えたばかりだしな」

「ははは、私も似たようなものだな。

圧倒的少数派で反乱まで起こされたのだからな。

今はやっと地ならしも終わったが……」

「俺もそれにあやかりたいものだな。

晴れて我らが憂いを散じた際には、再びここに集い祝杯を」

「そうだな、次回もまたお互いに傭兵と不良近衛とし参加するのも一興だな」

「……。やっぱり、ここに集うんですよね?」

「「「「当然だろう(ですわ)(ですよ)」」」」

ちっ、四人が全員唱和しなくても……

団長は苦笑しているし、フレイム侯爵は蒼い顔をしていた。

まぁいつか、そんな日が来れば……

俺たちも不安から解放され、国を豊かにすることにのみ集中できるだろう。

俺の望んだ改変は、そこにゴールがあるのだろう。

今のこの風景ですら、一年前は想像すらしていなかったな……

そう思いしみじみと盃を傾けた。

その日、別離を惜しむ宴は、それからも夜更けまで続いた。

宴ではこれまでの気疲れもあって、俺はしたたかに酔っていた。

勿論、酔い潰れることや、不覚を取る事はなかったが、彼らと共に歩む、新しい未来を思い浮かべ、一時の夢に酔っていたのかもしれない。

「さて、毎度の事だが……、また予定が狂ったな。まぁ今回は、良い方にだけど逆に、うまく行っている時ほど足を掬われかねないからな」

俺は大きなため息をついたあと、今後為すべきことについて整理を始めた。

先ずは新領土の体制を構築すること。

これは順調に進んでいる。

〈イズモ〉

人手と魔法士の大量投入で、初期段階で予定していた耕作地は確保できる見込みがたった。

来春からはいよいよ穀物栽培にシフトするし、来秋からは新領土でも食料を自前で確保できるだろう。

後は家畜類の充実を図れば、大量の兵や移住者たちを食わせていける。

この辺りも含めて、アレクシスに丸投げ状態だが、能力的にも問題ないだろう。

〈クサナギ〉

ここも色んな目処が立った。まぁ当初から内務卿に丸投げだったから、問題ない。

来年の収穫期には街の体裁も大方整うし、防衛設備だけなら間もなく完成する。

街並みはまだまだだが、おいおい充実させていけば良いと考えている。

〈その他新領土〉

正直言って、ここはまだまだ手付かずに近い。

ファルムス伯爵領を除けば、各要所に代官を置き、全体的に緩い統治体制を維持している。

新領土駐留旅団が治安維持と、慰撫に回っているが、まだまだ人手も足らない。

現地募兵も進めてはいるが、人材面ではこの辺りは五年前の敗戦の痛手から、まだ立ち直っていないのが現状だ。

農作業に従事する働き手すら覚束ないのが現状だ。

なので農繁期は、各所で兵たちが積極的に手伝うようにしている。

俺たちの姿勢も、徐々に理解してもらえるだろう。

ここも今は舵取りを内務卿に任せているので、今後徐々に手を入れていく予定をしている。

(商人との関係)

これも順調に進んでいる。

3ヶ月毎の入札も、参加する商会が増えつつあり、彼らとの関係も今は良好だ。

もちろん一部の例外はあるが……

そういう商人たちは徐々に排除されている。

例の三商会以外にも、幾つかの商会が此方寄りになって来ている。

最近なら特筆すべきはハンドラー商会と、ボッタクリナ商会だな。

ハンドラーはラファールがうまく取り込み、今や東方面の対外諜報を兼ねる御用商会になっている。

元ボータクレイナ商会は、俺との出会いを記念してカーミーン子爵がボッタクリナ商会と名を変えていた。

名前はインパクトがあるが、収穫祭に向けた臨時発注でも、堅実に商品を調達してきた。

士族の商いを見兼ねたバルトが、少しだけアドバイスしてあげたらしい。

子爵はバルトに大いに感謝し、素直に助言に従っているようで、子爵領は今、主要街道の中継地として発展し始めたらしい。

(旧王国領)

此方は特に問題ない。

と言うか、良い方に加速している。

ウエストライツ魔境公国の南半分が大規模な開発景気に沸き、北半分からも物資や人材が吸い上げられるように流れている。

商流が盛んになれば人の行き来も増える。

テイグーン一帯(テイグーン、アイギス、イシュタル、ガイア)は相変わらずの成長を遂げている。

新領土に向けて大幅に人が抜けたので、ちょっと心配した部分もあったが、その穴を埋めるべく入植者が増えている。

特にガイアの大量生産ラインは、新領土からの調達特需で常にフル稼働状態だし、アイギスやイシュタルの稲作も、伸びている需要に追いつくべく、耕作面積を増やしている。

サトウキビや蜂蜜生産も伸び続けているし、養蜂は官営事業として、テイグーンから他の街にも広がりつつある。

穀物類や芋、蕪の生産も旧魔境伯領の内需から、各方面に輸出できるまでに安定しつつある。

ゴーマン侯爵領、ソリス侯爵領、ボールド子爵領も発展を遂げている。

俺の依頼で、新領土開発は後回しにして、現有地区の開発に大量の資金を投じているからだ。

そういう意味で目を外に転じれば、カイル王国の旧辺境と言われた四箇所も、それぞれ復興や開発景気に乗っている。

戦時賠償の資金が投下され、中央から大量にヒト、モノ、カネが各地に流れ込み、其々がその恩恵を享受している。

王国としては、上り調子だよな。

それの目処が付いたから、王都競技会を言い出したのだろう。

これも狸爺への報告を兼ねて、王都に行く機会とするか?

問題は人選だな……

いつものメンバーばかりじゃ面白くないしな。

ただ、勝たなければ意味もないけど。

そうだな、今回はクリストフの提案に乗ってみるか。

ふふふ、王都の連中も驚くだろうな。

そんなことを考えていると、いつの間にか夜が白み始めていた。

やっちまった……

明日、いや今日は早朝から強行軍だというのに、ほぼ徹夜じゃん!

少しだけ……

そう呟いて、俺はソファーで意識を手放した。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は『王都競技会に向けて』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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