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[Villain X Marriage] From A Lazy Villainous Nobleman Like Me, The Villainess Daughter Whose Engagement Was Broken Off Has Become My Wife, And Together We Became The Most Formidable Couple – Chapter 229

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《エステル・アップルバリ視点》

「――だらッしゃぁいッ!!!」

王立学園の校庭……その一角で、私は優雅に吼えます。

何故吼えるのか、ですって?

だって私は今、エレガントな高重量挙げに挑戦中だから。

温かくてお日柄もいい筋トレ日和、本日私が挑んでいるのは所謂デッドリフト。

地面に置かれたでっかい鉄の塊を腰の高さまで持ち上げる、超高負荷重量挙げ。

本日は自己ベスト更新を狙って、ド根性を魅せますわ~!

「いいですよエステルさん! そのまま、そのまま……焦らず直立姿勢へ!」

私の傍でトレーナー兼記録係を務めてくださるパウラ先生が、熱の入った声で応援してくださいます。

私が歯を食いしばって持ち上げるおバーベルの総重量は、持ち手棒の重さも込みで602キロ。

左右それぞれに100キロの重りが三枚ずつ付いて、普通ならどう考えても曲がりそうにないぶっとい鉄の持ち手棒が、おバーベルを少し地面から浮かせただけで大きく湾曲。

重力に負けて鉄の棒がぐにゃっと曲がるその様子は、さながら油で揚げる前の柔らかなおチュロスのよう……。

ああ、常人ではしならせることすら不可能な鋼鉄の棒をおチュロスみたいにしてしまうなんて、やっぱり私ってば罪な女……!

おチュロスのような持ち手棒さん……どうか折れないで……!

私の記録達成まで、どうか持ち堪えてくださいまし……ッ!

「エ……エッ……エレガントッ!!!」

私、渾身の咆哮。

背中の筋肉の目一杯のおパワーを込めて、ピンッと背筋を伸ばします。

と同時に、約600キロの鉄塊がビシッと腰の高さまで掲げられました。

「おめでとうございますエステルさん! 自己ベスト更新! 総重量602キロのデッドリフト成功ですよッ!」

パチパチパチ、と笑顔で拍手を送ってくださるパウラ先生。

彼女の言葉を聞いて、私は〝ドスンッ!〟とバーベルを地面に下ろします。

「ゼェ……ゼェ……や、やりましたわ……これでまた一歩、真のお嬢様に近付きましたわね……!」

「全く素晴らしいです! このままいけば、真のお嬢様を超えて筋肉の化身にクラスアップできますね!」

とってもワクワクしたご様子でパウラ先生は健闘を讃えてくださいます。

嫌ですわ、筋肉の化身だなんて!

そんな異名私には勿体なさすぎて、照れちゃいますわ~!

パウラ先生はバインダーに挟まれた用紙に私の記録をメモしつつ、

「エステルさんのいい所は、ただ筋力があるだけではなくて実戦に強い身体作りがなされている部分ですね!深層筋が桁外れに強靭と言いますか、見掛け倒しということが一切ありません」

「フフン、それはそうでしてよ! なにせ私のマッスルビューティーエレガントなお筋肉は、筋トレと喧嘩両方で鍛えられたモノですもの!」

王立学園に入る前の私と言えば、筋トレ、喧嘩、筋トレ、喧嘩、筋トレ、喧嘩、喧嘩、喧嘩……そんな日々でした。

喧嘩喧嘩の毎日で、筋トレ筋トレの毎日で、その日々が自らをお嬢様として磨き上げてくれると信じて――それが私の青春の半生。

手前を信じて、お嬢様道を突っ走り続ける。

それが私の生き方。

それが私を形作った生き様。

今も昔も、そこはちっとも変っておりませんの。

そうして今、私は私の目指すお嬢様に限りなく近付きつつあります。

優雅で、お上品で、エレガントで、筋肉が弾けて、喧嘩が強くて、天下無敵の負け知らずで――。

完璧ですわ。

やはり品格とは強さ!雅とはおパワー!

