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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 392

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本日より投稿三年目を無事迎えることができました。

読んでいただいた皆さまへの感謝の言葉を後書きに記しています。

また10月と11月は、暫定的に4日に一度の更新となります。ご容赦ください。

タクヒール率いる一万騎の軍勢は、日々強行軍で南へと軍を進めていたが、広大な帝国領を縦断するにはそれなりの時を要していた。

この日の夕方、彼らはやっと二番目の商人たちが待ち受ける補給拠点に辿り着いていたが、およそ半分の行程を消化していたに過ぎない。

「それにしても帝国領は広大ですな。実際に走破して改めて感じます」

この世界には正確な縮尺の地図など存在しない。

距離ですら街道を移動する時間的な距離で概算として割り当てているだけだ。

なので団長のいう通り、実際に移動して初めて、その距離を体感することになる。

「そうだね、これだけの領土を持つ国と戦うなんて、まともではなく無謀なことだとよく分かるよ。

俺自身は、テイグーンからモーデル伯爵の治める新領土まで移動した経験はあるけど、それを遥かに凌ぐ距離を軍団で移動するなど、どれだけ大変か身に染みてわかった気がする」

「ですね、彼らの支援なくば現実的ではなかったでしょうね……」

そう言って団長はこの補給拠点まで進出した商人たち、そして彼らと語らうアクセラータを見た。

今まで進んだ距離でさえ、かつて俺が20歳のとき、テイグーンからクレイラッド、そしてサラームを経由してフェアリーまで行った距離とほぼ等しい。

まだその倍近くあるのか……

そう思うと、改めて気が遠くなりそうな気がした。

遠距離移動の前提で、全軍の装備は軽装騎兵や弓騎兵に統一し、荷車や物資運搬車は一切伴っていない。だからこそ日々、馬を潰さない程度に長駆できているが、改めてあちらの歴史でモンゴル軍の活躍が驚嘆に値するものだと理解した。

本当かどうかは分からないが、替え馬を用意して時には1日で100キロ以上を移動したともいわれ、それが正気の沙汰ではないことを改めて感じた。

まぁ……、俺たちもそれに近い強行軍をやっているのだけど……。

まして現代日本の移動と、この時代の移動は全く勝手が違う。

たまに俺も過去の記憶をベースにして、この時代では無茶な移動を考えてしまう悪い癖がある。

「今回はそれなりの数の替え馬が間に合って幸いだったね」

俺自身そうは言ったが、一万の軍勢全てを賄える替え馬を揃えるのは到底無理な話だった。

アレクシスに任せた本土防衛でも戦略的後退を視野に入れ、各部隊には大量の乗馬が必要なので、本当にギリギリの範囲で団長は準備してくれていた。

「ウエストライツ魔境公国は、建国以降もカイル王国や帝国から積極的に騎馬を調達し、兵士の騎兵率は非常に高いと自負しておりましたが……、まだまだ努力が至らず申し訳ございません」

「いや……、これは俺の選択したことだし、団長の責任じゃないよ。それに……」

ジークハルトが手配していた兵站には、替え馬も含まれていた。

これまで立ち寄った村々、商人たちが設営した拠点にも、それぞれ大量の乗馬が用意されていた。

それもあってか進軍する度に騎馬の数は増え、必要に応じ馬を替えながら先を急ぐことができていた。

アクセラータはこの道を、万が一の際に北と南を繋ぐ連絡線(補給線)と言っていたが、おそらくいずれかの方面で万が一の事態が発生した際には、退路として使用することも考慮していたのだろう。

俺が国内の街道を整備して道の駅を設けていたことに等しく、ジークハルトも帝国内にも手を入れていたということだ。

それにしても、今回の補給地点で騎馬の数はそれなりに揃った!

