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Nope, It’s Called Item Synthesis! – Chapter 157

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タニクゥさんと水の精霊との契約成功から数日が経過した。

私達は地底湖の水源の様子を観察しつつ、新しく契約した精霊がちゃんと水を確保できるのかの確認を続ける。

「水位がだいぶ上がってきましたね。これならオアシスの水を段階的に開放できます」

と、王都から同行してきた魔法使いの人達が太鼓判を押してくれる。

「良かった。これで町の住人達を安心させる事ができますね」

と、査察官もホッと安堵の溜息を漏らす。

実際、この数日間町の住人達がオアシスを覆う壁の外に殺到して、水源が戻ったのかとひっきりなしに詰め寄っていたからね。

それに対して王都からついて来てくれた護衛の騎士団が水源が蘇って、今は様子を見ている最中だと説明したんだけど、人間証拠を見ないと信用は出来ないからね。

自分達にもオアシスを見せてくれって言って聞かなかったんだよね。

でもそんな事したら、水源が人で一杯になって大変な事になっちゃうから段階的に水を補給する事を約束して事なきを得た訳である。

勿論後ろで武力をちらつかせてだけどね。

「巫女様、水を分配しても良いか、精霊様方に伺って頂きたいのですが」

と、査察官が私にわざわざ尋ねてくる。

それというのも、ミズダ子達が私を介さないと彼等の話を無視するからだ。

最初はタニクゥさんと契約した水の精霊は直接会話してたんだけど、上司であるミズダ子に忖度したのか、同じ様に私かタニクゥさんを介さないと話に応じなくなっちゃったんだよね。

そんな所までミズダ子に似なくてもよかったのに。

「分かりました。ミズダ子、どう?」

「んー、そうねぇ」

私に問われたミズダ子は、地底湖と水の精霊を交互に向いてふーむと考え込む。

「この子の力だとあんまり大量に水を持っていくと地下水脈から水を確保する力が弱まるわ。今の水位だと、この程度の量が限界ね」

と、地底湖から水の塊を浮き上がらせる。

「十分です。これだけあれば町の住人を納得させられます!」

そう言うと査察官達はミズダ子から受け取った水を大きな桶に入れて地上に運んでゆく。

「やっぱ水を沢山もってくのは不味いの?」

「そうね、この子は大した力がないから、この地底湖に蓄えた水を力の場として使わないと、地下水脈から水を呼び寄せることが出来ないの」

つまり、地底湖の水を取り過ぎたらマズいって事か。

これ、未来のこの町の人達にしっかり教えておかないとヤバイよね。

「ご安心ください。水の管理については我々が責任をもって人々に伝えてゆきます」

と、タニクゥさんが真剣なまなざしでミズダ子に自分達がちゃんと管理すると宣言する。

「そうね、今度はちゃんと守りなさいよ。私はもう助けてあげないからね」

「ははっ!」

うーん、こうしてると偉い精霊っぽい振舞いなんだよなぁ。

まぁ、思いっきりドライフルーツパクつきながらだから、完全に台無しなんだけど。

「巫女様方、用意が整いました。こちらへ」

「へ? 用意?」

「分かりました。参りましょう巫女様」

と、状況の分からない私の背中をタニクゥさんが押してくる。

「えっと、準備って何です?」

「水の配給と私の領主就任のお披露目ですよ」

「ああ、あれか」

水源を復活させた事で、タニクゥさんの領主就任は決まった。

実際に領主になるには王都で正式に式典を行ってかららしいんだけど、今回は町の人達の不安を早く解消させてあげたいから、領主就任の宣言だけ先にすることになったんだって。

ぶっちゃけ地底湖の経過観察も、その為の準備を待つ間の暇つぶしみたいなもんだったりする。

いや、水源がちゃんと戻るかは凄く大事なことなんだけどね。

「こちらに、お着替えの用意が出来ております」

私達は領主の館に連れていかれると、そのまま部屋に連れ込まれて着替えが始まる。

「ってなんで私まで!?」

私は仲介役であって、領主になるのはタニクゥさんでしょ!?

