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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop! – Chapter 132

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「起きろォーッ!!」

俺は鍋をおたまで豪快にかき鳴らしながら簡易ベッドのマットレスをガンガン蹴飛ばす。舞い上がる大量の埃が窓から射し込む日の光に照らされ輝く中、ルッツが飛び起きた。

「うわぁっ!? ユリウス!? な、なんだよもう……うるせぇからそれやめろ!」

鍋を取り上げられ、手持無沙汰になった俺はルッツの毛布を引っぺがしてとっくに上り切った太陽を指す。

「もう昼だぞ。いつまで寝てんだ。昨日二次会でも行ったのか?」

昨夜はロンド主催の晩餐会があり、親戚のよしみかルッツも招待されてタダ飯を食らっていた。とはいえ会は常識的な時間にお開きになったはずだ。色々言ってもロンドは子供だからな。夜更かしは健全な成長の敵だ。まぁ健全な成長を阻害する敵はこの街には腐るほどあるので今更夜更かしがなんだよ感もなくはないが。

ルッツは目を擦りながら首を横に振る。

「違うよ。あのあとも仕事あったんだよ」

「仕事ォ? またバイトか!」

「ババアに頼まれてんだよ……居候の身だからな。宿代くらいの働きはしねぇと」

ババアに頼まれて夜勤のバイト? 宿屋の夜間受付でもやってんのか? 俺は机の上に乱雑に置かれたランタンをつつく。

ルッツがベッドから起き上がって大きく伸びをした。

「ところでお前、昨日の晩餐会中トイレ行きまくってなかった? 緊張してたの?」

うっ、見られてたか。

俺は人差し指で頭を掻く。

「いや、緊張っていうか……まぁ緊張もしてたけど、姫が水勧めてくるの断れなくてな……」

「水? なんで?」

「知るか! 良いんだよ、そんなことは。ほら、早く顔洗え。さっさと行くぞ」

ルッツが怪訝な表情で言う。

「なんだよ。どこ行くの? 今日はロンドとアリアちゃん二人で過ごすって言ってたじゃん」

「だからだよ」

俺は神官服についた埃を払い、皺を伸ばして背筋を正す。昨日に続き、今日も血の染みの付着していない神官服を選んで着てきた。久方ぶりに恩師の授業を受けるのだ。汚れた服では失礼だからな。

俺は教会の方角を指でビッと指し示す。

「セシリア先生がお待ちだ」

*****

「ふふ、なんだか見慣れた組み合わせね。貴方たちに補習授業をしたのが昨日のことのようだわ。シャルルも二人に会いたがっていましたよ」

在りし日を懐かしむセシリア先生に見守られながら、自分の腕に食い込む呪いの腕輪と格闘している。

俺はちらりと隣を盗み見る。ルッツも同じだ。俺の腕に食い込んでいるものと同じ腕輪を必死になって解呪している。

「もう二人とも立派な神官ですから、卒業試験の時よりも難易度の高い教材を用意しました。お二人の成長を先生に見せてくださいね」

くそっ、優しい顔して相変わらずスパルタだ。だいたい、働き出したからといって神官としてのスキルが自動的に上がるわけではない。確かに蘇生スキルに関して言えばどんどん上がっているが、他のスキルや知識は卒業試験直後よりむしろ落ちているまである。だってこの街で求められるスキルめちゃめちゃ片寄ってるし……

セシリア先生はニコニコしながらこちらを見ている。俺はこの笑顔を曇らせたくない。先生の期待に応えたい。しかし全力でやってるのにまったく呪いが解ける気配はない。

ど、どうする。俺は額に滲む汗を拭いながら、ちらりとセシリア先生を盗み見る。

……やるか、物理解呪。先生の眼を盗んで、どうにかできるか。いや、しかし。俺は躊躇した。

今回呪いの腕輪が着けられているのは自分の腕だ。さすがに自分の腕をぶった切るのは……

俺は表情を崩さないよう意識しながら、必死に頭を回す。麻痺毒を使えば痛みは抑えられるが、腕を斬れば相当の出血がある。上手く外せたとしても治療に使えるのは片手だけ。さすがに分が悪い。っていうか普通に無理だろ。絶対バレるし。ヤバい、焦りで冷静さを失っている。

