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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop! – Chapter 181

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これはマズイ! これはマズイよ!

なんでよりによってアイギスが。しかもこちらの戦力は杖にヒビの入ったカタリナだけ。

いや、たとえ万全の状態だったとしてもカタリナではアイギスに到底かなわない。

アイギスが剣を抜くと同時に地面を蹴る。

「ひっ」

その動きは常人の反応速度を軽く超えている。瞬く間にカタリナに肉薄したアイギスが剣を振り上げた。仲間であるはずの勇者を殺すことに一切の躊躇いがない。あ、それはいつもか。

俺はとっさに声を上げた。

「ステイ! ステイアイギス!」

アイギスの動きがピタリと止まる。こちらに視線を向け、困ったように首を傾げた。

「神官さん……? どうして止めるんですか?」

俺の言葉は届いている!

ゾンビ化の時とは違い、理性を完全に奪ったわけではない。多分、アカマナの存在を頭に植え付けられているだけなのだ。いつも通りの普通の価値観もしっかり残っているのだろう。

アカマナも既に虫の息だ。魔力だって無限じゃないはず。他に応援が来る様子もない。

大丈夫だ。アイギスならば俺が制御できる。むしろ他の勇者じゃなくて良かったくらいだ。

俺は両手を広げて丸腰を強調し、爽やかな笑顔で明るい神官さんアピールに勤しむ。

「ほ~らアイギス、神官さんですよ。分かりますね? ゆっくり武器を置いて、両手を上げて膝を付いてください」

怪訝な表情をしながらも、アイギスは素早く剣を下ろした。洗脳を受けていても忠誠心に変わりはない。意図は分からずともアイギスなら俺の言葉を無視するようなことはしない。理性がある限りは大丈夫だ。

まずはアイギスをアカマナから引き離して――

「……あれ?」

俺の思考をその辺に転がる勇者共が発した間抜けな声が掻き消した。カタリナの電撃により体はもはや動かないが、口は回るらしい。

「俺たちはなにを……」

「ま、魔物だ! なんで街中に魔物が!?」

あれ? 死にぞこない共の洗脳が解除された?

まぁ戦力にならない勇者を洗脳していても意味ないどころか魔力の無駄だしな。なら洗脳を解除してしかるべきところに魔力を集中させた方がいいというのは当然の考えだ。

じゃあどこに集中させるかというと。

「ウウウウ……」

俺の指示通り膝をついていたアイギスが体勢を低くして獣のような唸り声を上げる。

あれ? これはどうやら理性が飛んだな。

カタリナが弾かれたように杖を構えて振り返り、怯えた顔をこちらに向ける。

「ど、どうしましょう神官さぁん。さすがにアイギスさんは私には荷が重いです」

分かってる。そんなことは分かってるよ。

俺は額に手を当て、そして肩を震わせる。

「……ふふ……ふふふ……」

「なに笑ってるんですか。飼い犬に手を噛まれたからっておかしくならないでください!」

おかしくなってねぇわ!

大丈夫だ。お前一人に全部投げようとは思っていない。

俺は顔を上げ、まっすぐにアイギスを見下ろす。

「カタリナ。どうにかしてあと一発、魔法を撃てるよう準備をしておいてください」

「一発? 一発でどうやって……」

困惑するカタリナを押しのけ、俺は前に出る。

多分俺のことは殺さない。コウモリ魔物の時もそうだった。

「味方を操れば私たちが手を出しづらいとでも思ったのでしょうか。凡庸な考えです。中ボスらしい実に小賢しい手だ。しかもとんでもない悪手でしたね」

背筋を伸ばし、胸を張った。恐怖を悟られないように。向こうのペースに飲まれないように。

俺はアカマナを挑発するように言う。

「私がいったい何人の勇者を蘇生してきたと思っているんです。アイギスのことも随分と蘇生してきました。私は勇者のことを本人より詳しく知っている自信があります。弱点もね」

カタリナがうしろでぼそぼそと覇気のない声を漏らす。

「あー、それ聞き覚えある……前に洞窟でグラムさんに言ったハッタリじゃないですか……」

まぁハッタリと言えばハッタリだ。勇者を蘇生させてるからってソイツの動き方とか別に分かんないし。よしんば分かったとしてもそれに対応できるだけの戦闘力も反射神経も俺にはない。