「巫女様は大精霊様に仕える大巫女様ですから、式典に参加して頂く以上、相応の装いをしていただく必要があるのです。どうかご理解を」

「領主様の仰る通りです。水の大精霊様は王都に顕現されました。その件もあって、王都に水の大精霊様がお姿を見せてくださった正当性を示す必要があるのです」

王都からやってきた魔法使い曰く、事情を知らない王都の住民達からしたら、あの件は国にとって物凄く重要な水の精霊が怒って王都に殴り込み駆けて来たんじゃないかって不安に陥っているらしい。

だから逆にあの事件はミズダ子と私が王家に協力する事を証明する為のデモンストレーションだったと大々的に公表して、国民の不安を払拭したいんだって。

「でも私、顔は見せたくないんですけど」

「ご安心を。お顔はフードで隠しますので」

ああ、それならまぁ。

隅っこで黙って座ってるだけならおっけーですよ。

なんて話をしつつ、私達は着替えを終えた。

「おおータニクゥさん似合ってますよ!」

着替えを終えたタニクゥさんは、民族衣装からいかにも領主といった装いにドレスアップしていた。

うん、これなら貴族と言われても納得だよ! 服の力って凄いなぁ。

「ありがとうございます。巫女様もお似合いですよ」

「あ、どうも」

と言っても、私は顔を隠してるから、似合うもへったくれもないんだけどね。

一応纏っているローブはいかにも偉い司祭様みたいな恰好なんだけど。

「では参りましょうか」

タニクゥさんに手を差し出され、私達は領主の館を出る。

『皆、よく来てくれた』

拡声魔法で船長の声がオアシス前の広場に響き渡る。

高台の上から見ると、広場には町中の人が居るんじゃないかってくらいの人が集まっているのが分かる。

『皆を呼んだ理由は既に分かっているだろう。まずはこれを見て欲しい!』

船長が手を上げると、高台に大きな桶がいくつも運ばれてくる。

「デケェ!」

「もしかしてアレ全部に?」

桶を見た町の人達が騒めく。

『そうだ、これこそ蘇ったオアシスから酌んできた水だ!』

船長はバケツを桶の中にツッコミ、ざぱぁと言う音を立てて水を滴らせながらバケツを持ち上げる。

そして酌んだ水を再び桶の中に勢いよくぶちまけた。

「「「おおーっ!!」」」

その光景に桶の中が大量の水で溢れていると分かり、住民が歓声を上げる。

『この通り! オアシスは復活した!』

船長の宣言に、再び広場に歓声が上がる。

『さて、それではオアシス復活の立役者を皆に紹介しよう! タニクゥ殿、こちらへ!』

船長の呼びかけに応じ、タニクゥさんが前に出る。

『この方こそ、涸れ果てたオアシスを蘇らせた英雄にしてこの町の新たな領主タニクゥ男爵だ!』

船長の紹介に、広場がどよめきで包まれる。

「領主? どういう事だよ? この町の領主は子爵様だろ?」

『静粛に! 静粛に!』

けれど、困惑している住民達はなかなか静かにならない。

結局衛兵達が頑張って漸く静かになるまで、数分がかかってしまった。

『改めて自己紹介しよう。私が新たな領主となったタニクゥ=ハチャーテ男爵だ』

あれ? ハチャーテって部族の名前だった気が。貴族になるときに部族名を名前にしたのかな?

『皆聞きたい事は色々あるだろう。だがその前に私は領主として最初の仕事を行いたいと思う』

「最初の仕事?」

皆が一体何をするのかと戸惑っていると、高台にやって来た衛兵達が水の入った大きな桶を広場へと運んで行く。

そしてどこからか運んできたコップに桶の水を注ぎ始めた。

『皆が最も欲している水を与える事! それが私の領主としての最初の仕事だ!』

「「「お、おおぉぉぉぉぉぉっっっ!!」」」

水が貰えると聞いて、町の人達が歓声をあげる。

「水! 水だ!」

「早くくれ!」

「俺が先だ!」

水が貰えると言われ、町の人達が我先にと衛兵達の元に殺到してゆく。

高台の上から見たその光景はさしずめ人の津波の如き凄まじさ……ってこれヤバくない!?

