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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop! – Chapter 65

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わぁい、お祭りだぁ。

市場は鮮やかな布で飾り立てられ、いつもは凶悪な形の武器やら武骨な防具やらが並んでいる場所が食い物やらちゃっちいオモチャやらに占拠されている。このチープさが良いよね。

くじやらなんやらのゲーム系屋台も豊富だ。これには子供たちも大喜びだろうなぁ。

ん? これはなんのゲームだろう。

デカい樽。ところどころ細長い穴が開いている。脇には『よいこのみんな レッツ チャレンジ』などと書かれた箱が備え付けられ、ゴテゴテの飾りがついたサーベルが傘のように乱雑にぶち込まれている。

なんだこれ。黒ひげ危機一髪? 俺は何の気なしに剣を手に持ってみる。が、何の気なしに持てるような代物じゃなかった。

重っ……なんだこれ。真剣か? ったく。物騒にも程があるだろ。なにがレッツチャレンジだ。

とはいえ、レッツチャレンジと言われたなら仕方がない。せっかくだしね。俺はサーベルを樽にあいた穴にあてがう。うん、ピッタリだ。

俺はそのまま剣に体重を乗せ、勢いよく樽に突き刺す。

ずぶっ……

うっ、なんだこの感触。

俺は慌てて手を離し、樽から飛び退く。

サーベルのぶっ刺さった樽の穴から、つうと赤い筋が流れていく。

「ぅあっ……」

樽の中からくぐもった呻き声が聞こえてくる。

な、なんだなんだ? 逃げた方が良い?

