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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 361

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王都競技会は個人戦と団体戦、全ての競技がつつがなく終了した。

巻き起こる大歓声のなか、大会は有終の美を飾ろうとしていたそのとき……

「や、やりましたわっ! 団体戦も10倍でしたわっ。お姉さま方と今回も、今回も……」

「ユーカさまの勘、お見事ですわっ! これで私たち……、完全勝利ですわね」

「再び皆さまで! 良かったです。まるであの時のようで、こんな嬉しいことありませんわっ!」

感動のフィナーレは、貴賓席に巻き起こった歓喜の叫びで打ち消された。

競技場にいたタクヒールたちにも、それは丸聞こえだった。

「……」

彼女たちを妻と妹に持つ二人の兄弟は、一人は競技場で、もう一人は貴賓席の中で、二人揃ってただ無言で頭を抱えるしかなかった。

『ってかこの喜びよう、絶対金貨100枚程度の掛け金じゃないよね。

一体いくら掛けたんだろうか?』

下手をすると男爵領程度の年間収益、それを越える金額を稼ぎ出したんじゃないだろうか?

タクヒールはそう考えると、詳細を怖くて聞けなかった。

その後は表彰式、褒賞授与、そして日が暮れると、フェアラート国王を迎える晩餐会などが続いた。

この晩餐会には、両国王の要望もあって個人戦の上位3名、団体戦で特筆した結果を残した決勝進出の2チームも特別に招待されて華を添えた。

「あの……、本当に私なんかが……、ここに居て良いのでしょうか?」

「アルテナさん、私もです。なんか……、凄く場違いな感じが……」

「テイグーンに移り住んで、驚くのに慣れたつもりでしたが……、これは極めつけです」

「こんな華やかな席、眩し過ぎて……、目が回りそうです」

「き、緊張し過ぎて……、というか私、皇王国の平民にしか過ぎないんですけど……」

「いや、というか俺は……、いや、私はどうしたら良いのでしょうか?」

王国出身のアルテナやセレナだけでなく、皇王国からの移住者である、アウラ、ディアナ、アルミスたちは恐縮と困惑の最中にいた。

さらに、女性の中に囲まれた唯一の男性、ヨルムも所在なさげに固まっていた。

「私も慣れた訳じゃないですからね。私やカーリーンさんも準男爵とは言え、元々平民の出です。

でも、ユーカさまが大急ぎで駆け回って、わざわざ全員のドレスを手配くださったのです。

ここで怯んでいては、我が国の王妃殿下に合わせる顔がありませんよ」

「リリアさんと同じくです。タクヒールさまと共に居ると、色々と感覚が狂っちゃいますからね。

まぁ、折角だし豪華な食事を楽しんじゃいましょうよ」

リリアとカーリーンは、これまでも色々な意味で修羅場をくぐっているので、こんな時も強かった。

そして一部の者たちの困惑など関係なく晩餐は進み、フェアラート国王を歓迎する宴が始まった。

その際には、緊張して隅に固まる彼女たちを、遠巻きに囲み邪な目で見る者たちもいた。

「何故だ! 何故あの者たちは衣装を変えたのだ。

陛下も粋な計らいをと、楽しみにおったというに」

「全くです。あの奇抜な衣装は、何かこう……、昂まるものがありましたからな……」

「どうです? 我らであの奇抜な衣装を買い与え、着替えさせてこの宴に華を添えるというのは?

