Switch Mode
Now you can use the translation tool for free for the first 200 chapters of each novel.

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~ – Chapter 346

Please login or register to translate this post.

『余の支配を阻む者はすべて排除する。余は「約束された楽園」を作り上げねばならぬ。それが余という存在の意味である』

『王位』の手から、純粋な魔力の塊が放たれた。

俺はそのバレーボール大の極彩色の光球をぎりぎりで躱した。反応が遅れたのは、防御魔法『アロープロテクト』を貫通してくるのを忘れていたからだ。

狙いが逸れた光球は、壁に当たると強烈な閃光を発して消えた。壁が半球状に綺麗にえぐり取られたように消失している。単純な破壊とは違う、かなり危険度の高い攻撃。『あの世界』の『魔王』も似たような技を使っていたのを思い出す。

「今ので交渉決裂ということでいいな? なら遠慮はなしだ」

俺は『空間魔法』から聖剣『天之九星』を取り出す。『魔王』相手ならこの剣だ。

俺の手に納まった『天之九星』は、激しくその身を震わせた。目の前の『王位』を、『魔王』同等と見なしたのだろう。

『その道具は危険であるな』

『王位』は玉座から立ち上がると、両手を前に突き出して光球を連射してきた。光球の速度は音速を超えるほどだが、『感覚高速化』スキルによってすべてが緩慢になった世界の中で、俺はそれらを余裕で避けていく。俺の背後では、とばっちりを受けた壁が穴だらけになる。

『王位』に剣が届く間合いまで迫る。すると『王位』は、両腕を天に掲げ、自らの身体を中心にして、何重もの魔力の渦を発生させて広げ始めた。

その魔力の渦は凄まじい切断力を持っているらしい。近くにあった玉座がその渦に巻き込まれ、一瞬でズタズタに切り裂かれて細切れになった。

「確かにそんな攻撃もあったな」

俺はいったん距離を取り、魔法陣を50展開、中級光属性魔法『ジャッジメントレイ』での一斉射撃。50本の青白い光線が魔力の渦に突き刺さる。激しく光芒が弾け、『王位』を包む魔力の渦が散っていった。

『余の次元渦を? あり得ぬ』

俺はさらに『ジャッジメントレイ』を連射する。『王位』は『高速移動』で避けながら光球を放って反撃してくる。だが何本かの光線の直撃を受けて、かすかに怯んだような表情を見せる。

『余に損傷を与えることができる技があるとは』

『強魔法耐性』持ちなので、魔力を使った攻撃でダメージを受ける事自体が驚きなのだろう。『魔王』が光属性に弱いというのはお約束なのだが、『王位』のもとからの性質だったというのは『アナライズ』でわかった。

俺がさらに『ジャッジメントレイ』を連射すると、『王位』は自らの前に黒い網目模様の、半球状の力場を展開した。光線がその力場に当たると吸収されたように消えてしまう。

「悪いな、その技もよく知ってるんだよ」

俺は『天之九星』を左手に持ち替え、『空間魔法』から『魔剣ディアブラ』を取り出す。『ディアブラ』も強敵を嗅ぎつけたのか、手の中で激しく身もだえする。と思ったら、『天之九星』も震え出した。もしかしたら聖剣と魔剣で互いに反応しているのかもしれない。

『ジャッジメントレイ』をさらに撃ち込みつつ、『高速移動』で一気に間合いを詰める。『王位』が展開する半球状の力場に『魔剣ディアブラ』を叩きつけると、バチバチッと赤黒い火花が連続して炸裂した。

『余の反魔力が食われた、だと?』

半球状の力場が消失したことに驚いたのか、『王位』が目を見開きながら飛び退く。

「悪いな、お前との戦いは二回目なんだ」

『意味がわからぬ。お前の言葉は一切の意味がわからぬ』

「かもしれないな」

『王位』は両手を横に広げると、その手の中に魔力を集中させ、赤い光の剣を出現させた。俺の二刀流に対抗した、というわけではなく、元々そういう技のはずだ。

『余の支配を受けいれよ』

二本の光の剣を携えた『王位』が、いきなり目の前に現れる。超絶的な高速移動、そこから繰り出される、光の奔流のような斬撃の嵐。

俺は聖剣『天之九星』と魔剣『ディアブラ』の二刀をもってその攻撃を迎え撃つ。鋼の刃と光の刃が交錯し、そのたびごとに俺と『王位』の位置が瞬時に入れ替わる。人知を超えた斬り合いの余波で、王の間の床も壁も天井もすべてが引き裂かれ、崩れては消えていく。

『ムフウゥゥッ! 余と並ぶ者が、同族以外で存在しようとは』

「あ~それも悪いな。実はお前達の力もいただいているんだよ」

『また意味のわからぬことを!』

『王位』の剣技に凄みが増してくる。二本の光の剣は、もはや俺を赤い光で飲み込もうとしているかのようだ。さすがの俺も一度受けに回ると反撃のチャンスが掴めない。『王位』は間違いなく、あの『魔王』と同等の力を持っているようだ。