落ち着け。よく考えろ。他になにかやりようがあるはず。大丈夫。相手はルッツだ。時間はある。

しかし時間などなかった。

「できた~!」

「はっ!?」

バッと顔を上げると、歓喜の声を上げながらバンザイしているルッツが目に飛び込んだ。手に握っているのは、呪いの腕輪……

愕然とした。そして目の前の光景を否定した。ルッツの左手を引っ掴み、薄っすら残った呪いの腕輪による締め付けの痕を指でなぞる。とりあえず血痕はない。骨を砕いたわけでもなさそうだ。

では腕輪の方に細工を? 俺はルッツの手から腕輪を掠め取る。

「な、なんだよ」

「一体どんなイカサマを使った……? ワイヤーでの切断? 油で滑らせて引っこ抜いた?」

「お前と一緒にすんな! 普通に解呪だよ。解呪以外で呪いの装備外すほうが難しいんだからな」

「なんでだよ……お前も解呪学再試組だったじゃん……」

「俺がダメだったのはペーパーテストですぅ~、実技はできまぁ~す」

コイツ、なにを誇らしげに。呪術学のテストなんて暗記だろうが。その得意気に尖らせた口を引っこ抜いて庭に植えてやりたいぜ。

しかしルッツの腕には腕輪がなく、俺の腕に相変わらず呪いの腕輪が食い込んでいるのは事実……俺は悔しさのあまりギリギリと歯噛みした。

「蘇生なら圧勝なのに……だいたい、この教会そんなに解呪依頼来ないし……」

「こらこらユリウス。これは勝ち負けではありませんよ」

セシリア先生にやんわり窘められてしまった。俺は慌てて口を押える。しかし失言した俺に対してもセシリア先生は優しい。

「貴方は器用で優秀ですが、少々即物的なところがあります。解呪というのは細かな技術も必要ですが、最も大切なのは信仰心。心からの神への祈りが呪いを解くのですよ」

「ユリウス微妙に信仰心薄いもんな」

ルッツのヤツ、また余計なことを!

俺は間違いを正すべく、声を大にする。

「薄くねぇよ! なんならめちゃめちゃ厚いわ。帰省したときだって女神像(小)持っていったし、素振りだってかかしてない。女神像(極小)なら常に持ち歩いてるし、女神像(大)には罠のスイッチを設置してる。分かるか? 信仰心がないとできねぇぞ」

「気付いてるか? 信仰心について話してるのに、さっきから偶像のことしか言ってないぞお前」

確かに。俺は大声を上げて今までの話を有耶無耶にすることにした。

「うるせー! セシリア先生! コイツ全然働かないですよ。蘇生できないし。バイトばっかで!」

「あっ、ちょ、チクんな! お、俺だってお前いない間は蘇生頑張ったし、他にも修行をだな……っていうか、お前そんなこと言うならあの庭のバケモノのこと……」

「てめぇ! それはナシだろ!」

成人男性の醜い足の引っ張り合いにもセシリア先生は柔らかな笑顔を崩さない。振り上げた俺の左手をスッと握り、まるで最初から呪いなどなかったかのように腕輪を外してみせた。

「二人で同じことをする必要はありません。足りない部分を補い合えば良いではありませんか」

「足りない部分……?」

そう呟いて、俺はハッとした。

セシリア先生が嬉しそうに言う。

「なにか思いついたみたいですね」

実のところ、俺はなにも思いついてなどいなかった。じゃあなぜハッとしたのかというと、セシリア先生の足元に例の触手マフラーがいたからである。

チャンス……とうとう出てきやがったな。今ならヤツの息の根を止められる。俺は舌なめずりをしながら女神像(極小)に手を伸ばす。

「ユリウス?」

セシリア先生の呼び掛けで我に返る。

まずい。このおびただしい脚を持つ人工生命体についてどう説明すれば。王都で暮らすセシリア先生には刺激が強すぎるのでは。

先生が続ける。

「あなたの噂は王都にまで届いているわよ。勇敢にも戦場に出て勇者たちを救ったと。でも……心配だわ。勇者を救うのはもちろんですが、自分のことも大切にね」

凄く良い事を言ってくれている。でも全然頭に入ってこない。なんとかセシリア先生に視線を向けているが、少しでも気を抜くとまるで磁石のように視線がセシリア先生の足元のマフラーに吸い込まれてしまう。

どうする。しかしマフラーは案外臆病だ。派手に動けばビックリして逃げ出すかも。いや、それだけならまだしもセシリア先生に襲い掛かる可能性だってある。そうすれば取り返しがつかない。