そもそも下賤の身でありながら、この宴に参加させるなど……。であれば、少しは趣向に協力させるのも必要でしょうな」

彼女たちを怪しげに見つめる男たちは、所詮相手は準貴族や平民相手と、言いたい放題であった。

この国では復権派が牛耳っていた頃の古い慣習は廃され、外向きの体制は改まっていたものの、中身の貴族自身の意識改革はまだ不十分だった。

まして多くの貴族たちは未だに、タクヒールのことを所詮は成り上がり者、心の中ではそう思っている者も多い。

実際、数年前は爵位すら持たない、男爵家の次男坊でしかなかったのだから……

「タクヒールさま……」

この時もそんな異変をいち早く察したのはユーカだった。

彼女がそっと耳元で囁いた言葉を受けて、タクヒールはゆっくりと彼らの背後に進んだ。

「どうですかな? あの女どもに舞でも躍らせて、余興に華を添えさせるのは?」

「それは良いお考えですな。私は領内の指導を名目に、傍に侍らせようかと……」

「では私めが話を付けて参りましょうぞ。我らは名門貴族、平民風情が否やとは言えますまい」

『……、ってかお前ら、キモ過ぎるんんだよ。良い歳したオッサン共が揃いも揃って……』

またここでも喧嘩売らなきゃいけないのか……、俺がため息を付いた瞬間だった。

俺の背中から、透き通る凛とした声が響いた。

「貴方たち、冗談にしろなかなか勇気のある仰りようですわね?」

「何だと? 誰に向かって言って……」

彼らはそう言って、俺の左を見て固まった。

「もちろん、貴方たちですわ!

大層な勇気をお持ちですこと。それとも、美しい女性たちに目がくらんで、大事な物事が見えなくなりましたか?」

「ク、クラリス殿下……、め、滅相もございません」

「貴方たちは私に感謝すべきよ。第一に、貴方たちが不敬罪に問われるのを止めてあげたのですもの」

そう言ってクラリス殿下は、侮蔑の表情を浮かべながら彼らを見据えた。

「んなっ! 我らは何の不敬も……」

「確かに彼女たちは、この国の身分で言えば準貴族や平民です。

ですが今回、彼女たちは我らが国王陛下とクリューゲル陛下が、特にと仰って招かれた賓客です。

陛下の賓客を侮辱されると言うことは、陛下を侮辱したに等しいですわ」

「いや……、我らは侮辱したなど心外です。この宴に華を添えようと……」

「へーそうなの? まるで見世物にでもするような仰りようでしたけど?

