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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 449

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ジークハルトの言葉通りエラル騎士王国は友軍として迎えられた。

俺と同様に第三皇子の陣営の多くの者が違和感を覚えていたが、彼の指示に従い来訪した彼らを砦内に迎え入れた。

その際に彼らは満身創痍の捕虜たち、逃げ去った第一皇子陣営の将兵を数多く引き連れていた。

それらを引き取ったのち、砦内ではそのまま捕虜の引見が始まった。

「それでは早速始めるとするか? 諸々の準備が整ったら、最初に奴を引きずり出せ」

第三皇子の声により引見の間には仕切りが降ろされて何らかの準備が行われたのち、全身を縄で拘束された第一皇子が引きずり出された。

罪人のように縄を掛けられたその身体は泥と血に汚れ、表情は恥辱に満ちていた。

「グロリアスよ……、久しいな。このような形でお前に会いたくはなかったがな」

「貴様こそ何様だ! このような無体が許されると思っているのか! 俺を愚弄する気か?」

「愚弄もなにも……、貴様は反逆者だ。今の姿がその末路として相応しいものだろう?」

「俺はただ帝国を正しき流れに戻そうとしたまでだ。お前のような卑しい血筋が皇位を継承するだと?

正統な帝国の血統である俺を差し置き、そんなことが許される訳がないであろうが!」

ほう、ここに至っても堂々とそれを言うのか?

ここまで血統にこだわるとは、哀れだな……。

第一皇子はもはや権力の妄執に憑りつかれているとしか言えないな。

「ははは、貴様に自虐趣味があったとは思わなかったぞ? この際だから貴様の流儀に合わせて言ってやると、確かに俺の母は今は落ちぶれた弱小貴族の出だ。

だがそうは言っても帝国がまだ小国だった頃から、綿々と歴史を持つ名家だぞ」

なるほど……、権勢こそないが名門だと言うことか?

ちょっと意外だな。庶民に人気があると聞いたから俺はてっきり……。

「翻ってお前はどうなのだ? いかにローランド王国の王女だったとはいえ、帝国に何の所縁もない国の出身ではないのか? どちらがより帝国の血統を引いているか、火を見るより明らかではないか?」

これも皮肉な話だな。

確かに血統という意味では、第三皇子の方が純粋な帝国の血筋だと言えるな。

帝国の血筋に限った話であれば……、だけど。

「俺が言っているのは高貴な血筋の話だ。しかも俺は、正妃との間に生まれた第一皇子だ!

貴様は何人もいる愛妾の一人が生んだ庶子に過ぎんではないかっ! 俺こそが帝位に相応しいのだ!」

「ククク、どうやらお前は帝国の伝統すら理解していないようだな? それで正しき流れとは片腹痛いわ!」

「世迷い事を言うな! 俺が何を理解していないと言うのだ」

「現在の皇帝陛下、我らが父も元は正妃から生まれた第一皇子ではなかったと記憶しているが?

最も功績を挙げた継承候補者が皇位を継承する、これは帝国の定めであり長年受け継がれてきた習わしだと思うがどうだ?」

「その慣わしでも、本来は俺が指名される予定だった! たまたま俺は配下の失態に足を引っ張られ、運に恵まれていなかっただけだ!」

「運だと? 配下の失態だと? そんなもの全て貴様の責任ではないか!

貴様は私利私欲で無用の戦を始め、結局敗れてその資格を失った。更にそれを認めることができず、帝国の版図を切り売りして不逞な企みを抱いて反乱を引き起こして再び敗れた。

貴様がこんな事実すら理解できんほどの阿呆だったとはな」

「俺はいつも勝つべくして勝つ予定であった。毎回余計な邪魔さえ入らなければ……」

そう言って第一皇子は視線を左右に振ると、第三皇子の左奥に控えていた、毎回余計な邪魔をする男(俺)を見つけたようだ。

そして眦を上げて睨みつけてきた。

「小僧っ! やはりお前かっ! そもそも何故お前がここに居る! 何故いつも俺の邪魔をする!

お前さえ居なければ俺は今頃この砦を……」

「痴れ者がっ! 公王陛下に対し無礼であるぞ!」

第一皇子の言葉は、ジークハルトの怒りの声で遮られた。しかし……、罪人とはいえ彼も容赦ないな。

皇族である第一皇子を『痴れ者』と言って憚らないのだから。

そうすると今度は、第一皇子は舌鋒は矛先を変えた。

「痴れ者だと? たかが男爵程度でしかなかった貴様こそなんだ! 卑しい狐と小僧が俺の覇業の邪魔をしたからこそ、今の俺がこのような立場に甘んじているだけだ。本来なら俺は勝っていた!

