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My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~ – Chapter 351

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翌日の午後6時、俺は『機動』魔法と『隠蔽』魔法を併用して、九神邸の玄関前に来ていた。

九神邸は最新マテリアルをふんだんに使った現代的な豪邸で、正直素人目にはどれくらいの金があればこんな家が建てられるのか想像もつかないレベルである。

呼び鈴を鳴らすと、眼鏡美人メイドの宇佐さんを伴って、金髪縦ロールの九神世海と、亜麻色のロングヘアをなびかせた美人、権之内碧さん、そして九神兄の金髪イケメン、藤真青年が迎えに出てきた。

「お待ちしておりましたわ相羽先生。どうぞ我が家だと思ってお上がりくださいませ」

「さすがに我が家は無理だけどお邪魔させてもらうよ。権之内さんもお元気そうで安心しました」

「はい、その節は大変お世話になりました。御覧の通り身体はすっかり元の通り、というより元よりも元気になったくらいです。すべて相羽様のおかげです。ありがとうございました」

「行きがかり上対応しただけですのでそこまで感謝されなくて大丈夫ですよ。お兄さんにもお世話になっております」

「いえいえ。今日はいらっしゃっていただきありがとうございます」

などと藤真青年とも挨拶をかわしつつ、すでに慣れ始めている九神邸の応接間に入る。

そこには九神父ことイケオジの仁真氏と、さらには金髪の落ち着いた雰囲気の美女がいた。年齢から見ても、間違いなく九神のご母堂だろう。

「いつもご足労いただきまして申し訳ありません。相羽先生のご活躍は娘から色々と聞かされております。それとこちらが私の妻で世海の母のジュディスです。先生とは初めてだったと思いますが」

「ええ、お初にお目にかかります。世海さんの通う学校の教員をしております相羽と申します。娘さんにはお世話になっております」

俺がお辞儀をすると、ご母堂――ジュディスさんはニコリとほほ笑んでお辞儀を返してきた。

「こちらこそ初めまして相羽先生。先生についてのお話は、娘や宇佐のほうから何度も聞いております。当家に様々にご助力いただいているとのことで、篤くお礼申し上げますわ。それと二人にとってはどうやらとても魅力的な方だということも察しておりますので、そちらのお話もできれば伺いたいと思っておりますの」

名前からして英語圏の出身と思われるが、完全にネイティブな日本語である。口調が微妙に古風なのはよくわからないが……。まあ九神家の一員である以上、俺の想像が及ばないほどの才媛なのだろう。

「どのようなことを知られているのかは少し怖いところですが、今は元勇者というだけのただの教員ですので」

そう答えつつ、促されてソファに座る。

九神たちが席に着き、テーブルの周りには俺と九神夫妻、九神兄妹、そして碧さんの6人が揃うと、メイドの宇佐さんが早速お茶の用意を始める。

「ところで先ほどお話しましたが、権之内さんが回復されてなによりでした。リハビリは大変だっただろうと思うのですが」

とりあえず俺の居心地が悪い方の話題を片づけるつもりで話をすると、碧さんが再度頭を下げた。

「相羽様には本当に助けていただき感謝申し上げます。私のことだけでなく、権之内家としても当主の愚行を止めていただいた恩もございますので、ぜひともお礼をさせていただきたいと思っております。ただ世海の話を聞くにつけ、なにを差し上げたらいいのか途方に暮れておりまして……」

「ああ、それは九神さんのほうから十分すぎるほどいただいておりますし、自分としてはそれで納得しているので結構ですよ。それよりお父上のほうはどのようになっているのでしょうか」

碧さんの父である権之内孝憲氏は、『クリムゾントワイライト』に協力して、色々と犯罪に加担してしまった人物である。実際は娘である碧さんに関わるいきさつから九神家を恨んでの犯行だったのだが、それ自体が『クリムゾントワイライト』の幹部に仕組まれていたことだったという救われない話であった。

『クリムゾントワイライト』日本支部が壊滅した時に逮捕されて留置されていたはずだが、その後どうなったかは聞いていないのだ。

「父は起訴はされておりますが、その後保釈が認められて家に蟄居しております。後は裁判の結果次第になりますが、相羽様には大変感謝していると申しております。そして相羽様に対して礼をせよというのは父の意向でもあります」

「そうですか……」

う~ん、誤魔化すつもりが結局お礼を受け取らないといけない流れになってしまった。碧さんは20歳くらいのはずだが、すでにこういったやり取りでかなう相手ではないらしい。

しかし正直権之内家がどの程度の家なのかも知らないし、適当な落としどころがわからないんだよなあ。

と悩んでいると、九神父の仁真氏が助け舟を出してくれた。

「権之内の家は建築や不動産関係を扱っておりまして、今後藤真をそちらに入れて九神の不動産関係は全面的に権之内家に移すつもりでいます。この間先生はお引越しをされましたが、あのようなことでお力になれるかと思います」

「ああなるほど。それではいずれ家を建てるとかの話になったらなにかお願いするとか……ああいや、実家が家を建て替えるとか言っていたからそっちで……」

とうっかり口を滑らせたら、碧さんだけでなく藤真青年までも身を乗り出してきた。

「そういうことなら十分にお力になれると思います。お任せください」

「そ、そうですか。では一度親に話をしてみますのでそれで」

ということで、なぜか実家に押し付けるという話になってしまった。

まあそれよりも気になるのは、今の仁真氏の「藤真を権之内家に入れる」という話だ。つまり彼が碧さんの婿として権之内家に行くという話で、それはつまり正式に九神世海が九神家を継ぐことが決まったということでもある。庶民にはまったく関係のない話ではあるが、こういった家ならではのやりとりがあることに改めて感じ入ってしまう。