モンゴル軍のように余裕がある訳ではないが、ある程度ローテーションで入れ替えながら、乗馬に負担のない程度で走り続けることならできる。

そのためここからも歩みは、以前よりも早めることができるだろう。

「……、公王陛下?」

あ、いかん、物思いに耽っていた。

アクセラータの言葉を聞き逃していたようだ。

「何か報告……、という感じだね。多分良くない方の。

悪いがもう一度頼む」

「はっ、たった今商人から得た情報ですが、第一皇子は約1万騎の軍勢を率いて既にグリフィンを出たとのことです」

「となると、目指す先は……、やはりエンデか? 守り切れるのか?」

「しばらくなら持ちこたえることはできます。ですが……、恐らく徹底抗戦はしないかと。

先行したのは一万騎ですが、後続として二万の軍が進発の準備を進めているとのことです」

「三万か……、悪い方の想定通りか……、当たっても嬉しくないな。

で、奴らも南部戦線に出てくると思うかい?」

「いえ、恐らく旧国境線に軍を展開させ、退路を遮断する動きに出るかと思われます。

もちろん、我らが優位に戦いを進めていれば、援軍と称して新領土に進出し、背中から矢を放ってくることも有り得ますが……」

「向こうが旗幟を明確にするまでは、こちらも手が出せないということか? それも厄介な話だな」

「はい、我らから先に攻撃することも叶いませんので。お心を煩わせて申し訳ございません」

「失礼、私はもう一点、気になることがあります。

アクセラータ殿がビックブリッジ砦を出てより、援軍として我らが到着するまでおそらく20日以上が過ぎていると思われますが……、最前線の状況はどうでしょうか?」

団長の疑問は俺も感じていたことだ。

彼は今、広大な帝国領を南から北、そして今は逆進して北から南に往復する途上にある。

往路は最短距離の整備された主要街道が利用できたとして、街ごとに馬を変え馬車を変えて昼夜兼行で走り抜けたとしても、10日以上はかかる行程だ。それにこの時代、夜間移動は基本的にできない。

そして俺たちと共に再度南進……、それなりの日時を費やせば戦況は大いに変化している可能性もある。

それだけではない。仮に昼夜兼行で馬を走らせたとしても、移動する人間は替えがきかない。

人である以上は食事や睡眠、日々休息を取ることも必要だし、体力的にも相当厳しいだろう。

忠臣蔵で有名な赤穂浪士の逸話では、江戸時代の早駕籠は620kmを僅か四日半で駆け抜けたという話もあるが……、この世界でも現代日本の常識では判断できない点もあるのかも知れない。

ただそれでも……

「頑強だな……」

「はい、公王陛下の仰る通り、ビックブリッジ砦は難攻不落です。おそらく主の指揮のもと、頑強に持ちこたえていると思われます」

あ……、いやアクセラータ君、そっちの意味で言ったんではないんだけどね。

まぁ……、いいか。

「それにしても、アクセラータ殿はその砦からクサナギまで急ぎ移動された訳ですから、大変だったでしょう」

団長、ナイス補足!

さすが分かっていらっしゃる。

「それが……、帝国南部一帯ではこの時期、南から北への強風が吹きます。なので楽をできる部分もあるのです」

「風……? まさか水路?」

「はい、ご賢察の通りです。カイル王国では水運は発達していないと聞き及んでおりましたが、さすが博識でいらしゃいますね。

大きな水路ではないため軍勢や大量の物資輸送こそできませんが、我らも南から北に砂糖を送る際には水路を活用してきました」

確かに水路を利用すれば24時間移動し続けることも可能だ。

しかも、ただ船に乗っているだけなら、眠ることも食事を摂ることも問題なくできる。

強い南風が吹くなら、帆を張れば流れに逆らって遡上してもそれなりの速さで進めるだろう。

いや待てよ……、南風?