「「キシャァァァァア!!」」

けれど、あわや暴動寸前のところで、巨大な獣が叫び声をあげた。

「「「うわぁぁぁぁ!?」」」

それは私達の護衛について来ていたグレートカワウソ達だ。

『落ち着け! 水は全員分ある! 慌てる必要はない! まずは子供と老人から配る。次に女、そして男だ。落ち着いて並べ!』

人々がグレートカワウソに驚いたタイミングで、船長が町の人達に並ぶよう命令してゆく。

町の住民達は巨大な猛獣の姿にビクビクしながら、彼等を刺激しない様に衛兵達の指示に従って並んでゆく。

それと同時に高台に居る私達にも水の入ったコップが配られる。

そして全員に水が行き渡ると、再びタニクゥさんが口を開く。

「では、オアシスの復活を祝って、乾杯!!」

「「乾杯っ!!」」

「「「か、乾杯っ!!」」」

コップを天高く持ち上げたタニクゥさんが声を張り上げると、衛兵達やタニクゥさんの近くで待機していた船長や査察官達が続く。

その光景を見て、町の人達も慌てて乾杯に加わる。

そしてタニクゥさんが水をぐいっとあおると、皆もそれに続いて水を飲む。

「っぁ! 美味ぇ!」

「喉に染みるぅ!」

「ああ、水ってこんなに美味かったんだなぁ」

これまでギリギリまで水を切り詰めて生活してきた人達が、久々に後の事を気にせず飲める水に喜びの声をあげる。

「あっ、やべ、涙出てきた」

「ばっか、せっかくの水を無駄にするなよ」

「お前だってそうだろ」

「……」

ギリギリの状態で堪えていた人々が喜びに震える光景を見て、タニクゥさんもまた喜びとも怒りとも言えない眼差しを見せていた。

『皆聞いてくれ』

皆が水を飲み終えたタイミングを見計らったタニクゥさんが声を発すると、町の人達の視線がタニクゥさんに集まる。

ただ、その雰囲気は、先ほどまでと比べて柔らかいものになっている気がする。

『今はまだオアシスが完全に復活していない為、これだけしか皆に水を配る事が出来ぬ事を心苦しく思う。だが、もう少しだけ待ってほしい。オアシスが完全に復活すれば、また以前のように水を得る事が出来るようになると新領主として約束しよう』

「「「おおっ……」」」

オアシスが完全に復活すると聞いて、皆の声に明るさが戻る。

それというのも、領主としての話をする前に皆に水を配った事が大きく影響しているんじゃないかな。

実際に水が飲めた、喉を潤せたという喜びが本当にオアシスが復活するという実感に繋がっただろうから。

『さて、次は私が新たな領主になった理由だが……査察官殿』

『はっ。あのものを連れてこい!』

タニクゥさんに話を振られた査察官が高台の後ろに控えていた衛兵達に声をかけると、彼等は広場から見えない高台の奥から一人の男を連れて来た。

「おい、あれ……」

そこに現れた人物を見て、町の人達が困惑の声を上げる。

「領主様じゃないか?」

そう、衛兵達に引きずられるようにして姿を現したのは、グロラコ子爵だった。

「でもなんで縛られてるんだ?」

町の人達の言う通り、グロラコ子爵は両手に枷を嵌められ、猿轡をされて喋れなくされている。

「~つ!! ~っ!!」

何かを叫んでいるみたいだけど、猿轡の所為で何を言っているのかさっぱり分からない。

その姿は町を支配する領主のそれではなく、どう見ても捕まった犯罪者のそれだ。

『詳しい経緯は省くが、グロラコ子爵は数日前に町の外でとある違法行為を行った為に捕まった』

「領主様が捕まった!?」

うん、そりゃ自分達の町の領主が捕まったって聞いたら皆ビックリするよね。

『その上で聞いてほしい。グロラコ子爵が捕まったのはこの町の外でだ。オアシスが涸れて大変な事になっている町を放って、町から遥か遠く離れた場所に居たのだ。何故だ?』

「言われてみれば、なんで町の外に居たんだ……?」

「やっぱり俺達を見捨てて逃げたんじゃ……」

グロラコ子爵が町から遠く離れた土地で捕まった理由を問われ、住民達が剣呑な空気に包まれてゆく。

『我々はグロラコ子爵が町を捨てて逃げ出したと判断した。そして貴族として領内の水源を守れなかった事は重罪であり、あまつさえ領民を捨てて逃げ出した事を我等王都騎士団は国への背信行為と断定する!』

「「「っっ!?」」」

王都の騎士団が領主をそこまで言った事に、騒然となる広場。

『事実、グロラコ子爵の乗った砂馬車からは、大量の財宝の他、多くの商人達との取引の書類が積まれていた。グロラコ子爵はそれをオアシスを復活させる為の方法を探す為の資金と言っていたが、財宝ならともかく、書類は必要ないだろう』

