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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 475

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〜時系列は少し遡る〜

タクヒールらがまだ南部遠征からの帰路にあった頃、一足先に凱旋して新たな統治と戦後処理に取り掛かっていた者がいた。

グリフォニア帝国の帝都グリフィンでは、凱旋した第三皇子による勝利宣言が行われると、帝都に住まう誰もが今回の反乱の顛末を知ることになった。

既に皇位継承が定まっているにもかかわらず、国を売ってまで反乱を企てた第一皇子とその親派、彼らに対し帝国中から怒りの声が上がり、中立派や積極的に支援はしないものの、どちらかと言えば第一皇子を推していた者たちも完全に第三皇子の皇位継承を認めるようになった。

その第三皇子の到着に遅れること少し、第一皇子を筆頭に反乱に参加して捕らわれた主要者たちもアストレイ伯爵によって帝都に護送されて来た。

刑の執行を待つ身として……。

その到着と同時に、第三皇子は戦後処理として彼らを厳罰に処する旨と、新たな改革を推し進めると発表した。

これにより第一皇子親派の貴族たちは恐慌状態になって右往左往を始めた。

「グラート殿下、今日もまた殿下に取り成しを願う貴族たちが押し寄せ、面会を希望しておりますが……」

「またか……」

アストレイ伯爵の言葉に、グラートは大きな溜息を吐いて首を振った。

これまでも隠れた逸材や見所のある人物はいないか、そんな思いで『来るものは拒まず』と面会を許可していたが、結果は彼の期待を裏切る事態ばかりだった。

捕虜引見で無様な醜態を晒した者たちと何ら変わることのない面会者たちに、グラートは既に見切りをつけていた。

「残念ながら奴の派閥に属していた者と会っても時間の無駄だと言うことが良く分かった。

悪いが今後の面会は伯爵で振るいにかけてくれ。見所がある者のみ俺に取り次いでくれるか?」

「承知しました。では今後は布告通りに進められると?」

伯爵が言った布告とは一昨日にグラートが発した、これまでの権力闘争を一刀両断するものだった。

『今回の反乱に関し、反乱に加担した者、陰ながら協力した者、反乱に与したと思われる者、反逆者を支援していた者たちについて、四つの段階を設けた罪を問い、厳罰に処するものとする』

(反乱罪)

・反乱に参加または配下の兵を供していた貴族は、一律反乱罪を適用して断絶とし、当主は死罪とする

・上記の貴族の係累は、貴族身分を剥奪し死罪を前提に収監するが、当面の間は刑の執行は行わない

(準反乱罪)

・経緯を知らず反乱に参加していた貴族当主は、特例処置とされた者を除き、反乱罪に準じた処罰とする

・上記の貴族の係累は、貴族身分を剥奪して収監するが、特例措置を与える場合がある

(反乱幇助罪)

・反乱に兵を出さずとも協力していたと見做される貴族は、家名を断絶し領地召し上げのうえ当主は収監する

・経緯を知らず反乱に協力していた貴族も上記と同様だが、一部の特例処置を与えられた者は除く

・当主や一族に反乱幇助罪が適用された係累もまた同等の罪に処すが、特例措置を与える場合がある

(連座)

・反逆者であるグロリアスの派閥に属していた者は連座し、降爵や公職より追放の他、領地差替などの処分を下すが、特例措置を与える場合がある

・連座した者の係累も上記に準ずるが、特例措置を与える場合がある

(特例措置)

・反乱の経緯を知らず反乱に参加していた者のうち、戦いの途中で帰順し忠誠を誓った者には、罪を問わず報奨の対象とする

・当主や一族が反乱罪や準反乱罪、反乱幇助罪、連座に問われた係累でも、帰順し忠誠を誓った者には特例措置として罪を免じる場合がある

・特例措置が明記された係累には、後日に名誉と家名を回復する機会を与えられる場合がある

この布告が発せられる前、既に反乱罪に該当する貴族領の全て、準反乱罪に該当する貴族領の多くに兵が派遣され、ほぼ鎮圧は完了している。

今の時点で慌てているのはその係累たちや、反乱幇助罪、連座に該当する者たちだった。

処分をま逃れぬと知った彼らは、一様に自身が特例措置の対象であることを主張するか、第一皇子の反乱とは無関係であると主張し、自身と領地や家名の存続を願い出ていたからだ。

「潔く自身が罪を負う代わりに、家族や領地の安泰を願う者が現れないとは……、情けない限りだな。

しかも奴らは、少し前までは声高に俺を非難していたことをすっかり忘れているようだ」

そう、これまでがこれまでである。

帝国の中では既に、分かりやすいほど所属する派閥の色分けができており、ジークハルトによって見所のある人物のリストアップも完了しているのだから……。

そういった惜しむべき人物には、既にグラートから特例措置に遇する旨の使者が放たれており、今慌てて面会を希望している者たちは選ばれなかった(=処分すべき)家、人物たちであった。