ともあれ碧さんのほうの話はひと段落ということで、次は仁真氏の話となる。

「ところで相羽先生、実は例の『定在型深淵窟』なのですが、宇佐家の者の話によると、微妙に変化が感じられるそうなのです」

「変化ですか?」

「ええ。どうも一部出現する『深淵獣』の見た目が変化しているようなのです。例えば、以前六本足を持つトラの形をした『丙型』がいたと思うのですが、最近それが四本足になっているのだそうです。さらに言うと、今までは時々出現していた『乙型』が出なくなり、代わりに『丙型』以下のものの種類が増えたという話もあります。さらには、残す『深淵の雫』の形状も変化しているらしいのです」

おっとそれは少し気になる話が出てきたな。

『定在型深淵窟』というのは、異世界の環境汚染(?)の影響によって出現した『深淵窟』で、ボスがいない代わりに消滅することがないという面倒な『深淵窟』である。

現在は青奥寺家の一派や、双党たちが所属している特務機関『白狐』、九神家の守護を担っている宇佐家の面々、さらには俺が捕まえて手下にしている『赤の牙』などが協力して、出現する『深淵獣』を間引くことで管理している。

ちなみに青奥寺や双党は、現在その任務からは外されている。宇佐家などの面々が『深淵獣』に慣れたということ、なにより『赤の牙』がほぼ専属で『深淵窟』にあたっていることがその理由である。

まあそれはともかく、出現するモンスターの形が変わるなんていうのはかなりおかしな『変化』だ。なにかまた新しいトラブルの予感がする。

「それはかなり気になりますね。今週末に一度見に行ってみますよ」

「そうしていただけると助かります。さすがに『深淵窟』関係のイレギュラーに対応するのは難しいですので」

「それは仕方ないでしょう。経験できる場所がほかにありませんしね」

というわけでこちらの話は週末の調査次第だ。

すると今度は、九神母のジュディスさんが口を開いた。

「相羽先生、少しプライベートなお話をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「答えられる範囲であれば」

「では単刀直入にお伺いしますわ。相羽先生は、結婚のご予定はございますか?」

「は……ああ、いえ、その予定は今のところまったくありませんね」

「それではお付き合いされている女性などは?」

「そちらもおりません」

「世海によると、先生の周りには美しい女性が複数いらっしゃると伺っておりますけれど、そちらは違うのですか?」

「ええ、違いますね」

複数いると言っても当然青奥寺たち教え子グループは最初から入ってないだろう。

とすると該当者は雨乃嬢、宇佐さん、カーミラ、一応ルカラスも入れるとして、クウコはさすがに狐メインだから違うだろうし、あとはイグナ嬢くらいか。

うん、全員違うな。ルカラスだけはそんな話をしているが、俺の中ではまだ古代竜だしなあ。あいつを人間の女性として見るにはかなり時間がかかりそうだ。

などと考えていると、ジュディスさんは宇佐さんになにか目くばせをしていた。それを受けて宇佐さんがなぜか肩を狭めて小さくなっている。逆に九神はそれを見て不敵に笑っているのだが……そこでどんなやりとりがなされているのか、さすがの勇者でもわからない。

「そうですか。ところで先生は、娘の世海のことはどう思われますか?」

「聡明で礼儀正しく、しっかりした生徒だと思いますよ。異世界などに行っても落ち着いていますし、この年齢の女子としては驚くほどに精神が強いと感じますね」

「先生としては好みの異性になりそうでしょうか?」

「え……いや、さすがにそれは教師としては答えようがない質問ですね。なにを答えても問題になりますので」

いきなりとんでもないことを言われて驚いたが、『高速思考』スキルを使ってなんとか乗り切る。ジュディスさんとしては俺の対応力みたいなのを探っている感じなのだろうか。

仁真氏と藤真青年を見ると、微妙に苦笑いというか、困ったような顔をしていた。このやり取りは事前になかった話なのかもしれない。

一方でジュディスさんは納得したような表情をしつつ、頭を下げて謝ってきた。

「申し訳ありません、少しそぐわない話をいたしました。しかし先生がしっかりした方だというのは理解いたしました。世海のこと、今後ともよろしくお願いいたしますわ」

「ええ。もちろん教師としてできる限りのことはします」

「可能なら、学校を出た後もお付き合いいただけると嬉しいのですが」

「すでにいろいろと関わっていますし、私の秘密めいたことも彼女には知ってもらっていますので、こちらもそのつもりです」

と俺が答えると、ジュディスさんは満足した表情を見せ、夫の仁真氏とうなずきあった。う~む、どうもよくわからないが、正解の対応はできたということか。

その後夕食を共にということで、九神家の豪華なディナーをいただいてからアパートに帰った。

どうもその時の席が、九神夫妻、藤真青年と碧さん、俺と九神という形に2人一組でセットされていた気もするのだが……。いや偶然だなきっと。

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~
Score 8.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Aiba Hashiru is a hero who was summoned to another world. After defeating the Demon King, he returned to his original world due to some troubles, and returns to his former life as a new teacher with his abilities as a Hero warrior. However, among his students, there are those who fight against monsters, aliens, and a mysterious criminal organization. This is a story about the life of a former hero, who doesn’t particularly hide or hold back his heroic abilities

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