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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 425

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大きな脅威であったヴィレ王国軍とリュート王国軍の連合軍は、戦場にて慌ただしく武装解除されていたが、現場ではそれなりに大きく混乱していた。

それもそのはず、降伏した側の兵数があまりにも多く、受け入れた側である王都騎士団と帝国軍の合計とさほど変わらなかったのだから……。

「エロール、取り急ぎ負傷者の搬送と重傷者の救護を頼む。

シュルツ軍団長は帝国軍と協力して武装解除を!

ここは魔境公国の戦場だ。公国の流儀を違えるんじゃないぞ。兵たちにもそう徹底させてくれ。

俺は五千騎を率い、念のため敵襲に備えて東側に兵を配置して来る」

ダレクはそう指示を出して駆け出すと、先ずは窮地を救ってくれた援軍に挨拶すべく合流した。

この時点になってダレクは、シュルツ軍団長より援軍がフェアラート公国軍の魔法兵団らしきことを知らされていた。

であればそれは、クリューゲル国王自ら率いて参戦している可能性もある。

いや、あの王ならやりかねない。

そうなると、この戦場では最も高位者である自身が出向き、礼を述べるとともに挨拶する必要があると感じていたからだ。

ダレクはフェアラート公国軍の近くまで移動すると進軍を止め、一騎だけで相手の陣へと近づいた。

「おおっ、それに見えるはダレク殿か?」

相手側からも同様に、全身を黒色の鎧に身を包んだ偉丈夫が駆け寄って来た。

『いや……、まさかとは思っていたけど、やっぱりか……』

予想していたこととはいえ、ダレクは絶句するしかなかった。

『一国の王たる立場、弟もそうだがクリューゲル陛下もちょっと気軽過ぎるんだよな。

ホント……、調子狂うよ』

まさかそんな愚痴を言葉にできないため、ダレクは大きな息を吐いて馬上で深く頭を下げた。

「陛下、戦場故に馬上からのご挨拶で失礼いたします。

今回は魔境公国への援軍、公王タクヒール陛下になり代わり心より御礼申し上げます」

「いや、なぁに……、我が友は以前、長駆して我が国まで軍を率いて窮地を救ってくれた恩人だ。

今回は友のため、少しばかり手伝ったに過ぎんよ。

それにここに居るのは、陛下なんてたいした代物ではなく、遠征に随行した近衛兵団のひとり、言ってみれば酔狂な軍規破りの常習犯に過ぎんからな。

面倒な作法など無用だ」

「……、ですが兵たちの前でもありますし、せめてこの場では……」

(ってか俺は、どうやって接すれば良いんだよ。こんな時にタクヒールの奴はいないし……)

「ところで我が友は今いずこに? 久々に戦場で轡を並べて戦えると楽しみにしていたのだが?」

「その件は後程……、無礼な言いようですが我が弟は、不在の時に敵軍を呼び込むという悪い癖があるようでして。それにしても戦場の機を見たご加勢、感服いたしました」

タクヒールの不在は最高機密でもあり、ダレクは敢えて言葉を濁した説明に止め、この場で具体的な話をされないよう敢えて話題を変えた。

「そうか……、了解した。

我々は小勢であり戦局に寄与するには様子を伺う必要があると思ってな。其方らに敵軍と誤解されてもまずいと思い、戦場が見渡せる丘の上にて待機していたまでのこと。

だがしかし、千基近い敵軍のバリスタ全てが、北から突入する其方らに照準を合わせ攻撃態勢にあったのでつい……、な」

「なんとっ!」

ここでダレクは敵軍の恐ろしさを再認識させられた。

あのまま突入に成功し後退する敵軍に追いすがっていれば、自身がバリスタに反撃されて蹂躙されていたであろう未来を思い浮かべて……

『俺も用兵功者と言われ、驕っていたということか……、優秀な敵手というのはどこにでも居るものだな……』

思わずダレクはそう呟かずにはいられなかった。

たまたま戦いには勝利したが、実はそれが援軍によって救われたことと、紙一重のタイミングでもたらされたものであり、ひとつ間違えばバリスタの猛攻を受け戦場に斃れていたのは自身であったことを思い知らされた。

「相手の不意をつけたからこそ、魔法攻撃が功を奏しただけに過ぎんよ。奴らは奴らで、かなり巧妙に立ち回っていたようだしな」

そんなダレクの気持ちを悟ったのか、そう言ってフェアラート国王は神妙な顔でフォローしていた。

「陛下には重ねて御礼申し上げます。魔境公国だけでなく私の命、そして王都騎士団を救っていただいたことに対して」

「感謝は不要だ。かつては俺も卿らに救われた。国王となる前、そしてなった後にもな」

「ありがとうございます。私は一度もうひとつの敵に備え軍を配置したのち本営に戻りますが、陛下と魔法兵団の皆様は案内を付けますので本営にてご休息ください。フェアリーからは相当の長旅だったことでしょうし、軍を率いて辺境を移動されるのはさぞご苦労されたことでしょう」

