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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 423

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ヴィレ国王に付き従った500名の兵たちは、ダレク率いる王都騎士団の包囲網を死に物狂いで食い破った。

正確には……、ダレクの方が辛辣で敢えて無理に立ちはだかり余計な犠牲を出すより、包囲網の一部を開き逃げる敵の背を討つことを選んだだけなのだが……

「エロール! 指揮下の1,000騎を率い友軍を見捨てて逃げ出した卑怯者を討て! あの中には思わぬ獲物がいるかもしれんからな」

「承知っ!」

ダレクの命を受けたエロールは逃亡を図るヴィレ国王一隊を猛追した。

この期に及んで友軍を見捨てて逃げ出す様に嫌悪感を抱いたのか、彼の追撃は容赦なかった。

逃亡者たちは倍する騎兵に対し、占領地で奪った財貨を満載した鈍重な馬車を伴っており、足取りも遅く背後から次々と討たれていった。

戦いの趨勢はもはや明らかだったが、絶対の忠誠を誓っているのか律儀に主君を守ろうと必死の抗戦を試みる兵もいたため、エロールも手を緩めることができなかった。

そして……。

律義者たちは全て討たれ、その他の者たちは主君を見捨てて逃げ散っていった。

「誰か? 誰かっ、余を……、余を助けよっ」

最後は財貨を満載した馬車さえ捨て、単騎で逃亡を図ったヴィレ国王も包囲されて進退窮まった。

か弱く周囲にそう言葉を漏らしたのち、彼は追いすがる敵兵から突き出された剣に取り囲まれ、乗馬から引きずり降ろされた。

「それなりのお立場の方とお見受けしますが、戦場の習い故失礼いたします。

この者を縛に掛けよ!」

「無礼なっ! 国王たる余に雑兵如きが縄目に掛けるだと? 礼を失しているとは考えんのか!」

エロールの放った言葉を聞き、ヴィレ国王は激高した。

だがエロールは、彼を冷たく一瞥しただけだった。

「今なお戦場で戦う兵たちを見捨て、逃亡を図った方の誇り……、ですか?