「このまま進めば大貴族の半分ほどが領地を召し上げられ、広大な帝国領の五分の二が空白となりますな?」

「それも仕方あるまい。代々皇位継承争いの余波は、それぞれの候補者を担ぎ上げた各家にも及んでいた。それが今回、少しばかり規模を大きくして再現されるだけのことだ」

「確かに仰る通りですな。前回の皇位継承時の例もありますし」

そう言ってアストレイ伯爵自身も、過去を振り返って自嘲するしかなかった。

かつてはケンプファー男爵家の分家でしかなかったアストレイ家も、ローランド王国滅亡の折に時流に乗っていつしか伯爵家となり、主家の男爵家を存続させるだけでなく分家と主家の立場が入れ替わったのだから……。

皇位が継承される際、いつも帝国内ではドラスティックに勢力図が変わる。

だからこそ各家は必死なのだ。

「若干規模が大きくなり、一時の混乱はあるでしょうが、その点はいずれ落ち着くことでしょう。

ただ……、他にも懸念がない訳ではありません」

「北部領地を割譲する件か?」

未だ内々の方針ではあるが、既に第三皇子は内乱平定と外敵撃退だけでなく、自身の命の『恩人』に対し大規模な領地割譲を指示し検討させていた。

「仰る通りです。戦いでの功績は比類のなきものであり、我らも恩を受けた立場とはいえ、帝国内には魔境公国の勢力が拡大することを良しとしない者たちも多いでしょう」

「まぁな、だが公王の功績に理解を示す者たちもいるだろう。報告にあった者たちのようにな」

この頃になると北部戦線で勝利を収めた帝国軍のドゥール子爵やカーミーン子爵などから、幾度となく戦況報告の早馬が帝都に送られていた。

そう言う意味では帝都に入った第三皇子は、帰路を急ぐタクヒールたちより先に北部戦線の勝利を知っていた。

報告を受けた当初はグラート自身、南だけでなく北の戦地においても、魔境公国の絶大な貢献と驚くべき大戦果には言葉を失ったぐらいだった。

「俺は今後、大きく入れ替わった帝国の内政に手を付けねばならん。中には面従腹背の者たちもいるだろう。

そのためにも帝国北部を信頼できる友に任せ、南の新領土は其方らが目を光らせる事で安泰としておきたい。

もちろん其方らにも相応の領地を任せて、な」

「ははは、我が甥は楽をしたいと言ってまたボヤくでしょうね」

「公王に割譲する領土の周囲には、理解ある者たちを取り立てて配する。これで北は安泰よ。

イストリア・リュート・ヴィレ・カインの四国は、公王に誅罰してもらうと同時に、抑えにもなってもらう」

新たに領土を割譲するが、単に譲るだけではない。

帝国としては火種を抱えた国境を譲り、そのリスクも含めて『譲り渡す』意味を兼ねていた。

「ですが……、報告によればあの三国からの侵攻軍はいずれも全滅に近い被害を受けております。

あれでは国を維持することも叶わないでしょう。

切り取り放題かと思いますが?」

その言葉を受けてグラートは片目を瞑り、笑って頷いた。

それで伯爵は全てを理解した。

「なるほど……、帝国領の割譲には限度がありますが、それが他国の領地なら問題ない、そう言うことですな?」

「それも含め、北は全て公王の差配に任せようと思っている。もともと北部を守ってくれたのは公王の軍だ。

帝国軍はあくまでも一部を支援しただけに過ぎないからな。戦果は全て公王に帰するものよ。

それに……、捕虜の扱いや度量には、今回の戦いを通じ俺も改めて学ばねばならんと思ったからな」

「それで特例措置……、と言うことですか?」

古来より武断的な統治を行う帝国にあって、言ってみれば今回の特例措置こそが異例のものであった。

そのため多くの者が最後の望みとして期待し、ある者たちは無様なまでにそこに縋っていた。

「ははは、結果的にあれがあったからこそ奴らも徹底抗戦を諦め、温情に期待してくれたのだからな。

最終的に処分は保留し、あとは狡猾な狐に差配させようと思っている」

そういってグラートは大いに笑った。

彼が一万五千騎の武力を背景に帝都に入って以降、着々と地固めは進んでいた。

第三皇子グラートによる戦後処理が進む中、帝都グリフィンにて蠢動する影もあった。

先ずそれは後宮内で始まった。

そもそも広大な版図を誇るグリフォニア帝国の帝都グリフィンは、版図の拡大に伴って拡張を重ね、今や巨大な帝国の首都として威容を誇っている。

版図拡張の歴史を示す城壁は幾重にも巡らされ、その最も内側に囲われた初期の帝都には壮麗な宮殿が立ち並び、それらが全てが後宮として皇帝とその妃、妾妃や子供たちだけが暮らす領域となっていた。