そう考えていたとき、団長と目が合った。

「アクセレータ殿、その南風は今後どれぐらいの期間吹き荒れるでしょうか?」

「ヴァイス殿のご懸念はもっともです。おそらく夏いっぱいは続くと思われます」

「タクヒールさま……」

うん、団長が指摘した内容は俺たちの戦術の根幹にも関わることだ。

これまで俺たちは、風魔法とエストールボウやロングボウを組み合わせ、いわばアウトレンジ戦法で優位に戦ってきた。

今は南方に展開する敵軍へと向かう俺たちにとって戦場は逆風、そうなると風は大敵となってしまう。

「公王陛下のご懸念はもっともなことだと思います。我らも主の命に従い、陛下の基本戦術の一端は理解しているつもりです。

そのために戦況に応じ最善の場所にご案内する予定です。まぁ……、他にも理由がありますが」

「北側も敵軍がひしめいている、ということかな?」

「はい、情報の時差を考えるとおそらく、我らの到着時にはエンデ南方に三万、西方に一万の敵が展開しており、ビックブリッジの北側も安全圏とは言えませんので……」

「ははは、到着した頃には十三万の敵に包囲されている味方に対し、敵中突破を行う訳ですな」

団長が剛毅に笑う傍ら、俺は少し頬を引き攣らせていた。

他人が聞けば絶対に無謀と言われることを、俺たちは今やろうとしている。

その重圧により俺は、南に進むほど胃が痛くなるような思いでいたからだ。

アクセラータの言葉通り、この時には既にエンデのすぐ北側まで第一皇子率いる先発部隊が迫っていた。

そしてもうひとつの戦場、帝国北部でも敵軍の動きが本格化しつつあった。

戦局が動き始め、当人や周囲の耳目が二つの戦線に注がれていたころ、この間隙を突いてタクヒールらが駆け抜けた間道を北へと進む者たちもいたが、この事実はまだ、両陣営とも把握するに至っていなかった。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

丁度今日で初投稿より二年が過ぎました。

少し長文になりますが、これを機に改めてご挨拶させてください。

小説を書くことも投稿することも、何もかもが初めてで不安に思いながら初投稿したのが二年前の10月1日でした。

当時の私からすると今の状況は、想像すらできなかった幸せな状態になっていると改めて感じました。

これも偏に、応援いただいた皆様のお力添えあってのことと、改めて深く感謝いたします。

二年間という長きに渡って、お付き合いいただいた皆さま、新たに読み始め最新話までお読みいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

また、書籍版をご購入いただいた皆さま、数あるライトノベルのジャンルから本作を選んでいただき、本当にありがとうございます。

毎回ご購入いただいた皆さまのご期待に沿えるよう、掲載した全話の内容を見直し、自分なりにより分かりやすく、そしてより世界観が広がるよう努力して内容を見直しております。

読んで面白かった、新しい発見があった、なるほどそういうことか、そんなお言葉をいただけるよう、この先も頑張って書き続けてまいります。

そして、もちろん物語には始まりがあれば終わりもあります。

こちらで392本目の投稿となる訳ですが、今のところ500投稿前後を目途に一旦ゴールを迎えられるよう書き進めております。

もちろん、この先の流れによってはもう少し延長するかもしれないですが、実はエンディングとなる最終章の7話は、既にほぼ書き終えており、この春からずっとここの下書きに眠っています。

その日が迎えられるまで、これからも始めた頃と同じ気持ちで頑張っていく所存ですので、変わらぬ応援をどうぞよろしくお願いします。

2024年10月1日 take4

そう言いつつ大変恐縮なのですが、6月以現業と私事、そして書籍化やコミカライズ部分で、全てにピークを迎えておりました。

そのため、投稿のストックが既に5話を切り、下書きと合わせても非常に厳しい状況です。

そこでさしあたり、10月から11月の二か月間は4日に1度の投稿へと、ペースダウンさせていただきます。

楽しみにしていただいている皆さまには大変申し訳ありません。

遠くない先、次の刊行日前後には再び連続投稿を、そしてペースを戻すことができればと思います。

それを目指して頑張ります!

次回は10/5に『仕組まれた罠』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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