Switch Mode
Now you can use the translation tool for free for the first 200 chapters of each novel.

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 445

Please login or register to translate this post.

第一皇子の軍が潰走を始め、騎馬隊が追撃を始めたのを確認した俺は、次の動きに出ていた。

北防壁の救護とその後の警戒をウォルスに一任し、直属の部隊と北壁の西側に展開していた特火兵団を引き連れ、砦内を抜けて南側の城壁へと移動していた。

そして南側の城壁は……、今まさに激戦のさなかであった。

「いいかっ、今は取りついた敵軍を撃退することだけに専念しろ!

バリスタやカタパルトは現状維持のまま待機! できる限り多くを引き付けろっ!」

「押し返せっ! 奴らを上に登らせるなっ! 矢が足らんっ! 補給を急げっ」

「あの破城槌を何とかしろっ! 堅牢な城門といえどこのままでは持たんぞ!」

ジークハルトが陣取る本営では各指揮官からの命令が飛び交い、指示を受けた伝令が次々と駆け出しており、騒然としていた。

ってか……、結構苦戦しているのか?

どういうことだ?

俺は指揮所の奥で黙って座っているジークハルトを見ると、彼はまるで今の戦況が他人事のように落ち着き、俺に微笑み掛けてきた。

「お待ちしておりました。

公王陛下がこちらにお越しになったということは……、北は片付きましたか?」

「ああ、第一皇子の軍は半数以上を失って潰走を始めたよ。

ってかさ、こちら側ではらしくない展開になっているように見えるが……」

そう言うとジークハルトは舌を出して笑った。

やっぱり何かを企んでいるということか?

「やっぱりタクヒール殿にはバレちゃいましたか。敵軍の注意が北側にいかないよう、敢えて引き付けていましたので……」

やっぱりそうか!

ってか、何のためにそれを?

「先ずは状況を教えてもらえるかな?」

「はい、北側の城壁が炎上しているのを見て彼らは大いに焦ったのでしょう。慌てて南側を本気で攻めて来ました。

500メルの位置で待機していた敵軍は、先ずは南側の隠し通路上に盾を掲げた兵を並べ、その下で一気に二万名が土嚢を抱えて通路を拡張しました」

そうか……、王道の力押しだな。

それだけ今回は本気で攻めているということか。

「通路が拡張された今、二万以上の兵が南側の城壁に取り付いております。

一万前後の敵兵は未だに城壁付近の足場を拡張していますが、こちらの矢も楯で防がれてしまい、思ったよりも効果がなくて……。騎兵を中心とした約五千は500メルの地点で待機しています」

なるほど……、南の城壁に三万以上の兵を集中させて攻め掛かっているのか。

一か所にその数の攻撃を受ければ、負担も大きいな。

この砦の強みである周囲の水田が、逆に東西から攻め寄ようにも彼らの防壁となる訳か……。

「それで……、この先の予定は? いつ本格的な反撃に?」

「あとは殿下次第かなと……、ヴァイス将軍はどうされていますか?」

「何処ぞの誰かから『御守り』を頼まれたからね。殿下に付いて動いているよ」

「あ、なら大丈夫かな?」

ん? 何が大丈夫なんだ。ジークハルトは何を思い描いているんだ?

俺にはまだ何も理解できていなかった。

「各カタパルト、バリスタに下命せよ! 合図があり次第一斉に反撃に転ずる。

一斉射後は敵軍の退路に狙点を固定し対処せよ。これで決着を付けるぞ!」

ジークハルトは勢いよく立ち上がって、これまでの緩い感じとは全く違った口調で命を下した。

そしてまた、仰々しく俺の前で跪いた。

「重ね重ね恐縮ですが、再び公王陛下のお力に縋りたく思います。

作戦『地獄の門』『茨の鞭』『阿鼻叫喚』の発動をお願いしたく思います」

いや……、なんだそのネーミングは。

作戦会議で冗談交じりに言われたが、俺は冗談と思っていたからそんな命名を了承してないぞ。

ほら……、帝国軍の幕僚たちはみな、怯えた顔で俺を見ているし。

「そのネーミングには全く同意しないが、作戦自体は了解した」

そうだよ、そんな名前を付けたら余計に魔王って言われるじゃないか!

敵軍ならまだしも、友軍からも……。

「クリストフ! 長槍による超長距離殲滅攻撃(地獄の門)を指揮してくれ!

