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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 464

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団長とゴルパ将軍の二人は、この難局に対し同じことを考えていたようで結論は早かった。

二人は地図を元に何点か懸念点を確認したのちに作戦案としてまとめあげると、まだ理解が追い付いていなかった俺に説明してくれた。

「要は当初の基本戦略と方針自体は変わりません。各個撃破により敵軍を漸減させること、敵の本隊を誘き出し攻城戦ではなく野戦で叩くこと、この点は共通しています。

この作戦の段取りは……」

団長の説明によって、やっと俺も彼らの考えを窺い知ることができた!

しかしまぁ……、プレッシャーだな。

「作戦自体の違いは短期間の連戦となること、全てが連動しており一つが崩れると全体が瓦解することの二点、俺たちは目的を達成するために綱渡りでもやるしかない、そういうことだね?」

作戦案をやっと理解した俺もまた覚悟を決めた。

そこで団長は主な指揮官を招集すると、俺にしたのと同じように作戦の概要を説明した。

そして……。

「では私は作戦に従い、五千騎を率いて敵本隊を足留めするため、一足先に出発させていただきます。

残す歩兵部隊二千のうち一千はヴィレ王国兵、残る一千はカイン王国兵で構成されております。

共に機転のきく者を指揮官として任じておりますので、何なりとご命令ください」

そう言ってゴルパ将軍は出陣していった。

同時に残った将軍の指揮下にあった二千名は全員が歩兵となり、街道から外れた森を抜けて山を下り所定の位置に潜伏すべく動き出した。

「グレン、ロングボウ騎兵二千は鹵獲した聖教騎士団の旗指物や盾で使える物を集めたのち、必要数を受領し峠の手前で待機せよ!」

「はっ!」

「他の五千騎は本隊として弓騎兵の後続にて待機、マルス、アラル、ダンケ、イサークが率いる二千騎も本隊に参加し、タクヒールさまの指揮下に!」

「「「「応っ!」」」」

「本隊は先陣が出払った後に街道を下り所定位置で埋伏、決して敵に露見しないよう心掛けよ!

残留部隊一千は戦場の後処理が済めば拠点まで後退、預けた騎馬と捕虜の監視に加え補給物資を維持せよ。直ちに撤収ができない場合、鹵獲品の一部は打ち捨てて構わん!」

団長の指示は矢継ぎ早に飛び、各自が慌ただしく動き始めていた。

「タクヒールさま、どうか本隊及び突入部隊である二千の歩兵部隊をよろしくお願いします。私はロングボウ騎兵を率い、敵兵を城外へと誘い出します」

その言葉に俺は緊張して頷いた。

この作戦はタイミングが命で、俺が率いる本隊が果たさねばならない役割はとても大きいからだ。

準備の間も敵軍は刻々と動いている。

それを見張りながら団長率いるロングボウ騎兵は粛々と出陣し、峠を越えて西側へと移動していった。

それを見送ったのち、俺たちも行動を開始した。

「これより先行して埋伏している突入部隊に続き、本隊もカイン王国内に入り潜伏する!

全員、馬を降り森の影を縫って整然と続け!」

「「「「「応っ!」」」」」

土煙を上げないよう注意しながら、俺たちも粛々と峠を越えると森の中を縫うように東側へと移動を開始した。

あとは想定通り敵が動いてくれるかだが……。

ヴァイスに率いられた二千騎は聖教騎士団の旗を押し立てつつ、カイン王国の王都を出て西へと移動する一千の聖教騎士団を追うように移動していった。

彼らに課せられた任務は三つ。

ひとつ、追撃している敵軍に敵と気取られないよう接近すること。

ひとつ、北東に移動している敵本隊や王都に残留した敵、彼らが察知できない距離を見計らって攻撃を開始すること。

ひとつ、攻撃する対象の戦力を削りながらを全滅させず、カイン王国の王都方面に押し立て、王都から援軍を出させること。

この作戦を実施するにあたり、タイミングの見極めに失敗すると全ての段取りが瓦解してしまう。

そのためヴァイスは、慎重にそれぞれの距離と時間を見定めながら、徐々に一千騎の聖教騎士団と距離を詰めていった。

そしてついに……。

彼は大きく目を見開くと馬上で剣を抜き、全軍を叱咤した。

「これより奴らを追い越しながら一斉射、西側に出て半包囲しつつ東へ押し込めろ!