しかし今の言葉はまるきり嘘というわけではなかった。

「カタリナ、魔法の準備を!」

「で、でもアイギスさんに魔法を当てるなんて無理ですよ。避けられちゃいます」

「分かってますよ、そんなことは。敵はアイギスじゃないでしょう。良いから準備してください。合図を出したらすぐ撃てるように」

なにもアイギスを倒す必要はない。

アカマナを倒せば洗脳もおのずと解けるはずだ。一瞬だけで良い。アイギスの気を反らし、アカマナに攻撃を撃ち込む隙を作れれば。

「アイギス!」

俺は懐に手を入れ、封を切った“それ”を高く高く放り投げる。

理性を取っ払った先にあるのはむき出しの本能。付け焼刃の洗脳でそこに蓋をすることはできない。

瞬間、アイギスが動いた。

人間に……いや生物に備わった生存のための堪え難い欲求に突き動かされ、地面を蹴って高く高く跳躍する。類まれなる身体能力を存分に見せつけながらその手を伸ばす。アイギスはなんなくつかみ取ってみせた。

彼女の手の中で光り輝く騎士チュール。

アイギスを倒す方法なんてものは知らないが、好物なら知っている。

俺の後ろでカタリナが嘆いた。

「うう……最強の勇者の弱点がソレなんですか……悲しくなってきました」

悲しくなってる暇なんてねぇよ!

俺は声を張り上げる。

「私が作った好機を無駄にしないでください! 撃て!」

「わっ……かりましたよぉ! 全力で!」

カタリナがヤケクソとばかりに杖を振り上げる。先端で輝く宝玉がひときわ眩い光を放つと共に、ビキビキと嫌な音が響き渡る。カタリナの高威力の魔法に杖が悲鳴を上げているのだ。宝玉に走ったヒビが蜘蛛の巣状に広がっていく。

攻撃魔法は素人だが、それでも分かる。持ちうるすべての力を使った一撃。

眩しい。辺りが白く塗りつぶされていく。それでも俺は目を開けた。決着の時を見届けるために。

「行きます」

カタリナの声だけが響く。

覚悟を決めたような、そしてどこか諦めたような穏やかな声だった。

凄まじいエネルギーだ。空気を伝った魔力が肌をビリビリ刺激する。

こんな大きな魔法、そりゃあ制御できないわな。しかし今回、カタリナの杖はしっかりと標的を捉えていた。虫の息のアカマナにカタリナの魔法を避ける力は残されていない。

いけ。粉々にしてやれ!

鼓膜を貫くような激しい音を立てて宝玉が砕け散った。と同時にカタリナの杖から輝く光が放たれる。押し寄せる光の渦がアカマナを飲み込む寸前で直角に折れ曲がった。

「……は?」

カタリナの魔法を代わりに受けた商店が派手に倒壊した。

どうなっている? アカマナも攻撃を防ぐ魔法が使えたのか?

……いや。

砂煙の向こうに人影が見える。降り注ぐ瓦礫をものともせず、静かにそこに佇んでいる。

「ご苦労様ですユリウス君」

砂煙の中に浮かび上がる神官服のシルエット。仰々しい杖が輝く。

なんで貴方がここにいるんだ――大司教様。

いや、それよりどうして教会のトップに君臨する神官が魔物を庇うのだ。

……待て、本当に大司教様か? 今まで何度も魔物の術中にハマってきた。洗脳・幻覚・変身術。いくらでもこの状況の説明はできる。しかしどうやって本物と偽物を見分けるって言うんだ。俺は大司教様の情報をなにも持っていない。

俺がなにも言えずにいると、大司教様が困ったように口を開いた。

「一応直属の部下なので君付けで呼んでみたんですが、やはり嫌でしたか? 若い子との距離の詰め方は難しい。昨今はすぐにパワハラだのなんだのと言われてしまいますから」

……これは、どっちだ?

本物ってことで良いのか?

それともあえて抜けたことを言って油断させようとしている魔物……?

「あわ……杖……杖が……」

俺も呆然としているが、カタリナも別理由で呆然としている。

砕け散った宝玉のかけらを集めるカタリナを見下ろして大司教様が目を見開いた。そして目を細める。

「それ、レプリカですか? いいや、本物ですね。暴食の杖。懐かしいです。あの人もたまに壊していました」

「え?」

カタリナが素っ頓狂な声を上げて首を傾げる。

しかし大司教様の関心はすでにカタリナの杖を離れたようだった。

虫の息のアカマナに視線を向ける。

「この魔物はこちらで回収します」

回収だと? 王都に連れ帰るってことか? それはマズイ。

「その魔物は危険です。この街すべての人間が洗脳されたんですよ」

「もちろん分かっています。見ていましたから」

大司教様はこともなげにそう言ってのけた。

見てた……?