「ははは、我らも一度は商隊を率い通ったことのある道だ。それに、帝国領に入ってからの間道は以前に比べてかなり整備されており、至る所で物資の補給もできたからな。

本来ならもう少し時間も掛かるはずだったが……、実のところさほど苦労はしておらんよ」

彼らもまた、タクヒールが南へと抜けるため走破した間道を辿り、逆進して来たからであった。

そうは言ってもダレク自身も勝手分からぬ援軍の立場にあり、対応はアレクシスに一任するよう使者を走らせ、案内を付けてフェアラート国王を本営へと誘った。

一方、武装解除された二つの軍を率いていた将たちもまた、丁重に扱われて本営へと連れられていた。

彼らはアレクシスの約束通り、名誉を尊重した形で武器こそ没収されていたが、縄すら掛けられない状態であった。

「今回はお二方に御礼申し上げます。

勇気あるご英断をいただいたお陰で、お互いに多くの命が救われました。お約束通り行動の自由は制限させていただきますが、辱めを与えるつもりはございません」

まずはそう言って礼を述べると、アレクシスは丁重に頭を下げた。

その様子を見て、二人は大きく驚いた様子だった。

「意外……、でしたか?」

そう言ってアレクシスはにこやかに微笑みかけた。

「そうですな……、私はここに呼ばれた際、ある程度覚悟して参りました。そのため自身の命と引き換えに兵たちの助命を願うつもりでした」

そう、アレクシスは兵たちの命と名誉を保証していたが、将については言及していなかった。

まして、降伏させた後になって、態度を変えられることもある。

「此度の兵たちへの温情溢れる処遇に対し、先ずは御礼申し上げます。

また後日に戦の責任を問われる際は、この老体の首を喜んで差し出させていただきますのでご存分に」

ゴルパが機制を先じてそう言ったのは、武装解除と同時にヴィレ・リュート両軍の負傷兵たちに対し、すぐさま救護活動が行われたこと、自身らは無様な命乞いをしないゆえ、兵たちには先の話を履行してほしいと願うためだった。

その言葉を受け、隣にいたリュート王国の第一王子も続いて頭を下げた。

「我らの兵たちを救っていただいたこと、改めて感謝申し上げると共に、我が身の処遇は貴国にお任せ致す。もっとも……、私も故国では不要とされている身、どれほどお役に立てるかは疑問だが。