特火兵団による長槍で500メル先の敵騎兵部隊の中枢を一気に殲滅させろ!

その他のロングボウ兵は長距離制圧射撃(茨の鞭)を実施! 兵を南壁の左右に展開させ、隠し通路で盾を掲げた敵兵を側面からの攻撃で薙ぎ払え!

リリアとカタリナはそれぞれ左右の特火兵団を支援し、矢の誘導を!」

「「「はっ!(はいっ!)」」」

「マーク! 南側に残った魔導砲に制圧弾を装填し拡散発射(阿鼻叫喚)の準備を! 標的は500メル先に展開する騎兵部隊だが、射程は600メルにセット。向かい風だからカーリーンには精密誘導を頼む!」

「「承知しましたっ」」

「バルト! 本営護衛軍に制圧弾を配布し、一隊ごとに受領したら南側城壁に展開させてくれ。

反撃開始と同時に取り付いた敵軍に叩きつけ、戦闘不能(阿鼻叫喚)にさせてやれ!」

「はっ!」

その様子を見てジークハルトはニヤニヤ笑っていた。

まるで彼らは、この状況を作るために自ら囮となっている気がしたし。

なんか……、全てお膳立てされているようで若干納得いかなかったが、今の状況なら一気に敵軍を殲滅することができる。

ここに至り、ジークハルトにもまだ話していない最後の秘匿兵器は温存できる気がするから、結果オーライで良いかもしれない。

「では僕らも、為すべきことをしよう。北側から北西にかけての狼煙台に部隊を派遣!

作戦開始を告げる狼煙を中継させて!」

ん、何だ? 作戦開始って……、まだ何か企んでいるのか?

一瞬だけ疑問に思ったが、先ずは目先の準備だ。

俺は望楼の上から、配置につく各員の様子と敵軍の動向を眺めていた。

このころヴァイスと第三皇子は、砦の外周を大きく迂回して密かに南東側へと出ようとしていた。

そして転向した一万名の部隊は、周囲に広がる水田の淵を縫いながら南西側へと移動して待機した。

彼らの旗指物は依然として第一皇子軍のものであり、スーラ公国軍からすれば友軍に見える。

これも彼らの策の一環であった。

そしてスーラ公国側では……。

砦から射程外の500メルの距離で、二人の将軍が戦況の成り行きを見守っていた。

「なかなかしぶといな。今一歩のところで中々落ちぬか……」

「北側はどうなっておる? まさか、先を越されたのではないだろうな?」

「此方からは炎や煙しか見えんのがもどかしいな。ただ先ほどそちらには物見を出した。いずれ戦況は判明するだろう。だが……、どうも南側の防御も浮ついているように見えんか?」

「確かにな……、不意を突いたお陰かバリスタや投石機による反撃もない。おそらく奴らは北の防戦で手が足りぬのであろう」

「では我らも、攻撃の手を強めねばならんな。

このまま奴(第一皇子)に先を越されては、我らの面目も丸つぶれとなり、戦後交渉でも一歩譲らねばならんようになる。せっかく邪魔者(ターンコート王国軍)が消えたというのにな」

「確かにな……。ここで一気に行くか?」

その時だった。彼らの後方で哨戒の任に当たっていた物見から報告が入った。

「申し上げます! 南東の方向から夥しい砂塵が上がっております!

おそらく一万騎相当の軍がこちら目指して進んでいる模様!」

その報告を受けた二人は全く動じることなく、南東の方角を見て顔をしかめた。

そして大きなため息を吐いた。

「ちっ、やっと戻ってきおったか。全く肝心な時にどこをほっつき歩いておったのか……」

「まぁ、この時点で間に合ったので、よしとしようではないか。

これで我が軍は五万となり、奴も含めれば総勢八万。戦後も奴を脅すのには十分な数であろう」

そう、彼らは大きな勘違いをしていた。

先に卑怯な裏切り者であるターンコート王国軍の追撃に出ていた一万騎、それがやっと帰陣したと考えていたのである。

この時点でも圧倒的優位と疑わなかった彼らは、迫りくる敵軍に対し全く無防備のまま背中をさらし続けていた。

そして彼らに、真の凶報が届く……。

これにより長らく続いたビックブリッジの攻防も、遂に最終局面を迎えることになる。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は6/3『マツヤマ……』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset