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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 447

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俺を始め魔境公国の兵士たちはみな、何が起こったか分からない光景に唖然としていたが、マツヤマの唱和を聞いた帝国兵たちは攻撃の手を止めていた。

それを見て思わず俺は声を張り上げた。

「攻撃中止っ! 全軍は直ちに攻撃を中止するよう合図を送れっ!」

俺が叫んだのに続いて、いつの間にかジークハルトは先に第三皇子が舌戦を展開した形に倣い、城壁上から飛び出した殊更目立つ場所に立っており、音魔法士を介した彼の声が一帯に響き渡った。

「スーラ公国の兵士たちに告げる、『マツヤマ』の申し出を確かに受け取った。降伏の意思を示す者は、武器を捨てて両手を頭の上に乗せてその場で座るように。我らはマツヤマの流儀に則り、諸君らを友人として遇し、決して辱めることがないことを約束する」

「「「「おおっ!」」」」

は? マツヤマって……、まさかあの松山方式のことか?

いつの間に降伏の合図が、マツヤマになっているんだよ?

俺は自ら作り上げた流儀が、このような形で進化していることに驚かずにはいられなかった。

進退窮まったスーラ公国の兵士たちは、各所でジークハルトの指示通り武器を捨て、両手を頭に抱えて降伏の意図を示していた。

これは少し離れたスーラ公国軍の本隊も同様だった。

きっとあちら側に居る団長も、俺と同様に呆気に取られていると思う。

本当にこれで終わったのか?

こうして第二次ビックブリッジ砦の戦いも実に呆気なく幕を閉じた。

まぁ……、終わり方には少し拍子抜けした感じはあるけれど、被害が少なくてそれはそれで良かったと思う。

俺たちは対応を帝国兵に任せ、魔境騎士団を率いて戻って来た団長とも合流した。

この日は夜になっても敵味方の負傷者への救命措置、捕虜たちの収容、戦死者の対処などで第三皇子の陣営は大わらわで動いていた。

ただ、俺たちにはあまりすることがなかった。

負傷者の搬送も目途が付き、今は聖魔法士たちが忙しく対応に走り回ってはいたが、それ以外の者たちは若干手持無沙汰になっていた。

「戦で多大な貢献をしてもらったうえに負傷者の救護で奔走いただき、これ以上お力をお借りするのは忍びない。どうか砦で休養いただきたい」

そう第三皇子からは言われていたが、俺たちも何もしないよりはマシと、ゴルドとハイツの両魔境騎士団副団長が交代でビックブリッジ外縁の哨戒線警備に当たっていた。

そして深夜になってやっと、俺と団長、クリストフが最新の情報を共有するための軍議に呼ばれた。

行って見ると……。

会議室ではジークハルトだけが、武官と思しき者たちに取り囲まれていた。

「あの、食事が間に合わないと厨房が悲鳴を……」

「当たり前だよ。なんせ予定外に四万人も増えたんだからね! 優先順位は既に文章で指示を出しているからそれに従って! 緊急用の乾麺を出すように指示を出しているから取り急ぎそれで対応してっ」

「捕虜や帰参した味方の寝床が……」

「足りなくて当たり前じゃないか! 砦内ではせいぜい四万人しか賄えないんだから!

今は敵軍の天幕なども全部埋め立てられた場所に移設を進めているから、負傷していない捕虜にも手伝ってもらって! 砦内の天幕は全て敵味方の負傷者のみ収容する形だからね」

「あの……、帰参した帝国兵は……」

「それは既に伝えてある。彼らは当面の間、捕虜たちの管理で動いてもらう。彼らの宿営地を埋立地の臨時捕虜収容所の外縁に設置しているから、当面の間の配置はそこに」

「ふぅ、全くこの忙しさは昼寝どころか夜すらまともに寝れないじゃないか……。

僕は殿下に超過労働はしないって言ったばかりなのに……」

そう愚痴を言ったジークハルトは、少しやつれた顔で大きなため息を吐いていた。

「忙しそうだな。俺達でもできることがあれば助力は惜しまないよ。食事ぐらいは自前でなんとかできるしね。軍議は日を改めようか?」

「あっ、これは公王陛下……、失礼いたしました。

ありがたい仰せですが、こればかりは殿下より『最大限のもてなしをせよ』ときつく言われておりまして……」

そう言ってジークハルトは苦笑した。

彼の中では、手伝ってもらいたい気持ちもあるようだが、俺を『タクヒール殿』ではなく『公王』と呼ぶ場面ではそうも言えないのだろう。

「せっかく公王も来ていただいたのだ、当面の指示は出しているのだろう? 会議後にジークハルトをまた其方らの陣頭指揮に遣わす故、武官たちも一旦退室せよ。これより今後の方策を定める軍議に入る」

遅れて登場した第三皇子の言葉に、ジークハルトは恨めしそうな視線を投げかけたが、当の第三皇子は涼しい顔をして何事もなかったかのように席に着いた。

「では各地に放った物見、そして捕虜たちから確認できた状況を報告せよ」

その言葉を受けて、やれやれといった感じでジークハルトが立ち上がった。

「先ず大前提ですが、これらの報告はこれまでの情報から得た、あくまでも推測値です。

今回スーラ公国軍は当初七万の軍勢で以て侵攻して来ましたが、おそらく九割近くを失っていると思われます。そのため今後は脅威となり得ません」

「ではジークハルト、奴らにはもう余力はないと?」

「はい、殿下の仰る通りです。僕は彼らの動員限界を六万と見ていました。ですが無理をして更に一万を上乗せしてきたのです。本国には一万程度の兵しか残っていないでしょう。まして侵攻軍を率いて来た将軍たちは全滅しているようです。仮に兵が居ても指揮する将がおりません」

確かにな。はっきり言ってこれでは、スーラ公国は国を維持するのも危ぶまれる状況だろうな。

この戦いの後、前回の歴史通り滅ぼされることが必然のように思える。

「次にターンコート王国軍ですが、彼らは殿下の軍に止めを刺された形となりました。仮に逃げ延びたとしても補給もなく、その数は一万を切っているでしょう。今後は我が帝国の敵国として、国を維持することも危ぶまれる状態といえるでしょうね」

スーラ公国もそうだが両国とも国境はなにも帝国だけと接しているわけではない。

大きく弱体化したとなれば、周辺国も黙っていないだろう。

まぁ……、欲に駆られて侵攻したのだから自業自得ではあるが……。

「で……、阿呆はどうするのだ? 未だ奴はエンデと後背に安全圏が広がっているが?」

「はい、そちらは既に手を打っております。本日殿下が勝利されたのを機に、狼煙を上げておりますので、エンデに戻ることも難しいかと……」

それはそうだが……、ひとつ大きな点を見落としていないか?

エンデの西には一万騎の敵軍がまだ健在と思うが……。

「叔父上(アストレイ伯爵)だけには予め諸々の事情を説明しておりますので、対処できると考えて問題ないでしょう」

確かにな……、エラル騎士王国軍は健在と言っても、同じ陣営の各軍は全て敗退している。

そんな状況でこれ以上負け戦に首を突っ込むこともないという訳か?

「なるほどな……、それで今後はどうするのだ?」

「先ずは一旦後退した東軍一万をターンコート王国の国境付近に、西軍一万はスーラ公国との国境線に

派遣して両国との国境を固めます。そして殿下の騎兵部隊に加え帰参してきた帝国兵からも騎兵を募り、八千の騎兵にて新領土一帯を巡回し散った味方を糾合し敵軍の残兵を一掃します。

これで新領土の安定は図れるでしょう」

「それではこの砦には帰参した兵を含めても一万五千しか残らんが?」

「現在殿下が退避させた七千名について、負傷者を含めてここに呼び寄せています。

彼らが到着すれば少なくとも戦える兵は二万近くになります。要の抑えとしては十分でしょう」

「だが……、北の阿呆と北西のエラル騎士王国の抑えはどうするのだ?」

「間もなくすれば、我々の勝利の報は帝国のみならず各隣国にも届くことになるでしょう。

抑えに出した軍以外もビックブリッジに集結が完了すれば、殿下は公王陛下と共に帝都に凱旋いただきたく思います」

「で、その時期は? それに答えになっていないようだが?」

「一週間……、いや、10日ほどいただきたいです。

そうなれば今の殿下の疑問も含め、全ての答えに結論が出るでしょう」

そう言うとジークハルトは不敵に笑った。

そして今度は俺に向かい恭しく一礼して、言葉を続けた。

「ですので公王陛下、あと十日だけ『抑え』としてお力をお貸しください。

そうすれば帰路は、帝国内を真っすぐ抜けてお戻りいただけると思います」

俺にはまだ彼が何を考えているか若干腑に落ちない部分はあったが、取り合えず黙って頷いた。

しかし……、本当にこれで全てが終わるのだろうか?

そんな俺の疑問も、彼の言う通り10日以内に解決することとなった。驚くべき事実と共に……。

俺は改めて、ジークハルトの深謀遠慮を知ることになる。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は6/17『最後の伏兵』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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