だよね。お金や宝石ならともかく、書類を資金として使うのは普通あり得ない。

せいぜい土地の権利書とかお金になりそうなものくらいだけど、それらの書類を調査した査察官の話では、そういうものじゃなかった。

寧ろもっとひどいものだったんだよね。

『砂馬車に積まれていた書類、それはグロラコ子爵の不正取引の書類だったのだ!』

「「「えええっっ!?」」」

そう、砂馬車の船倉の荷物の中には大量の違法な取引や、それで得た持っていない筈の財産の山だったのである。

しかもそれ等の書類は一見すると食料や水の樽の底に偽装されていて、明らかに見つからない様に隠していたのが分かる隠しっぷりだ。

『これは由々しき事態である! 領主ともあろうものが、自分の領地を守らず、それどころか不正に蓄えた私財とその証拠を隠しもって逃げ出したのだ! この時点で許される事ではない!!』

査察官の怒りに燃えた演説に、町の人達の表情が怒りに染まってゆく。

「マジかよ。あの野郎俺達を見捨てただけじゃなく、そんな事までしてやがったのか!」

「前々から黒い噂のあった店が真っ先に逃げてたのも、あの野郎とズブズブだったからか!」

「許せねぇ! 俺達を見捨てて自分だけ逃げようとしやがって!!」

置き去りにされた事だけじゃなく、汚職までしていたと分かって町の住民達の怒りが爆発する。

それどころか、今にもグロラコ子爵をボコボコにしようとオアシスを隔てる壁ににじり寄ってきて、再び暴動が起きそうな気配になってゆく。

『それだけではない!』

そんな空気に一石を投じたのは、査察官だ。

町の人達はまだ何かあるのかと彼に視線を戻す。

『皆も聞いた通り、新領主殿が蘇らせたオアシスの水源だが、元を正せばこの土地はハチャーテ男爵の一族が見つけた土地なのだ!!』

「ええ!? どういう事だよ!?」

査察官は王都で長老が語った一族の歴史、そして先祖代々守って来たオアシスをグロラコ子爵に奪われた事をドラマチックに語る。

ただし、国の人間が土地の略奪に関わったという都合の悪い部分はカットしてだけどね。

まぁその辺はタニクゥさん達が故郷を取り戻す為の取引材料だったので、私も余計な事を言うつもりはない。

『そして遂にハチャーテ男爵はグロラコ子爵から故郷を取り戻したのだ!!』

「「「おぉぉぉぉぉっ!!」」」

町の人達はタニクゥさんの悲劇的な英雄譚に大興奮。

自分達を裏切った領主をやっつけて、ご先祖様の敵を討った英雄として熱狂していた。

「マジかよ! 大したもんだぜあの領主様!」

「まさかこの町にそんな秘密があったなんて!」

「でも話を聞いてみるとあの時の精霊様の言葉の意味が分かったよな」

「ああ、本当に男爵様がこの町の統治者だったんだな」

こうなるともう完全にグロラコ子爵が悪役で、それをやっつけたタニクゥさんが正義のヒーローとして皆の中で定着していた。

「新領主様バンザーイ!」

「ざまぁ見ろグロラコーッ!!」

「町を助けてくれてありがとう領主様ーっ!!」

『以上の事から、我等王都査察官および騎士団はグロラコ子爵を国家反逆罪として逮捕し、貴族の位を剥奪するものとする! グロラコ元子爵の罪は非常に重く、極刑は免れない者としれ!!』

「っっ!?」

王都から来た査察官から極刑を言い渡され、グロラコ子爵が膝から崩れ落ちる。

不正の証拠もある以上、もう何を言っても言い逃れは不可能だろう。

『皆、聞いてほしい』

そんな熱狂の中、タニクゥさんが査察官に替わって声を上げると、広場がシンと静まり返る。

今度は何を言うんだろうと、皆興味津々だ。

『聞いてほしいのはこれからのオアシスの事だ。これまでは古の契約のお陰で水に困る事はなかったが、新たな契約を結んだ今後、今までのように自由に水を得る事は出来なくなってしまった』

水が自由に手に入らなくなると聞いて、どよめきが上がる。

『これまでの我々は、精霊様の恩恵のありがたみを深く理解せずに浪費してきた。これはその罰と言えるだろう』

タニクゥさんの説明に、皆はこれからどうなるのかと不安げな顔を浮かべる。

『だが考えて欲しい。本来なら古の契約が失われた時点でこの町は滅ぶ定めだったのだ。それを回避する事が出来たのは、全て水の大精霊様の慈悲と言える』

そう言ってタニクゥさんが手を上げると、オアシスから幾つもの水の球がうかびあがってプカプカと広場の上空を回りだす。

って何アレ!?

