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My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~ – Chapter 228

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「なんという……男……ッ。よもやここまでとは……ッ」

バルロは左手で右肩をおさえながら、辛うじて立ち上がって俺を睨みつけてきた。

左手の隙間からは鮮血があふれ出していたが、その血はすぐに止まったようだ。なんらかのスキルだろう。

俺は目の前に落ちているバルロの右腕から魔剣ディアブロを拾い上げると、それを『空間魔法』に放りこんだ。勇者コレクション一つ追加である。

「これで勝負はついた。まだ続けるか?」

「……いや、貴様の言う通り今回の勝負はこれで……決まりだ。貴様こそ……ここで終わりにするのか……?」

「止めをさしてやってもいいんだが、人目があるんでそういう訳にもいかないんだ。こっちは善良な市民なんでね」

「……くくっ、貴様が善良などと……その力をもって善良でいられるはずがない……」

「その意見には賛成でも反対でもないな。まあでも、反対かな」

『勇者パーティ』の連中はかなり善良よりだったからなあ。さすがにバルロの意見に賛成したら怒られそうだ。

「それにお前をつかまえても面倒しかないんだよ。リベンジマッチが望みなら、今度そっちの世界に行くからそのとき頼む」

「……そうか。ならば退かせてもらおう。俺もまだ死ぬわけにはいかぬ……。導師の望みがかなうまでは……な」

そう言うと、バルロは一瞬でその場から消えるようにして去っていった。ディアブロを返せとか言うかと思ったんだが意外と淡泊な男だった。

俺が「もう大丈夫だぞ」と声をかけると、青奥寺たちが遠くから歩いてくる。

青奥寺や双党、絢斗たちは四天王クラスとの戦いを見るのは2度目だから平気な顔……というわけにもいかず、いささか顔色が悪い。逆にいうと彼女たちはバルロの凄まじさに気づけるくらいの強さはあるということでもある。

一方でレアはさらに青い顔をしているかと思ったのだが……

「ファンタスティック! エクセレント! アンビリーバブル! アイバセンセイ、すばらしい戦いだったでぇす! これがニンジャマスターの力なんでぇすね! ぜひともステーツに来て、私たちに力を貸してくださぁい!」

青い目をキラキラと輝かせながら抱き着いてくるアメリカンな留学生を前にして、俺はこの理解不能なテンションにどう対応したものか頭を悩ませるのだった。

「え~と、それで結局レアについてはどうするんですか?」

双党が少し白い目で俺を見ている。手にはジュースの入ったコップ、『ウロボちゃんず』のイチハが持ってきてくれたものだ。

翌日曜日、俺は青奥寺と新良と双党を『ウロボロス』に呼んで今後の対応を決めることにした。別に必要ないと思ったのだが「そんなわけないと思います」と青奥寺に注意されてしまったのだ。

「どうと言われてもなあ。レアもまだ留学生としてこっちにいるみたいだし、しばらくはこのままじゃないか?」

「スカウトされまくるってことですか?」

「いやまあそれはやめさせるけど。とはいえレアには新良のこと以外はほとんど知られてしまったしな」

「一応先生が勇者だっていうのはギリギリ知られてませんけどね」

「まあそうなんだが、結局クリムゾントワイライトの幹部とやり合えるってのはバレたから同じことだよな」

「そうですね。まあどうせバレるとは思ってましたけど。先生ってもともと隠す気ありませんでしたよね?」

「そりゃそういう性格だからな。嫌いなんだよ隠すの。めんどくさいし」

「でもその分面倒ごとが増えませんか?」

「それって自分たちのことを言ってるのか?」

と指摘してやると、双党はてへぺろ、みたいな顔をした。そんな可愛い顔をしても誤魔化されないからな。

双党がジュースを飲み始めると、代わりに青奥寺が口を開いた。

「海外にも『深淵獣』が現れたということで、国の方から青奥寺家にも協力の要請が来ました。なので私は今後もレアに協力する形になるみたいです」

「そうか。やっぱりそのあたりは前々から水面下で約定があったんだろうな。しかし青奥寺家が協力と言ってもな。アメリカはアホみたいに広いしどうするんだ?」

「そのあたりは現れたら対応するという形なので……」

青奥寺は言葉を濁しながら、ジュースを運んできた『ウロボちゃんず』フタバをちらと見た。

「まあ『深淵獣』に関しては、現れる前にこっちでなるべく対応するようにするよ。そもそもどれだけの頻度で現れるかも分からないしな」

「そうですね。日本でもあの『深淵窟』が現れてからは、他の場所での出現はかなり減りましたから。だから今回アメリカで現れたのは驚きでした」

「そこはなるようにしかならないな。あと2週間で夏休みだし、そこで向こうの世界については一区切りつけたいところだ」

「私もそれについては、不謹慎かもしれませんが少し楽しみです」

「あっ、私も私も。異世界とかもうワクワクしかないよねっ。しかもモンスターも現れ始めて、戦争も始まりそうなんでしょ。先生が活躍する場面が揃ってるからね~。それと女王様にも会ってみたいな~」

