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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 426

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隣接する戦場で行われた戦いの結果、ヴィレ王国軍及びリュート王国軍が敗退したとの知らせを受けたリュグナーとアゼルが大いに驚き困惑していた。

「アゼル、本当なのか! カイン王国軍に引き続き奴らまでもが……」

「ああ、物見に出していた者から報告があった。奴らは雷魔法と火魔法の一斉攻撃を受け多大な損害を出して全滅したようだ」

「魔法による一斉攻撃だと? 小僧はそんな奥の手をまだ隠していたのかっ!」

「それだけではない、新たに王国から一万近い援軍が到着したようだ。これは捨て置けんぞ。

今度は俺たちが逆に倍する敵軍で包囲されかねん。リュグナーよ、どうするのだ?」

『どうするもこうするもないわっ!』

僚友に対し思わずそう吐き出しそうになったのを、リュグナーはなんとか堪えた。

だがアゼルは務めて平静な様子が見てとれた。

「基本的に戦略面は其方が主導しておったが、敢えて言わせてもらえば、今の事態も当初の想定通りと考えて良いのではないか?」

『このどこが想定通りなのだ』

そう思ってリュグナーはアゼルを睨みつけた。

「そう熱くなるな。ここまで我らの目論見通りに進み過ぎて、お前は当初の目的を忘れているのではないか? まぁ全てが目論見通りだったと言う訳でもないがな」

「……」

「我らは当初より使い捨てにする予定であった流民どもを失ったが、本隊はほぼ健在だ。

そして国境よりこちら側の帝国領を荒らし、復興には相当な時間と手が掛かることになるだろう。

そして少なからずも小僧の軍を減らすことに成功している」

「それを以て戦果を誇れと言うのか?あの傀儡に笑われるだけではないかっ」

「ああ、大きな戦果だ。これから先、更に大きな果実を得るための前提として、十分過ぎる戦果だ。

我らと国境を接する小国はみな、投入した戦力の全てを失った。お前でもこの意味は分かるであろう」

元々イストリア皇王国と国境を接していたリュート王国、その先のヴィレ王国やカイン王国も基本的に祖国防衛に徹した国で兵力は少ない。

その主力と防衛の貴重な戦力であったバリスタを全て失い、いまや国防すらままならない状態となっていることだろう。

「そうだったな……、我らはあの三国をすり潰し、我らの贄とすることが一番の目的であったわ」

「此度の出征に際し、四か国は同盟を結んだ。だが、リュートとヴィレは盟約に背きまだ戦える戦力がありながら敵国に下った。『頼むべき盟友に非ず』と、その非を国に残った者共に問えばよかろう。

奴らは我らに良い口実を与えてくれたものよ」

「だが国境まで引くのも容易なことではないぞ?」

「ははは、我らの行う戦の真価は守りにこそある。鉄壁の防衛陣を展開して守りつつ引けばよかろう。

何のために我らは、最も恵み(略奪する村や町)の少ない東辺境を進路に選んだのだ?

一方を峻険な大山脈で守られ、後退する途上には奴らがわざわざ防衛のため構築した陣地が点在しているではないか」

リュグナーと異なり、長くイストリア皇王国に潜入していたアゼルは、皇王国の得意とする用兵にも通じていた。

そして彼らの後背には、ゲイルが一番最初に築いた防衛陣地を始め幾つかの防塞もある。

「で……、いつ引くのだ?」

「今夜からだ。予め立てた計画通り退路は確保しており、夜間に行軍するための篝火も準備してある。

そして売り物として使えなくなるが、奴らを足止めするため人の盾も用意させよう」

「手回しがいいな」

「備えは何重にも周到に……、俺は御前から常にそう教わっていたからな」

「ちっ……、では後退の指揮はお前に委ねる。それで良いのだな?」

「ああ、そのためにはお前に預けられた将軍と兵も借りるぞ。此方はロングボウ兵以外は、ど素人が多いからな」

その言葉にリュグナーが不承不承頷くと、アゼルは早速行動を開始した。

イストリア正統教国軍は、数を減らしたとは言え未だ18,000名程度の兵力が健在であり、ロングボウ兵という飛び道具まで抱えている。

前線に展開していた兵たちには臨戦体制をとらせつつ、防衛を担う主将たちは夜になって本営に集い、明日以降に行われる包囲殲滅戦に向けた議論を行なっていた。

「それにしても……、奴らを殲滅するため兵を動かすにしても、我らの急所は降兵の数デアルな」

「確かにな、ゴーマン卿の言う通り、15,000名近い捕虜を抱え、ましてここは戦地だ。

収容施設がない分、それだけ人員を割かねばなるまい」

「ゴーマン侯爵、ソリス侯爵の仰る通りです。会って話したところ、第一王子クラージユ殿下、ゴルパ将軍の人柄は信用できるでしょう。兵たちにも人望があります。ですが……」