あの傭兵共もそうだ。結局はグラート、お前の周りには信義に劣る寄せ集めしかおらんではないかっ!」

「哀れだな……。ジークハルトの言は何ら不敬でもない。いくら虚勢を張っても貴様は今や大逆の罪人。

身分も剥奪されており一兵卒にも劣るわ。それが分からんとはな。

貴様には友と呼べる者が誰一人として居なかったようだな。それは……、友を寄せ集めとしか言えぬお前には、決して理解できない話であろうが、な」

そう言われた第一皇子は、身を震わせながらも胸を張って更に主張を始めた。

「少なくとも俺はお前になぞ敗れてはいない。味方を裏切り信義にも劣る奴らの卑怯な姦計に敗れただけだ。契約を裏切るような奴らに、せいぜい貴様も足を掬われんように気を付けることだな」

ん? それはエラル騎士王国のことか?

確かに彼らの行動は不可解だが……。

「あははは、彼らが裏切ったですって? どうやらグロリアス殿下は大きな勘違いをされているようですが、エラル騎士王国は最初から裏切っていませんよ」

ここで再びジークハルトが割って入った。

最初から裏切っていないって……、どういうことだ?

「何を申すか! 現に裏切っているではないか! どこが『一度結ばれた契約は絶対に覆らない』だ。

状況次第で簡単に掌を返す卑怯者ではないか!」

「だから言っているじゃないですか。一度結ばれた契約は覆らないんですよ。

どうやら大狸さんは僕の後に接触したようですが、その時には既に契約が結ばれた後でしたからね」

「「ま、まさかっ」」

驚きの声を上げたのは第一皇子だけではなかった。ジークハルトとの遣り取りを涼しげな顔で見ていた第三皇子もまた、驚愕の声を上げていた。

「僕は彼らに対し、万が一に備えて援軍として一万騎の派遣を依頼しました。その際に少しだけ条件を追加していただけです。『貴方たちから派兵の要請があった場合は、せいぜい高値を吹っ掛けて応じる振りをして兵を出してほしい』と」

「はぁっ、聞いてないぞ!」

驚きのあまり無言で口をパクつかせていた第一皇子に代わり、同じく事情を知らなかった第三皇子が再び声を上げた。

それに対しジークハルトは、やれやれといった表情で言葉を続けた。

「この戦いが始まる前、殿下には申し上げましたよ。それで僕は予備費であった帝国金貨20万枚の使用許可を得ました。もっとも……、あれは事後承諾でしたどね」

そう言ってジークハルトは笑って舌を出した。

なるほどな、敵を欺くにはまず味方から……、そういうことか?

「あ、いや……、そんな目的に使うとは言っていなかったではないか!」

「あの時に僕は問われればご説明するつもりでした。ですが殿下は『どうせろくでもないことを考えているんだろう?』と笑って、敢えて詳細を聞こうとはなされませんでしたよ」

「……」

この場に居た俺と団長は込み上げる笑いを抑えるのに必死だった。

確かに『ろくでもないこと』を考えていたよな。

その推察は正しかった。

結局のところ、第三皇子もジークハルトに誘導されて言質だけを取られていたのだろう。

ジークハルトは切り札で味方が慢心しないよう、最後まで隠し通していたということか?

「本来なら僕の最悪想定は、公王陛下の到着が間に合わないか、援軍を送っていただけない事態になることでした。

その場合にはエラル騎士王国の方々が、味方と偽り敵軍を切り崩していただく予定でしたが、頼もしいお味方の到着でその策は不要になりましたけどね」

そういうことか……。

ジークハルトは俺たちの援軍に期待していた。だが、それが叶わぬ場合の対策も立てていた。

多少は予想外のこともあっただろうが、最終的に反撃に転じる手を打っていたということになるな。

どんな状況になっても打開策を策定し、予め手を打っておく油断のならない相手。

これこそがジークハルトの真価か……。

俺自身も騙された一人だったが、不思議と怒りはなかった。

むしろ空恐ろしさと、味方で良かったという安心感に包まれていた。

そして、捕虜の引見はこれより佳境を迎える。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は7/01『舌戦の末に……』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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