「まったくかがりは……。そういえば異世界には世海も行くっていうのは本当ですか?」

青奥寺の目が鋭さを増したのは、九神世海にライバル心を持っているからだろうか。

「ああ、実は九神が行くのが今回のメインの一つだったりするからな。もしかしたら彼女のおかげで今回の『深淵』騒ぎの解決が見えてくるかもしれないし」

「そうなんですか? それはどういう理由で……」

「今は言えないな。九神に止められているんでね。まああっちに行ったら分かるよ」

「……そうですか。世海が先生に直接お願いをされたと言っていたのは本当ですか?」

「それは本当だな」

答えを聞いてちょっと面白くなさそうな顔をする青奥寺。それを見て双党が少しニヤけている。

すると新良がその隙をついて、というわけではないだろうが話し始める。

「ところで先生、実は昨日の夜にライドーバン局長から連絡がありました」

ライドーバン局長とは、新良が所属している銀河連邦捜査局のトップである。インテリな毛むくじゃらのナイスミドルだ。

「局長は久しぶり、というほどでもないか。そういえば銀河連邦はどんな様子なんだ? 『深淵窟』は相変わらず現れてるのか?」

「あの後2つの惑星で現れたそうですが、携帯ラムダキャノンの運用が決まって対処できたようです。それとフィーマクードの動きもエルクルドの一件以来、一時的に鎮静化したようなのですが……」

「ですが……?」

「ここに来て、フィーマクードの艦隊が大きな動きを見せているようなのです」

「それって……そういうことだよな」

「はい、間違いなく地球に大艦隊を派遣してくるということでしょう」

新良が重々しくうなずくと、青奥寺は心配そうな顔を俺に向け、双党はオモチャを前にした子供みたいに目をキラキラさせた。

「先生っ、ついにくるんですね! 宇宙艦隊の大決戦が!」

「なに喜んでるんだよ」

まったくこの小動物系女子は……。SF映画かなんかだと思っているようだが、いざ戦いになったら大勢の命が失われることを忘れてはいけない。

俺は勇者だからその辺はもう麻痺してるのもいいところだが、命のやり取りをしているとはいえ双党はまだ高校生だしな。

「ま、どちらにしろ来るというなら撃退はしないといけないな。とはいっても地球に近づいて来てからドンパチやると地球側にも感知されるからな。離れたところで相手をしてやりたいところだが、新良、いい案はないか?」

「そうですね……、この『ウロボロス』を餌にするというのは?」

「餌?」

「ええ。フィーマクードとしては奪われた『ウロボロス』はどうしても取り返したいでしょう。ですから地球から離れたところに『ウロボロス』を待機させておけば勝手に引き寄せられてくると思います」

「ああ、それもそうか。あとは来るタイミングさえ分かれば、か」

「ええ。と言っても『ウロボロス』を待機させておいて来るまで待てばいいだけです。『ウロボロス』自体に索敵をさせておいて、近づいたら『フォルトゥナ』に信号を送らせます。それを受け次第先生を『フォルトゥナ』経由で『ウロボロス』に転送すればいいでしょう」

「それはいいな。仕事にも穴を開けないで済む」

「え~、そこが問題なんですかあ?」

双党があきれ顔をするが、社会人としては大切なことだからな。

俺がうなずいていると、それを見て青奥寺が溜息をついた。

「まあ先生がその様子だと問題はないと思いますけど……それで結局レアについてはどうするんですか?」

「いやだから、そのままってことで……」

「でもこのままだとレアの所属する機関とかからも話が来ますよね。そうなったら断るんですか? もしかしたらアメリカの政府のほうから日本に圧力がかかったりとか、そんな感じになったりしませんか?」

「う……、たしかにレアから話が上がるとそうなる可能性もあるか……」

う~ん、ここまできたらもう諦めて全面協力してやる……のはやっぱり勇者的にはちょっとなあ。権力者に自由に使えると思われるのだけはNGだしな。

俺が渋い顔をしていると、双党がニヤけながら身を乗り出してきた。

「いっそのこと、レアを私たちみたいに勇者空間にひきずり込めばいいんじゃないですかぁ? 先生の考えをキチンと理解してもらえば、レアもその通りに上には伝えると思いますし。上がウチの東風原所長くらいにマトモならうまく対応してくれると思うんですけど」

「勇者空間ってのはよく分からんが、腹を割って話をしろってことか。たしかにそれが一番早いかもなあ」

「そうですよ。結局もう関わらざるを得ないんですから、ねっ? 先生がもうちょっとレアに力を見せてやれば、彼女ももうメロメロになると思うんですよ」

「メロメロって随分古い表現だな……」

俺がそんなどうでもいいことに突っ込んでいると、青奥寺が双党を引っ張っていって部屋の端で説教を始めた。

え? 今の話のどこに説教要素が……と思ったが、新良が無言で首を横に振ったのであえてほうっておくことにした。処刑人の斧がこちらに向けられても困るしな。

しかしまあ、なんか結局いろいろあってレアについては他の女子と同じような扱いになってしまいそうだな。あとはアメリカのクリムゾントワイライトがどこで日本に向けて手を伸ばしてくるかだが……。

なんか忙し過ぎないかな、最近。

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~
Score 8.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Aiba Hashiru is a hero who was summoned to another world. After defeating the Demon King, he returned to his original world due to some troubles, and returns to his former life as a new teacher with his abilities as a Hero warrior. However, among his students, there are those who fight against monsters, aliens, and a mysterious criminal organization. This is a story about the life of a former hero, who doesn’t particularly hide or hold back his heroic abilities

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