困惑していると、樽の上蓋がバカッと開いて血塗れの手がにゅっと出てきた。

……キャンディーだ。その手に血に濡れたキャンディーが一個コロンとのっている。

「ナイスアタック」

樽から聞こえてくる、聞き覚えのある声――

俺はサーベルで樽を叩き壊した。

「ハンバート! 子供たちに悪影響を与えるモノの陳列は控えてくださいよ!」

樽の中で胎児のように丸まっていたハンバートが俺を見るなり露骨にガッカリした表情を浮かべ、ため息と血を吐き出した。

「なんだ神官さんか……悪いがキャンディーをあげるのは子供だけなんだ。ごめんね」

ごめんねじゃねぇよ。なに変態トラップ仕掛けてんだ殺すぞタコ。

子供にトラウマ植え付ける前に気付いて良かったわ。ババアに通報すんぞ。

渋々樽とサーベルを撤収させるハンバートの寂しげな背中を見送りながら、俺は祭りの見物に戻る。

まったく、嫌な感触が手に残っちまった。

お? 射的がある。俺は屋台にスススと近付いていく。

「よ、ユリウス」

「なにやってんだお前」

ねじり鉢巻きでお祭り感を演出したルッツがへらへらしながら矢を磨いている。

毎日ブラブラ何してんのかと思ったら、バイトかよ。

しかも強力な協力者を得たようだ。

ルッツの隣で腕を組んでいたアルベリヒがニヤッと笑う。

「やってくか、神官さん。的を倒せばそいつをそのまま獲得だ」

赤い布のかけられた台に弓と矢が並べられ、少し離れた場所に種々の鎧や盾が並んでいる。

弓と矢は原始的なヤツだが、賞品の防具類はそれなりに良いもののようだ。

アルベリヒめ、祭りの日は的屋に身をやつして小遣い稼ぎか。

まぁ鎧が欲しいわけではないが、変態をぶっ刺した記憶を少しでも薄めたい。

俺はコインを渡して弓矢を手に取る。

チャンスは全部で三回。狙いは一番的のデカい鎧だ。覗き込めば顔が映りそうなほどピカピカ輝いている。

俺は弓を引き絞り、狙いを定める。俺の手を離れた矢は真っ直ぐに飛んでいき肩のあたりに当たった。

が、倒れない。

「惜しいぞユリウス。頑張れ」

ルッツの声援を受けて二発目。少しコツが掴めた。今度は胸の辺りに当てる。が、倒れない。

「もっと強く当てないと」

アルベリヒのアドバイスを受けて三発目。今度は強く強く弓を引き絞り、ど真ん中に当てる。が、倒れない。

「あ〜、残念。惜しかったなぁ」

「再チャレンジしとくか?」

全く残念そうじゃないルッツとこちらに手を伸ばしてくるアルベリヒをじっとり見ながら、俺は不信感を言葉にした。

「当たったのに倒れないじゃないですか。これ本当に倒れるんですか?」

「ここは勇者の街だぜ? 難易度は客層に合わせるものさ。あんたの腕が悪いんだよ、神官さん」

うーん……アルベリヒにそう言われるとなにも言い返せない。

しかしどうにも腑に落ちず、俺はキョロキョロ辺りを見回す。

……おっ、ちょうど良いとこに。

「今度は彼にやらせて下さい。料金は私が払いますから」

「な、なんですか一体?」

俺に引っ張り込まれたフェイルが困惑気味に台の前に立つ。

フェイルの弓の腕は確かだ。どうにかしてルッツとアルベリヒの鼻をあかしてやりたい。

俺はフェイルに弓を押し付ける。

「射的です。ぜひともその腕をヤツらに見せつけて下さい」

「良く分かりませんが……いえ、分かりました。俺に任せてください」

本当に分かっているのか定かではないが、騎士様というのは頼られるのが好きらしいからな。

なにか使命感に燃えたような表情でちゃっちい弓矢をとり、矢をつがえる。さすが、素人とは構え方が違うな。

フェイルの手を離れた矢は空を切り裂きながら凄まじい速度で飛んでいく。

これはイケるのでは?

矢は鎧のど真ん中、鳩尾辺りに命中。ゴッと鈍い音が響く。

……が、倒れない!

「なっ……!」

絶対の自信があったのだろう。手応えもあったはずだ。にも拘わらず倒れない鎧を見て、フェイルは呆然としている。

「いやぁ、惜しい! ホント惜しいなぁ」

「さすが騎士上がりの勇者様だ。でも今日は少し調子が悪いのかな? まぁチャンスはあと二回あるさ」

クソッ……二人とも余裕の表情だ。

やはりヤツら、なにか細工してるな? どう頑張っても賞品を獲得できないようにしている。

こうなってしまったらもう打つ手は……

いや。

「すみません神官さん。不甲斐ないところをお見せしてしまって」

フェイルがちゃちな弓を放り出した。しかしゲームを放棄したのではない。本気を出したのだ。

フェイルの眼の色が変わる。虚空に手を伸ばし、何かを掴むような動作をする。光の粒子が集まり、輝く弓を形作る。

「今度はガッカリさせません。最大出力でいきます」

同じく魔法で作りだした矢を弓につがえる。

魔法戦士の本領発揮である。

「いやいや! 付属の弓以外使わないで下さいよ!」

慌てたように声を上げるルッツ。

しかしこうなれば俺たちにはもう止められはしない。

「俺の矢は遥か上空を飛ぶ鷹すら射貫く」

大人げないし完全に反則だが、今はただこの戦いの結末を見届けたい。

よし、今度こそ……!

俺はちらりと二人の顔を盗み見る。へへっ、ルッツのヤツ顔が引き攣ってやがる。

しかし、アルベリヒの表情……なぜあんなにも余裕なんだ? 嫌な予感がする。

最大限弓を引き絞り――フェイルの手から矢が放たれる。

それはもはや矢というよりレーザービームの動きに近い。

フェイルの矢は真空の中を進んでいるかのように風の抵抗を一切受けず、鎧めがけて突き進む。

矢は狙い通りのど真ん中に命中。

そして――鎧に当たった矢は急に角度を変えてこちらへ戻ってきた。

「へ?」

俺の頭のすぐ横を、凄まじい速度で矢が過ぎ去っていく。

少し遅れて髪の焦げる匂いが鼻をつき、後ろから悲鳴と怒号が聞こえる。

「ほぎゃっ」

「なんだ、大丈夫か! 誰だよぶっ放したのは!?」

「おいおい、めでたい祭りの日に死ぬなよな。血が付いちまった」

振り向くと、先ほどまでなかった棺桶が一つ増えていた。

なんだ、なにがおきた?

困惑していると、したり顔を浮かべたアルベリヒが愛おしそうにピカピカの鎧を撫でる。

「たまには鎧も作ってみたくなってな。これは試作品のミラーアーマーだ。魔法攻撃を跳ね返す効果に加えて、耐久性も抜群。なかなかのシロモノだと思うぜ。どうだい騎士様。勇ましいアンタにピッタリの鎧だろう? 今ならお祭り特別価格だよ……」

クソッ、アルベリヒめ。小遣い稼ぎに加えて実演販売までやってのけるとは。

なによりも悔しいのはフェイルの眼が物欲に支配されてしまった事だ。勝負で鎧を勝ち取ろうという気が完全に失せている。光り輝く弓矢は霧散し、あいた両手でポケットを探っている。財布を探しているらしい。