本来は捕縛が優先ですが、縄目を受けず王族の誇りを全するため、この場で自害を望まれるとあれば話は別です。私の短剣をお貸ししますが?」

「なっ、何故余が自害せねばならんっ!」

「如何に一国の王であろうとも、他国を侵し多くの民を損なった責は重うございますぞ。

後日、然るべき刑に処せられることになりましょうが、お見苦しい振る舞いは却って王者の威厳を損なうばかりです」

「刑に処すだと? 余は一国の王たる至尊の身である! 其方らは王侯に対する礼儀も知らんのかっ!」

「魔境公国ではかつて、帝国の第一皇子殿下が虜囚として過ごされた場所もございます。

それと同等に扱われることこそ、最大限の礼遇と思われますが如何に!」

「だが余は現に今、王であるっ! 如何に帝国の皇位継承候補といえど、皇位にない者と同等のはずがなかろう!」

『この男は何も分かっていない……』

そんな思いのエロールは、これ以上無意味で不愉快な問答をするつもりはなかった。

憎悪を込めた目で彼を睨みつけると、彼に言葉を返すこともなく部下に告げた。

「200名ほどここに残す。縛に繋いだまま護送し、略奪品を積んだ馬車の輸送もお願いしたい。

残りは急ぎ取って返し、忙しいダレクさまに合流する」

そう言って振り返ることなく騎馬に跨り、戦場へと戻っていった。

後方で何かを叫ぶ男が漏らす、雑音には一切耳を傾けることなく……。

一方ダレクは逃げ惑う兵たちを巧みに誘導しつつ、敵陣の方角へと追い立てていった。

敢えて追撃の手を緩め、敵兵を殲滅しないよう注意を払いながら。

片やゴルパ将軍は、約1キルほど先から必死に自陣へと向かって走る将兵たちを見て、大きなため息を吐くしかなかった。

「やれやれ、あの様子だと陛下の軍は四散してしまったか……。

無理にでも此方にお連れすべきじゃったかの……」

だがそれは、あり得ない仮定だと重々分かっていた。

ヴィレ国王が危険な最前線に出ることはないし、万が一にも彼が此処に来ていれば、ゴルパ自身が指揮権を奪われるか、少なくとも色々と制約を課されていただろう。

そうなればリュート王国軍と一体となった防衛戦は不可能となり、第一王子は自らの背中を預けてくれることもなくなる。

結局のところ主君との決別が、ゴルパの目的である『一人でも多くの兵たちを生きて故国に帰すこと』への必須要件だったのだから。

「閣下……、南に向いた500基のバリスタは、当初の作戦に従い迎撃の準備ができております」

副官の一人が、覚悟を決め青ざめた表情で告げてきていた。

敵の平行追撃を躱すには、味方ごと掃射するしかない。そう彼の眼は訴えかけていた。

ゴルパの作戦に従い、初期配備として彼らの陣地の北側と東西には、それぞれ100基ずつバリスタを配備していたが、残る1,000基は全て南側に集中して配備していた。

その南側でも、半数の射線を南に向け、何故か半数は味方のひしめく北に向けて設置されていた。

「ふむ……、そうじゃな。ちょっと面倒なことじゃが、南向きに配置した500基のうち、大至急400基の射角を最大仰角に変更し、長距離照準に変更してくれるかの?」

「ですが最大仰角では……」

「有効射程外では大した被害は与えられまい。じゃが……、後続を封じる脅しにはなろう。

前面には予定通り長槍部隊を連ねておくがよい。

第一に、最大射程で牽制射撃を行い、発射後は直ちに射角をを元通りに修正し次弾装填を急がせよ。

第二に、突撃してくる敵騎兵は前面に展開した長槍部隊で受け止めて時間を稼げ。

第三に、味方が逃げ込んだあとはまず有効射程内の100基で対応、追って他の400基も整うじゃろう」

「はっ! 直ちに」

駆け出した伝令の背を見つめながら、傍らの副官はゴルパに話し掛けた。

ゴルパの指示に少し安心した様子と、不安を隠せないままの複雑な表情で……。

「あのうち何割がこちらに辿り着けるでしょうか。それにこの策で奴らが引きますかな?」

「分からんが……、やってみる価値はあるじゃろうて。我らのバリスタは精度でも帝国の模倣品を遥かに凌ぐ。事前の準備もあることじゃし、威力はなくとも数の恐怖は与えられるだろうからな」

彼らの前面、バリスタが標的としている大地には、射程距離が分かるように馬防柵に偽装した逆茂木が何段かに分けて設置されていた。

それ故に迫りくる敵兵に対しても、正確な位置を把握した上で掃射が可能であり、味方への誤射なく追撃してくる敵軍に痛撃を与えることもできる。

「では、400基は最大射程に侵入した時を見計らって攻撃を開始します。100基はこれまでと同様、有効射程内に入るまで待機命令を」

副官の復唱にゴルパは、ただ黙って頷いてみせた。

一方その時ダレクは、攻撃を手加減しつつも敵陣へと逃げ込もうとする兵たちを追っていた。

並行追撃を維持するだけでなく、ある疑念が彼の脳裏にあったため、陣形は大きく広がり厚みを欠いていた。

そして……、正確に追撃を行う彼らに向かい、敵の陣地からは数百本のバリスタの矢が飛来した。

「ちっ! 各騎で回避に努めろっ!」

ダレクの言葉に従い、各騎は散会しつつ回避に努めた。

もともと王都騎士団は重装騎兵の集団であり、矢も予想外の射程距離を最大射程で飛来してきたためか貫通力は低く、大きな被害は受けなかったものの、陣列は大きく乱れた。

「やはり相手にも真っ当な指揮官がいるようだな。奴らは南側に攻撃できるよう配置を変えていやがる。

だが俺が……、そんな手に乗るかよ」

そう言い放つと馬上で剣を高く掲げ、不敵に笑った。

「これより予定通り右手から敵陣を大きく迂回して王都騎士団第三軍と合流、奴らを北側から押し上げる! 全騎、遅れるなよ!」

その指示と共に、ダレク自身も九千騎を率いて馬首を巡らせると方向を転じ、これ以上無謀な突進を行うことはなかった。

ダレクは前日行われた軍議でも、アレクシスやシュルツ軍団長とこの懸念を協議しており、今受けた敵の攻撃すら、予想されていたもののひとつにしか過ぎなかった。

そして、敵の配備しているバリスタが千基程度であることも、前日の攻撃で理解していた。

そのため今行われている斉射はあくまでも囮であり、再装填の隙を狙って突進すれば、残ったバリスタが有効射程内で牙を剥いてくると考えていた。

この点について、ゴルパ将軍とダレクの双方に、戦術の読みと推移には微妙な差異があったのだが、今は双方とも大きな問題と思っていなかった。

結果として戦場の様相はゴルパの目論見通り動く形になっていたが、このことをダレク自身はまだ知らない。

そして激戦の場は、両陣営の想定通り二か国軍が陣を敷いた南側へと場所を移し、双方が全力でぶつかりあう総力戦へと移行していく。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は1/25『轟雷と業火』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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