「地底湖の子が町の人間をびっくりさせる為にやってるのよ」

「うわっ!?」

いつの間にか現れたミズダ子が私の耳元で囁いてくる、ってめっちゃビックリした!

『そして、大精霊様が慈悲を与えてくださった事こそ、我等がお仕えする大精霊様の巫女、大巫女様のおかげなのだっ!!』

「え? 大巫女!?」

いきなり何言ってんのタニクゥさん!?

「はい出番ですよー」

「はっ!?」

そして私の両脇を抱えて前に連れていくミズダ子。

「ちょっ、こら!」

『このお方こそ、水の大精霊様が選びし大巫女様にして、この町を救った真の救世主だ!!』

「その通りよぉぉぉぉっ!!」

「「「おぉぉぉぉぉっ!?」」」

タニクゥさんの紹介と共に私を抱きかかえたミズダ子が水をブワリと華のように翻して宙に浮かび上がる。

「わわわっ!」

私は慌ててフードの端を掴むと、顔が見えない様に隠す。

「私は水の大精霊ミズゥィーダーコゥ! そしてこの子こそ、私が寵愛する巫女にして御子!」

「「「おぉぉぉぉぉぉっ!!」」」

突然の水の大精霊の出現に、広場は大騒ぎになる。

「聞きなさい! 私が再びオアシスを蘇らせる事を許したのは全てこの子の望み! この子の願いなくば、この地は永遠に砂に埋もれた事でしょう!」

「「「っ!?」」」

精霊であるミズダ子の言葉に皆が息を飲むのが伝わる。

「讃えなさい! 敬いなさい! お前達を救った真の救い主を!」

うぎゃーっ! 何言ってんだこの残念バカ精霊ーっ!

今すぐ黙らせて脳天ぶっ叩いてやりたいものの、衆人環視の前で大声だしたら中身が若い女の子だとバレてしまう。

あとこの国の人達が崇めている水の精霊を殴るのもマズいぃ~っ!

「大巫女様ばんざーい!」

「水の大精霊様ありがとうございます!」

「新領主様もありがとうございます!!」

そんな風に悩んでいる間にも、広場の熱気は盛り上がってゆく。

「「「大巫女様、ありがとうございまーーーすっ!!」」」

やーめーてー! 悪目立ちさせるなぁーっっ!!

こうして、タニクゥさんの新領主就任挨拶は予想外の騒ぎへと発展し、夜遅くまで町はお祭り騒ぎとなったのだった……

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis! ~I Keep Creating Extraordinary Items From T*ash Piles Using Item Synthesis Ability!~, Renkinjutsu? Iie, Item Gousei Desu! ~Gousei Skill de Gomi no Yama kara Chou Item wo Mugen Rensei!~, 錬金術? いいえ、アイテム合成です!~合成スキルでゴミの山から超アイテムを無限錬成!~
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Kako Mayama is a girl who likes playing fantasy games, especially alchemy-themed games because she likes to craft items in games. One day, she died after saving an animal that was actually the pet of a goddess from another world. The goddess gave Kako a chance to be reincarnated in another world in return for saving her pet. She would also give her the ability of her choice from a list if she accepted her offer. Without hesitation, Kako accepted the offer and chose Alchemy ability from the listー No. To be exact, she wanted the Alchemy ability from the list, but because of some kind of careless mistake, she got Synthesis ability instead. Kako was disappointed at first but then she realized the greatness of her ability. Synthesis ability is kind of similar to Alchemy ability, but they have differences. To make an item using Alchemy, you need to collect the required materials first, but to use Synthesis ability you only need multiple items to be combined together into a higher grade item. When Kako realized the usefulness of her ability, she started to combine cheap items to create high-quality items and achieve a successful life. After a while, she became completely addicted to her game-like ability. She kept creating extraordinary items one after another and making a sensation around the world.

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