その後宮の主であり、帝国全土を統治するはずの現皇帝はいつしか政務に倦み、後宮にこもって酒色に溺れた生活を送って久しい。

そのため後宮に出入りすることが特に許された、後継者候補たる皇子たちや国政の重責を担う者たちだけが時折後宮を訪れ、必要な決裁を請う以外は現皇帝は外界との繋がりを絶って暮らしていた。

そしてある日の深夜……、後宮に忍び込むひとつの影があった。

「誰じゃ!」

壮麗な宮殿の中に設けられたひときわ豪華な自室で、ただならぬ気配を感じた部屋の主は声を上げた。

彼女は本来ならば既に四十代半ばの年齢にあったが、その声は若々しく容貌はまだ盛りを過ぎていないほど怪しげな魅力に満ちていた。

「ふふふ、皇后陛下よ……、久しいの。今もなお、変わらぬ美しさを保っているとは重畳なことよの」

「!!!」

暗い影から燭台に照らされた一角に姿を現した男を見て、『皇后』と呼ばれた女性は一度固まった。

そして……、何かの確信を得たように頷くと片膝を付いた。

「こ、これは……、御前でいらっしゃいますか? 余りにもお姿が変わられていたので、大変失礼いたしました」

そう言って深く頭を下げた。

本来ならば皇帝以外は誰にも傅くことが不要な立場にありながら……。

「其方は闇の氏族長の血脈を引く我が娘、礼を取るには及ばぬ」

「ですが……、我が息子とはいえ今回の不首尾、お父様にはお詫びのしようもなく……」

「まだ全てが終わった訳ではないからの。謝罪は不要じゃ。儂とて余計な邪魔が入り、最後の一手で仕損じた立場じゃ。

それで……、其方に依頼していた方の首尾はどうなった?」

「はい、当初の計画通り、戦いが終わったあとに皇位を引き継がせる予定で薬を盛っておりましたので……。

今や効果を抑える薬を与えねば、数日で命脈は絶えるかと」

「ふふふ、栄華を極めた帝国の皇帝も酒色に溺れ、今や廃人同様になり果てたか?

残念じゃったの、あと少しで帝国は我らのものになったと言うのに」

そう、帝国の現皇帝が政務に倦み酒色に溺れたのも、統治に興味を失ない後宮に引きこもったのも、実のところ彼女が裏でそうなるよう仕向けていたからに他ならなかった。

本来の予定なら第一皇子が政敵を討ち、その時点で皇帝が崩御して皇位を継承する。そのような段取りで彼らの計画は進められていた。

「じゃが安心するがよいわ。帝国での基盤は失ったが叛意と不満の種は撒かれた。

国を割った内乱で再起を謀らせるも良し、一時的に不肖の弟子共が整えた膳に預かり、我らは拠り所を移して時節を待つのも良かろう」

「なんと! そのような場所が?」

「ふふふ、常々言っておったであろう?謀とは何重にも施すものだと」

「はい、改めて……、恐れ入りました」

もちろん彼は、この時点でイストリア正統教国の没落する未来も、不肖の弟子たちが奪い取った三国が、後にタクヒールらによって解放されることも知る由もない。

「それでは私どもは?」

「そうじゃな、再起を図ってもらうため、出来の悪い孫にはもう少し長生きしてもらわねばならんわ。そのために其方の妹とその子供も、我らで替え玉を用意し既に救い出しておるでな」

彼女(皇妃)の妹とは、元ローランド王国の第四王女にすり替わった者であり、ハーリー公爵の妻となっていた者だ。

そして……、その子供は今や処刑を待つだけの身であるグロリアスの妻となっていた。

「これより其方は反乱を起こした第一皇子の母として、皇帝がまだ存命のうちに謹慎を申し出るが良かろう」

「はい、そのような形になるよう取り繕います」

実際に謹慎を申し出ると言っても、彼女には許可を得る必要はない。ただ皇帝に承諾させるだけのことだった。

「其方が後宮を出れば、我らの手引きに従い帝都を出られるように手筈を整えてあるでの。

其方が居なくなれば皇帝は近いうちに崩御することになるが、存命中に其方が動けば第三皇子も手出しできまい?」

「はい……、お心遣いに感謝いたします」

「そして其方が不在となった後宮で騒動が起きる。果たしてその時、誰がその騒動の責を負うことになるかの? 猜疑の目は一時の勝利に驕った者に向かい、我らが返り咲く土壌が育まれることであろう」

そう言って男は不敵に笑い、再び闇の中に姿を消した。

この翌日、公式には皇帝より暇を言い渡されたとされる后妃は、謹慎するためと称して帝都を出ると第三皇子らの監視を躱していずこかへと消え去った。

そして……、帝都を驚愕させる二つの事件が勃発する。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

次回は12/06『二つの事件』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。


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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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