いいか、荷駄隊には絶対に当てるなよ、餌を次の獲物の前まで運んでもらわなければならんからな」

続く者たちは、声にして答える代わりに各自が手にしたロングボウを抱え上げた。

カイン王国の王都を出立した聖教騎士団一千騎は、全てが騎兵で構成されていたにもかかわらず、ゆっくりと西に向かい進んでいた。

それもそのはず、補給物資に加えカイン王国の王都で略奪した財貨を満載した荷駄が、長い列を作って随伴していたからだ。

「それにしても……、先行した奴らどこまで行ったんだ?」

「どうせ狩りに夢中で先へと急いでいるのだろうよ。俺たちが到着するまで獲物が残っていると良いのだがな」

「それにしても……、荷駄を伴って移動とは脚が遅くて焦れるものだな」

「ふふふ、この多くがリュート王国から奪った我らの財貨だ。そう思えば苦にもならんだろう」

「確かに……、な。ん? あれは何だ?」

そう言って話す彼ら視界の右後方からは数千の騎馬が上げる土煙と、先頭を走る騎馬が掲げる軍旗が確認できた。

「後方より砂塵! どうやら先に出ていた友軍が追い縋ってきた模様です!」

「やっと狩りを終えて合流してきたのか? 奴らめ、夢中になって国境まで先に行かれるかと心配したではないか」

聖教騎士団を率いる指揮官のひとりは、やっと合流してきた味方に対し安堵のため息を吐いた。

だが、追いすがってくる友軍は一向に速度を落とすことなく先を急ぎ、彼らの横をすり抜けるかのようにも見えた。

「ま、まさか……、奴らは再び先行して勝手に狩りを……」

「てっ、敵襲!」

「な、何だと! 先行していた奴らは何をしていたのだっ!」

指揮官の絶叫が響く中、聖教騎士団の旗を掲げた敵は追い越しざまに弓による斉射を浴びせると、次々に駆け抜けていった。

「さ、最後尾の財貨を守れっ! 奪わせてはならんぞ。各自で応戦しつつ最後尾を囲め!」

そう、最後尾には彼らが奪いつくした財貨が満載されていた。

カイン王国の王宮に眠っていた宝物や金貨、王都にあった貴族の居館や商人、民衆たちから奪い尽くした大量の財貨が……。

「て、敵の数が多すぎます! 我らの倍はいるようです。このままでは守り切れませんっ!」

「ちっ、ならば一旦後退! 味方が戻って来るまで王都に一時撤退する!

ハイエナ共め、後で殲滅してくれるわ! 制圧した王都に残る奴らにも増援を要請しろ!」

その指示に従い、一千騎の聖教騎士団は慌てて後退を始めた。

聖教騎士団は荷駄隊を守りつつ偃月陣を敷くと、徐々に来た道を後退し始めた。

それに対しヴァイスは雁行陣を敷き、敢えて退路を断つことも後方へ回り込み包囲殲滅を図ることもしなかった。

「いいか、加減を間違えるなよ、潰走されては元も子もないからな。距離を保ちつつ適度に敵を圧迫し続けろ!」

その指示に従い、ロングボウ兵たちは安全な距離を保ちつつ馬上から一方的に攻撃を加え続けた。

それは重装甲の聖教騎士団に致命傷を与えるものではなかったが、出血を強いながら徐々に後退を促すのには十分だった。

そして……、戦端が開かれてしばらくした後、カイン王国の王都を預けられた守備隊にも友軍の危機を告げる一報が入った。

「申し上げます! 先だって聖教騎士団の本隊が追撃していた敵兵が再び舞い戻って参りました!