しかしこんなやつ相手に勇者パーティはよく勝ったものだ。今さらながらに自画自賛してしまう。

もっともそれより驚きなのは、そんなやつを相手に、俺が一人で十分に立ち回れていることだ。一度戦っているというアドバンテージに加えて、『魔王』の力を吸収したことが相当に有利に働いているらしい。まあ一応、あの『特Ⅲ型』戦の後、密かに鍛錬をしていたこともあるのだが。

『我が支配を受けいれぬ者は消えよ!』

焦れたのか、『王位』が距離を取って大技の構えを取った。両の剣を頭上で一つに合わせ、さらに膨大な魔力を送り込み、剣そのものを10倍にまで大型化させる。

『王位』は、その赤く輝く巨大な剣を大上段から振り下ろしてきた。受けることはもちろん、避けても余波で大ダメージを受けるような一撃だ。

だがその必殺技もまた、俺にとっては既知のものだ。もちろんその対応策も。

「『隔絶の封陣』っと」

俺の周囲に六角形の網目が入ったバリアが一瞬で展開される。勇者専用の絶対防御魔法は、さっき『王位』が使った防御魔法と対をなすものだ。

『王位』の赤い剣が『隔絶の封陣』に叩きつけられる。と、周囲を圧するほどに輝いていたその赤い光が、一瞬で食われたように半分以上かき消える。

それでも残った剣は床に叩きつけられ激しい爆発を起こしたが、その魔力のほとばしりも、大半が『隔絶の封陣』に吸い込まれて消えていった。

『ヌウゥゥッ!? 余の力が吸収されたというのか!?』

「まあそういうことだな」

もっとも前に同じことをした時は、俺の魔力が弱くて完全には防げなかったのだが、今回はまったくのノーダメージだった。いまさらだが俺はちょっと強くなりすぎたのかもしれない。

一瞬の狼狽を見せた『王位』の懐に、『高速移動』で一気に入り込む。『王位』は慌ててさっきの防御魔法を展開したが、俺は右の『ディアブラ』を一閃して闇の障壁を切り裂く。

『あり得ぬゥッ!』

下がろうとする『王位』に食らいつき、左の『天之九星』を突き出す。

九つの星が刻まれた刀身は、『王位』の胸部中央に深々と突き刺さった。

『ぐふッ!?』

このレベルの存在は、普通剣の一突きくらいでは致命傷にはならない。だが今『王位』に突き刺さったのは『魔王』に特効のある『聖剣』だ。その聖なる力は一瞬で『王位』の全身を駆け巡り、再生能力を始めとするすべての能力をしばらくの間奪い去る。

「すまないな」

俺は『天之九星』を引き抜くと同時に、『ディアブラ』を横に薙ぐ。

『王位』の彫像みたいな頭部が、驚愕の表情を浮かべたまま床に落ち、それを追うようにして体もまた崩れ落ちた。

「さて、と。あいつと同じようになるかどうか」

俺は少し下がると、首と体が泣き別れになった『王位』の死骸をじっと観察した。もしコイツがあいつと同じなら、この後変身するはずなんだが――

「あれ、これで終わりか?」

俺の懸念をよそに、『王位』の亡骸は黒いコールタールみたいな液体になって、床にしみこんで消えていった。代わりに残されたのは野球ボール大の、赤黒く磨き抜かれた材質不明の球体だった。

——————–

王位応魔の核

応魔の真体を封じた核。

周囲の魔力を吸い上げる特性を持ち、一定量を吸収すると応魔として復活する。

王位の真体は破壊しても、長い時間をかけ魔力を吸い上げて再生する。

——————–

『アナライズ』すると、とんでもない情報が出てきた。

要するにコイツは滅ぼすことができないらしい。

そしてそれは、まさに異世界で俺が戦ったあいつ――『魔王』と同じ特性であった。

「これはやっぱりそういうことだよなあ……」

しかもさきほどまで戦っていた『王位』の姿は、おれがかつて、と言っても主観的には半年ちょい前に相手をしていた『魔王』、その姿に酷似していた。

残念ながらここまで条件が揃えばもはや疑いようもない。

「つまり『魔王』は、『応魔』の『王位』が『あの世界』に来て、独自に進化した姿だったってわけか。ということは、もしかしたらあっちこっちの世界に『魔王』がいるのかもしれないな」

世界どころか、この地球がある世界の、どこかの星に『魔王』が君臨しててもおかしくはない。というか実際こっちの世界のどこかの星に君臨するつもりみたいだからな、あの『魔王』改め『導師』は。

さて、それはそれとして、この『王位応魔の核』はどうしたものだろうか。潰しても復活するなら意味はないし、とりあえず『空間魔法』に入れておくしかないか。

俺は『核』を『空間魔法』に放り込みつつ、『ウロボロス』へと戻ることにした。

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~
Score 8.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Aiba Hashiru is a hero who was summoned to another world. After defeating the Demon King, he returned to his original world due to some troubles, and returns to his former life as a new teacher with his abilities as a Hero warrior. However, among his students, there are those who fight against monsters, aliens, and a mysterious criminal organization. This is a story about the life of a former hero, who doesn’t particularly hide or hold back his heroic abilities

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset