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[Villain X Marriage] From A Lazy Villainous Nobleman Like Me, The Villainess Daughter Whose Engagement Was Broken Off Has Become My Wife, And Together We Became The Most Formidable Couple – Chapter 212

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俺は虫ケラ共を踏み潰しながら進む。

前へ。とにかく前へ。

今回は地下水道の時と違って、守るべき子供たちもいない。

だから思う存分、自由に動ける。

楽なモンだ。

斬る。斬って進む。斬って殺す。斬り殺して駆逐する。

一匹残らず。文字通り、虫ケラを根絶やしにする勢いで。

もう何匹踏み潰しただろうか?

五十? 百? いや二百くらい?

襲い掛かってくる奴を全部ぶっ殺してるだけで、数なんて数えてないから、適当にしかわからん。

振り返って死骸の数を確認するなんて、そんな面倒なことしてられん。

ああ――でもレティシアの居場所は、聞き出せるなら聞き出しておきたいな。

そう思った俺は、死にかけて虫の息になっている一匹の生臭の頭を掴み上げると、

「おい、レティシアはどこだ?」

『ウ……ヴぅ~……』

「なんだ、人の言葉喋れないのか。じゃあ死ね」

喋れない虫ケラなんてただの虫ケラ。もう用済み。

俺は死にかけだった生臭にトドメを刺すと、スタスタと先へと進んでいく。

――右手に持つ剣から青い血が滴り落ち、全身が返り血で真っ青に染まる。

酷い悪臭だ。酷く不快だ。

こんな身なりで愛する妻に会わなきゃいけないなんて、最低最悪の極みだ。

だが今は、そんなこと気にしていられない。

レティシア――今行くからな――。

▲ ▲ ▲

《レティシア・バロウ視点》

――なにかが、私の中に入ってくる。

得体の知れないなにかが、体内に染み込んでくる感覚。

それは温かいようで冷たく、小さなようで大きく、笑うように泣いている。

――お腹。

お腹の奥で、なにかが蠢く。

そしてそれは――私の身体を突き破り、体外へと表出した。

「…………う……ん……」

――目が覚める。

重い瞼が、ゆっくりと開く。

……〝夢〟を見ていた。

なんだかとても不気味で、怖い夢。

かなりおぼろげで断片的にしか覚えていないけれど、悪夢の類だったのは間違いない。

……寝汗が酷い。

それに、気持ち悪い。吐き気がする。

熱でもあるのか、全身が怠くて僅かに視界が回っている感覚もある。

「ここは……? アルバン……」

彼は……夫はどこ……?

私は彼の名を呼ぶ。

けれど返事はなく、傍にアルバンがいないことはすぐにわかった。

次第に意識がハッキリとし、記憶が蘇ってくる。

ジャック・ムルシエラゴ――いや、〝偽物のジャック〟が個別棟を襲撃し、シャノアとの応戦も虚しく気絶させられてしまったことを。

どうやら私は、どこかへと連れ去られてしまったらしい。

私は右手を上げ、額の汗を拭う。

だが――その時、私の目に映ったモノは、

「――ッ!」

――緑色に変色した手と、浮き出た青色の血管。

辛うじて五本の指と人間の手の形は残ってはいるが、もしこれが自分の腕にくっ付いていなければ、絶対に人外のモノとしか思えなかっただろう。

それも右手だけじゃない。

左手も同様に変色しており、青い血が流れているのがわかる。

自分の身体が――人間ではなくなっていっている。

私の身体が――別のなにかに作り変えられている。

突き付けられたその有り様が、今理解できる唯一の現実だった。

「ア……アルバン……!」

言い様のない恐怖に駆られ、私は反射的に身体を起こす。

そして、どこにいるとも知れない夫の下へと走り出そうとした。

――その時、

『…………ママ』

何者かの声が、私を呼び止めた。

聞き覚えのある、男の声が。

『ママ……どこへ行くの……?』

「! この声……ジャック……?」

すぐに気付く。

この声はジャック・ムルシエラゴのモノであると。

――いや、正確には〝偽物のジャック〟の声だと。

周囲を見渡すが、どこにも彼の姿はない。

代わりに目に映るモノは、ヌルヌルと光沢のある植物の根のような物体が張り巡らされた、気持ちの悪い壁や天井だけ。

私は言葉を続け、

「……いいえ、ジャック・ムルシエラゴではないわね。本物の彼は死んで、あなたはその名を偽っただけ。あなた……本当は何者なの?」

『……ラーシュ。ラーシュ・アル=アズィーフ。それが僕の名前……』

彼の声は二重に重なるように反響しながら、本当の名を名乗る。

――その反響する声は鼓膜を通して脳の奥を揺さぶり、聞いているだけでより一層気分が悪くなる。

「ラーシュ……あなた、私になにをしたの……? 今すぐ私を解放なさい!」

『ダメだよ……ママには僕を生み直してもらうんだから……』

「……生み……直す……?」

――なに?

なにを言っているの?

僕を生み直してもらうって――どういうこと?

ラーシュの言っている言葉の意味がわからず、私はゾッと背筋に寒気が走る。

……いえ、ダメよ。彼の言葉に惑わされては。

ここで冷静さを失えば、それこそ命取りになる。

これでも伊達に、何度も死線を潜ってきてはいないもの。

落ち着いて……冷静になるのよ、レティシア・オードラン……。

私は、夫の下へ帰らなきゃいけないのだから。

「……なにを企んでいるかわからないけれど、無駄なことよ。私はあなたの思い通りになんてならない」

『……ウフ、ウフフ……。もう遅いよ……ママの身体にはもう、僕が宿っているんだから……』

「――なん、ですって?」

『ママはね……僕を〝大いなる神〟として生み直してくれる――聖母様になるんだ』

レティシア・イズ・聖母(●∈∋●)

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[Akuyaku ✕ kekkon] taidana akuyaku kizoku no ore ni, kon'yaku haki sa reta akuyaku reijō ga totsuidara sai kyō no fūfu ni narimashita, 【悪役✕結婚】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Alban Odran. Arrogant, insolent, and――lazy. He condensed all the negative elements into the worst villain. He was a s*um who indulged in power and talent, but he suddenly realized that he was destined to be the ‘villainous noble who would eventually meet ruin.’ This can’t go on like this! Alban thought. To avoid ruin, he begins to put in effort――but then, talk of a marriage proposal comes his way. The one coming to marry him is none other than the discarded villainess. He hears that she’s a problem child who lost her place due to her villainous actions, and Alban is at his wit’s end―― “Huh? Isn’t she a really capable and good wife?” This is the story of what happens when the ‘lazy villainous noble’ and the ‘discarded villainess’ meet, resulting in the most dreadful couple.

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