フフフ、きっと私はピリオドの向こうへ辿り着けてしまうのでしょうね。

「喧嘩という観点でも、エステルさんはやはり一級だと思います! ヴァルランド王国で一番喧嘩が強い女性、それはエステル・アップルバリで間違いありませんね!」

「身に余るお言葉ですわね。最上級の褒め言葉として受け取らせて頂きますわ~!」

ちょっぴり鼻高々になる私。

でも――そこへ至るには、まだ足りなくってよ。

「……けれどパウラ先生、私にはまだ足りないモノがありますの」

「ほう? それはなんでしょう?」

「〝白馬に乗った王子様〟ですわ」

私の脳裏に、あの二人の姿が浮かびます。

いつも幸せそうにして、かけがえのない絆で結ばれた、おバカ夫婦の姿が。

「確かに、私は腕力だけなら誰にも負けなくってよ。ですがそれでも、オードラン男爵やレティシア夫人には勝てないと思いますの」

「……」

「あのおバカ夫婦が手に入れた〝強さ〟は、腕っぷしだけでは得られない……。そうではなくって?」

「オードラン夫妻が持つ〝強さ〟を手に入れるために、エステルさんもパートナーを見つける必要がある、と?」

「いいえ、違いますわ……見つけてもらうんですのよ!」

ドーンッ、と私は胸を張ります。

「真のお嬢様を目指すなら、殿方を追っかけるようではダメでしてよ! お嬢様たる者、殿方には追っかけられてナンボですわッ!」

ええ……そう……。

青い海、焼けるような夕陽、サラサラとした黄色い砂浜。

そんなシチュエーションの中で、王子様がお嬢様を追いかけるんですの。

「ハハハ、待て待て~」(ガチムチ)

「オホホホホ、捕まえてごらんなさ~い」(私)

――っぱコレですわ!

コレこそ理想の王子様とお嬢様ですわ!

理想! それ即ち〝力〟!

〝力〟がおパワーになるならば、私は追いかけられなくっちゃいけませんの!

こっちから見つけて追いかけるようでは、真の〝強さ〟には到達できませんわ!

「私は必ずや、白馬に乗った王子様に追いかけられてみせますの! スタンリー〝サンライズ〟ヨハンセンみたいなガチムチマッチョメンに見初められて、砂浜で追いかけっこしてやりますわ~! オーッホッホッホ!」

「……エステルさんがオードラン夫妻みたいな夫婦になれる日は、だいぶ遠いかもしれませんね~」

パウラ先生はバインダーを腋に挟むと、

「あと……これは私個人の推測と言いますか、年長者の見解なんですけれどね」

「? なんですの?」

「エステルさんはたぶん、〝逆〟になるタイプだと思いますよ」

――〝逆〟?

逆ってどういう意味ですの?

私は頭の上に「???」を浮かべて首を傾げ、聞き返そうとしますけれど――それよりもパウラ先生が言葉を続ける方が早かったですわ。

「なんだかんだ言ってエステルさんは、エステルさん自身の理想とは真逆の男性とお付き合いすることになるタイプだと思います。例えば、華奢で力が弱くて、可愛らしいお顔の――」

「んなっ! じょ、冗談じゃありませんわ!」

いきなりパウラ先生が言い出した話の内容に、私は思わずギョッとしてしまいますの。

「そんなの絶対ゴメンですわ! 私は私より強くてマッチョでお髭が似合う殿方以外認めませんもの! フンだ!」

不貞腐れてそっぽを向く私。

パウラ先生は「……エステルさんより強い殿方となると、見つけるのは至難の業なのでは~?」と遠い目をして仰います。

そんな時、

「――あ、ここにいたのね。エステル~!」

遠くから手を振ってこちらに近付いて来る男女のお姿。

それはオードラン男爵とレティシア夫人のお二人でした。

相変わらず幸せそうにラブラブおバカップルしてらっしゃいますわね、なによりですわ!

……オードラン男爵は、何故か酷く浮かない表情をされてらっしゃるようですけれど。

「あら、お二人ともどうなされたんですの?」

「ええ、実はあなたを探していて」

「私を?」

「そう。あなたに会ってほしい――どうしてもあなたに会いたいって人がいて」

ここには誰がいる……? そう、ヴァルランド王国で一番喧嘩が強ぇ女、エステル・アップルバリがいるのさ(งดี౪ดี)ง

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[Akuyaku ✕ kekkon] taidana akuyaku kizoku no ore ni, kon'yaku haki sa reta akuyaku reijō ga totsuidara sai kyō no fūfu ni narimashita, 【悪役✕結婚】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Alban Odran. Arrogant, insolent, and――lazy. He condensed all the negative elements into the worst villain. He was a s*um who indulged in power and talent, but he suddenly realized that he was destined to be the ‘villainous noble who would eventually meet ruin.’ This can’t go on like this! Alban thought. To avoid ruin, he begins to put in effort――but then, talk of a marriage proposal comes his way. The one coming to marry him is none other than the discarded villainess. He hears that she’s a problem child who lost her place due to her villainous actions, and Alban is at his wit’s end―― “Huh? Isn’t she a really capable and good wife?” This is the story of what happens when the ‘lazy villainous noble’ and the ‘discarded villainess’ meet, resulting in the most dreadful couple.

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