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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop! – Chapter 157

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勇者共は全く役に立たないままボロクソに負けていつも通り俺の仕事を増やしまくっただけに終わったとはいえ、姫もセシリア先生も無事帰ってきた。どさくさに紛れて処刑されたかに思えたマッドもちゃっかり生きてやがった。

まぁこれで全部丸く収まった。全部元通り。めでたしめでたし。

ってなれば良かったのにね。

「お金がありません」

教会の長椅子に腰かけたロンドが重々しい口調でそう切り出した。

……まぁなんとなく予想はしていたよ。姫を救うためという大義名分があるから止めはしなかったが、軍備だのなんだので金使いまくってたもんな。

辺境の地とはいえ、フェーゲフォイアーも貨幣制度に支配されている。姫を救うという大義名分を振りかざせば全てが許されると思ったら大間違いだ。これから大変だな。頑張れよ。

ん? いや待てよ。どこか他人事っぽく考えていたが、コレ俺にもだいぶ関係ある話なんじゃないか? 俺はロンドに恐る恐る尋ねる。

「あの……私の賞金はどうなりました? カタリナを領主様の館に連れて行ったときの」

ロンドがゆっくりと顔を上げる。力なく笑って言った。

「え?」

え? じゃねぇよ!!

俺はロンドの肩を掴んで揺する。

「まさか踏み倒す気ですか!? 許しませんよそんなこと!」

「あは、嘘です嘘。ちゃんと払いますよ。払う気はあるんです。でも無い袖は振れないから……」

言ってることが蘇生費滞納勇者と同じじゃねぇか。

姫を救うという大きな目標を達成して燃え尽きてしまったのかもしれないが、領主の仕事に終わりなどない。

「そんないい加減じゃ困りますよ。自分が出すって言った賞金でしょう。それを払えないなんて住民に知れたら、領主の威厳を損ねますよ。良いんですか! 良くないでしょう!」

「そう思って、僕も色々考えてはいるんです。今日はその相談に来ました」

「相談? 私にですか?」

一介の神官に領主様が一体何の相談をしに来たというんだ。まさか俺に金を借りに来たわけではあるまい。もちろん協力を求められればできるだけ応じたいという気持ちはあるものの、無い袖を振れないのはお互い様だ。

俺の心配をよそに、ロンドはペラペラと喋り始めた。

「既に色々と手は回してあります。あと少し資金があればひとまずは乗り切れるところにまできました。しかしその“あと少し”がなかなか。あちこちから物資を買い集めましたからね。特にカジノで手に入れたプラチナスライムの剣、あれが痛かったです。でもあの剣は本当に素晴らしいモノだそうで、コレクターにも人気が高く美術品としての価値もある」

プラチナスライムの剣はアイギスに贈呈され、そのまま彼女の持ち物になっていたはずだが。まさか。

ロンドが遠い目をして呟く。

「……あれ返してくれないかなぁ」

「いやぁ、一度あげたものをやっぱり返してっていうのは……どうかと思いますが……」

「勇者アイギスは以前“武器というのは使用者の好みで評価が割れる”と話していたじゃありませんか。プラチナスライムの剣は人気の高い剣ではありますが、勇者アイギスが気に入っているかは分かりません。もしかしたら好みじゃないのに無理して使い続けているのかも……ユリウス神官、一緒に交渉してもらえません?」

はー? なんで俺が。

ロンドが小さな手で俺の神官服を掴み、甘えるようにすり寄ってくる。

「ユリウス神官がいれば勇者アイギスも無下にはしないでしょう。資金繰りが上手くいったらユリウス神官にもきちんと賞金をお支払いしますから。ご協力お願いします!」

チッ、賞金をチラつかせるのは卑怯だろ。仕方ねぇな。押し切られる形で俺はロンドと共にアイギスのところへと向かった。

……しかし酷い有様だな。街に立ち込めるどんよりした空気に俺は思わず顔を顰める。

フランメ火山の向こう側で、勇者たちは酷く蹂躙された。あそこでの出来事は負け慣れた勇者の心にトラウマを植え付けるレベルの大惨事だったようだ。人は敵があまりに強大だとやる気を失う。やる気を失った勇者がそのへんでごろごろ腐っている。