すっかり牙の抜けた最終兵器を、俺はただ眺める事しかできない……

だが、フェイルには腑抜けたとき活を入れてくれる存在がついている。

「フェイル!」

肩を怒らせ、フェイルとよく似た赤髪を靡かせながら近付いてくるアイギス。

フェイルはハッと我に返り、取り出しかけた財布を慌ててポケットに突っ込む。

「姉様……!」

「貴様、まだ弓など使っているのか。騎士ならば飛び道具など使うな。剣を使え」

アイギスはそう言って、弟君を押しのけて台の前に立つ。

「私は元より貴様などに期待はしていない。が……神官さんの期待を裏切るような真似はするな。見ていろ、こうするんだ」

アイギスはそう言って、剣に手をやる――

「えっ、ちょっ、これ射的」

アルベリヒの当然の制止を無視し、アイギスは流れるような動きで剣を振り上げながら高く高く跳躍する。こんなもの関係ないとばかりに台を飛び越え、ピカピカの鎧に迫る。

そして。

「どうだ」

ドヤ顔でフェイルを見て、そして俺に視線を移すアイギス。

傍らには真っ二つになったアルベリヒ謹製ミラーアーマーとそこから零れる砂利。野郎、やっぱり鎧が倒れないよう中に重しを詰めてやがった。

綺麗に真っ二つになった鎧を前に茫然とするアルベリヒに代わり、ルッツがアイギスの肩にポンと手を置く。

「お客さん、反則です」

*****

まったく、祭りの日くらい大人しくできないのかね勇者共は。

どいつもこいつもハシャギやがって。子供かよ。

俺は頭に着けたお面の位置を調節し、片手で葡萄飴を舐め、もう一方の片手で風船を弄びながら祭りのパトロールを続ける。

「楽しんでいるようだね、神官さん」

俺と同じくパトロールに勤しんでいたらしい宿屋のババアが声をかけてきた。

酒飲んで暴れる勇者も多いからなかなか大変な仕事のはずだが、ババアの顔は穏やかだ。

輪をかけて賑やかな街を見回し、皺の刻まれた厳つい顔に笑みを浮かべる。

「この街も大きくなったもんだよ」

「どうしたんです、急に感傷的になって」

「神官さん、これが何の祭りか知らないのかい?」

何の祭り? 勇者がバカ騒ぎしたいがための祭りじゃないのか?

だが下手なこと言うと怒られそうだな。答えられずにいると、ババアがため息交じりに言う。

「この街は降って湧いたモンじゃない。人間たちが汗水たらして作ったんだ。まぁそれを知ってる人間はほとんどいなくなっちまったけどね。これは開拓の成功を祝い、さらなる発展を目指すって決意を新たにするための祭りなのさ」

はぁ、そうですか。

確かにこんな魔物だらけのとこに街をつくるのは骨が折れたろう。

だが、そんな苦労して街を作り上げた先人たちはこの街の惨状を見てどう思うのだろうな……。

何とも言えない気持ちを胸に、俺は適当に切り上げてババアと別れる。

ん? リリーだ。祭りだってのに屋台には目もくれず、紙の飾りに隠れるようにしてこちらを見ている。

……いや、こちらじゃないな。ババアを見てる。

何やってんだ? 用があるなら声をかければ良いのに。喧嘩でもしてるんだろうか。

まぁ良いや。ババアと孫の喧嘩に他人が口を出すこともあるまい。

さて、葡萄飴を食い終わってしまった。

次どうしようかな。俺はまた屋台と屋台をフラフラ行き来する。

俺が串焼きに狙いを定めていると、軽妙な音楽が聞こえてきた。

ふと音の方に視線を向ける。こちらへ近付いてくる人の列が見える。なんだ、パレードか? へぇ、結構大規模な祭りなんだな。

カラフルな衣装に身を包んだ笛吹きを先頭に、勇者たちが足取り軽やかに歩いている。

いつの間にこんな練習をしていたのか。ヤツらは心底楽しそうにパレードを行っている。

赤い紙吹雪を散らしながら……ん? 紙吹雪、じゃない?

「ギャーッ!?」

「なんだよ、おい! うわっ」

なんだろ。パレードの方から悲鳴が聞こえる。

騒ぎを駆けつけた勇者たちが向かって……あっ、首が飛んだ。

そ、そういう出し物なんだよな? イリュージョン的な。悪趣味だが、この街なら無くはないかもしれない。

……まぁでも、隠れとくか。

Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

I'm a priest working at a church, but please stop sending me the bodies of heroes who have been brutally murdered., I'm Working at the Church as a Priest, but I Want to Be Cut Some Slack from the Mutilated Bodies of the Heroes that Keep Getting Sent to Me, Kyōkai tsutome no shinkandesuga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, Kyōkai tsutome no shinken desu ga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, 教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2019 Native Language: Japanese
Monsters roaming? The bravest heroes charging into battle? That means someone’s working overtime at the church—me. Every time an adventuring party falls, their mangled bodies land on my altar. My job? Stitch their bits back together, slap on a revival spell, and pray the church gets paid this month. Swords and sorcery are tough—but try arguing fees with dead heroes, wild mages, and coffin stalkers. Welcome to a fantasy world where the real grind isn’t on the battlefield, but right behind the sanctuary doors. Sharp humor, absurd obstacles, and a fresh take on classic fantasy resurrection. If you thought dying was dramatic, you haven’t seen what I go through bringing heroes back—one limb at a time.

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