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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 422

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日が昇り朝日が大地を赤く染め始めたころ、少し前までは本営と呼ばれた場所から、負傷兵を乗せた荷駄を含む人馬の列が一路クサナギへと向かい動き始めた。

それに先立ち、まだ未明の時間に出発した騎馬の一団は、深夜に先導と共にクサナギをを出た騎馬の一団と落ち合い、空が白み始めた頃には一路南へと進路を変えていずこかへと消えていった。

本陣と呼ばれた場所には、アレクシスを始め一部の指令系統だけが残り、昨夜の内にほとんどの部隊が移動を終えていた。

日が昇って暫くしたあと、この日の戦いの火ぶたは守備側から切られた。

合図のZ旗が振られるのを見て最初に動き出したのは、本陣のあった場所から少し南で配置に付いていたシュルツ軍団長率いる王都騎士団第三軍の5,000騎だった。

「いいか、折角戦場に来ておきながら役立たずでは申し訳が立たん!

我らの任務は瀬踏みだけではない、隙あらば奴らの前衛を突き崩すぞ!」

シュルツの指揮のもと、騎馬隊は疾走しながら500騎単位の集団に分かれ、敵陣の前方を横切りながら配置に就いた。相対する敵陣までの距離はおよそ600メル。

「全騎、クロスボウ装填の上で突撃準備、安全装置を忘れるな!」

このシュルツの指示で、全ての騎兵は弦を引き絞り矢を台座にセットすると、誤発射や矢がずれ落ちることを防止するロックを掛けた。

王都騎士団のなかで第三軍は、騎兵でありながらクロスボウを有効的に活用する。

数年前からこの目的のため厳しい訓練を重ねて来ていた。

その成果が、やっと試される時が来た。

「バリスタの一射目には注意せよ、だがそれを躱せば騎馬の脚に利がある。全軍、王都騎士団の誇りにかけて突撃っ!」

シュルツの合図とともに、10の騎馬集団が一斉に大地を蹴り疾走を始めた。

彼らはただ無謀な突撃を敢行している訳でもなかった。

彼らの任務のひとつは、敵軍が配置したバリスタの所在確認だったが、万が一昨日と同様、彼らの突撃した北側に配置されていたとしても、それなりに勝算があった。

バリスタは連射が効かない。

これは同じ機構のクロスボウを運用している彼らにとっても、周知の事実だった。

一度発射されてしまえば、次弾装填の間に騎馬なら500メル以上を駆け抜けることが可能だ。

そしてもうひとつ。

500騎ずつ10隊に分かれていたが、彼らは更に50騎ずつの小集団に分かれて突撃していた。

なので敵のバリスタは疾走する騎馬に向けて照準を定めねばならず、かつ、その集団が小さく一斉射で巻き込む数も限られていた。

「来ますっ!」

疾走する馬上でシュルツは、並走する部下の一人がそう叫んだように思えた。

実際には馬蹄の響きで、人の声などかき消されているのだが……。

その叫びと共に、敵陣からはバリスタが一斉に放たれ始めた。

「ふんっ、明らかに少ないわ! やはりな」

シュルツはそう叫ぶと、片手を真っすぐに上げた。

同時に部下が、鐘をかき鳴らし始めた。

彼らは100メルの距離で一斉にクロスボウを放つと、反転離脱していった。

「敵のバリスタの所在は明らかになった! 射線を避けて再突入せよ!」

シュルツはバリスタの射程外で騎馬を再集結させると、今度は先ほど明らかになった射線を外して、先ほどと同様に一撃離脱戦法を繰り返していった。

そして今度は、バリスタが設置されている位置にアタリをつけ、そこに向けて制圧射撃を放っていった。

「流石は王国最精鋭と名高い王都騎士団第三軍、弓騎兵としての動きも見事だ。

でも……、応射したのは100基前後、やはり敵も昨夜のうちに配置を変えていたか。だけどバリスタは、そうそう使い勝手の良い兵器じゃないのも事実だからね」

そう呟いたアレクシスは、少し離れた北側の高台から王都騎士団第三軍の一撃離脱戦法を見ていた。

そして、新たなる策の実施へと移った。

「すぐに第二弾の合図を気球に乗せダレクさまに! 黄旗と共に上げろ!」

その指示は直ちに実行され、火喰鳥の意匠をした王都騎士団旗の下にはZ旗と、バリスタへの警戒を促す黄色の三角旗をたなびかせた気球が大空に舞った。

最初のZ旗が上がっていたころ、密かに街道を抜けて大きく軍を迂回させて進軍していたダレクは、二か国軍が陣取る戦場とは距離を置いて後方で待機する、ヴィレ国王直属軍の更に北西の位置に出ていた。