ちなみに第二に、貴方たちは命拾いしたのよ?」

「???」

「ウエストライツ公王は、臣下の方々を仲間と呼び、とても大切にされていらっしゃいます。

その仲間が侮辱された、見世物にされたなどと知れば、怒り狂って貴方たちに誅罰を下すでしょうね。

貴方たちは公王陛下の恐ろしさを、ご存じないようね?」

ん? いや、話が何か話が変な方向に……

俺のことはどうでもいいのだが……

「この国の方々は、公王陛下の恐ろしさを、あまりにも知らなさ過ぎですね。

その武技は、剣聖たる私にも勝るとも劣らず、伝説級の魔物とも対峙しうる凄まじいもの。

その覇気は、魔境伯でいらっしゃった頃から、必要とあれば私を足蹴にされるほど猛々しいもの。

その怒気は、二万もの敵兵を一瞬で引き裂き、無残に引きちぎり殲滅するほど荒々しいもの。

その才気は、商人を自在に扇動して、容易く皆様の領地の流通を止め飢餓に陥れる恐ろしいもの。

麾下の軍は、近隣諸国で最強、烈火の如く攻めかかる激しさに、敵国は魔王と呼び恐れるものです」

『ナンカ……、オレッテ、ヒドイヒトデスカ?』

そう言われているようにしか聞こえませんが……

「皆様のなかには、運だけで時流に乗って栄達した者、そんな誤解もあるようですね。

私は公王が、不逞な貴方がたに誅罰を下されようとしたところを、割って入ってお救いしたのですよ」

殿下はそう言って、これ見よがしに俺に向かって微笑むと、頭を下げた。

「ひっ、ま、魔王……」

そこで初めて俺の存在に気付いた彼らは、青くなって震えだした。

言い放った当の本人は、舌を出して笑っている。

ってか、何かしてやられた気分で素直に感謝できない。

「公王陛下、我が国の口さがない者たちが大変失礼いたしました。

酒の席での戯言と、どうか私に免じて彼らの命だけは……」

そう言ってから再度、深々と頭を下げたが……

冗談じゃない! 俺は注意はするが、命をもって償えなどと言う分けもない。

多少、喧嘩腰になるかも知れないが……

「どうか殿下、頭をお上げください。これでは私が悪者になってしまいます。

それと……、魔王だけは勘弁してください。俺もそう呼ばれて傷ついているんですから」

「あら? 私なりの賛辞だったのですけど、ダメだったかしら?」

いや……、褒めてないでしょう。

俺が脳筋、じゃじゃ馬などと散々言った仕返しにしか聞こえませんけど。

この後、ユーカやクリシア、そしてクラリス殿下までが、うちとゴーマン侯爵領の招待選手の輪の中に入り、彼女たちを和ませるよう対処し始めた。

彼女たちを友人知人に紹介したり、この宴で浮いてしまわないよう対処したり。

そんな様子を見て安心して踵を返すと、違う意味で厄介な男が後ろから声を掛けてきた。

「ほっほっほ、公王は殿下に助けられましたな」

確かに俺は、殿下に感謝はしないといけないだろうな。

今の俺が喧嘩沙汰を起こせば、巻き込むことが多過ぎる。

その原因、俺が『らしくない』から軽く見られ、その結果仲間も軽く見られてしまうことも理解している。ここは反省しても今更変えようがないが……

「はい、助かりましたよ。ただ、衆目の中だと好きに振舞えないのも、窮屈なものですね」

「それは持てる者だけが言える、贅沢な悩みじゃろうな」

「贅沢な悩みですか……、そうなのでしょうが……。不相応、そっちの方が正しいと思いますよ。

所で学園長、今回は色々と上手くやりましたね?」

「おや、何のことかの?」

ちっ、素っ惚けていやがる。相変わらず老獪だな。

まぁこの点、いちいち文句を言うつもりはないけど。

「今回の大会、胴元として幾らぐらいの『王国の未来を担う資金』を回収されたのですか?」

「ふむ……、発案者でありノウハウを共有いただいた公王には、ある程度の情報も開示すべきじゃな。

投票総額は……、金貨20万枚を超えた、それだけは申しておこうかの。

奥方や妹御にも色々と世話になったが、最後にきっちり相応の授業料を巻き上げられてしまったがな。公王にも何か、運営方法を伝授いただいた礼をせねばと思っておったわ」

開示って言っておいて、それだけかよ!

ってか、それなら収益としても最低でも金貨4万枚は手に入れているのか。凄いな……

ただこれも、俺たちのように胴元収益は二割としていた場合だ。

狸爺のことだから、もっと多い可能性すらある。

折角の機会だ。後で別室で話そうと思っていたが、逆に酒の席である今の方が都合がいいかな?

俺はある思惑について、狸爺に相談することにした。

「そうですね、彼女たちは色んな意味で優秀ですからね。

それと私には何も要りませんよ、迂闊に何か貰ったら、それこそ高くつきそうですし。

ただ一点だけ、ご許可いただきたいことがあります」

「ほう……、儂にできることであれば良いのじゃが……」

「交渉に臨むにあたって、勝てる要素や相手の嫌がる情報を事前に集めておくこと。

私は学園在学中に、学園長からそう教わりました。是非とも許可をいただきたいものですね。

両国の繁栄とこの先の未来のためにも……」

「ほう……」

短く答えた狸爺は目を細め、先ほどの好々爺さながらの表情とは別人になった。

「私が望むのは、私が知りえた情報を今後、交渉の席で対象者に示すことの許可です。

その内容は二点、詳細及び相手は……」

俺は声を潜めて、今抱いている考えを伝えた。

俺が王都に来た、裏の目的を果たすための欠かせない要素についてを……

「それはかなり危険な交渉と言わざるを得ないな。

下手をすれば奴らと敵対することになりかねんが、それでもやるのか?」

「ええ、幸いにも我らは主権を持った独立国です。承諾しないともなれば、切り離すまでです」

「それが敵を増やすことになっても?」

「仮にそうなっても、表立って敵対できないようにするのが、今回の相談です」

「ふむ……、儂の一存では決めかねるが、止むを得ないじゃろうな。

陛下にはその旨、儂からもお伝えしておこう。しかし……」

「強引なのは重々承知していますよ。難しい相手であることも……」

「ほっほっほ、以前は素直であられた公王も、なかなか老獪になられましたな。

結構なことで」

「はい、カイラールで良き指導者に恵まれた結果でしょうね」

その本人を前に、おれはしれっと言い放った。

良きにしろ悪しきにしろ、狸爺によって相当鍛えられたのだから。

まだ、敵う自信はないけど……

こうして、最終日の晩餐会はつつがなく終わった。

さて、明日は……、裏の目的の対処だ!

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は『中央教会との対決』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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