そうしている間にもセシリア先生の話は続く。

「本当は貴方たちをこの街に送りたくはなかった。自分の教え子を危険な場所に出したくないなんて、神官にあるまじきエゴですね。大司教様にまた叱られてしまうわ。でも二人の元気そうな顔を見て安心しました。貴方たちが力を合わせればきっと――」

「セシリア先生、マフラー落してますよー」

「あっ、ちょっと待て!」

俺の制止も虚しく、ルッツがセシリア先生の足元からマフラーを拾い上げた。

「ん?」

マフラーの裏側に生えたイソギンチャクを思わせる触手がぐねぐねと波打つように動く。

ルッツがマフラーを床に叩きつけた。

「あ゛ーッ!」

怯んだマフラーをルッツが踏みつける。下手くそなステップを踏んでいるような動きだった。

「なにこれ! なにこれ!? 気持ち悪ィ!」

「良いぞルッツ、そのままだ!」

俺は女神像(極小)を取り出して素早く頭を二回引く。飛び出た小さな刃を足元に向け、それを全力で振り下ろした。

「うおぉぉぉッ!」

女神像(極小)の小さな刃がマフラー型人工生命体を床に磔にした。耳を塞ぎたくなるような甲高い悲鳴を上げながら、マフラーが陸にあげられた魚のようにビチビチと跳ねている。

やった。とうとうやったんだ。長い戦いだった。一人では無理だったかもしれない。二人だからこそ……ルッツがいたからこそできたのかもしれない。

俺はハッとした。今度は大事なことに気付いたが故のものであった。

「そうか……分かりました、セシリア先生! 力を合わせるってこういう――」

バチン、バチン。

軽い衝撃音が二回、教会に響く。

驚きのあまり言葉が出ない。なにが起きたのか分からなかった。ただ熱と痛みを感じ、ゆっくりと己の頬に手を当てる。ルッツもほぼ同じ反応をして呆然とセシリア先生を見ていた。

俺たちの頬を叩いたせいで先生の掌が少し赤くなっている。いくら見つめても、先生があの柔らかな笑顔を浮かべることはなかった。

「なにをやってるんですか!」

自分たちよりも小柄な女性の一喝に、俺たちはビクリと体を震わせた。

あの温厚なセシリア先生が怒った。それは屈強な男に怒鳴られるよりもショックなことだった。俺たちが呆然とする中、セシリア先生がマフラーから女神像を抜いた。

そうか、女神像の扱いがぞんざいだったから先生は声を荒げて……

と言うわけではないらしい。セシリア先生は抜いた女神像をポイとぞんざいに投げ捨て、赤ん坊でも抱き上げるような仕草で触手マフラーを持ち上げた。

「罪もない生き物をイジメてはいけません!」

俺はルッツと顔を見合わせ、首を傾げ合う。

ルッツが恐る恐るという風にセシリア先生に言った。

「だってそれ、魔物じゃないんですか!?」

「魔物ではありません。見たらわかるでしょう」

セシリア先生が腰に手を当てて怒っている。

確かにマッドお手製の人工生命体なので魔物ではないが、そうは言っても……

セシリア先生はマフラーの触手に臆することなく、その体を撫でながら傷口に回復魔法を施す。

「可哀想に、こんなに怯えて」

「ど、どうするんですかそれ」

尋ねると、セシリア先生はなんの躊躇もなく言った。

「治療しないと。連れて帰ります」

マジ……? 大丈夫かそれ……?

まぁなにはともあれ触手マフラーを教会から追い出すことに成功したぞ。やったぜ。

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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

I'm a priest working at a church, but please stop sending me the bodies of heroes who have been brutally murdered., I'm Working at the Church as a Priest, but I Want to Be Cut Some Slack from the Mutilated Bodies of the Heroes that Keep Getting Sent to Me, Kyōkai tsutome no shinkandesuga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, Kyōkai tsutome no shinken desu ga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, 教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2019 Native Language: Japanese
Monsters roaming? The bravest heroes charging into battle? That means someone’s working overtime at the church—me. Every time an adventuring party falls, their mangled bodies land on my altar. My job? Stitch their bits back together, slap on a revival spell, and pray the church gets paid this month. Swords and sorcery are tough—but try arguing fees with dead heroes, wild mages, and coffin stalkers. Welcome to a fantasy world where the real grind isn’t on the battlefield, but right behind the sanctuary doors. Sharp humor, absurd obstacles, and a fresh take on classic fantasy resurrection. If you thought dying was dramatic, you haven’t seen what I go through bringing heroes back—one limb at a time.

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