しかし幸いにも、そんな勇者ばかりではないようだ。

「早速訓練ですか。精がでますね」

呼びかけると、秘密警察をしごく手を止めてアイギスが爽やかな笑顔をこちらに向けた。

「神官さん! それに領主様も。どうされたんですか?」

「いやぁ、特別用があるわけではないんですが皆さんの様子が気になって」

俺が適当なことを言うと、アイギスは唇を固く結び視線を周囲に向ける。そのへんでごろごろ腐っている勇者共を見回すアイギスの顔に暗い影が差した。

「失意からまだ立ち直れない者も多くいます。だからこそ我々が模範を示さねばなりません」

おお、さすがはアイギス。勇者の鑑だな。

感心していると、なにかが俺の神官服の裾を引っ張った。見ると、ロンドがこちらに意味ありげな視線を送っている。

分かった、分かったよ。

「ところで、その剣――」

「ええ!」

アイギスが食い気味に頷いた。

腰の剣を抜き、輝く白銀の刃を太陽に翳す。

「領主様に頂いたこの剣、噂にたがわぬ逸品でした。刃が薄く切れ味も良いのにしなやかで強度もある。人間の頚椎がまるでクッキーのように簡単に切れるんです」

そうかそうか。頸椎がまるでクッキーのように……できれば人間の首じゃなく魔物を斬って欲しいね。

しかし困ったぞ。アイギスはプラチナスライムの剣をいたく気に入ったようだ。その刃に劣らぬ輝きを目に宿しながらこの剣がいかに優秀かを熱く語っている。

俺はロンドを見る。ロンドも俺を見ていた。や、やめろよ。そんな縋るような眼をされても困るぞ。

俺は再びアイギスを見る。剣への賛歌が止まらない。

「私も遠征時の出来事には相当なショックを受けましたが……負けるのには慣れています。もっともっと訓練を積んで、いつかまたリベンジをするつもりです。その時は荒地も自力で突破してみせます。もう魔族との交渉などといった危険な真似はさせません」

うう……

素晴らしい心掛けだ。失意の底でゴロゴロ腐った勇者ばかりの淀んだ街でひときわ輝いて見える。

しかしアイギスが輝けば輝くほど俺は話を切り出しにくくなる。

俺はまたロンドを見る。ロンドも変わらず縋るようにこちらを見ている。いやぁ、無理だって。これは無理だよ。見ろよこのイキイキした顔。まるで新しいオモチャで遊ぶ幼子だ。俺にはとてもこの顔を曇らせるようなこと言えない。

俺はロンドにしか分からないくらい微かにかぶりを振った。言うなら自分で言え。

ロンドは唇を噛み、ややあって思いつめたような表情で口を開く。

「そ、それなんですが――」

「ん!? 誰だ!」

アイギスがバッと振り返り、背後に忍び寄った不届き者に剣を振り降ろす。いつもならそのまま頚椎をクッキーのように斬り飛ばしてしまうところだろうが、さすがに弟を手に掛けまいとする良心は残っているらしい。

アイギスのそれと同じ赤い髪の毛先をハラリと落としながらも、自慢の剣は首ギリギリのところで踏みとどまった。アイギスが目を剥く。

「フェイル! なんのつもりだ。私の背後に立つな」

しかし弟君はまったく動じることなく、首に突きつけられた刃にじっとりした視線を向ける。

「プラチナスライムの剣……良いなぁ……姉様ばっかりズルいなぁ……」

フェイルがゆっくりと剣に手を伸ばす。

しかしアイギスはその手を払い、剣の腹でフェイルの脳天をぶん殴った。

受け身も取らず地面に倒れ伏す弟を尻目に、アイギスは抜き身の剣を手にしたまま満面の笑みをこちらに向ける。

「ご安心ください。領主様から賜った剣、誰にも奪わせはしません! この剣を狙う輩が現れれば、実の弟だろうと容赦しない」

「そ、そうですか~!」

ロンドが引き攣った笑みを浮かべる。

これはもう無理でしょ。この状況で誰が「その剣返してください」って言えるよ。

いや、さすがにロンドや俺をぶん殴るような真似、アイギスはしないだろう。しかし剣を没収することでアイギスの戦意まで萎えさせてしまったらこの街はいよいよおしまいだ。失意の底でゴロゴロと腐った勇者ばかりではフランメ火山の向こうどころか街周辺の魔物にだって勝てはしない。