「いつからですか」

大司教様は微笑みを崩さず言う。

「ずっと」

カタリナの全力の一撃を跳ね返してみせた。あの仰々しい杖も飾りじゃない。洗脳にかかっている様子もない。大司教の肩書に負けない実力を持っているんだろう。

助けられなかったわけじゃない。この状況を目の当たりにしながら助けなかったんだ。

あぁ、いっそこの人が大司教様に化けたシェイプシフターだったら良かったのに。でもきっと違うんだろうな。シェイプシフターならもっと耳当たりの良い言葉をくれる。

「どうして黙って見ていたんですか」

「人類の利益のためです」

利益?

魔物を街で暴れさせて得られる利益ってなんだ? そんなものが存在しているっていうのか?

「あとですね、ユリウス君。こういう時はできるだけ魔物を殺さず確保するようにしてください。彼らからの情報は非常に貴重です」

「それは我々の命よりもですか」

俺の言葉に大司教様が動揺する様子はない。ただ困ったように肩をすくめ、頷いた。

「もちろんです」

「正気ですか!? 勇者だけじゃありません。普通の住民も術にかけられて……領主様が、子供が人質に取られていたんですよ。なんとも思わず、ただ見ていたんですか。どうなっても良いって言うんですか!?」

俺は横たわっているロンドを指し示す。

すると大司教様がため息交じりに言った。

「そうですね。直系が減るのは惜しいですが……とはいえ、あの子には幸い兄弟がいます。血が絶えることはありません」

なにを言ってるんだ? どうして血統の話が出るんだ? まさか王族の血筋の人間だから死ぬのが惜しいって言ってんのか? ダメだ。まるで話が嚙み合わない。

これが教会のトップだって? 冗談じゃねぇぞ。

「あとの処理は私がやります。ユリウス君は通常の業務に戻ってください」

「その魔物をどうする気ですか。まさか、洗脳魔法を悪用する気では」

「まさか。ただこの魔物から話を聞きたいだけです」

大司教様が苦笑を漏らした。言いながらアカマナに手を伸ばす。

最後の抵抗のつもりか。アカマナがにわかに動いた。

とはいえカタリナの電撃でダメージを負っているため、先程にもまして酷くぎこちない動きだ。錆びついた歯車を連想させる動作でゆっくり腕を上げ、その小さな指で大司教様を指し、口を開いた。

『呪われている』

大司教様が己を指し示すアカマナの腕を掴んだ。肩の関節をへし折り、もいだ腕を投げ捨てる。もう片方の腕も。右脚も股関節の部分から。左脚も。

首と胴だけになったアカマナの髪を引っ掴み、買い物袋のようにぶら下げる。

その動作から流れるように振り向いた大司教様の表情は、先ほどまでと一つも変わらない穏やかなものであった。

「この魔物がこれから先魔法を使うことはありません。永遠に」

そのまま踵を返した。背中越しに言う。

「ではユリウス君、今後も業務に励んでください」

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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

I'm a priest working at a church, but please stop sending me the bodies of heroes who have been brutally murdered., I'm Working at the Church as a Priest, but I Want to Be Cut Some Slack from the Mutilated Bodies of the Heroes that Keep Getting Sent to Me, Kyōkai tsutome no shinkandesuga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, Kyōkai tsutome no shinken desu ga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, 教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2019 Native Language: Japanese
Monsters roaming? The bravest heroes charging into battle? That means someone’s working overtime at the church—me. Every time an adventuring party falls, their mangled bodies land on my altar. My job? Stitch their bits back together, slap on a revival spell, and pray the church gets paid this month. Swords and sorcery are tough—but try arguing fees with dead heroes, wild mages, and coffin stalkers. Welcome to a fantasy world where the real grind isn’t on the battlefield, but right behind the sanctuary doors. Sharp humor, absurd obstacles, and a fresh take on classic fantasy resurrection. If you thought dying was dramatic, you haven’t seen what I go through bringing heroes back—one limb at a time.

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