その数およそ二千、奴らは現在、国境へと向かう輸送隊を襲撃しております!」

「追撃に出た奴らはどうした!」

「見当たりません、どうやら見当違いの方向に追い掛けていった模様です」

「ちっ! 戦を知らぬ猪武者共め、追いかけるのに夢中で見失ったことさえ気付かんのか。

これより我らも全軍で出陣し、神への供物を狙う盗人共を撃滅する!」

そう言うや直ちに王都の城門を開くと、王都の守備を任された将はほぼ全軍となる四千名もの兵を率いて出陣した。

二千の敵に対し合計して五千、二倍以上の戦力があれば確実に勝利できると踏んだからだ。

彼らの背を押して決断を促したものは圧倒的な数の差をつくること以外に、もうひとつあった。

それは聖教騎士団が奪い去った大量の財貨だ。

もともとリュート・ヴィレ=カイン王国が三国に分かれたとき、それぞれの国は独自の成長を遂げていった。

リュート王国

国境を巡りイストリア皇王国との小競り合いが絶えず、長い国境線を守るため移動式バリスタを始めとする軍事面を中心とする工業、畑と違い移動することが可能な牛馬の放牧を始めとする畜産業が発展していたが、何よりもましてイストリア皇王国が幾度も侵攻を試みるほど豊かな鉱山が国内各所にあった。

ヴィレ王国

左右を兄弟国に囲まれており、国境を守る心配も少なかった関係で、開墾を進め農業面を中心に発展していた。

加えて旧来より帝国との国境を守る責を負っていたことから、各種バリスタによる防衛兵器を充実させていたが、両隣の国に比べると目立った産業がなく経済面で劣り財政的には困窮していた。

カイン王国

他の兄弟国に比べて差し迫った軍事的脅威が少なかったことから、商業が発展し他国との商取引に注力していた。これにより三国の中では財政的に突出して豊かになっていた。

そのため三か国の貴族はこぞってカイン王国の商人に資産を預け、運用することで財を得ていた。

結果としてカイン王国は三国の商業と金融の中心地となり、大手商会も本拠地を置いていたことから、経済力で兄弟国より一歩も二歩も抜きんでていた。

言ってみればヴィレ王国だけが昔ながらの農業立国であり、豊かさから取り残されていた。

それが元ヴィレ国王が他国を妬む原因のひとつでもあったが、これはまた別の話。

このような事情もあり、王宮の宝物庫には大量の金貨と宝物が眠り、王都には大商人たちの商館が軒を並べ、彼らの蔵には金貨や商品が山積みされていた。

そして聖教騎士団はそれらの大半を奪った。

王宮の宝物庫こそ折半されたが、王都の財貨については彼らがほぼ独占したと言っても過言ではない。

そのため彼らの荷駄には、金貨数十万枚にも相当する財貨が積み込まれていた。。

このことはリュグナーやアゼル配下の者たちにとっては面白くない話だった。

そして……、それらがカイン王国の敗残兵に奪還されることは更に面白くない。

彼らは聖教騎士団が抱えた、分不相応の財貨の分け前に与るために出陣していった、そう言っても過言ではなかった。

王都の城門が開かれ騎兵と歩兵、合わせて四千名近くの兵が出て行ったとの報告を受け、森の中で埋伏していたタクヒールは会心の笑みを浮かべていた。

「さて、最も難題だった王都に残る兵力の釣り上げは成功したな。後は俺たちが帰り道を塞いで各個撃破の第二弾、第三弾を放つまでだ! 全軍、埋伏しながら出撃準備」

そう言うと彼は愛馬の手綱を握り騎乗した。

そして傍らに立つ者に告げた。

「王都近くに潜伏する歩兵部隊に連絡! 『俺たちが打って出て城門を確保したのち、空き家となった王都を奪還するように』とな。これでカイン王国も間もなく解放される」

「はっ!」

走り去る使者の背を見つめながら、タクヒールは冷静に戦場の推移を見守っていた。

これより各個撃破の第二弾、第三弾が始まる。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は10/14『王都解放』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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