もうダメだ。とりあえず帰ろう。別の手を考えよう。

俺はロンドに目線だけでそう告げた。アイギスと秘密警察に労りの言葉をかけ、教会へ戻るべく踵を返す。

が、今度は変態に捕まった。

「ほら、やっぱりこうなった」

ハンバートだ。

俺には目もくれず中腰になってロンドに視線を合わせ、口を開く。

「君たち子供はすぐに力押しの刹那的な生き方をする。今死んでも良いとばかりのね。でも人生は続いていくんだ。きちんと後々のことも考えねばならない」

「うっ……」

ロンドが反論もできず口ごもる。

カジノで剣を掻っ攫った時の勢いはもうない。懐に余裕がないからだ。懐に余裕のある人間は強い。

懐に余裕のある変態がロンドの貧弱な懐を嘲笑うように言う。

「しかし気落ちする必要はない。若いうちにたくさん失敗しておいた方が良い。そしてその尻拭いをするのが我々大人の役目だ。言ったろ? 力になると」

優しい言葉と胡散臭い笑顔で誤魔化したつもりか? お前の魂胆は見え見えだ。

ハンバートが指を鳴らすと、どこからか現れた黒服が列を作ってアタッシュケースを開いた。中身はもちろん女児服と武器だ。

ずいっと顔を寄せたハンバートが囁くように言う。

「自分で蒔いた種なんだから、自分で解決させないと。領主様なんだから、当然だよね?」

「くっ……」

ど、どうする。確かにハンバートに頼れば資金はどうにかなるかもしれないが、これ以上狂ったバイトの犠牲者を増やすわけには。とはいえ、ハンバートの代わりに資金提供をする懐の余裕など俺にはない。一体どうすれば。

「待て!」

うじうじ悩んでいると、一人の男が飛び出してきた。ロンドを庇うようにハンバートの前に立ち塞がる。

その男にも資金提供をするような懐の余裕はない。勇者には違いないが、アイギスほどの強さもない。なんならそいつの名前すら定かじゃない。それでもロンドを救おうとする気持ちだけは本物だった。持たざる者が丸腰の懐で大富豪に立ち向かわんとしている。

「誰だい?」

突如乱入してきた見知らぬ男にハンバートが怪訝な視線を向ける。

俺は静かに告げた。

「内臓露出狂――領主様の前で自殺しては喜んでいる男です」

「自分で……!?」

ハンバートの顔色が変わる。

信じられないとばかりにかぶりを振りながら、バケモノでも見るような目で男を睨む。嫌悪感を隠そうともせず吐き捨てた。

「理解できない……変態じゃないか。恥を知れ恥を!」

「お前に言われたくない! 子供にこんなことさせていいと思ってるのか!」

へぇ。変態って自分以外の変態には普通に厳しいんだな。変態が白昼堂々街の真ん中で互いの性癖を罵りあっている。ここが地獄か。

近くで訓練をしていたアイギスと秘密警察が見かねて集まって来た。

「いい加減にしろ。くだらないことで言い争うんじゃない。今すぐ立ち去らないとこの剣の露に――あれ?」

アイギスの手が腰の辺りをウロウロ彷徨い、止まる。自慢のプラチナスライムの剣がどこにもない。

振り向くと、剣を持ったフェイルが凄まじい速度で走り去っていくのが見えた。

「貴様ァッ! 待て!」

アイギスから武器を奪うとは。アイツやるな。

秘密警察もアイギスについてフェイルを追っていく。変態共は変わらず口論を続けている。

今日もフェーゲフォイアーは平和だな。

俺はロンドに笑顔を向けた。

「我々も教会へ戻りましょう。時間の無駄です」

Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

I'm a priest working at a church, but please stop sending me the bodies of heroes who have been brutally murdered., I'm Working at the Church as a Priest, but I Want to Be Cut Some Slack from the Mutilated Bodies of the Heroes that Keep Getting Sent to Me, Kyōkai tsutome no shinkandesuga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, Kyōkai tsutome no shinken desu ga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, 教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2019 Native Language: Japanese
Monsters roaming? The bravest heroes charging into battle? That means someone’s working overtime at the church—me. Every time an adventuring party falls, their mangled bodies land on my altar. My job? Stitch their bits back together, slap on a revival spell, and pray the church gets paid this month. Swords and sorcery are tough—but try arguing fees with dead heroes, wild mages, and coffin stalkers. Welcome to a fantasy world where the real grind isn’t on the battlefield, but right behind the sanctuary doors. Sharp humor, absurd obstacles, and a fresh take on classic fantasy resurrection. If you thought dying was dramatic, you haven’t seen what I go through bringing heroes back—one limb at a time.

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