「ふん、奴らは慢心も良いところだな。

敵地深く侵入しておきながら、碌な哨戒網さえ敷いていないのか」

「まぁ……、アレクシス殿が付けてくれた先導が良かったのでしょうね。

それに、そもそも我らはこれまで戦場には存在しなかった、敵側には未知の部隊ですし」

このダレクとエロールが交わした言葉は、正解であり正解ではなかった。

ゴルパ将軍たちの部隊は敢えて敵軍を南側に誘い、奇襲が成功すると思わせるため、敢えて哨戒ラインを自陣近くまで引き下げていた。

ただ後方のヴィレ国王が率いる一軍は、そもそも数の有利を信じ後方への警戒がおなざりだった。

「では、事前の懸念もあることだしZ旗も上がった。俺たちは後方に控えた2,000名を並行追撃しつつ、敵の本営に肉薄しようと思うが、どうだ?」

「ダレクさまの仰せの通りに。我らは一度南東に向けて騎馬を走らせ、然る後に左へ反転、斜線陣にて追い立てるとしましょう。これなら敵は北に展開した軍勢に逃げ込むでしょう」

「そうだな、敵を殲滅しないよう手を抜きながら、奴らを削りつつ追い立てろ!」

ダレクの指示により、王都騎士団の第一軍及び第二軍から選抜された部隊は、ダレクの指示に従い動き始めた。

後方に構えた陣地にて戦端が開かれた旨の知らせを受けたヴィレ国王は戸惑っていた。

彼の陣地は前線より数キル後方にあり、戦況の行く末は知りようがない。

ゴルパも敢えて、いちいち戦況を報告する使者を出していないからだ。

だが……、来ないはずの使者は唐突にやって来た。

ヴィレ国王が予想すらしなかった伝言を携えて……。

『我らは敵軍に痛打を与えつつ鋭意後方へと移動するため、陛下も速やかに後退できる準備を整えられたし』

使者の述べる口上を聞き、ヴィレ国王は激怒して怒鳴り散らした。

「痛打を与えておきながら後退だと?奴は一体何を考えておるのだ!

各国での申し合わせは、攻勢に出て前進すること。昨日奴が言っておった言葉の舌の根も乾かぬうちに前言を翻しよって!」

ゴルパの真意が分からず、彼の言葉を伝えた使者に当たり散らした後、ヴィレ国王は後退の真意を糺すだけでなく、彼の解任命令を携えた詰問の使者を直ちに走らせた。

そのすぐ後のこと……

側近の一人が慌てて陣幕に転がり込んで来た。

「てっ、敵が現れました!」

「なっ、なんだと……、狼狽えるでないわっ、どこの前線に現れたというのだ?」

一瞬驚いたのち、ヴィレ国王は威厳を取り繕うように答えた。

王自身も念のため北東から北西、彼から見て前線の方角には物見を放ち、念のため敵の襲撃を警戒していたが、そこからはこれまで何の報告も無かった。

「我らの後方に、です! ここも既に前線ですぞっ! 急ぎ迎撃の御下知をっ」

「なぁぁっ!」

使者の言葉にヴィレ国王は、自ら慌てて陣幕を飛び出して後方を見ると、敵の大軍が突如として南西から現れ、まるで翼を広げるかのように南東に騎馬を展開させながら、大きな斜線陣を敷いて自軍との距離を詰めつつあった。

「こっこっ、後退っ! て、敵を突破して余と馬車を守りつつ安全な後方に後退せよ!」

ヴィレ国王は慌てて命令を発したが、驚愕のあまり命令は不完全であり徹底を欠いた。

兵たちを取り囲んでいたのは自軍の五倍もの一万騎。

仮に広く包囲陣を敷いた敵の陣列を突破できても、数に勝る騎兵に追撃されれば歩兵は全滅する。

国王に付き従っていた2,000名のうち、1,500名がその歩兵だった。

彼らの多くは、目の前の騎兵と対峙したとき『安全な後方』となる、友軍の陣地へと駆け出した。

「ど、どちらに行くのだっ! 敵の包囲網は薄く、容易く突破できるではないかっ!

余を守り敵陣を突破すると言っておるのだっ! 敵前逃亡する者は死罪ぞっ!」

この国王の言葉が皮肉なことにダメ押しとなった。

今、前線で戦う友軍を見捨てて『敵前逃亡』をしようとしているのは、外ならぬ国王自身なのだから……。

この言葉を受け、踵を返して友軍の陣取る『安全な後方』へと逃げ散る者がさらに増えた。

「許さんっ! 許さんぞ! 余の命に従わぬ恥知らずの卑怯者共めっ、余を蔑ろにするゴルパと共に、国に戻り次第断罪してやる!」

ヴィレ国王は、憤怒に満ちた目で彼らを一瞥すると、当面の危機を回避するためダレクの敷いた包囲陣を突破すべく突撃を開始した。

付き従った兵は……、この時既に500名にも満たなかったが……。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は1/21『秘策への誘導』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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