私のことはさておき、兵たちのことはどうか寛大な処置をお願いしたい」

王族、しかも第一王子に地位にありながら尊大ぶることもなく、逆に卑屈になることもなく堂々とした振舞いには、アレクシスも驚かされた。

以前に虜囚となった帝国の第一皇子とは全く異なり、その潔い姿には好感すら感じるほどだった。

『どんなに立派な人物でも、ひとたび敵として対峙すれば殺し合わなければならない。これはやるせない話だよな』

そう思ったが無原則に彼を認める訳にもいかない。

小さなため息を吐くと、アレクシスは彼らに確認しなければならない事について、話し始めた。

「リュート王国のクラージユ殿下、ヴィレ王国のゴルパ閣下、改めて申し上げますが捕虜の処遇については魔境公国の流儀で対応させていただきます。

まずはその点ご安心ください。

なおクラージユ殿下には別途お伺いしたきことがございます」

「なんなりとお聞きいただきたい」

その言葉を受けてアレクシスの顔からは笑みが消え、表情を消した顔で第一王子に向き直った。

「ではお言葉に甘え伺います。今回の戦いが始まる前に領民たちを縛に繋ぎ盾とされた件、これは殿下のご命令ですか?」

「いかにも、その責は私が負うべきものだ」

「お待ちくだされ! それについて殿下は……」

何ら言い訳することなく、ただ事実を認める第一皇子に対して、ゴルパは庇おうと慌てて言葉を挟んだ。

だがアレクシスは、静かに手を前に差し出すとゴルパの言葉を制し、彼は盟友の名誉を回復することが叶わなかった。

「我々にも帝国内の至る所に目と耳はございます。その辺りの事情は十分に承知しているつもりです。

ただ理由はどうあれ、兵でない者を盾とされた事実は変りません。その件については殿下に責任の所在を問うことになると思いますが、今はお覚悟を確認したまでです」

「それには私も異存はない。なんなりと裁定されるがよかろう」

第一王子の迷いのない返事に、アレクシスが頷いた時だった。

陣幕の外から喧騒が漏れ聞こえてきていた。

「はっ、放せ! 貴様らは王侯に対する礼儀も知らんのかっ!」

大きな声を放ち、ヴィレ国王は縛に繋がれたまま抵抗して身をよじりながら陣幕の中に引き立てられてきた。

「きっ、貴様ら! どういうことだっ!」

中に引き立てられたヴィレ国王は、非常に驚いた様子でそこに居るはずのない二人の人物に叫んだ。

その目は最初の驚愕から怒りに満ちたものに変わり、二人を睨み付けていた。

「申し訳ありませぬ。我らも不甲斐なく戦いに敗れ、陛下と等しく虜囚の身となり申した。

真に残念なことでもありますが、兵たちの命には代えられませんからな」

「丁度よいところであるわ。我らは自身の首を差し出し、少しでも多くの兵の命を救っていただけるよう嘆願しておったところ。これにヴィレ国王の首が加われば万全と言うものよ」

「なっ……、予の首だとっ!」

跪いたゴルパに続き、リュート王国の第一王子が笑いながら言い放った言葉に、ヴィレ国王は青ざめて震えだした。

「兵のために何故予が首を差し出さねばならん! 余は国王であるぞ!

そしてお主らは何故、縄目を受けておらんのだ! 直ちに無礼な振る舞いを止めさせよ!」

その様子を見てアレクシスは苦笑するしかなかった。

第一王子が敢えてそう言った意味を理解していたからだ。この王の下で、ゴルパは相当苦労しただろうと思いつつ……。

「それは私からご説明させていただきましょう。

お二方は戦場で最後まで勇戦され、私の降伏勧告を受諾されて抗戦を停止された降将のお立場です。

翻って陛下は、戦場で戦う味方を見捨てて逃亡する過程で捕縛されたのです。

栄誉ある虜囚とはなり得ませんこと、ご理解いただければ幸いです」

「ぐっ……」

淡々と述べるアレクシスの言葉に、ヴィレ国王は絶句するしかなかった。

勧告に従い自らの意思で抵抗を止めた者と、逃亡の過程で捕らわれた者の違いは明らかだからだ。

「ましてお二方の立場は、それぞれ王命に従い前線で指揮に当たられていたに過ぎません。

ですが陛下は、今回の侵攻を決定した当事者であり、戦争責任を問われるお立場です。

一国の王として、結果に責任を負うことが求められます」

「だが余は……」

「私は前線指揮を任された、いち司令官に過ぎぬ身です。

裁決は我が主君と帝国の次期皇帝陛下が下されることでしょう。それまでは戦場での習いに従い、聊かご不自由お掛けしますがご容赦ください」

「では公王を呼んで参れ! 余が直接交渉する。それにハーリー公爵にも使者を!」

「我らはまだ戦いの最中、それには少々時間が掛かりますゆえ暫くお待ちくださいませ。

話は済んだ、ヴィレ国王陛下をお連れしろ。このままで構わないが丁重にな」

そう言うとアレクシスはうんざりした表情で兵を促した。

彼もまた、これ以上不毛なやりとりをする気はさらさらなく、当面の課題に対処する必要があったからだ。

何かを喚きながら引きずり出されるヴィレ国王の様子を見据えると、大きなため息を吐いてその場に残った二人に向き直った。

「クラージユ殿下、ゴルパ閣下、改めてお二人にお願いします。

我々はリュート王国及びヴィレ王国の兵士たちの生命と名誉を保証いたします。終戦後は捕虜返還交渉も行う用意があります。ただ当面の間は……」

「戦が終結するにはまだ時を要するため、その間は我らは兵たちを鎮めればよろしいのですな?」

「はい殿下、帝国は今なお南で交戦中です。

事態が落ち着くまでには暫く時間は掛かることでしょう。それまで投降した兵たちには、帝国北部一帯の戦後復興に協力していただくことになります。

当面の間、兵たちが短慮に走らぬよう監視と説得をお願いしたく……」

「承知した。兵たちの命が助かるのであれば私には何も異存はない」

「醜態をお見せして大変失礼いたしました。本来なら越権行為ではありますが、私の首にかけて兵たちを宥めさせていただきましょう」

二人の回答を得てアレクシスは安堵した。

この二人がしっかり手綱を握っていれば、兵たちは暴発することもないだろう。

そして第三皇子委任統治領は、今回の侵攻で大きく荒れ果ててしまった。復興の人出を確保できたことで、やっと未来を見据えることができる。

「ありがとうございます。ではお二方については、監視付ではありますがある程度の行動の自由をお約束します。それで兵たちも安心することでしょう」

ここに至りやっと、アレクシスたちは戦いのキャスティングボードを握ることができるようになった。

残された課題は約18,000名ものイストリア正統教国軍への対処のみ。

ついに彼らは、圧倒的に優位な数で侵攻軍と対峙できるようになっていた。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は2/6『真の目的とは』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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