「その降兵のなかに闇の使徒が紛れ込んでいる可能性は拭えないか……、先のクサナギでの例もあるしな」

「ファルムス伯爵の仰る通りです。不穏分子が闇魔法を行使して扇動すれば、何が起こるか予想できません。少なくとも彼らの人数に対し半数は、警備を兼ねて残しておく必要があるでしょうね」

アレクシスがそう答えた時だった。

陣幕の外から急報を告げる声が夜の闇に響き渡った。

「お話中失礼いたしますっ! 敵軍に動きがありますっ!」

「動きとは、どういうことデアルか!」

「はっ、どうやら日没以降、暗闇に紛れ密かに移動を開始したようです。敵陣はもぬけの殻です」

「それで、奴らはどこに行った! この期に及んで逃亡でもしたというのか?」

「どうやら国境に向けて移動しているらしく、前線に配置した部隊が追撃に出ておりますが、夜間のためはっきりとした進路は分からないと……」

ゴーマン侯爵とソリス侯爵がそれぞれ使者に質問を浴びせるなか、アレクシスはただ思案を巡らせ黙ってそれを聞いていた。

「どうだ総司令官、後から来た俺が言うのもなんだが、このまま奴らに勝ち逃げを許すのは癪に障ると思うが……。闇の処遇もあるしな。俺の騎馬隊なら今からでも追いつけると思うが?」

「ハストブルグ辺境公のお話、ありがたく思います。

ですが見通しの効かない夜間に慣れぬ道を騎馬での追撃は危険すぎます。仮に待ち伏せでもされると損害が馬鹿になりません。日が上れば辺境公の御出馬を願うとして、今は少数の物見を各所に派遣した上で明日からの追撃に備えましょう」

「確かに……、な。帝国領は俺たちにとって勝手が分からん場所でもあるしな。

まして重装備の王都騎士団にとって暗闇で騎馬は危険か……」

そう言ってダレクも同意し、諸将からも反論がない様子を確認すると意を決した。

「皆様はこれより騎兵を中心に軍を選抜いただき、我らの第三軍が配置に就いている最前線に移動ください。明朝よりの追撃戦を開始します。歩兵部隊は本営に残留し捕虜の対応をお願いします。マルス殿は第三軍に指示し、追撃軍が今晩前線で宿営できる準備をお願いします」

ここまで言うとアレクシスはカーミーン子爵とドレメンツ司令官代理に向き直った。

「帝国軍の皆様には念のため今日戦いが行われた前線を押し上げ、委任統治領外縁まで安全を確保してください。追撃は我らにお任せください」

「「承知しました」」

その言葉を受け、アレクシスは壇上に設けられた席に座っている偉丈夫に一礼した。

彼はここまで黙って、いや興味深そうにタクヒールらの幕僚のやり取りを見ていた。

「クリューゲル陛下、恐れながら殿下の率いられた軍にもご助勢を仰いでよろしいでしょうか?」

「無論だ、むしろその為に俺はここまで来たのだからな」

「お言葉ありがとうございます。

それではハストブルグ辺境公の軍勢とともに、陛下は追撃軍に加わっていただけますでしょうか?

ただ……、敵のロングボウ兵も侮れません。彼らが陣を構えている場合や、伏兵による遠距離射撃にはくれぐれもご注意ください」

「そうだな……、俺も友の話してくれたダブリン戦術というものに聊か興味がある。

この目で見ることができれば幸いなのだがな」

「……」

この返答にアレクシスは閉口するしかなかった。

そしてかつて、タクヒールが言っていた言葉を思い出した。

『フェアラート国王は無類の戦術好きなんだ。一度興味を持ったら危険をものともしないし、議論では朝まで喰らい付いてくるからね……』

彼は危険を伝え注意を促したつもりだったが、逆に王の興味を引かせてしまったことに頭を抱えるしかなかった。

「ダレクさま……、どうか陛下をよろしくお願いします」

隣にいた義兄に、小さな声で頼むしかなかった。

「もちろんだとも! 俺も前回の四か国包囲戦では一方的に勝利した結果、あの戦術をこの目で見ることができなかったからな。俺も実は楽しみにしているんだ」

「……」

アレクシスはもう言葉すら出なかった。

用兵には類稀な才を見せ、戦術には並々ならぬ関心を持つ男が、もう一人ここに居たことを思い知らされたからだ。

「ははは、やはり卿とは剣技だけでなく色々と気が合いそうだな」

「陛下の仰る通りです。私も常々、秘密主義の弟には些か手を焼いていまして。

この際は自身の目でしかと見分し、用兵に取り入れることができれば……、そう思っております」

二人が大きな声で笑ったなか、アレクシスはひとり青い顔をしていたという。

そして……、夜は開ける。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は2/6『後味の悪い勝利』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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